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第捌章:愛を交わす花
03:幼い牙
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少し泣きそうな顔で、驚きに目を見張った顔で、器用に笑うのを他に何と表現すればいいのか。
「胡涅」
二人そろって抱きしめられる。四本の太い腕に抱きしめられると、二人の匂いに閉じ込められるみたいに胸がいっぱいになってくる。
「口あけろ」
炉伯の言葉を胡涅は素直に体現した。それを覗き込んだ朱禅と炉伯は、やはり泣きそうなほど嬉しそうな顔をしている。
「胡涅は歯が生えたばかりの赤子のようだな」
「疼くだろう、胡涅。見せてみろ」
何をどうすればいいのか、わからないまま、胡涅は炉伯に顔を掴まれて口の中を覗き込まれる。
そこにはお世辞程度に尖った牙があり、炉伯はそれを分厚い舌でべろりと舐めた。
「なッゃ…ャッ…ぁ……ぅ」
「逃げるな、胡涅」
「ァっ…ゃ……ンッむ……ん」
びりびりとよくわからない痺れに驚いて身体をよじっても、朱禅の上に座りながら、炉伯からは逃げられない。
「ヒャッ……ァ」
胸の先端に吸い付くなら前もって教えて欲しいと、胡涅が朱禅の髪を引っ張っても、肩を押しても無駄な話。真っ白の色が目の前を踊って、自然とのけぞる身体を抱き寄せられて、キスと愛撫を受け入れるしかない。
「違ぅ、ャッ…そ……ひゃァ」
異常なほどビリビリとした神経の震えを感じて、それが連動した乳首と舌先に甘えを覚えて、胡涅の肩がピクリと跳ねる。
勝手に快感を逃がそうとする身体を抱き寄せられて、炉伯の匂いと朱禅の愛撫のなかで胡涅はくぐもる声で絶頂に震えていた。
「……ッ、ぅ……ぁ」
何かがおかしい。
何かが違うと感じても、もう収まる気配もなくて泣きたくなる。
「炉ぁ…くっ…しゅ、禅」
触れて、しがみつきたい存在を呼んで、回転しながら倒れていく先で、埋もれるのはシーツの海。左に朱禅と右に炉伯。それぞれに足を持ち上げられ、赤と青の瞳が眺める先で、同時に割れ目を指できつくなでられる。
「ッ、ァ」
引っ掛かりを覚えた淫核が気に入ったのだろう。ふたりとも指だけで交互に触れてくるせいで、舌で舐められているような錯覚がしてくる。それほどまで濡れているのか。
恥ずかしさで上へと逃げようとした頭を朱禅と炉伯の腕が囲いのように防いで、さらにクリトリスを弾く指は加速していく。
「ヒッぁ゛…ッ…イく…ぃくィッぁ゛」
のけぞって、行き場のない両手で口を防いでやり過ごす。自分でも面白いくらいに腰が上下に暴れて、朱禅と炉伯にいかされているのがわかる。
可愛くない声が出ていく。
聞かれたくないのに、聴かせたくないのに、涙とよだれが溢れるほど感じてしまう。
「指でこれしき、あとがもたんぞ」
「ァっ…朱禅…ンッん、ぁ」
「胡涅、見てみろ。お前の蜜は俺たちの手首まで濡らす」
「ャッあっ…炉伯…ャ、だ」
濡れた指を見せつけて、照りつくそれを舐める炉伯の顔が色気に満ちて目のやり場に困る。けれど、目が離せずにじっと見つめていたら、突然、拗ねた朱禅に二本の指を膣内にねじこまれた。
「ひぃャッ、ぁァアァッ」
くすくすと笑われるのは、呆気なく達してしまった上に、甲高く掠れた声で鳴いてしまったせい。
パチパチと星を見て放心している胡涅を起こすように、朱禅の指は内壁をえぐり始める。
「ャッ朱禅…そ、りぇ…ダッめ」
「ここが好きか?」
「チガッ…ぅ゛ッ…ぁ、イくッイくからぁぁ」
今度は腰を深く埋める胡涅の様子に、頭上の双子はくすくすと笑っていた。
「胡涅、漏らすほどよかったか」
妬けるなと、炉伯が涙に濡れた目尻を舐めてくるが、股の間から放出される黄色の液体には泣くしかない。
「やだぁ…も、ヤァ…朱禅…ッ…ァっ…」
イくと思ったときには、何もかも噴き出していた。
朱禅がいじめるせいで炉伯の方に顔と手が逃げてしまったのは仕方ない。
「炉伯…っ…ろ、ァっ」
「よいのか、それで」
追いかけてきた朱禅の声が耳をはんで、ついでに持ち上げられた足の間に腰をあてがわれる。
「片割れを贔屓すると痛い目を見るぞ」
「……ァっ…ぅ」
指など比ではない圧迫感に、押し上げられた内臓が、危機を悟って息を止める。
それだけならまだしも、イタズラに触れてきた炉伯の指が胸を揉みだし、滑るようにキスを求めてくる。
「ァ…や、ら…ッぅ……ンッぁ」
贔屓するつもりはなくても、炉伯の唇と舌に答える声はもつれあう。
固く尖った乳首をつねられ、引っ掛かれて、勝手に身体が跳ねてしまう。
「くァっ…ぁ゛…ぅ、ぁ」
腰のラインが歪むほど掴まれ、曲げた肌に向かって恥骨がぶつかり、朱禅の怒りが突き上げるように迫ってくる。右足の上にまたがってくるせいで、必然的に左足があがり、朱禅の動きにあわせてブラブラ揺れているが、何でも享受してしまう身体は鈍痛に喜び、悲鳴じみた声で絶頂に泣く。
「ぃ…クッ…ィ゛ぐぅ…ッ…ぃって…る」
「ああ、そうだな」
「ヤぁ゛…そ、れ…ャッぅ゛」
ぐちゃぐちゃとかき混ぜられる音が、卑猥に響いて、奥からとめどなく愛があふれてくるのがわかる。合間にキスを交わし、濡れるたびになぜか身体の痛みが和らいでいく。
「胡涅、おいで」
右足から身体をどかした朱禅に、上に逃げようと、もがいていた腰ごとぐいっと引き戻され、膝裏を折り畳まれるように体勢を整えられて、胡涅は泣いた。押し潰す形で腰を沈めてきた朱禅の行為が原因だと、泣き声に合わせて胡涅の足先がぴんと張りつめていた。
「一番深い部分で果てるか」
「ずるいぞ、朱禅。胡涅の手くらい寄越せ」
「しばし待て、今は我が喰わせる」
胡涅の頭を抱きこんだ朱禅は、胡涅の上半身をすっぽりと包み込んだ状態でニヤリと笑う。二つに折り曲げられた胡涅の身体は、朱禅が体重を垂直に下ろすたびにうめき声を漏らし、始終愛蜜を噴き出しているのだから愉悦が込み上げて、止まらないのかもしれない。朱禅が打ち付けるたびに卑猥な水音が鳴っているが、顔の見えない胡涅の状態は泣き声以外、確認できない。
朱禅の肩と腕の間から飛び出る胡涅の足だけが、軽やかに踊っている。時折、変な震えかたをしているが、朱禅と交わす口づけの向こう側で叫ぶ言葉を聞く限りでは、心配無用だろう。
「朱禅、早く代われ」
「そう急かすな…ッ…胡涅に食われる」
どこか恍惚として嬉しそうな朱禅が、胡涅を抱きよせて潰していく。炉伯は天に向かって跳ねる胡涅の足先をふて腐れたように眺めていた。
「胡涅…ッ…嗚呼、愛しいやつだ。我はそんなにうまいか?」
一番激しい突き上げの最後に、奥の方まで注いだ朱禅が、ようやく上体を起こして胡涅の顔を覗き込む。視線が定まらず、だらしなく口をあけて舌を垂らし、ひくひくと嗚咽と涙とよだれに濡れた顔で、胡涅は痙攣していたが、それを見たかったと微笑む顔は、夜叉らしいといえば夜叉らしい。
「胡涅、俺のも喰え」
朱禅を押し退けるように炉伯が割りいってくる。ぐちゃりと糸を引いたそこに埋まった圧力に、胡涅は硬直したが、先の朱禅同様。再び作られた腕の棺桶に閉じ込められて、数十分の果てを旅する羽目になっていた。
「……ッぁ……ぉ゛…オォ…ぐ…」
人語を忘れて、ぐちゃぐちゃと膣に注がれる精液を咀嚼するしかできない。それ以外にできない、させてくれない。
いっているのに止まってくれなくて、怖いとかイヤだとか、時々戻る理性に触発された抵抗を押さえ込まれて、なだめられて、暴れることもできずに蜜を送り込まれる。
「ィっぐ、ぉッ……ぁ、ぅ゛…ゃ…ァ」
「いい子だな、胡涅」
「奥…そ、りぇ…らっめ……ィッ」
静かに止まる息の代わりに、聞いたことのない脈拍で動く心音。腹の内に熱いものが注がれ、満ち溢れていくのがわかる。
朱禅と同じ場所にたどり着いた炉伯のものが混ざりあっていく、溶けていく。
炉伯が抱き締める腕を緩めて、ようやく胡涅を覗き込んだときには、無様に泣き濡れた胡涅の顔があるだけだった。
「胡涅、うまいか?」
「ろ、は……ぅ゛…ヒッ…ヤァァっ」
「うまいか?」
「おい…じぃ…ぉ…っしで、しゅ」
耳をかじるように囁かれ、乳首をひねりあげられ、罰だと言わんばかりに腰を打ち付けられたら首をたてに振るしかない。
うんうんと、必死で「おいしい」と伝える胡涅に満足したのか「そうか」と炉伯が額にキスを送ってくる。
「夜叉の血は人間の体液を栄養価にして育つが、人間の味を覚える必要はない」
「我ら夜叉の体液は人間以上の栄養価を誇る」
「つがいとなれば、なおさら。互いの液だけで万年は生きられるぞ」
馴染んだ腰は、注がれた液体を浸潤させて、汗ばむ肌に乱れた髪をまとう。そうして、頬に張り付いた髪を炉伯の指先がすいて、やっと終わると胡涅はホッと全身の力を抜いた。
「胡涅」
二人そろって抱きしめられる。四本の太い腕に抱きしめられると、二人の匂いに閉じ込められるみたいに胸がいっぱいになってくる。
「口あけろ」
炉伯の言葉を胡涅は素直に体現した。それを覗き込んだ朱禅と炉伯は、やはり泣きそうなほど嬉しそうな顔をしている。
「胡涅は歯が生えたばかりの赤子のようだな」
「疼くだろう、胡涅。見せてみろ」
何をどうすればいいのか、わからないまま、胡涅は炉伯に顔を掴まれて口の中を覗き込まれる。
そこにはお世辞程度に尖った牙があり、炉伯はそれを分厚い舌でべろりと舐めた。
「なッゃ…ャッ…ぁ……ぅ」
「逃げるな、胡涅」
「ァっ…ゃ……ンッむ……ん」
びりびりとよくわからない痺れに驚いて身体をよじっても、朱禅の上に座りながら、炉伯からは逃げられない。
「ヒャッ……ァ」
胸の先端に吸い付くなら前もって教えて欲しいと、胡涅が朱禅の髪を引っ張っても、肩を押しても無駄な話。真っ白の色が目の前を踊って、自然とのけぞる身体を抱き寄せられて、キスと愛撫を受け入れるしかない。
「違ぅ、ャッ…そ……ひゃァ」
異常なほどビリビリとした神経の震えを感じて、それが連動した乳首と舌先に甘えを覚えて、胡涅の肩がピクリと跳ねる。
勝手に快感を逃がそうとする身体を抱き寄せられて、炉伯の匂いと朱禅の愛撫のなかで胡涅はくぐもる声で絶頂に震えていた。
「……ッ、ぅ……ぁ」
何かがおかしい。
何かが違うと感じても、もう収まる気配もなくて泣きたくなる。
「炉ぁ…くっ…しゅ、禅」
触れて、しがみつきたい存在を呼んで、回転しながら倒れていく先で、埋もれるのはシーツの海。左に朱禅と右に炉伯。それぞれに足を持ち上げられ、赤と青の瞳が眺める先で、同時に割れ目を指できつくなでられる。
「ッ、ァ」
引っ掛かりを覚えた淫核が気に入ったのだろう。ふたりとも指だけで交互に触れてくるせいで、舌で舐められているような錯覚がしてくる。それほどまで濡れているのか。
恥ずかしさで上へと逃げようとした頭を朱禅と炉伯の腕が囲いのように防いで、さらにクリトリスを弾く指は加速していく。
「ヒッぁ゛…ッ…イく…ぃくィッぁ゛」
のけぞって、行き場のない両手で口を防いでやり過ごす。自分でも面白いくらいに腰が上下に暴れて、朱禅と炉伯にいかされているのがわかる。
可愛くない声が出ていく。
聞かれたくないのに、聴かせたくないのに、涙とよだれが溢れるほど感じてしまう。
「指でこれしき、あとがもたんぞ」
「ァっ…朱禅…ンッん、ぁ」
「胡涅、見てみろ。お前の蜜は俺たちの手首まで濡らす」
「ャッあっ…炉伯…ャ、だ」
濡れた指を見せつけて、照りつくそれを舐める炉伯の顔が色気に満ちて目のやり場に困る。けれど、目が離せずにじっと見つめていたら、突然、拗ねた朱禅に二本の指を膣内にねじこまれた。
「ひぃャッ、ぁァアァッ」
くすくすと笑われるのは、呆気なく達してしまった上に、甲高く掠れた声で鳴いてしまったせい。
パチパチと星を見て放心している胡涅を起こすように、朱禅の指は内壁をえぐり始める。
「ャッ朱禅…そ、りぇ…ダッめ」
「ここが好きか?」
「チガッ…ぅ゛ッ…ぁ、イくッイくからぁぁ」
今度は腰を深く埋める胡涅の様子に、頭上の双子はくすくすと笑っていた。
「胡涅、漏らすほどよかったか」
妬けるなと、炉伯が涙に濡れた目尻を舐めてくるが、股の間から放出される黄色の液体には泣くしかない。
「やだぁ…も、ヤァ…朱禅…ッ…ァっ…」
イくと思ったときには、何もかも噴き出していた。
朱禅がいじめるせいで炉伯の方に顔と手が逃げてしまったのは仕方ない。
「炉伯…っ…ろ、ァっ」
「よいのか、それで」
追いかけてきた朱禅の声が耳をはんで、ついでに持ち上げられた足の間に腰をあてがわれる。
「片割れを贔屓すると痛い目を見るぞ」
「……ァっ…ぅ」
指など比ではない圧迫感に、押し上げられた内臓が、危機を悟って息を止める。
それだけならまだしも、イタズラに触れてきた炉伯の指が胸を揉みだし、滑るようにキスを求めてくる。
「ァ…や、ら…ッぅ……ンッぁ」
贔屓するつもりはなくても、炉伯の唇と舌に答える声はもつれあう。
固く尖った乳首をつねられ、引っ掛かれて、勝手に身体が跳ねてしまう。
「くァっ…ぁ゛…ぅ、ぁ」
腰のラインが歪むほど掴まれ、曲げた肌に向かって恥骨がぶつかり、朱禅の怒りが突き上げるように迫ってくる。右足の上にまたがってくるせいで、必然的に左足があがり、朱禅の動きにあわせてブラブラ揺れているが、何でも享受してしまう身体は鈍痛に喜び、悲鳴じみた声で絶頂に泣く。
「ぃ…クッ…ィ゛ぐぅ…ッ…ぃって…る」
「ああ、そうだな」
「ヤぁ゛…そ、れ…ャッぅ゛」
ぐちゃぐちゃとかき混ぜられる音が、卑猥に響いて、奥からとめどなく愛があふれてくるのがわかる。合間にキスを交わし、濡れるたびになぜか身体の痛みが和らいでいく。
「胡涅、おいで」
右足から身体をどかした朱禅に、上に逃げようと、もがいていた腰ごとぐいっと引き戻され、膝裏を折り畳まれるように体勢を整えられて、胡涅は泣いた。押し潰す形で腰を沈めてきた朱禅の行為が原因だと、泣き声に合わせて胡涅の足先がぴんと張りつめていた。
「一番深い部分で果てるか」
「ずるいぞ、朱禅。胡涅の手くらい寄越せ」
「しばし待て、今は我が喰わせる」
胡涅の頭を抱きこんだ朱禅は、胡涅の上半身をすっぽりと包み込んだ状態でニヤリと笑う。二つに折り曲げられた胡涅の身体は、朱禅が体重を垂直に下ろすたびにうめき声を漏らし、始終愛蜜を噴き出しているのだから愉悦が込み上げて、止まらないのかもしれない。朱禅が打ち付けるたびに卑猥な水音が鳴っているが、顔の見えない胡涅の状態は泣き声以外、確認できない。
朱禅の肩と腕の間から飛び出る胡涅の足だけが、軽やかに踊っている。時折、変な震えかたをしているが、朱禅と交わす口づけの向こう側で叫ぶ言葉を聞く限りでは、心配無用だろう。
「朱禅、早く代われ」
「そう急かすな…ッ…胡涅に食われる」
どこか恍惚として嬉しそうな朱禅が、胡涅を抱きよせて潰していく。炉伯は天に向かって跳ねる胡涅の足先をふて腐れたように眺めていた。
「胡涅…ッ…嗚呼、愛しいやつだ。我はそんなにうまいか?」
一番激しい突き上げの最後に、奥の方まで注いだ朱禅が、ようやく上体を起こして胡涅の顔を覗き込む。視線が定まらず、だらしなく口をあけて舌を垂らし、ひくひくと嗚咽と涙とよだれに濡れた顔で、胡涅は痙攣していたが、それを見たかったと微笑む顔は、夜叉らしいといえば夜叉らしい。
「胡涅、俺のも喰え」
朱禅を押し退けるように炉伯が割りいってくる。ぐちゃりと糸を引いたそこに埋まった圧力に、胡涅は硬直したが、先の朱禅同様。再び作られた腕の棺桶に閉じ込められて、数十分の果てを旅する羽目になっていた。
「……ッぁ……ぉ゛…オォ…ぐ…」
人語を忘れて、ぐちゃぐちゃと膣に注がれる精液を咀嚼するしかできない。それ以外にできない、させてくれない。
いっているのに止まってくれなくて、怖いとかイヤだとか、時々戻る理性に触発された抵抗を押さえ込まれて、なだめられて、暴れることもできずに蜜を送り込まれる。
「ィっぐ、ぉッ……ぁ、ぅ゛…ゃ…ァ」
「いい子だな、胡涅」
「奥…そ、りぇ…らっめ……ィッ」
静かに止まる息の代わりに、聞いたことのない脈拍で動く心音。腹の内に熱いものが注がれ、満ち溢れていくのがわかる。
朱禅と同じ場所にたどり着いた炉伯のものが混ざりあっていく、溶けていく。
炉伯が抱き締める腕を緩めて、ようやく胡涅を覗き込んだときには、無様に泣き濡れた胡涅の顔があるだけだった。
「胡涅、うまいか?」
「ろ、は……ぅ゛…ヒッ…ヤァァっ」
「うまいか?」
「おい…じぃ…ぉ…っしで、しゅ」
耳をかじるように囁かれ、乳首をひねりあげられ、罰だと言わんばかりに腰を打ち付けられたら首をたてに振るしかない。
うんうんと、必死で「おいしい」と伝える胡涅に満足したのか「そうか」と炉伯が額にキスを送ってくる。
「夜叉の血は人間の体液を栄養価にして育つが、人間の味を覚える必要はない」
「我ら夜叉の体液は人間以上の栄養価を誇る」
「つがいとなれば、なおさら。互いの液だけで万年は生きられるぞ」
馴染んだ腰は、注がれた液体を浸潤させて、汗ばむ肌に乱れた髪をまとう。そうして、頬に張り付いた髪を炉伯の指先がすいて、やっと終わると胡涅はホッと全身の力を抜いた。
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