【R18】刻印屋 -KoKuInYa-

皐月うしこ

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刻印屋

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身体に力が入らない。
無理矢理押し広げられた果肉に当てられた玩具が振動する音を聞いていると、時々意識が明滅する。


「ッ?!」


また、だ。


「おっと、っぶね」


勢いよく水滴が吹き出した結愛(ユア)の膣から顔を放しながら、男はくっくっと楽しそうに喉の奥でイヤな笑い声をこぼしている。


「結愛ちゃん。そんなに感じてると、この先もたねぇぜ?」


下半身から移動してくるなり覗きこまれた顔が熱い。優しく耳元で囁かれた声に反応して、結愛の身体はまたイヤらしい匂いを放つ。


「気持ちいいか?」


薄暗い室内に見える沢山の卑猥な自分の写真たちは、見開いた結愛の目に恐怖を与えていた。


「ぃ…や…っ」


その写真が撮られた頃とすっかり変わってしまった自分の体を見なくてすむように、結愛は目をきつく閉じる。


「思い出に浸ってねぇで、イケ」

「ッ?!」


訪れる絶頂と同時に、彼は結愛の目の上に手のひらをそっと乗せてきた。


「可愛く仕上げてあげるから暴れないでね」


なぜか視界を奪った彼とは違う声が、結愛の股の間から聞こえてくる。強制的に絶頂を与えてきたのは他でもない彼の仕業なのだが、快楽を与えた責任をとることもなく、彼はキンとした独特の尖端部分を結愛の敏感な芽に突き刺した。


「あぁあヤァッぁぁあィヤぁ」


敏感な乙女の急所が、鋭利な針に串刺しにされているのに動けない。
削り取られる痛みと与えられる快感の連続に腰が何度も高く跳ねるはずなのに、見た目では、結愛の身体は大人しくじっとしているように見えた。


「根元まで描きたいから、尿道も刺激するよ」

「ッ?!」


全身から汗が吹き出す。


「ほら根元から勃起出来た。ちょっと垢があるから、キレイに洗ってあげよう」

「いアァッ~イッ…く…イクゥ?!」


尿道から差し込まれた細い串が結愛の内部に隠れていた乙女の肉芽を表面に根本から無理矢理押し出し、それは何の前触れもなく、冷たい流水をかけられながらしごかれる。


「ぁぎゃッア…やっ…もう許し…ッ」


声は出せるのに変な感覚だった。
頭がおかしくなってしまったのだろうか。びくびくと痙攣する身体が、彼らの前では麻酔を打たれた患者のように動かない。


「ほら、舌だすとあぶねえだろ」

「ッ?!」


舌を噛まないようにタオルを口にねじ込まれる。
おかげで息がままならずに、涙が自然とホホを伝ってきた。


「もうすぐ完成だからね。我慢しようね」

「だとよ」


歯医者のような手術代に前後逆さまに固定され、全裸で開脚させられた足の間で機械の音が響いている。
何日も何日も、まるで永年の拷問を受けているかのような長い凌辱期間は、たった2日で結愛の神経を狂わせ、全身に痙攣を起こさせていた。


「ここ、死ぬほど気持ちいいでしょ」


ニコニコと先ほどから結愛の股の間で作業している男が微笑む。
まるで結愛の体のすべてを知っているような口ぶりだが、実際に結愛の膣からはサラサラとした蜜が吹き出し、ヒクヒクと痙攣していた。


「根本まで勃起してるから描きやすくて助かる。いい子だね、結愛ちゃん」

「だとよ」


タオルの隙間から嗚咽が高く叫んでいるのに、少女の秘部にしか視線を落とさない男たちは、やはりどこか楽しそうに笑っている。
刺青、タトゥー、焼き印。
人間の肌に所有物としての証を刻む方法なんていくらでもある。


「ッ?!」


視界を奪っていた彼の手がゆっくりと結愛の胸に滑り落ちてくる。


「心臓バクバクしてんな、大丈夫か?」


タオルを噛まされているせいで声も出せない結愛にうつる顔は、野性的で男らしい若い男。美形で甘く低い声は、聞くだけで安心できるような響きさえ持っていた。
対照的に、股に顔を近づけたままの彼は、妙に色気のある風貌をしている。そして、変わった免許、資格を持っていた。


「そりゃ心臓もバクバクするよ。死ぬほど気持ちいいはずだから」

「そうだな。ま、本来なら一生触られない敏感な場所をえぐられりゃ、ひとたまりもないわな」

「よし。洗浄も済んだし、続けるよ」


また結愛の奇声がタオルに吸収されていく。
狂ってしまえば、どれ程楽か。
こんな拷問まがいな快楽を与える彼らの存在なんて、今まで聞いたこともなかったのに、どうしてこんなことになったのか。


「マフィアのボスに買われるとは運がねぇな」

「ぁ…アッ…~っ…あ」


人身売買は普通に存在する。
表の世界では非難されるモラルでさえ、裏の世界では常識だなんてことはそこら辺にある。事実、裏世界で彼らは有名人だった。


「ん?」


刻印屋、アルザとイリヤ。
種類の違う美形兄弟の仕事は、金持ちの道楽に飼われた玩具の飾りつけをおこなうこと。


「ようこそ、いらっしゃいませ」


カランカランと年期の入った鈴の音が、結愛の奇声が沈む店内に響き渡る。
アルザが迎え入れたのは、一人の老人と二人の黒ずくめの男たち。
杖をついた老人を中央に、黒い男たちは店内に入るなり、入り口付近に張り付いたまま動こうとしなかった。


「様子はどうかね?」


老人が静かに足を進めながら、アルザに結愛の様子を訪ねる。
近くなった距離に、その大物が持つ圧力が結愛の神経に緊張を走らせていた。


「ほほう」


嬉しそうな顔が奇妙で怖い。
これはこれはと、小さく満足のいくような声を漏らした老人は、泣き叫ぶ結愛の顔を見たあとで、イリヤの手元を覗きこんでから納得したようにうなずいた。


「イリヤは相変わらず繊細じゃの」

「恐れ入ります。蛇崙(ジャロン)様」

「小さな淫角によくもまあ、ヘビとレンゲをかきこめるものだ」


敏感に尖った柔らかな果肉に描かれているのは、蓮花を背景に蛇がクリトリスの周囲にとぐろを巻いていく姿。花びら一枚、うろこ一枚、丁寧に描かれ、色付けされている芸術には、思わず感嘆の息がこぼれてしまいそうなほど美しさが溢れている。


「その場を譲ってもらえるか?」


老人は作業途中のイリヤとアルザに視線をとばすと、最後に結愛をみてニヤリとイヤな笑みを浮かべた。


「あまりのイヤらしさに、我慢ならんのでな」

「ですが、今は麻酔をかけていますので、身体自体は眠っておりますよ?」


アルザが泣き叫ぶ結愛の身体が動かない原因を蛇崙にも説明する。


「意識と感覚は起きていますが」


きっとここは、異国とかそういう世界ではないのだろう。
沸騰するほど熱いのに、おかしくなるほど怖いのに、結愛の視界には異様な光を目に宿した三人の男が写っている。


「ふむ」

「ッ?!」


突然差し込まれた二本のしわがれた指に結愛の内部が強くしまる。いや、実際は滑りのおびた蜜がぐちゅぐちゅといやらしい音をたてているだけだった。


「感じているな」

「それはそうでしょう」


結愛の内部を楽しめるように席を譲ったイリヤが、蛇崙の背中ごしに結愛の胸元に視線を流す。


「1日何時間も集中的な愛撫を受けて壊れない娘なんていませんよ。本来なら頭もおかしくなるはずなんですが、今回は良い娘を買われましたね」


精神の崩壊を免れるために上下する呼吸が、結愛の胸を膨らませていたが、その先端には先日描いたばかりの蝶が踊っていた。


「よい声で鳴かれますよ」


乳首を削り、その皮と肉の隙間に色のついた液体を流し込んで染色したあの日も何度、結愛の泣き声を聞いたことか。


「そうだろう」


満足そうに結愛の内部に指を出し入れしながら、蛇崙は背後のイリヤを背中で笑う。


「男なら無意識に抱きたいと思わせる魅力を結愛は持っておる」


ぬるぬるとした乙女の液体が老人の指に潤いを与えたのか、引き抜かれた蛇崙の人差し指と中指は見事にツヤを帯びていた。
思わず喉が鳴ってしまったが、異様な魅力に当てられたアルザとイリヤはお互いに何事もなかったふりを装い続ける。


「どこで手に入れたんっすか?」


まさか、有数のマフィアの首領が寵愛している姫が欲しいとは口が避けても言えない。


「日本(ジャポーネ)だよ」


優越感を隠しもせずに、蛇崙はアルザとイリヤににやりと笑って見せた。


「ジャポーネは我慢強く、したたかで上品だ。繊細だが、この娘は卑屈にならんところに目をつけた」

「なるほど」

「ろくでなしの父親が借金苦になりおって、娘をわしに売ったのだが、調教しがいがある娘だと思わんか?」


逃げることもせず従順に命令を受け入れ、男の色に染まる純白の肌。
泣き叫ぶほど抵抗をしてもなお、その場にとどまる哀れな娘。


「そうですね」


アルザとイリヤは蛇崙の言っている意味が理解できるといった風に、そろって納得の返事をする。


「もうすぐ麻酔が切れますよ」

「まだ完成はしていませんが?」


安易に施術を麻酔なしでも続けるのかと尋ねる刻印屋の二人に、裏世界のボスは片手をあげてそれを制した。


「かしこまりました」


そろって頭を下げる美麗な男たちの仕草に、結愛の背中に悪寒が駆け抜ける。
とてもじゃないけど、いい出来事が待っている気がしない。
現に麻酔が切れかかっているのか、尿道に差し込まれたままの器具のせいで盛り上がった淫核にヒリヒリと痛みを感じるようになってきていた。


「麻酔であれだけイキ狂ってましたからね。麻酔なしだと壊れちまうかもしれませんよ」


覚醒の兆しを見せはじめた結愛に気づいたアルザが、クスクスと笑いながら蛇崙に最終確認を求める。
同時に、イリヤは何度も結愛の意識を奪った恐怖の医療器具を両手に準備するようにつかむ。


「あとは一番感じる根元の部分を削って色を入れたら完成なので」


ニコリと爽やかな笑顔が怖い。
キュイーンと独特の甲高い音が聞こえて、結愛の身体はガタガタと条件反射で震え始めた。


「タオルの代わりにコレを取り付けよ」


蛇崙がアルザに命じたのは、丸い穴があいた不思議なマスク。


「ゴホッゴ…っ…はっ…アッ」


酸素を求めて吐き出された息が結愛の呼吸を制御する。
苦しい。
それなのにまだ自由に動かない体は、縛られてもいないのに、口にその器具を取り付けられた。


「ぁ…ろ…さま」


涙で見開いた視界がボヤける。
見間違いでなければ、アゴを閉じないように強制的に丸く開かれた口枷の中に、そそりたった老人の異物が埋め込まれていくのが見える。


「ッウ?!」


舌にまとわりつく生暖かないびつさが、喉の奥をついて気持ち悪い。


「ッンぁ…あ…っぐ…ッン」


ピクリと結愛の指先が動き始める。


「アルザ、頼むよ」

「はいはい」


美形兄弟たちの合図が、これから訪れる快楽地獄への合図だった。
─────────────
───────────
─────────

殺してほしい。
いっそのことその方が楽になれると錯覚してしまうほどの感覚が、全神経を犯してくる。


「はいはい、あともう少しで終わるからね」


優しい声に導かれる強制絶頂はもう何度目か。


「イグッぃ~~~ッアぁ」

「ほら、よく見てもらうのじゃ」

「イヤら…っぐ…イクィクッぁあ」


びくびくと痙攣する身体に突き刺さる男根を締め上げながら、結愛はアルザに爪を立てていた。
衰えを知らない蛇崙のモノを埋め込んだ恥部をアルザに開脚させられ、そこに顔を埋めるほど近づいたイリヤの両手がクリトリスに芸術を刻み込む。そのチクチクとした針が敏感につき出した結愛の肉芽をなぞるたびに、こうして拷問に近い快楽が与えられていた。


「しめすぎじゃ」


背を預ける老人の声が耳たぶを舐める。


「ッア助け…ッ…ひぁ」


キモチイイ。
うつろに揺れる瞳にうつるのは、たった二日で変えられた身体と裏社会の男たちだけ。


「っく…ぁ…イクッいく…ヤッ」


麻酔の切れた身体に局所手術は想像を遥かに越える痛みと快楽を結愛に覚え込ませてくれていた。


「ほれ、ヨダレなど垂らしてだらしのない」


全身を暴れさせて感じる少女を堪能する男たちの凌辱行為は止まらない。


「出来ましたよ」


顔をあげたイリヤの施術が終わる頃には、閉じることを許されなかった結愛の口からはヨダレが溢れ、うつろに涙を流した表情に体がビクビクと引き付けを起こしていた。


「よい出来映えじゃ」


白濁の液体を所有物の証しとして奥底まで注ぎ込んだ蛇崙は、だらしなく大の字で広がる結愛の乙女に描かれた刻印をみて納得の仕上がり具合を評価する。


「結愛、よかったの」


よしよしと頭を撫でられる感覚は、どう受け止めればいいのかわからない。
これから先、卑猥に描かれた乙女の主張を見るたびに、今日のことがよみがえってしまうのだろう。
もう元には戻らない。
この印がある限り、この体が誰のものかは、裏社会に生きるものなら誰もが知っている。


「受けとるがよい」


何時間立っていたかはわからないが、それまで入り口付近で微動だにしなかった男の一人が銀色の箱をアルザに渡す。


「たしかに」


中身を確認したアルザは、そこに詰め込まれた大量の紙幣を確認して、蛇崙へと報酬の受け取りを許諾した。


「またのお越しをお待ちしております」

「またね、結愛ちゃん」


金を渡した男とは別のもう一人が、絶望に染まった結愛の身体を抱えあげる。
そうしてそのまま、裏社会の住人たちは扉を開けて少女を連れていった。


「次はいつ会えるかな?」


笑顔で手を降っていたイリヤがパタンと閉じられた扉を確認するなり口を開く。


「すぐに消える特注品で描いておきながらよく言うぜ。あの親父もわかってて乗っかってくるから面白れぇけどな。ま、一週間後には来るんじゃねぇの?」

「そうしたら、今度はもっと可愛がってあげないとね」

「必要以上の時間をかけてたっぷりとな」


気に入ったお客にしか刻印を施さない幻の店。裏社会の門番、刻印屋。
彼ら美形兄弟のアトリエは、裏社会に迷いこんでも決して訪れてはならない悪魔の扉。気に入った娘はその体の奥まで彼らの芸術に犯される。


「待ってるぜ、結愛」


────The End.
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