【R18】双璧の愛交花 -Twin Glory-

皐月うしこ

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綴章:八束岳の麓で

07:双璧の愛交花

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「胡涅ちゃん、本当にごめん」

「……私こそ…っ…ごめんなさい」


顔を両手の前で合わせる将充に、胡涅は真っ赤な顔でうつむくしかできない。代わりに朱禅と炉伯がふんっと鼻をならして、将充をにらんだ。


「貴様の存在を忘れていた」

「いいタイミングで入ってきたな、お前」

「だって、毘貴姫さんが、胡涅ちゃんの体調が悪いから声をかけてやれって」


もごもごと活舌が悪いのは、バツが悪い証拠だろう。
朱禅と炉伯が二人がかりで張った結界は、夜叉には効力があっても、ただの人間である将充には効果がなかったのだから仕方がない。


「胡涅の裸体を見た、その目を今すぐつぶしてやりたい」

「だ、ダメだよ、朱禅」

「冗談だ、胡涅。胡涅が悲しむことを俺たちがすると思うか?」

「朱禅と炉伯は、すると思う」


そう答えることができたら、胡涅は左右を囲む赤と青の色に染まらなかったに違いない。
あれから、可哀想な将充が部屋を飛び出ていったのを横目に、朱禅も炉伯も胡涅に埋めていた自身を抜いて、この悲惨な現状の修復に従事し始めた。
すっかり力をそがれた胡涅は、二人の手で、何か決められた衣装とやらを着せられていたが、それに反抗や反論をする余力は残っていない。
見慣れない服を着せてくる二人から、最終仕上げも終わり、ようやく入室の許可を得た将充の謝罪の声は聞こえるが、他にも揃っていることはなんとなくわかる。けれどその姿は見えない。
それどころか、自分の姿もわからない。
赤と青のヒモを混ぜた帯は決まっているようで、それだけは見せてもらったが、姫が外野を見るのはしきたりに反すると、胡涅は目隠しをされて椅子に座っていた。
その方がありがたい。
声だけで、穴があったらうまりたいと思えるのに、将充と他の面々を見れるだけの勇気はない。


「胡涅、夜叉の姿になれるか?」


朱禅に問われて、炉伯の言霊を聞く。
勝手に角や牙が生えてくる感覚を持ったが、本来の姿がこちらだということに、慣れてきている気がする。


「えらい小さいツノやなぁ」

「本当に、牙もきちんと生えているんですか?」


夜叉の姿は本物かと、近くによって覗きこんでくる瀬尾と吟慈の気配がする。


「育つを愛でる楽しみがある」


その声は紘宇だと、穏やかな方に顔を動かしてみれば、ぐいっと炉伯に軌道修正される。
好奇心や反射ですら、自分たち以外には反応するなと言いたいらしい。


「朱禅と炉伯わぁ、ちょっと過保護すぎると思うぅ。それじゃあ、味見もできないぃ」

「仕方ない、仕方ない。つがいを持った夜叉のオスどもはみんなこう、なっ、壬禄」

「それを愛玩の俺に言うんですか?」


ひどいですと泣いているようで笑っているような壬禄の声と、ふわりと香る芋けんぴの匂い。毘貴姫は、いつもどこか楽しそうで、自由に振る舞う。


「あちきはつがいとか面倒なのキライだし、束縛とか絶対いやって知ってるっしょ?」

「夜叉の姫様を愛すると大変、ね、狗墨」

「イヤミか」


壬禄の声にすかさず返した狗墨の声がそこにある。
無意識に耳が声を拾ってしまうのは、藤蜜姫の血の影響だろう。それで言えば、誰よりも一番反応してしまう人は別にいる。


「胡涅ちゃん、キレイだね」


顔が見えないのに表情がわかる。
ふにゃりと笑うあどけない顔をして、将充はそこにいるに違いない。


「胡涅がキレイなのは、今に始まったことではない」

「キレイに見えなきゃ、お前の目は節穴だ」


朱禅と炉伯がまた、ふんっと鼻をならして足を組む。将充に関しては扱いが違うのか、そもそも認識しているジャンルが違うとしか思えない。


「や……それは、その…いつもキレイだって思ってるよ…好き…だし」


どさくさに紛れて何を言うつもりか。将充にいたっては、「今日が特別キレイだってだけで」と、胡涅が目隠しをしているのをいいことに、大胆な発言をしてしまった、本音をついこぼしてしまったと慌てているが、「……あ、ありがとう…ございます」と照れる胡涅にはわからない。
室内の気温が氷点下となり、荒れ狂う嫉妬の嵐は見えない方が幸せに違いない。


「ひゃっ」


突然担ぎ上げられて、思わず「朱禅」「炉伯」と助けを求めたのは、吉とでるか凶とでるか。


「……朱禅…っ…炉伯?」


不安そうに呟いた二回目の呼び掛けで正解だったらしい。ぎゅっと抱き締められた匂いが朱禅のもので安心する。


「朱禅」


すりすりと甘えれば、ほっぺたで撫で返してくれた。けれど、顔に面布が当たるので、今は夜叉の姿なのだろう。
おそらく炉伯も。


「炉伯は?」

「ここだ」


伸ばした手を奪われて、手の甲にそっとキスが落とされる。朱禅と同じように唇と手の甲のあいだに布が一枚挟まっているので、炉伯も夜叉の姿なのだろう。
二人が運ぶ先はどこになるのか。
芋けんぴの匂いが徐々にうすらぎ、自然の匂いが濃くなってくる。
肌寒さから外に出たのだと認識するが、紛れもなく冬の寒さに、どこか寂しげな八束山を想像する。


「………朱禅…炉伯…」


目隠しでは何もわからない。
しゃらんしゃらんと、軽やかな鈴のふれあう音が聞こえ、布の向こうに赤や青の火の玉が浮かんでいる気がする。
不安になって姫抱きで運んでくれる朱禅を見上げてみる。


「胡涅、堂々としていろ」


朱禅が小声で言うので、そうした方がいいのだと、胡涅は背筋を伸ばすことにした。
体裁を保つことには自信がある。
棋風院グループ創始者の孫娘として、これまで世間体を気にして生きてきたのだから、唯一の得意といっても過言ではないと、胡涅は愛想笑いを浮かべて佇まいを直すことにした。


「胡涅、俺たちを信じろ」


炉伯に言われなくても、二人のことは信じている。
朱禅におろされた場所は柔らかな土の上みたいだが、爪先がかじかむのは少し雪が積もっているせいだろう。胡涅は右手を炉伯、左手を朱禅に添えて、二人が進むのに合わせて、一歩ずつ体を前に押し出していく。
姿勢は正しく、微笑みを絶やさず。
求められる姿を意識して、胡涅は朱禅と炉伯に連れられる。


「胡涅ちゃん…本当に…キレイだ」


うるうると、今にも泣き出しそうな将充の声に笑ってしまいそうになる。
そんなことで社長なんてやっていけるのだろうか。ただ、心配はしていない。気弱だけど、やることはしっかりやると知っている。
だから任命した。堂胡と昌紀亡きいま、棋綱製薬の社長に将充を指名したのは胡涅自身。


「えぇ、ぼっ、ぼくが!?」


あの日、堂胡を見送った日から数日は、それはもう、忙しかった。
お通夜、葬式、納骨、挨拶回り。
遺産相続は他に親族が誰もいないので胡涅のものになったが、胡涅は「管理出来ない」と、朱禅と炉伯に預けている。


「狗墨や、壬禄さんみたいに、夜叉として生きにくい時代で生きる人たちのために何かしたい」


そう告げた時は至極嫌な顔をされたものの、結果として朱禅も炉伯も定期的に胡涅が現世に足を運ぶのを受け入れてくれた。その代わり、閨では「何をしてもいい」という約束事を取り付けられたが、二人は約束を守り、現にこうして、胡涅は一生閉じ込められるはずの閨から帰ってきている。


「夜叉と人間が一緒に生きられる時代は来るかな?」

「胡涅がそう望むのであれば」

「我らが良い例になればいい」


世間一般に報じられたニュースでは、堂胡は心不全で、かけつけた副代表の昌紀は不慮の事故となった。棋風院グループは、残された孫娘に後継を命じたが、胡涅は将充が適任だとして会社を託すことにした。


「貴様は貴様なりの責任を取れ」

「胡涅を人間として生かしたいんだろ?」


朱禅と炉伯に脅されたことを抜きにしても、将充は「わかった」と自分の口で承諾した以上、役目を全うしてくれると信じている。
そういうヒトだと信じられるのは、やはり体内に流れる藤蜜姫の血のせいかもしれない。


「………藤?」


白い雪がちらつく寒さなのに、季節外れの藤の匂いがする。
あの日は秋も半ばだったはずなのに、世界はいつの間に白い雪が降る季節になってしまったのだろう。閨から狭間路を通って戻ってきた人間の世界は、いつの間にか季節を冬にして、それなのに初夏に咲くはずの藤の匂いが濃くなってくる。


「胡涅」


その声に、藤蜜姫の存在がすぐ近くにあるのだとわかった。
周囲の気配が一段とさがるのがわかる。
その時になって初めて、胡涅は周囲に無数の夜叉の気配があることを知った。
皆がひざをつき、頭を下げ、目の前にいるひとり、いや二人の夜叉に敬意を示している。


「そのままでよい」


夜叉の王。翁呻(おおうな)の声に、胡涅はしゃがみかけた姿勢を戻す。


「本当に善い愛交花だ、なぁ。藤蜜」

「当たり前じゃ、わらわの娘ぞ。そんじょそこらの夜叉と一緒にされては困る」


ふんっと、高飛車な藤蜜姫の声に安心すると言えば怒られるだろうか。
山となった王と、その寵姫。本来であれば接することのできない二人の存在が目の前にある事実に、恐れるどころか、懐かしいと感じてしまう。


「胡涅」

「はっ、はい」

「うぬが夜叉の道を選んだときから、うぬはわらわの娘じゃ。いつでも会おう。まあ、このうるさいのも一緒じゃがな」

「一緒で何が悪い。二百年も待たされたのだぞ。片時も離れるものか。わしらの娘のお披露目会でなければ、閨に籠っていたかった」

「……え、お披露目会?」


ひとり、何も知らされていなかった胡涅だけが首をかしげる。


「そうじゃ、胡涅。うぬは現世に生きる新たな夜叉の姫として、今宵は、みなみなに顔見せをする。わらわの娘じゃぞ、末端にまで知らしめておく必要が……聞いておらぬのか?」

「……はい」


朱禅と炉伯が、しれっとした態度をしているのが想像できる。
自分の夫たちは、恐れを知らなすぎると、肩の力が抜けていくのがわかる。


「なに、案ずることはない。夜叉の成人の儀式とつがいとの婚儀と、もろもろの祝言をひとくくりにした行事だ」


わははと翁呻は笑っているが、それは大した行事に値するのではないだろうか。成人の儀といわれても、夜叉の成人が何を意味するのかはわからないし、つがいとの婚儀とは、人間で言うところの結婚式でいいのだろうか。
いつの間にそんな話になっていたのか、わからなくて焦っていると、藤蜜姫にそっと両頬に触れられたのがわかった。


「うぬは何色の瞳を望む」

「……え?」

「わらわからの祝いだ。夜叉はみな、己を表す花と瞳の色を持つ」

「花は朱禅と炉伯が勝手に決めたようだがな」


刻んでしまったものは仕方がないというので、胡涅の愛交花は、朱禅と炉伯の肌に描かれたあの朝顔みたいな花と決まってしまった。今後、胡涅への愛を誓うオスは、みんな肌に無数の花を刻むと藤蜜姫はどこか楽しそうだが、翁呻にとっては複雑な気持ちもあるだろう。


「そのうち、刻む花の数で競いそうだな」

「うぬが藤花を全身に刻もうとしたようにか?」

「で、何色か決めたか?」


咳払いで話題をそらせた翁呻に、胡涅も姿勢を正す。
藤蜜姫と仲が良いようで何よりだと、夫婦らしい一面に安堵している場合ではない。状況を鑑みれば、とても大事な式典の主役として招待されているのだから、真面目に答える必要がある。


「本当に私が決めちゃっていいんですか?」

「当然だ。しかし、一生ものだからな大切な一度きりだ、よく考えて答えよ」

「じゃ、じゃあ、朱禅と炉伯とお揃いがいいです」


食い気味で伝えてしまったのは、とっさに浮かんだ色が、いつもキレイだと思っていた赤と青だからに他ならない。
好きな色を選べといわれて一色に選べないのも仕方がない。


「本当にそれでよいのか?」


藤蜜姫は乗り気じゃない。「男の色に染まるなんぞ、理解不能じゃ」と嘆いているのが本音だろう。それでも、と胡涅は伝えた。


「ずっと一緒に生きていくから」


朱禅と炉伯の色がいい。
そう伝えた胡涅は、目隠しの上から何か生温かな刺激を感じて口を閉じる。
もっと痛みや痺れがあると思っていたのに、ふわふわと心地いい温もりが持続している。これならどれだけ時間がかかっても大丈夫そうだと、肩の力を抜いたとき、どこか釈然としない藤蜜姫と、上出来だと嬉しそうな翁呻の声が、同時に「いいぞ」と目隠しを取り外してくれた。
はらりと、布がはだけて、一面の風景に息をのむ。
何千、何万の夜叉がひざをつき、頭を下げて参列し、そして藤蜜姫の「顔をあげよ」の一言で顔をあげた。


「……おお」


その感嘆の息は、誰のものだったか。
胡涅は軍隊でもここまで揃わないと思われる凄惨ぶりに息をのんでいたし、集まった参列者たちは右目に青と左目に赤を持つ新しい姫の誕生を拝んでいた。


「胡涅」


感激のあまり、言葉にならないらしい朱禅と炉伯が、まるで老人のように震える手で近付いてくる。


「一生、胡涅を愛そう」

「未来永劫、胡涅に尽くそう」


抱きついて、キスの嵐をふらせてくる二人の腕のなかで胡涅もうなずく。
つらいときもあったけれど、困難なこともあるけれど、それでもきっと、二人と一緒ならいつまでも幸せでいられる気がするから。


「朱禅、炉伯」


双子夜叉の瞳と同じ、赤と青に世界を映して、いつまでも共に生きていく。
疼く命に夜叉を宿して。



<完>
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