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第五章 動き出す人々
第六十一話 噂
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時刻は夕方の五時。
夏の陽は高く、赤い夕焼けがホテルの窓に反射して受付開始の時間を告げていた。三十分前に持ち場に戻ったときは、通常業務に従事していた社員たちがちょうど集まり始めたころで、アヤはサボっていた事実を誰に知られることなく雰囲気に溶け込めた。
「……よし」
ホッと息を吐いたのは必然。
何食わぬ顔で「今まできちんと仕事していました」風を装って、アヤは笑みを貼り付ける。
スーツに身を包んで、胸元に名札をさしたアヤは受付カウンターの指定場所に立っていたが、それを不審に思う人はいなかった。と、信じたい。
「いたいた。アヤちゃーーーん」
「本当だ。おーい」
「あ、相園さん、萌由ちゃん。お疲れ様です」
「お疲れ様。ごめんね、時間ギリギリになって」
「いえ、大丈夫です」
手を振りながら姿をみせたのは、同僚の相園カツラと三原萌由の二人。
通常業務を片付けて手伝いにきてくれたのだろう。「今さっき、到着したばかり」だと告げる二人に、アヤは曖昧な笑顔のまま返事をする。
先ほどまで現場にいなかった事実は気付かれていない。
抜けきらない罪悪感を誤魔化す言い訳を吐かなくてよかったことに安心した。
「二人とも、お疲れ様」
「うん。何も問題なかった?」
「え、あ、はい、あ、うん、問題は、なにも」
早鐘を打つ心臓に流れる冷や汗。乾いた声を二回ほどの咳で有耶無耶にして、アヤは二人の持ち場と立ち位置を確認する。
リーダーとして残った仕事は、来場客の集計と照会を週明けにスヲンへ提出するだけ。とりあえず今は会場の持ち場=受付ブースで応対することが最適解。
ちょうど見計らったように「開場します」と、受付開始を告げる男性の声がして、周囲がざわつき始めたのもアヤとしては助かっていた。
「アヤちゃーん。どしたのぉ?」
「……なにが?」
「なんか、いつも以上に可愛いんだけど。オーラがなんていうか、こうピリピリっていうかぁ」
さすが、キラキラ女子は目の付け所が鋭い。
同じくスーツに身を包んだカツラと萌由が、アヤの頭越しに顔を合わせて首をかしげている。
もしかして「バレた」かと思ったが、どうやらそうでもないらしい。とはいえ、アヤは思い当たる心境がひとつだけあることを告げるべきかどうか、営業スマイルの内側で思案していた。
「たしかに、いつもより数割増しで気合い入ってるわね」
萌由に続いてカツラにまで「いつも以上に可愛い」という褒め言葉を投げられる。
それは正しく地雷と同じ。貼り付けていたアヤの口角がぴしりと固まった。
髪は丁寧に編み込んで小さく光るピンで止め、淡い色のブラウスと光沢のあるストッキング。派手さのないナチュラルメイクには、ワンポイントに深色の口紅。いつもと違うイメージで、確かに可愛く仕上がっているのかもしれない。
それでも隠しきれない不機嫌が伝わるのだろう。通り過ぎる視線まで、立ち止まってアヤを眺めていく。
「何か問題でも起こった?」
「誰かにイヤなことされたとか?」
「え、社内の人間、社外の人間?」
「まさか、彼氏と喧嘩でもしちゃったぁ?」
先に言っておくと、隣で同じように来場客を出迎えるカツラや萌由は何も悪くない。これは持ち前のドM根性で新たな性癖と快楽を会得してしまったアヤ自身の体質のせい。
あの情事後のデザートタイムで、勢いよくプリンを口にいれたアヤは、喉を通り抜ける絶妙な感触に顔をしかめて、わかりやすく三人の彼氏に当たり散らした。
つまり、「プリンも食べられなくなった」と、憤慨した子猫に焦った彼氏たちが、お詫びといわんばかりにあの手この手で機嫌をとってくれようとした結果。それが、今のアヤの外見を生み出している。
「もう絶対口でしないから!!」
「そんな無意味な宣言しちゃうアヤも可愛い」
「ロイっ!!」
「そのうち慣れるさ」
「ランディ!?」
「アヤ。そんな顔をしてるとサボっていたのがバレるぞ。せっかく可愛く仕上げたんだから、笑顔で。な?」
「~~~スヲンまで!!」
思い出すまでもなく、胸の辺りがムカムカしている。
アヤは人形みたいに別人に仕上がった外見とは逆に、未だ解消されない怒りをくすぶらせていた。上手く取り繕えないのは、恋愛未経験でもないのに彼氏たちに振り回されている自分の未熟さだとわかっている。
だけど、それは同僚二人に関係ない。
「ううん、喧嘩はしてない。でも、ムカついてる」
「浮気でもされた?」
「浮気はないです」
左側の萌由の質問を小さく否定したアヤは、右側からのカツラの問いはきっぱりと否定した。
あの三人に浮気は想像できない。もし仮に「浮気」が原因だったとしたら、ムカつくどころの事態ではないと、アヤはありもしない想像すら怒りの種に変えていた。
「まぁー、彼氏がスヲン様だと色々心配は尽きなさそうだよねぇ?」
「あれ、あたしはシステム課のランディって人だと思ってた」
「向こうではプリンスと付き合ってるって噂されてたらしいじゃん。でも、スヲン様が本命なんでしょ?」
「どんな人生送れば、あの三人とそんな噂になるのよ」
「マジで、それぇ。萌由てきにはテンションにあがるけど」
「で、実際はどうなの?」
「萌由はスヲン様説を推してるんだけど、こういうのは、やっぱり本人に直接聞くのが一番っしょ。ってなわけで、はい」
「ゴホッ、ごほっ…ぇ…なななな何、その話。だ、誰がそんなこと言ってるの?」
あきらかに挙動不審。
怒りを忘れて、思わずむせてしまったアヤをよそに、左右の二人は笑顔で客をさばいていく。
まばらだった人影も時間が経過していくごとに受付人数を増し、行列を作り始めているのだから、お喋りばかりに意識も向けていられない。
「確認できました、どうぞ」と笑顔で会場へ促す受付のかたわら、そういう会話をしていれば、続きが気になったとしても二人をすぐに問い詰められない。
「誰って、噂だよ。う・わ・さ」
「噂?」
客足がいったん途切れたところで、左隣の萌由がきらきらした瞳を向けてきた。
「プリンス含めて、アヤの彼氏が誰かって結構みんな噂してるんだよ。萌由はスヲン様が濃厚だと思ってたんだけどぉ」
「なんで、どうして?」
「経理課の子が、絶対誰とも二人きりにならないスヲン様がアヤちゃんと二人で会議室から出てくるところ見たっていってたしぃ、アヤちゃんも研修時代からの付き合いって言ってたから辻褄が合うなぁって」
「それだけなら、あたしがシステム部の子に聞いた話の方も濃厚になるわね。ランディ・ニコライだっけ。あの身長で存在感半端ないのに、物腰穏やかで、甘い顔してるでしょ。仕事出来るイケメン狙って声かける子、けっこういたらしいけど大事な女性がいるって、そういう話は一刀両断。基本無視。アヤがシステム部に来たときの対応と全然違うって」
「へ……へぇ」
夏の陽は高く、赤い夕焼けがホテルの窓に反射して受付開始の時間を告げていた。三十分前に持ち場に戻ったときは、通常業務に従事していた社員たちがちょうど集まり始めたころで、アヤはサボっていた事実を誰に知られることなく雰囲気に溶け込めた。
「……よし」
ホッと息を吐いたのは必然。
何食わぬ顔で「今まできちんと仕事していました」風を装って、アヤは笑みを貼り付ける。
スーツに身を包んで、胸元に名札をさしたアヤは受付カウンターの指定場所に立っていたが、それを不審に思う人はいなかった。と、信じたい。
「いたいた。アヤちゃーーーん」
「本当だ。おーい」
「あ、相園さん、萌由ちゃん。お疲れ様です」
「お疲れ様。ごめんね、時間ギリギリになって」
「いえ、大丈夫です」
手を振りながら姿をみせたのは、同僚の相園カツラと三原萌由の二人。
通常業務を片付けて手伝いにきてくれたのだろう。「今さっき、到着したばかり」だと告げる二人に、アヤは曖昧な笑顔のまま返事をする。
先ほどまで現場にいなかった事実は気付かれていない。
抜けきらない罪悪感を誤魔化す言い訳を吐かなくてよかったことに安心した。
「二人とも、お疲れ様」
「うん。何も問題なかった?」
「え、あ、はい、あ、うん、問題は、なにも」
早鐘を打つ心臓に流れる冷や汗。乾いた声を二回ほどの咳で有耶無耶にして、アヤは二人の持ち場と立ち位置を確認する。
リーダーとして残った仕事は、来場客の集計と照会を週明けにスヲンへ提出するだけ。とりあえず今は会場の持ち場=受付ブースで応対することが最適解。
ちょうど見計らったように「開場します」と、受付開始を告げる男性の声がして、周囲がざわつき始めたのもアヤとしては助かっていた。
「アヤちゃーん。どしたのぉ?」
「……なにが?」
「なんか、いつも以上に可愛いんだけど。オーラがなんていうか、こうピリピリっていうかぁ」
さすが、キラキラ女子は目の付け所が鋭い。
同じくスーツに身を包んだカツラと萌由が、アヤの頭越しに顔を合わせて首をかしげている。
もしかして「バレた」かと思ったが、どうやらそうでもないらしい。とはいえ、アヤは思い当たる心境がひとつだけあることを告げるべきかどうか、営業スマイルの内側で思案していた。
「たしかに、いつもより数割増しで気合い入ってるわね」
萌由に続いてカツラにまで「いつも以上に可愛い」という褒め言葉を投げられる。
それは正しく地雷と同じ。貼り付けていたアヤの口角がぴしりと固まった。
髪は丁寧に編み込んで小さく光るピンで止め、淡い色のブラウスと光沢のあるストッキング。派手さのないナチュラルメイクには、ワンポイントに深色の口紅。いつもと違うイメージで、確かに可愛く仕上がっているのかもしれない。
それでも隠しきれない不機嫌が伝わるのだろう。通り過ぎる視線まで、立ち止まってアヤを眺めていく。
「何か問題でも起こった?」
「誰かにイヤなことされたとか?」
「え、社内の人間、社外の人間?」
「まさか、彼氏と喧嘩でもしちゃったぁ?」
先に言っておくと、隣で同じように来場客を出迎えるカツラや萌由は何も悪くない。これは持ち前のドM根性で新たな性癖と快楽を会得してしまったアヤ自身の体質のせい。
あの情事後のデザートタイムで、勢いよくプリンを口にいれたアヤは、喉を通り抜ける絶妙な感触に顔をしかめて、わかりやすく三人の彼氏に当たり散らした。
つまり、「プリンも食べられなくなった」と、憤慨した子猫に焦った彼氏たちが、お詫びといわんばかりにあの手この手で機嫌をとってくれようとした結果。それが、今のアヤの外見を生み出している。
「もう絶対口でしないから!!」
「そんな無意味な宣言しちゃうアヤも可愛い」
「ロイっ!!」
「そのうち慣れるさ」
「ランディ!?」
「アヤ。そんな顔をしてるとサボっていたのがバレるぞ。せっかく可愛く仕上げたんだから、笑顔で。な?」
「~~~スヲンまで!!」
思い出すまでもなく、胸の辺りがムカムカしている。
アヤは人形みたいに別人に仕上がった外見とは逆に、未だ解消されない怒りをくすぶらせていた。上手く取り繕えないのは、恋愛未経験でもないのに彼氏たちに振り回されている自分の未熟さだとわかっている。
だけど、それは同僚二人に関係ない。
「ううん、喧嘩はしてない。でも、ムカついてる」
「浮気でもされた?」
「浮気はないです」
左側の萌由の質問を小さく否定したアヤは、右側からのカツラの問いはきっぱりと否定した。
あの三人に浮気は想像できない。もし仮に「浮気」が原因だったとしたら、ムカつくどころの事態ではないと、アヤはありもしない想像すら怒りの種に変えていた。
「まぁー、彼氏がスヲン様だと色々心配は尽きなさそうだよねぇ?」
「あれ、あたしはシステム課のランディって人だと思ってた」
「向こうではプリンスと付き合ってるって噂されてたらしいじゃん。でも、スヲン様が本命なんでしょ?」
「どんな人生送れば、あの三人とそんな噂になるのよ」
「マジで、それぇ。萌由てきにはテンションにあがるけど」
「で、実際はどうなの?」
「萌由はスヲン様説を推してるんだけど、こういうのは、やっぱり本人に直接聞くのが一番っしょ。ってなわけで、はい」
「ゴホッ、ごほっ…ぇ…なななな何、その話。だ、誰がそんなこと言ってるの?」
あきらかに挙動不審。
怒りを忘れて、思わずむせてしまったアヤをよそに、左右の二人は笑顔で客をさばいていく。
まばらだった人影も時間が経過していくごとに受付人数を増し、行列を作り始めているのだから、お喋りばかりに意識も向けていられない。
「確認できました、どうぞ」と笑顔で会場へ促す受付のかたわら、そういう会話をしていれば、続きが気になったとしても二人をすぐに問い詰められない。
「誰って、噂だよ。う・わ・さ」
「噂?」
客足がいったん途切れたところで、左隣の萌由がきらきらした瞳を向けてきた。
「プリンス含めて、アヤの彼氏が誰かって結構みんな噂してるんだよ。萌由はスヲン様が濃厚だと思ってたんだけどぉ」
「なんで、どうして?」
「経理課の子が、絶対誰とも二人きりにならないスヲン様がアヤちゃんと二人で会議室から出てくるところ見たっていってたしぃ、アヤちゃんも研修時代からの付き合いって言ってたから辻褄が合うなぁって」
「それだけなら、あたしがシステム部の子に聞いた話の方も濃厚になるわね。ランディ・ニコライだっけ。あの身長で存在感半端ないのに、物腰穏やかで、甘い顔してるでしょ。仕事出来るイケメン狙って声かける子、けっこういたらしいけど大事な女性がいるって、そういう話は一刀両断。基本無視。アヤがシステム部に来たときの対応と全然違うって」
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