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第一章 異世界のような現実

第六話 見つめられてイク

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「アヤの好きなようにすればいい」


束ねていた髪を解かれて、スヲンの指に絡めとられる。
その仕草を嬉しく思うのはなぜか、耳たぶを揉む指の優しさに琴線が揺られているせいかもしれない。


「…んっ…ぁ…む」


アヤは、自分からスヲンを両手で包んで、足のあいだにのめり込むように顔を埋める。
初めは舌で竿の上部を遠慮がちに舐めていたが、ぴくんとそれが震えるのがなぜか愛しくなってきて、気付けば口内にそれを迎えていた。
すぼめた唇で吸ったり、唾液をまとわせてしごいたり、本能が示すとおりにアヤは夢中でスヲンのものをしゃぶる。


「こら、やめない」


押さえつけられた後頭部が、アヤの声をくぐもらせる。
ランディが体勢を変えた状態でも潮を吹きだす場所をとらえたらしく、激しい飛沫音がアヤの股から飛び散っていた。


「んーーーー…ッ…あ、ぅッ」

「そう。喉の奥を使って…っ…うまいよ、アヤ」


自然に出る涙をぬぐってくれるスヲンの声が頭上から降り落ちてくる。口を離すことが出来ないので、視線だけを頑張ってあげてみるが、訴える言葉を吐き出せない身では何も伝えられない。


「アヤ、ちょっと我慢しようか」


突然、そう言われてスヲンの両手が頬から後頭部をがっちりと掴む。


「ンンッ」


ランディのせいで絶頂を叫んでいた喉が開いたのをいいことに、スヲンは喉の奥深くまで自分自身を半ば無理矢理突っ込んでいた。
生理的に吐き気が込み上げてくるが、入りきらないスヲンのもので出入口が塞がれてどうすることもできない。ギュッと閉じた目は涙をこぼして舌を動かす。
噛み切るなんてとんでもない。
ランディの指が引き抜かれた身体は、絶頂の余韻に浸っている。


「……ッふ…ンん…っ…」


内部から気道が圧迫されて呼吸が続かない。
飲み込みきれない唾液とスヲンから漏れる液が混ざって、喉の奥から変な音が聞こえてくる。ずっちゃずっちゃと体内をかき混ぜられていくような錯覚。息も声も発することが出来ない。それなのに意識は朦朧と心地よく、口内を擦れていく音に気分が高揚していく。


「あーあ。スヲンってば、本性もう少し隠してくれてもいいのに」

「アヤが喜んでるからいいだろ。床まで濡らしてる」

「それはランディのせいじゃない?」

「感じやすいアヤが悪い」

「だって、アヤ。ランディにあんなこと言われちゃってるよ」


水浸しに等しい床の上でついたヒザがすべる。両手はスヲンの勢いに流されないように頭を掴むスヲンの腕を握っているが、苦しさに支配された世界はその向こうに見え隠れする快楽の気配に戸惑いをにじませていた。


「なに、アヤ。もしかしてスヲンに乱暴されて感じちゃってるの?」


意地悪なロイの声がからかうように背骨を一本の指でなぞる。


「一生懸命咥えて感じてる姿も可愛いけど、一人だけを贔屓しちゃダメでしょ」


そう言われてもどうすればいいのか。
心地よく響く音に頭は朦朧として変な気持ちがこみあげてきている。けれど、贔屓してはいけないと言われれば仕方がない。
アヤの喉がスヲンを拒むように小さく閉じたことで、スヲンはその腰を引き抜いた。


「乱暴とはひどい言われようだ」


取り戻した酸素にむせるアヤの頭をよしよしと撫でるスヲンの声が少し息を荒くしている。
そのまま乱れた髪をまとめて肩にながしてくれた、スヲンの指が垂れたアヤの唇をなぞった。


「可愛かった、よく頑張ったな」


優しく微笑みながらキスをしてくるスヲンを見上げてアヤは固まる。
呆然とスヲンのキスを見送っていたら、なぜか後ろから体が持ち上げられソファーに寝かされた。


「たしかに可愛かったけど、アヤ。ボクのも、して」

「俺はいれる」

「だって、アヤ。スヲンの次はもちろんボクだからね」


顔を横に向けてロイのものを確認する。均整のとれた身体はほどよくしまり、割れた腹筋めがけてそびえたつそれは、雄々しくて立派に見える。
唇に押し当ててくるロイを右手で支えて口に含もうとしたとき、宣言通りスヲンが足の間を割り込んで自身を深く突き刺してきた。


「ふぁっ…ン…」


上からも下からも同じ音が内部めがけて侵略してくる。
床とは違い弾力のある布生地が押し込まれる体を跳ねさせて元に戻し、ロイとスヲンの行動を援助しているようにすら感じてくる。
いつからこんなに淫らな女になったのだろう。
じっとりと汗ばんできた肌は、彼らの行為に悦び、もっともっととどん欲に求めている。


「ンッ…ん…ぁ、ンむ…ぁ」


スヲンの動きに翻弄される意識が、顔にすり寄るロイのものを咥えようと舌を伸ばす。右手で掴んだロイの竿は時々口の中にうまく収まるものの、またすぐに飛び出して頬を叩いた。


「しょうがないな」


本当に手がかかるお姫様だと息をこぼしたのも束の間、ロイは自身の腰をアヤの顔に押し付ける。ソファーの背もたれが邪魔をして引き下がれないアヤは、もちろんそれをむせるほど奥まで差し込まれていた。


「ンンンッ…んぅ…ンッ」


右手で掴んでいた根本の部分のおかげで、なんとか息が続いた。
スヲンにもその苦しみが連動したのか、彼も少し動きを止めて息を整えている。


「ここからの眺め最高」


背もたれの方から覗き込んできたランディの腕が、行き場を失っていたアヤの左手を持ってその甲にキスを落とす。ソファーの海に沈む身体で必死にロイを口に含み、スヲンが起こす波に揺られて輪を描いていた胸をそこから眺めていたのだろう。首筋や鎖骨に張り付いた髪をはがし、耳にかけると、アヤの視線がランディの方を向いた。


「……へぇ」


再び腰を動かし始めたスヲンの声が面白そうに歪む。


「ンッぁ…ぁ…アアッ」


なぜ急により深く体重をかけてきたかなんて、聞かなくても身体が理解している。


「アヤ、全員がアヤのことを見ているよ」

「ッ……ンぁ…はぁ…ッ…ぁ」

「ランディだけじゃなくて、俺もロイも」

「~~~ゃ」


スヲンの指摘にアヤの口がロイを離す。
それまでくぐもっていた声が漏れて、右手で口元を押さえる仕草が限界を訴えようとしていた。


「アヤ、離しちゃダメ」


右手が再びロイの竿に戻されて、その上からロイの手が一緒に重なってくる。このくらい強く握ってほしいと安易に言われてる気がして、アヤはその通り力を込めた。
ランディの指と絡ませ合った左手とロイと重なる右手。
声を抑えるものは奪われてしまった。


「アヤ、唇噛むな」

「…らんで…ぃ…ヤッぁ…恥ずか…し…」

「感じているアヤは最高に可愛いから安心しろ」

「そうそう、ほら。目をちゃんと開けて、ボクたちに見られてるって意識して」

「…ンッぁ…ろ…ぃ…くっ、あ」

「アヤ、みんなの前で一緒にいこう」

「…ァッすを…ンッ…ぁダメ…そこイクッぁ…」


全員に見られている。綺麗な顔に興奮を宿して、光る眼差しが突き刺さってくる。
今この瞬間。三人を独占できている事実が、よりアヤを興奮させていた。


「…っ…あァァアぁッ」


首をそらして弓なりにしなっていく。つま先までピンとはった足はスヲンの手で抑え込まれて、その間に埋まるものを強く締め付ける。熱く放出されたものがずるりと抜けて、アヤの膣口は満足そうにコポッと小さな音をたてた。


「じゃあ、次はボクね」

「待っ…ロイ…いま、イッ…ぁ」

「あ、本当だ。軽い痙攣してる」


しらじらしい。
イッたばかりの身体に無遠慮に突っ込んできた腰が、最奥部まで貫いて静かに停止している。それを恨みがましく見つめると、なぜか嬉しそうに笑ったその顔がずいっと近付いてきた。


「アヤは煽るのがうまいね。今まで何人にそういう顔みせてきたの?」

「んっ…ぁ」

「はい、ほら。今度はランディの咥えて」


脇から抱え起こされてひっくり返される。背もたれのふちに胸が擦れて、突き出したお尻にロイがうまりなおす頃には、アヤはランディのそれを目視していた。


「ああ、高さがちょうどいいな」


ランディはそう言っているが、相変わらずその大きさは凶器のようにそそり立っている。
少し浅黒く、先走りがにじむ尖端はオスの匂いを放って誘い、ロイが腰を引き寄せて輸送を開始するなか、ランディの指がやわやわと耳たぶを揉んで先を促してくる。


「スヲンやロイみたいにしないから安心しろ」


そう言って、頬から耳に向かって肌の表面をなぞるオスの熱さに背筋が泡立つ。


「…っ…ランディ。アヤのナカしまったじゃん」

「そうか。なら、少し乱暴に突っ込んでみるか?」

「~~~ランディ!」

「はは、すまん」

「もう、ただでさえぶっ飛びそうなほどキモチイイってのに、さ。アヤもいちいち感じないでよね」

「ッ…ぁ…はっ……ぁ」


ソファーの背もたれがあってよかったと思う。想像を掻き立ててくるランディの声と背後から突き上げてくるロイのものが、身体の中心を突いてくるせいで力がうまく入らない。


「アヤ、しっかり握れ」


両手がランディのを包み込むように持ち上げられて、握らされたそれを無心でほうばる。言われるがまま、されるがまま。これ以上の快楽はないというほど、串刺しの状態で前後に揺られる。
また聞こえてくる卑猥な音の連続。気持ちいいという感覚。
もっとホシイとねだる欲望が、ロイとランディを貪っていく。


「あッ…ふ……ぁ」


身体が跳ねたのは、ロイやランディのせいじゃない。
胸の先にぶら下がる乳首が、下方向にスヲンの指で引っ張られたせい。


「すぉ…んヤッ、ぁ…そ…ぁ」

「ランディの、ほら。ちゃんと咥えて」

「ンッ、あ……っ…んっ、ン」


ランディの方へスヲンに後頭部を押し込まれる。
ロイが何か文句を言っていたが、それを聞いていられる余裕はなかった。


「ンンンッん…っ…ぁ……ふぁッァアアァ」


自身を引き抜いたロイの指が代わりに膣内をまさぐり、先ほど床を大洪水にさせたのと同じ感覚が下腹部から込み上げてきた。
我慢や抵抗が出来るのなら苦労はしない。
強制的に与えられる潮吹き体験。今回は、ロイの腕を濡らす羽目になったが、その水音に合わせて身体が確実な絶頂を味わっていることをアヤは知っていた。


「ァアァ」


吐き出した蜜の泉を再びロイのモノが押し返してくる。ぐちっと無理矢理栓をするような音がして、下半身同士がこれ以上ないほど密着する。
ランディのものをちゃんと咥えられる余裕なんて残されていなかった。必死に両手で握りながら、舌を出して喘ぐ姿を見下ろされているだけ。


「たまんねぇな」

「ああ、たまんない…ッ…アヤ、出すよ」


ロイの声が背中に上半身の熱を重ねてくる。
そのままスライドした腰の動きになすすべもなく、アヤは見下ろしてくるランディのものを見つめながら、ロイが連れてくる白い世界の中にいた。


「…ぁ…っあぁ…」


ロイがその場所をどいても、アヤはソファーの背もたれに倒れ込んだまま動けない。
両手からランディのものが抜けて、ぐるりと一周回ってきたと思ったら、アヤの身体は正面を向くように、今度は背もたれの方へ預けられる。


「ふぁぁあぁァアッ」


大きく目を見開いて叫んでしまったのは、体勢を変えられた流れで侵入してきたランディの太いオスのせい。


「アヤ、あと半分だ。頑張れ」

「無理ぃ…ぁ…らん…でぃ」


ソファーとランディの間に二つ折りで埋まっていく。
太ももが胸を圧迫するほど織り込まれた体に、許容範囲を超えたものが押し込まれてくる感覚は、頑張ろうと思ってどうにかなるものでもない。


「うわぁ。えろいね」

「ああ。こんな小さな穴にランディのが入っていくとか一種の芸術に近いな」

「あ、全部入った」


小さな悲鳴と共にひきつった息がアヤの中にランディのものが埋まったことを知らせてくる。飲み込みきれなかった唾液がその唇の端から流れているが、これからの刺激を考えればまだ序の口だろう。


「動くぞ」


それはもう死刑宣告に等しかった。
先週に一度体験したことで、貪欲に快楽を求めることを覚えた体は、ランディのものでも順応に感じることを会得したらしい。苦痛よりも快感。挿入のたびに大きな傘に内壁をひっかかれて、アヤの奇声がランディの腕に爪をたてていく。


「ぁ…イクッ…らんでぃッぁあぁ…ヤッぁ」

「何度でもイケばいい」

「やだ…ッ…怖ぃ…ぁッア…おかしくな…ぅ」

「おかしくなればいいさ」

「そ…れぁ…そこぉ…あ…ァっ、きもち…ぃいッ…」

「ここだな」

「~~~~ッひ」


身体をねじって逃げだすことが出来たら。
女が男に勝てる力を持っていれば。
全身が震えるほどの絶頂を味わなくて済んだかもしれない。
イッても止まってくれない。止める術も持っていない。
与えられる狂おしいほどの絶頂の連続から帰ってこれないアヤを追い詰めるように、ランディはソファーにアヤ本体を埋めていくだけ。


「アヤ、すごい。すごいエッチなの出てる」


ロイが興奮したようにランディの向こうで叫んでいるが、きっとスヲンもロイと同じ景色を見ているのだろう。白く泡立つ液体はランディが吐き出したものではない。
ランディにかき回されたアヤの奥深くから溢れ出ている快楽の証拠。
ずぷずぷと効果音さえ聞こえてきそうなほど止まない律動がアヤの理性を飛ばし、欲しがるだけ与えられる刺激に悦びの声をあげている。


「…っ…アヤ」


切なそうなランディの息に、アヤも唇を寄せる。
獣のように求めあったキスの最後にランディが最奥に腰を埋めながら吐き出して、アヤは盛大にその性を投げ出していた。
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