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第弐章:崩壊の足音
(閑話)Side朱禅
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「つがい」という単語の存在は、耳にしたことがある程度で、我らはどこかでそれをバカにしていた。
我と炉伯は、何千年と生きる祖先種といわれるが、我らはいつ終わるともしれない命をたったひとりに縛られることを心底嫌っていた。
特に、夜叉は血の濃さで序列が決まり、稀少な女の方が優位にある。我らの血の濃さであれば、現代に生きる夜叉のほとんどは下位の存在として相手にもならない。命じれば、誰もが蜜を差し出すことを当然として、それを微塵も疑うことはないだろう。
「朱禅」
それなのに、これはいったいどうしたものか。
「ねぇ、朱禅ってば」
我の服を自由に掴み、偉そうに体を寄せる女が、この世の何より愛しいと思う。
黒い髪、黒い瞳、いや、色素が薄いのか、時折、光のいたずらで茶色に見えることもあるなと、訴える胡涅の瞳を見つめた。
立てば、かがんで覗き込まなければ見えない瞳もソファーに座っていれば、雑作もない。我は腕辺りの生地をギュッと握りしめる胡涅に目を細めた。
「胡涅、服を引っ張るな」
かまってほしいのだろう。
先ほどまで炉伯の腕のなかで配信アニメとやらを見ていたはずだが、なるほど、炉伯が洗濯物を取り込みに席を立ったらしい。
「引っ張ってない。さっきから呼んでるのに、無視する朱禅が悪い」
注意をしても、どこ吹く風。本気で自分は悪くないと思っている顔をしている。
少々、甘やかしすぎか。とはいえ、我をしきりに呼ぶ声が愛らしいからと、からかい半分にわざと無視をしているのだからお互い様か。
「ねぇ、朱禅…っ…朱禅?」
服を引っ張るのをあきらめて、ソファーに座って本を読んでいる我の上に、胡涅はよじのぼってくる。
「はしたないぞ」
そう注意したところで、胡涅が聞くわけはない。「ふん」っと唇を尖らせて、わざと視線を合わせない。
一目で拗ねているとわかる態度に笑いが込み上げてくるが、ここで本当に笑っては胡涅の機嫌を本気で損ねかねないのでじっと耐える。
「はしたなくない。朱禅の耳が遠いようだから近くに寄ってあげてるの」
「なるほど」
「これで、無視はできないでしょ?」
自分の願いが必ず叶うと信じている瞳を見る限りでは、胡涅は自分の行いが「迷惑」というものに該当するということが「絶対にない」とわかっている。
まったくどれほどワガママなのか。
そんな風に育てた覚えはないが、胡涅が十八から数えて六年、共に過ごしていれば慣れもあるかと、我は本を諦めることにした。
「無視はしていない。胡涅の愛らしい声をずっと聞いていたいと思っていた」
本を閉じて横に置いた流れで、真上に望む胡涅の頬に触れる。
胡涅は我にまたがり、首に手を回してくる。そうしつけたのは我らだが、そのように無防備では先が思いやられると、我は人知れず嘆息した。
「胡涅、あまり愛らしいことをするな。襲いたくなる」
頬に触れた指先を滑らせて、髪を耳にかけてやる。柔らかな髪は我の指先に絡まり、胡涅が最近ハマっているという香材が鼻腔をついた。
「………朱禅、ずるい」
「なにが?」
毛先に口付けを落としただけで狼狽えるくらいなら、男の上に乗るものではないと、降りられては困るから教えてはやらない。
「そっ、そんな顔したって、騙されないもん」
顔を真っ赤にして平然を装っているつもりか。
毛先程度で大袈裟だと、我は見下ろす胡涅の後頭部を抱え込むように口吸いを行う。
「……ッ、ん」
胡涅の言葉でいうならキスは甘い。甘くて、熟しきっていない青い果実の味がする。
はっきり言って、我は熟した果実が好きで、溶ける手前の柔らかな肉を好む。胡涅は肉をつけるべきだ。出会ったころに比べれば、随分とましになったが、我が満足するには全然足りない。
王が御前に迫るたびに華麗にかわされていたが、あれくらい後腐れなく、欲だけを喰らう女がちょうど良い。
「ぁっ……ぅ…ンッしゅ…ん」
胡涅が何か言っているが、おおかた、無駄な抵抗のひとつでもしているのだろう。唇をこじ開け、歯列をなぞり、舌を引っ張り出して喉元まで喰らう。
そのうち、胡涅の方から教えた通りに繰り返す。ほら、肩に手を置いて、我にまたがって、ちゅっちゅっと小鳥がついばむような口付けを何度も何度も繰り返してくる。
「しゅ………ぜ…ンッ」
無心で我の頬を掴み、必死に蜜を得ようとしてくる行為を我は呆然と眺め続けてみる。
幼い目蓋が閉じられ、まつ毛が震えているが、交わす口付けの中は熟した果実のように柔らかく変わっていく。
必死に我を求め、得られぬもどかしさに顔を歪め、徐々にこういうのだろう。
「朱禅、もっと」
得られる刺激が足りないと、貪欲に欲してくる胡涅が愛しくて、愛しくてたまらない。つがいなどと、名前をつけた認識に嫌悪を抱いていた過去をすっかり忘れるほどには、胡涅の存在が我にとっては何より愛しい。
「朱禅…ッ…ね、ぇ…朱禅」
必死で我を求める姿を永遠にみたいと思う。それこそ胡涅がもっとと懇願するのであれば、もっと我も求めたい。
その瞳に映るのが、我だけであれば良い。
その声を奪うのが、我だけであれば良い。
その唇で触れるのが、その指で掴むのが、我だけであればどれほど幸せか。
「……朱禅」
涙をためた弱々しい泣き声に、我もようやく現実に意識を戻す。
「朱禅…ッ…キス、し…っん」
胡涅を腕のなかで抱きしめ、その味を楽しめることを至福に感じる。もっとを望むのであれば、我ももっと深く、重く胡涅を愛そう。
「……ンッぅ……ん」
呼吸が浅く、力の抜けた胡涅を味わい尽くす時間を誰にも渡さないと、二人きりの時間を堪能していく。
耳に囁き、髪に触れ、腰を抱いて交わすのは稚拙な遊びでしかない。
「朱禅」
これは洗濯物を取り込み終えたらしい炉伯の声で、いつの間にか目をまわしていたらしい胡涅を我の腕の中から引き剥がしていく。
「貴様、何をする」
「何をするじゃねぇよ。ひとりで喰ってんなよ」
「ならば、貴様も喰えばいい」
青い瞳が鋭利に光るのを我は見逃さない。
夜叉は気高い生き物だが、嫉妬深く、扱いに困る部分は多い。我も炉伯も夜叉の血が色濃い祖先種。その嫉妬深さは、地の底よりも深く、暗いものが蠢いている。
「胡涅、気を失っていてよいのか?」
「どうせ起きる」
「窒息する前に息を吹き返せばいいがな」
我は炉伯が見せ付けるように食べる気配を察して、せせら笑う。
我らは互いを認めあっているが、胡涅を欲する気持ちは一歩も譲ろうとは思っていない。隙あれば自分だけのものにしようと、均衡はいつも張りつめている。
「………ッぁ」
胡涅の声に色が宿り、徐々に求める息が甘く、全身はゆっくりと花開くような芳香に満ちていく。
すべて喰らいたいと本能でオスを誘う本性に身震いするが、まだ手を出すわけにはいかない。
炉伯が興奮した顔で、眼光を見開いているが、我もおそらく大差ないだろう。
「胡涅は末恐ろしい」
「楽しみの間違いだろ?」
「愛交花に選んだ花にふさわしい娘になる」
「俺たちがそう育ててる」
交わる視線が、赤と青を混ぜて欲望に染まっていく。
ソファーに寝かされ、本格的に胡涅を閉じ込め始めた炉伯に、我もまんざらではない息を吐くしかない。
胡涅は人間であり、人間としての生活をまっとうしようと日々を過ごしている。我らの長い余生。ほんのまたたき。その希望を叶えるためには、いまはまだ以上も以下もなく、育つのを待つばかり。
だから我は繰り返し、胡涅に告げる。
「胡涅、覚悟しておけ」
夜叉の愛は深く重いものだと。
我と炉伯は、何千年と生きる祖先種といわれるが、我らはいつ終わるともしれない命をたったひとりに縛られることを心底嫌っていた。
特に、夜叉は血の濃さで序列が決まり、稀少な女の方が優位にある。我らの血の濃さであれば、現代に生きる夜叉のほとんどは下位の存在として相手にもならない。命じれば、誰もが蜜を差し出すことを当然として、それを微塵も疑うことはないだろう。
「朱禅」
それなのに、これはいったいどうしたものか。
「ねぇ、朱禅ってば」
我の服を自由に掴み、偉そうに体を寄せる女が、この世の何より愛しいと思う。
黒い髪、黒い瞳、いや、色素が薄いのか、時折、光のいたずらで茶色に見えることもあるなと、訴える胡涅の瞳を見つめた。
立てば、かがんで覗き込まなければ見えない瞳もソファーに座っていれば、雑作もない。我は腕辺りの生地をギュッと握りしめる胡涅に目を細めた。
「胡涅、服を引っ張るな」
かまってほしいのだろう。
先ほどまで炉伯の腕のなかで配信アニメとやらを見ていたはずだが、なるほど、炉伯が洗濯物を取り込みに席を立ったらしい。
「引っ張ってない。さっきから呼んでるのに、無視する朱禅が悪い」
注意をしても、どこ吹く風。本気で自分は悪くないと思っている顔をしている。
少々、甘やかしすぎか。とはいえ、我をしきりに呼ぶ声が愛らしいからと、からかい半分にわざと無視をしているのだからお互い様か。
「ねぇ、朱禅…っ…朱禅?」
服を引っ張るのをあきらめて、ソファーに座って本を読んでいる我の上に、胡涅はよじのぼってくる。
「はしたないぞ」
そう注意したところで、胡涅が聞くわけはない。「ふん」っと唇を尖らせて、わざと視線を合わせない。
一目で拗ねているとわかる態度に笑いが込み上げてくるが、ここで本当に笑っては胡涅の機嫌を本気で損ねかねないのでじっと耐える。
「はしたなくない。朱禅の耳が遠いようだから近くに寄ってあげてるの」
「なるほど」
「これで、無視はできないでしょ?」
自分の願いが必ず叶うと信じている瞳を見る限りでは、胡涅は自分の行いが「迷惑」というものに該当するということが「絶対にない」とわかっている。
まったくどれほどワガママなのか。
そんな風に育てた覚えはないが、胡涅が十八から数えて六年、共に過ごしていれば慣れもあるかと、我は本を諦めることにした。
「無視はしていない。胡涅の愛らしい声をずっと聞いていたいと思っていた」
本を閉じて横に置いた流れで、真上に望む胡涅の頬に触れる。
胡涅は我にまたがり、首に手を回してくる。そうしつけたのは我らだが、そのように無防備では先が思いやられると、我は人知れず嘆息した。
「胡涅、あまり愛らしいことをするな。襲いたくなる」
頬に触れた指先を滑らせて、髪を耳にかけてやる。柔らかな髪は我の指先に絡まり、胡涅が最近ハマっているという香材が鼻腔をついた。
「………朱禅、ずるい」
「なにが?」
毛先に口付けを落としただけで狼狽えるくらいなら、男の上に乗るものではないと、降りられては困るから教えてはやらない。
「そっ、そんな顔したって、騙されないもん」
顔を真っ赤にして平然を装っているつもりか。
毛先程度で大袈裟だと、我は見下ろす胡涅の後頭部を抱え込むように口吸いを行う。
「……ッ、ん」
胡涅の言葉でいうならキスは甘い。甘くて、熟しきっていない青い果実の味がする。
はっきり言って、我は熟した果実が好きで、溶ける手前の柔らかな肉を好む。胡涅は肉をつけるべきだ。出会ったころに比べれば、随分とましになったが、我が満足するには全然足りない。
王が御前に迫るたびに華麗にかわされていたが、あれくらい後腐れなく、欲だけを喰らう女がちょうど良い。
「ぁっ……ぅ…ンッしゅ…ん」
胡涅が何か言っているが、おおかた、無駄な抵抗のひとつでもしているのだろう。唇をこじ開け、歯列をなぞり、舌を引っ張り出して喉元まで喰らう。
そのうち、胡涅の方から教えた通りに繰り返す。ほら、肩に手を置いて、我にまたがって、ちゅっちゅっと小鳥がついばむような口付けを何度も何度も繰り返してくる。
「しゅ………ぜ…ンッ」
無心で我の頬を掴み、必死に蜜を得ようとしてくる行為を我は呆然と眺め続けてみる。
幼い目蓋が閉じられ、まつ毛が震えているが、交わす口付けの中は熟した果実のように柔らかく変わっていく。
必死に我を求め、得られぬもどかしさに顔を歪め、徐々にこういうのだろう。
「朱禅、もっと」
得られる刺激が足りないと、貪欲に欲してくる胡涅が愛しくて、愛しくてたまらない。つがいなどと、名前をつけた認識に嫌悪を抱いていた過去をすっかり忘れるほどには、胡涅の存在が我にとっては何より愛しい。
「朱禅…ッ…ね、ぇ…朱禅」
必死で我を求める姿を永遠にみたいと思う。それこそ胡涅がもっとと懇願するのであれば、もっと我も求めたい。
その瞳に映るのが、我だけであれば良い。
その声を奪うのが、我だけであれば良い。
その唇で触れるのが、その指で掴むのが、我だけであればどれほど幸せか。
「……朱禅」
涙をためた弱々しい泣き声に、我もようやく現実に意識を戻す。
「朱禅…ッ…キス、し…っん」
胡涅を腕のなかで抱きしめ、その味を楽しめることを至福に感じる。もっとを望むのであれば、我ももっと深く、重く胡涅を愛そう。
「……ンッぅ……ん」
呼吸が浅く、力の抜けた胡涅を味わい尽くす時間を誰にも渡さないと、二人きりの時間を堪能していく。
耳に囁き、髪に触れ、腰を抱いて交わすのは稚拙な遊びでしかない。
「朱禅」
これは洗濯物を取り込み終えたらしい炉伯の声で、いつの間にか目をまわしていたらしい胡涅を我の腕の中から引き剥がしていく。
「貴様、何をする」
「何をするじゃねぇよ。ひとりで喰ってんなよ」
「ならば、貴様も喰えばいい」
青い瞳が鋭利に光るのを我は見逃さない。
夜叉は気高い生き物だが、嫉妬深く、扱いに困る部分は多い。我も炉伯も夜叉の血が色濃い祖先種。その嫉妬深さは、地の底よりも深く、暗いものが蠢いている。
「胡涅、気を失っていてよいのか?」
「どうせ起きる」
「窒息する前に息を吹き返せばいいがな」
我は炉伯が見せ付けるように食べる気配を察して、せせら笑う。
我らは互いを認めあっているが、胡涅を欲する気持ちは一歩も譲ろうとは思っていない。隙あれば自分だけのものにしようと、均衡はいつも張りつめている。
「………ッぁ」
胡涅の声に色が宿り、徐々に求める息が甘く、全身はゆっくりと花開くような芳香に満ちていく。
すべて喰らいたいと本能でオスを誘う本性に身震いするが、まだ手を出すわけにはいかない。
炉伯が興奮した顔で、眼光を見開いているが、我もおそらく大差ないだろう。
「胡涅は末恐ろしい」
「楽しみの間違いだろ?」
「愛交花に選んだ花にふさわしい娘になる」
「俺たちがそう育ててる」
交わる視線が、赤と青を混ぜて欲望に染まっていく。
ソファーに寝かされ、本格的に胡涅を閉じ込め始めた炉伯に、我もまんざらではない息を吐くしかない。
胡涅は人間であり、人間としての生活をまっとうしようと日々を過ごしている。我らの長い余生。ほんのまたたき。その希望を叶えるためには、いまはまだ以上も以下もなく、育つのを待つばかり。
だから我は繰り返し、胡涅に告げる。
「胡涅、覚悟しておけ」
夜叉の愛は深く重いものだと。
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