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「で、出たああああ!」
深く寝入っていた男は、細蟹のけたたましい叫び声で目が覚める。
「おい、気をつけろ、ほら足元!」
足元を見ると白蟻がいる。
なぜここに白蟻が…!
素早くハリセンで叩き潰し、体についていないことをお互い確認する。
「とにかくヤバそうだぜぇ。地上に出よう」
地上。初めてこのシェルターに入ってきた時は屋上からだった。
以前、屋上から出ようとした時は、マンホールのような蓋はびくともしなかった。
今はどうだろうか。
一縷の望みを託し、階段を使って地上に出ようとする。
コンコン…。 コンコン…。
セキュリティカードが必要な自動ドアを叩く音が聞こえる。
コンコン…。 コンコン…。
ずっと、同じペースで。
嫌な予感がするが、居住区は白蟻で大騒ぎだ。
歩けない奇病の人が白蟻に襲われる大惨事になっているようだ。
早くここから出る方法を探さなければならない。
だが…。
コンコン…。 コンコン…。
このノックが不気味だ。
扉を開けることを拒んでしまう。
ノックをするということは、誰かがそこにいるということをアピールするということ。
誰かがいる。
この扉の先に、誰かが…。
ふと彼女の血走った顔が浮かび、慌ててかぶりを振る。
それはあり得ない。
エレベーターには男しか乗っていなかった。
コンコン…。 コンコン…。
「おい、どうしたんだよ」
細蟹が不安そうに声をかける。
聞こえないのだろうか、このノックの音が。
コンコン…。 コンコン…。
やはり危険すぎる、と逡巡していると
バチン、と電気が落ちた。
すぐに非常灯が点灯し、補助電源が稼働する。
コンコン…。 コンコン…。
「…誰か、いるのか…?」
話しかけてみるが、返事はない。
数瞬ノックが止まっただけだ。
「おいおい、なんだよ」
コンコン…。 コンコン…。
またノックが始まった。
ノックをする人物に覚えはない。
居たとしても、この地下一階に入れない誰かだ。
男を王子様と慕う、彼女だろうか。
それとも別の何かか。
「開けて、いいんだよな?」
細蟹もさすがに異変に気付いたのか、セキュリティカードを持つ手が震えている。
男は覚悟を決めて、ハリセンを構える。
どんな奴がいても、ハリセンを振るう。
その一心で自動ドアを睨んだ。
「開けるぞ」
細蟹がセキュリティカードを翳すと、男の目に黄色い眼光が映った。
その眼光は足元をすり抜けるように素早く居住区に入ってしまった。
あっけにとられてハリセンも振れなかった。
もしや、とんでもないものを招き入れてしまったのではないか…?
そんな不安に駆られていた。
「なんだ、何もいねぇじゃん」
細蟹の気の抜けた声も、耳に入らなかった。
エレベーターで2階に到着し、屋上を目指す。
しっかりと閉まったマンホールのような蓋はやはり開かなかった。
「開かないか…」
細蟹の顔が曇る。
強化ガラスごしとはいえ、久しぶりに見る外は、青い空からの光に包まれていた。
仕方なく地下一階に戻ると、見たことのある凄惨な光景が広がっていた。
「あああぁぁぁ…」
足がゲル化している者、蟻に食われている者、漂う異臭、ところどころ崩れ、散乱した建物内。
「お、オレ、亜里沙を見てくる!」
ゲル化した中年が、助けを乞うように手を伸ばしてくるが、ひぃ、と悲鳴をあげながら細蟹は走って行った。
男は部屋の様子を探る事にした。
* * *
どの部屋も同じような状況だった。
既にすべての部屋に白蟻や蜘蛛が侵入しており、手遅れだった。
よく見れば喚起ダクトから侵入してきているようだった。
「なんで今更…」
地下二階の事を考えれば、今更喚起ダクトから入ってきているのは、違和感がある。
誰かが、故意に地下一階を残していた…?
誰が?
そんな事が出来そうなのは、コンピュータしかない、と結論付けた男は、目的地へと到着する。
地下一階の管理人室。
何かがあるとすればここだ。
扉に近づくと、自動で扉が開いた。
そして見つかったのは、二人の友人と…
異形の、生物。
「あ…おい、いま来るんじゃ、ない」
細蟹がびくびくと脅えながら、男に気付いて言った。
「細蟹が…魔人と交渉、してるから…」
亜里沙は恐怖で真っ青な顔をしている。
異形の生物は人型をしているが、肌は紫色で一目で人間ではないとわかる。
魔人の左手は細蟹の首に鋭い爪を当て、いつでも命を奪えるという体勢にある。
しかし、男は魔人という存在に懐疑的であった。
そんな物、いるわけがない、と。
「楽しい、話、か… いいもの、を、くれたら、助けてくれる、らしい」
助けてくれるとは、どういう意味だろう。
男は、いま魔人に命を奪われるも、白蟻に食われるのもあまり変わらないと考えていた。
「いいものって…多分、神器だよ…持ってないかな…」
またよくわからない単語が出てきた。
そんなものあるわけがない。
魔人を観察すると、その右手は小さな機械を掴んでいる。
あれはまさか…。
「生命維持装置を、掴まれて、るんだ」
細蟹がどうにもならない、という表情でこちらを見てくる。
『サア…生キル為ニ、選ベ』
魔人の低い声は部屋中に響いた。
喋るとなれば、さすがに不安が増す。
「…ま、待て。俺が話をしよう」
男が提案し、ゆっくりと魔人に近づく。
特に攻撃される気配はない。
俺が取れる選択肢は3つ。
楽しい話というものをひりだすか、神器を渡すか、素早く生命維持装置を取り返すか…。
万が一があってはならない。
ほとんど全滅しているに等しいこのシェルターではあるが、まだ生き残っている人もいる。
悩んだ末、話をしながら、よさそうなものを渡すという選択に出た。
今、いいものといえばハリセンぐらいしかないが…。
俺の話など、この数日間の話しかない。
近づきながら事細かに語っていると、魔人が近づいてきた。
『ソノ話…面白イ』
ほっとした。
多少は心を掴んだらしい。
魔人は俺に椅子に座るよう指示すると、俺の右膝の上に乗ってきた。
体格の割に全く重さを感じないが、緊張してしまう。
細蟹も腰が抜けたようで、その場に座り込み、逃げようとしない。
この探検について話したところ、魔人の機嫌はよくなったようだ。
ここで、いいものを渡せば、きっと満足するはず…。
俺は話を交えつつ、ハリセンを渡した。
魔人の顔が少し険しくなる。
やはり神器というものでなければ、納得されないのだろうか。
上手く話を盛り返しつつ、手元にある物を次々に渡していく。
神器が混じっていることを期待しながら…。
『ヨク分カッタ… 貴様タチニ生キル価値ハナイ…』
突然魔人から鼠が現れ、生命維持装置を破壊した。
一気に周りの景色の風化が進み、細蟹と亜里沙が骨になってしまった。
魔人は黒く変色し、周りの全てのものを吸い込み始めた。
その姿はブラックホールそのもの。
俺も抗えず、黒い空間に吸い込まれた。
* * *
そこには何もなかった。
自分の存在は確かにあるのに、指一本動かすことはできない。
抗う事の出来ない退屈だけが存在し、深い眠りにつくかのように、何も考えなくなった。
脳が溶けるほど何もない時間を、無限に過ごした頃…。
* * *
男が歩いていた。
人の気配のない町を歩いていた。
気が付くと誰もいなかった。
いつしか見た景色だと思っていた。
そして、蟲は危険だと感じていた。
男に記憶は、なかった。
思い出そうとすると、頭の中に靄がかかったようになる。
全てを知っているのに思い出せない。
何度となくこの町に来ている気がするのに、見知った町並なのに。
「…初めて来た町だ…」
そうとしか思えなかった。
何か大切な事を忘れてしまったかのような、永劫続く地獄にいるような不安感。
男は歩く。屋根の上を、軽やかに。
この男を見た事がある、と"俺"は思った。
ああ、そうか。そうだ。
この男は"俺"だ。
"俺"という意識は"俺"を見る事しかできない。
いや、もしかしたら、何かのきっかけで、頭の靄を払ってやれるかもしれない。
きっとこの男は進み続けるのだろう。
人の気配がしないこの町を、どこを目指すわけでもなく、当てもなく歩く。
また、あの役所のようなシェルターを見つけるまで───。
完
深く寝入っていた男は、細蟹のけたたましい叫び声で目が覚める。
「おい、気をつけろ、ほら足元!」
足元を見ると白蟻がいる。
なぜここに白蟻が…!
素早くハリセンで叩き潰し、体についていないことをお互い確認する。
「とにかくヤバそうだぜぇ。地上に出よう」
地上。初めてこのシェルターに入ってきた時は屋上からだった。
以前、屋上から出ようとした時は、マンホールのような蓋はびくともしなかった。
今はどうだろうか。
一縷の望みを託し、階段を使って地上に出ようとする。
コンコン…。 コンコン…。
セキュリティカードが必要な自動ドアを叩く音が聞こえる。
コンコン…。 コンコン…。
ずっと、同じペースで。
嫌な予感がするが、居住区は白蟻で大騒ぎだ。
歩けない奇病の人が白蟻に襲われる大惨事になっているようだ。
早くここから出る方法を探さなければならない。
だが…。
コンコン…。 コンコン…。
このノックが不気味だ。
扉を開けることを拒んでしまう。
ノックをするということは、誰かがそこにいるということをアピールするということ。
誰かがいる。
この扉の先に、誰かが…。
ふと彼女の血走った顔が浮かび、慌ててかぶりを振る。
それはあり得ない。
エレベーターには男しか乗っていなかった。
コンコン…。 コンコン…。
「おい、どうしたんだよ」
細蟹が不安そうに声をかける。
聞こえないのだろうか、このノックの音が。
コンコン…。 コンコン…。
やはり危険すぎる、と逡巡していると
バチン、と電気が落ちた。
すぐに非常灯が点灯し、補助電源が稼働する。
コンコン…。 コンコン…。
「…誰か、いるのか…?」
話しかけてみるが、返事はない。
数瞬ノックが止まっただけだ。
「おいおい、なんだよ」
コンコン…。 コンコン…。
またノックが始まった。
ノックをする人物に覚えはない。
居たとしても、この地下一階に入れない誰かだ。
男を王子様と慕う、彼女だろうか。
それとも別の何かか。
「開けて、いいんだよな?」
細蟹もさすがに異変に気付いたのか、セキュリティカードを持つ手が震えている。
男は覚悟を決めて、ハリセンを構える。
どんな奴がいても、ハリセンを振るう。
その一心で自動ドアを睨んだ。
「開けるぞ」
細蟹がセキュリティカードを翳すと、男の目に黄色い眼光が映った。
その眼光は足元をすり抜けるように素早く居住区に入ってしまった。
あっけにとられてハリセンも振れなかった。
もしや、とんでもないものを招き入れてしまったのではないか…?
そんな不安に駆られていた。
「なんだ、何もいねぇじゃん」
細蟹の気の抜けた声も、耳に入らなかった。
エレベーターで2階に到着し、屋上を目指す。
しっかりと閉まったマンホールのような蓋はやはり開かなかった。
「開かないか…」
細蟹の顔が曇る。
強化ガラスごしとはいえ、久しぶりに見る外は、青い空からの光に包まれていた。
仕方なく地下一階に戻ると、見たことのある凄惨な光景が広がっていた。
「あああぁぁぁ…」
足がゲル化している者、蟻に食われている者、漂う異臭、ところどころ崩れ、散乱した建物内。
「お、オレ、亜里沙を見てくる!」
ゲル化した中年が、助けを乞うように手を伸ばしてくるが、ひぃ、と悲鳴をあげながら細蟹は走って行った。
男は部屋の様子を探る事にした。
* * *
どの部屋も同じような状況だった。
既にすべての部屋に白蟻や蜘蛛が侵入しており、手遅れだった。
よく見れば喚起ダクトから侵入してきているようだった。
「なんで今更…」
地下二階の事を考えれば、今更喚起ダクトから入ってきているのは、違和感がある。
誰かが、故意に地下一階を残していた…?
誰が?
そんな事が出来そうなのは、コンピュータしかない、と結論付けた男は、目的地へと到着する。
地下一階の管理人室。
何かがあるとすればここだ。
扉に近づくと、自動で扉が開いた。
そして見つかったのは、二人の友人と…
異形の、生物。
「あ…おい、いま来るんじゃ、ない」
細蟹がびくびくと脅えながら、男に気付いて言った。
「細蟹が…魔人と交渉、してるから…」
亜里沙は恐怖で真っ青な顔をしている。
異形の生物は人型をしているが、肌は紫色で一目で人間ではないとわかる。
魔人の左手は細蟹の首に鋭い爪を当て、いつでも命を奪えるという体勢にある。
しかし、男は魔人という存在に懐疑的であった。
そんな物、いるわけがない、と。
「楽しい、話、か… いいもの、を、くれたら、助けてくれる、らしい」
助けてくれるとは、どういう意味だろう。
男は、いま魔人に命を奪われるも、白蟻に食われるのもあまり変わらないと考えていた。
「いいものって…多分、神器だよ…持ってないかな…」
またよくわからない単語が出てきた。
そんなものあるわけがない。
魔人を観察すると、その右手は小さな機械を掴んでいる。
あれはまさか…。
「生命維持装置を、掴まれて、るんだ」
細蟹がどうにもならない、という表情でこちらを見てくる。
『サア…生キル為ニ、選ベ』
魔人の低い声は部屋中に響いた。
喋るとなれば、さすがに不安が増す。
「…ま、待て。俺が話をしよう」
男が提案し、ゆっくりと魔人に近づく。
特に攻撃される気配はない。
俺が取れる選択肢は3つ。
楽しい話というものをひりだすか、神器を渡すか、素早く生命維持装置を取り返すか…。
万が一があってはならない。
ほとんど全滅しているに等しいこのシェルターではあるが、まだ生き残っている人もいる。
悩んだ末、話をしながら、よさそうなものを渡すという選択に出た。
今、いいものといえばハリセンぐらいしかないが…。
俺の話など、この数日間の話しかない。
近づきながら事細かに語っていると、魔人が近づいてきた。
『ソノ話…面白イ』
ほっとした。
多少は心を掴んだらしい。
魔人は俺に椅子に座るよう指示すると、俺の右膝の上に乗ってきた。
体格の割に全く重さを感じないが、緊張してしまう。
細蟹も腰が抜けたようで、その場に座り込み、逃げようとしない。
この探検について話したところ、魔人の機嫌はよくなったようだ。
ここで、いいものを渡せば、きっと満足するはず…。
俺は話を交えつつ、ハリセンを渡した。
魔人の顔が少し険しくなる。
やはり神器というものでなければ、納得されないのだろうか。
上手く話を盛り返しつつ、手元にある物を次々に渡していく。
神器が混じっていることを期待しながら…。
『ヨク分カッタ… 貴様タチニ生キル価値ハナイ…』
突然魔人から鼠が現れ、生命維持装置を破壊した。
一気に周りの景色の風化が進み、細蟹と亜里沙が骨になってしまった。
魔人は黒く変色し、周りの全てのものを吸い込み始めた。
その姿はブラックホールそのもの。
俺も抗えず、黒い空間に吸い込まれた。
* * *
そこには何もなかった。
自分の存在は確かにあるのに、指一本動かすことはできない。
抗う事の出来ない退屈だけが存在し、深い眠りにつくかのように、何も考えなくなった。
脳が溶けるほど何もない時間を、無限に過ごした頃…。
* * *
男が歩いていた。
人の気配のない町を歩いていた。
気が付くと誰もいなかった。
いつしか見た景色だと思っていた。
そして、蟲は危険だと感じていた。
男に記憶は、なかった。
思い出そうとすると、頭の中に靄がかかったようになる。
全てを知っているのに思い出せない。
何度となくこの町に来ている気がするのに、見知った町並なのに。
「…初めて来た町だ…」
そうとしか思えなかった。
何か大切な事を忘れてしまったかのような、永劫続く地獄にいるような不安感。
男は歩く。屋根の上を、軽やかに。
この男を見た事がある、と"俺"は思った。
ああ、そうか。そうだ。
この男は"俺"だ。
"俺"という意識は"俺"を見る事しかできない。
いや、もしかしたら、何かのきっかけで、頭の靄を払ってやれるかもしれない。
きっとこの男は進み続けるのだろう。
人の気配がしないこの町を、どこを目指すわけでもなく、当てもなく歩く。
また、あの役所のようなシェルターを見つけるまで───。
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