41 / 45
終章:ルージュの妄信
しおりを挟む
日々を過ごしているとつい忘れがちになる。
与えられた日常が奇跡の連続で繋がっているのだということを。
「幻影に恋をしている?」
ジルコニックの発言に耳を疑った紗綾の声は、膝をおったダリルをかばいながら風を漂い空に消えていく。
ジルコニックの足元には紗綾から与えられたスタンガンの威力に呻く青年が一人。どうやら気を失ったようだが、面識もなければ声を交わしたこともない。さすがにすれ違う人間のすべてを記憶してはいないが、好意をもたれる接点が思い当たらない。
「キミって本当によくモテるね」
「こんな時に冗談言わないで」
知らないところで好意を持たれる経験は今に始まったことではない。
顔も名前も知らない人からの告白は、何度も紗綾の人生では当たり前に存在している。それでもこれは特殊で特異なケースだと紗綾はダリルに断言した。
「彼はね、アリア・ルージュに恋をしたんだよ」
何がおかしいのか、ジルコニックは嬉しそうに青年と紗綾の顔を見比べる。
「面白いだろう。姿を見たことも、声を聴いたことも、まして性別もわからない人間に恋をする人間がいるという事実に」
そう言ってジルコニックは紗綾に秦内御代(はたうちみだい)だと正体を告げた青年についておもむろに語り始めた。
「少女の遺体からヴァージンローズを回収するのは彼の役目だった。彼は良くも悪くも目立たない。人間は彼を無の存在として認識しているようでね。ここも面白いところなのだが、人間は見たいものしか見ようとしない。たしかにそこに存在しているのに、彼の姿はほとんどの人間に承認されない。それがヴァージンローズを回収するには都合がよかったのだが、彼もまた自分がそういう存在だということを認め、そうであるという人生を受け入れていた。紗綾、きみが口紅で十字架を残すまでは。彼はアリア・ルージュが自分の存在を認めてくれていると錯覚した。同じ世界を共有し、二人だけの秘密をもっていることに興奮し、白濁にまみれた少女の中にその赤を見つけるたびに、彼は知りもしない存在に溺れていった」
それを聞いてどうしろというのか。
衝動に駆られて自分の感情を形にしたが、あの十字架は誰かに好かれるために残したものではない。
「狂ってる」
紗綾は浮かぶままの感想を口にした。
「面白いことを言うね、紗綾。他人はダメで自分だけはイイと思うのかい?」
「どういう意味?」
「遺体に口紅で十字架を描きながら徘徊する姿は十分狂っている」
それに関しては何も反論できる言葉が見つからない。
自分だけが狂っていない保証はどこにもない。視点が違えば正常は異常。無我夢中で走っているときには気づかない、改めて振り返って見た世界が想像と随分違う光景だということは、第三者に指摘されて初めて道を外れていることを知る。
「欲望は簡単に人を狂わせる。人間はそれだからこそ、魔界のいち植物である魔種にすら操られ、苗床にされる。染まってしまえばいいのだよ、何も考えず、感じるまま欲望のままに動き、白い花を咲かせて散っていけばいい」
夜風が絶望を運んでくる。
ジルコニックの演説は一貫して何も変わっていないのに、ここ数分の間でとらえかたが違っていることに驚く。紗綾はここに来るまで、それこそあの事件の日からずっと、復讐のことだけを考え、そのためだけに模索していたはずだった。それなのに、ここへ来てそのすべてが想像とは違う世界を描いている。
「ところで魔界の植物といえど、そうすぐに成長するわけではない」
もうジルコニックの言いたいことが何かはわからない。
元から共感できるものはなかったが、今では次に何の言葉が飛び出すのかさえ予想もつかなかった。
「花を咲かせるには種まきが必要なのは魔界の植物も同じこと。時間をかけたかいあって、随分と広範囲に種は根を下ろした。そうなると次にどうなるかわかるかな?」
「次に、どうなるか」
「魔種は芽を出し、花を咲かせる場所を求めてさまよいだす。通常、魔種は処女の匂いをかぎ分け種を産ませるためにオスの身体に寄生する。だが今、地上に蔓延しているものは魔種を改良したシュガープラム。美味しい美味しい甘いお菓子。小さな星の形にしたのは正解だった。予定よりも人間には好まれたようだ。おかげでシュガープラムは徐々に進化し、ついに最終形態に突入した」
ドキドキと早鐘を打つ心臓が、その先を聞くことを拒否していた。
耳を塞ぎたい気持ちが、それでもその先を聞きたい欲望にまたしても負ける。
「母体を選ばなくなったのだよ」
紗綾の身体は、負傷したダリルを知らずに強く抱きしめる。言葉は何も必要ない。嬉々として話す死神を止めるものは、もうどこにも存在しない。
「わかりやすく説明すると、処女である必要はなくなったということだ。品質の面では前者を選ぶ傾向にあるが、花畑を作るにはまず質より量が大事だからね」
その事実に直面した時、一気に目の前が真っ暗になった気がした。
ジルコニックが人間を動物のように分類わけする言葉を使った時からイヤな予感はしていた。工場に足を運んだ時に見たあの白い化け物たち。「末期症状」だと彼は最初にそう言っていたが、その時にはさらりと流した言葉が今更重みを添えて胃袋にのしかかってくる。
「オスは等しく白濁の泡となり、メスは等しく純白の花となる。まもなくここから見える世界は白一色に染まり、美しい魔界の植物ヴァージンローズの花園となる。想像したまえ、美しく美しい、白だけの世界。無垢の快楽という言葉にふさわしい世界を望むことが出来るようになるのだよ。わくわくするね」
ジルコニックの感覚がどうなっているのか、理解は永遠に出来そうにない。何が正しくて何が間違っているのか、自信はグラグラと音をたてて崩壊していくが、そのことだけに意識を使っているわけにはいかなかった。
紗綾は抱きしめるダリルが黙ったままのことに一抹の不安を抱えていた。
はぁはぁとか細く息を繰り返すだけで力の入らない体を時々苦しそうに押さえている。医者でなくても、まずい状態だということは伝わっていた。だからといって何も出来ない。抱きしめて支えることしか出来ない。
「アリア・ルージュ。まだ本来の世界を見ようとしないのかい?」
ジルコニックは反抗の意思を示さないダリルを無視するかのように、紗綾の元へ近づいてくる。持ち上げられた顎。綺麗な指は驚くほど冷たくて、青紫の瞳は夜の闇の中にあっても宝石のように美しい色をしながら覗き込んでくる。
「赤い口紅でいくら十字架を残そうと、それらに誓った言葉はすべて無意味なもの。戯言を口にして優越に浸っていた時間は随分と癒しになったことだろう。なに悲しむ必要はない。努力が無駄になることなど、人間にとってはよくある日常だ」
青紫の瞳に至近距離で見つめられることの意味を知っている。
覗かれた記憶は、紗綾の感情も行動も何もかもを赤裸々にジルコニックへと伝達し、そして告げる。
「キミが復讐したい相手は永遠に見つからない」
「っ」
感情が紗綾を無意識に突き動かす。
「おっと」と、どこか楽しそうに距離をとったジルコニックを追いかけるように、紗綾は悔しさと悲しさをぶつける相手を望んでいた。
本当は心のどこかで違っていてほしいと望んでいた。ダリルからも聞いた事実を認めようとしなかった。疑うことで行動を正当化して、現実に目を向けようとはしなかった。勇気がもてなかった。それを認めてしまえば、自分の中で何かが崩れる気がして怖かった。
「犯人は、とっくの昔に白い泡となって雨に流されている」
この世界が無情だという真理を受け止めきれずに心が荒れ狂う。喉が切れるまで叫んでも戻ってこない幸福の日常は、あの日まで当たり前だと妄信していた奇跡の連続。
感じた違和感の正体は、見ようとして見なかったこと。
もっと大事に、大切に日々を過ごしていればよかったと後悔に押しつぶされる雨はいらない。
「どんな形であれ、一生懸命に自分と向き合った人間は愛しい」
「ッ…ふっ~~くっ」
「泣いて睨むその顔が実にそそる。なるほど、なるほど。ダリルが先ほどキミはモテると言ったが、その言葉はわたしも次いで肯定しよう。ヴァージンローズが無垢の花なら、紗綾、キミは魔性の花だ。魔性の花の色が何色か、実に興味深く、試してみる価値がありそうだ」
いとも簡単にとらえられ、抱き留められる現象に理由はない。男だとか、女だとか、そういう次元すら超えて人間ですらない超人相手に何をどう戦えというのか。暴れる紗綾の腰を抱き、頬を掴んで無理矢理上を向かせる奇人は、痛くも痒くもないといった風に余裕の眼差しで見つめてくる。
「美しく、美しい、永遠の花におなり」
ゆっくりとジルコニックの唇が、噛み締めて抵抗の意思を示す紗綾の唇に近づいてくる。もう、どうにもならないのかとジルコニックの手首に爪を立てて全体重をかけてみても、その体は進み始めた動作を止めようとはしてくれない。
「冗談じゃ、な、え?」
与えられた日常が奇跡の連続で繋がっているのだということを。
「幻影に恋をしている?」
ジルコニックの発言に耳を疑った紗綾の声は、膝をおったダリルをかばいながら風を漂い空に消えていく。
ジルコニックの足元には紗綾から与えられたスタンガンの威力に呻く青年が一人。どうやら気を失ったようだが、面識もなければ声を交わしたこともない。さすがにすれ違う人間のすべてを記憶してはいないが、好意をもたれる接点が思い当たらない。
「キミって本当によくモテるね」
「こんな時に冗談言わないで」
知らないところで好意を持たれる経験は今に始まったことではない。
顔も名前も知らない人からの告白は、何度も紗綾の人生では当たり前に存在している。それでもこれは特殊で特異なケースだと紗綾はダリルに断言した。
「彼はね、アリア・ルージュに恋をしたんだよ」
何がおかしいのか、ジルコニックは嬉しそうに青年と紗綾の顔を見比べる。
「面白いだろう。姿を見たことも、声を聴いたことも、まして性別もわからない人間に恋をする人間がいるという事実に」
そう言ってジルコニックは紗綾に秦内御代(はたうちみだい)だと正体を告げた青年についておもむろに語り始めた。
「少女の遺体からヴァージンローズを回収するのは彼の役目だった。彼は良くも悪くも目立たない。人間は彼を無の存在として認識しているようでね。ここも面白いところなのだが、人間は見たいものしか見ようとしない。たしかにそこに存在しているのに、彼の姿はほとんどの人間に承認されない。それがヴァージンローズを回収するには都合がよかったのだが、彼もまた自分がそういう存在だということを認め、そうであるという人生を受け入れていた。紗綾、きみが口紅で十字架を残すまでは。彼はアリア・ルージュが自分の存在を認めてくれていると錯覚した。同じ世界を共有し、二人だけの秘密をもっていることに興奮し、白濁にまみれた少女の中にその赤を見つけるたびに、彼は知りもしない存在に溺れていった」
それを聞いてどうしろというのか。
衝動に駆られて自分の感情を形にしたが、あの十字架は誰かに好かれるために残したものではない。
「狂ってる」
紗綾は浮かぶままの感想を口にした。
「面白いことを言うね、紗綾。他人はダメで自分だけはイイと思うのかい?」
「どういう意味?」
「遺体に口紅で十字架を描きながら徘徊する姿は十分狂っている」
それに関しては何も反論できる言葉が見つからない。
自分だけが狂っていない保証はどこにもない。視点が違えば正常は異常。無我夢中で走っているときには気づかない、改めて振り返って見た世界が想像と随分違う光景だということは、第三者に指摘されて初めて道を外れていることを知る。
「欲望は簡単に人を狂わせる。人間はそれだからこそ、魔界のいち植物である魔種にすら操られ、苗床にされる。染まってしまえばいいのだよ、何も考えず、感じるまま欲望のままに動き、白い花を咲かせて散っていけばいい」
夜風が絶望を運んでくる。
ジルコニックの演説は一貫して何も変わっていないのに、ここ数分の間でとらえかたが違っていることに驚く。紗綾はここに来るまで、それこそあの事件の日からずっと、復讐のことだけを考え、そのためだけに模索していたはずだった。それなのに、ここへ来てそのすべてが想像とは違う世界を描いている。
「ところで魔界の植物といえど、そうすぐに成長するわけではない」
もうジルコニックの言いたいことが何かはわからない。
元から共感できるものはなかったが、今では次に何の言葉が飛び出すのかさえ予想もつかなかった。
「花を咲かせるには種まきが必要なのは魔界の植物も同じこと。時間をかけたかいあって、随分と広範囲に種は根を下ろした。そうなると次にどうなるかわかるかな?」
「次に、どうなるか」
「魔種は芽を出し、花を咲かせる場所を求めてさまよいだす。通常、魔種は処女の匂いをかぎ分け種を産ませるためにオスの身体に寄生する。だが今、地上に蔓延しているものは魔種を改良したシュガープラム。美味しい美味しい甘いお菓子。小さな星の形にしたのは正解だった。予定よりも人間には好まれたようだ。おかげでシュガープラムは徐々に進化し、ついに最終形態に突入した」
ドキドキと早鐘を打つ心臓が、その先を聞くことを拒否していた。
耳を塞ぎたい気持ちが、それでもその先を聞きたい欲望にまたしても負ける。
「母体を選ばなくなったのだよ」
紗綾の身体は、負傷したダリルを知らずに強く抱きしめる。言葉は何も必要ない。嬉々として話す死神を止めるものは、もうどこにも存在しない。
「わかりやすく説明すると、処女である必要はなくなったということだ。品質の面では前者を選ぶ傾向にあるが、花畑を作るにはまず質より量が大事だからね」
その事実に直面した時、一気に目の前が真っ暗になった気がした。
ジルコニックが人間を動物のように分類わけする言葉を使った時からイヤな予感はしていた。工場に足を運んだ時に見たあの白い化け物たち。「末期症状」だと彼は最初にそう言っていたが、その時にはさらりと流した言葉が今更重みを添えて胃袋にのしかかってくる。
「オスは等しく白濁の泡となり、メスは等しく純白の花となる。まもなくここから見える世界は白一色に染まり、美しい魔界の植物ヴァージンローズの花園となる。想像したまえ、美しく美しい、白だけの世界。無垢の快楽という言葉にふさわしい世界を望むことが出来るようになるのだよ。わくわくするね」
ジルコニックの感覚がどうなっているのか、理解は永遠に出来そうにない。何が正しくて何が間違っているのか、自信はグラグラと音をたてて崩壊していくが、そのことだけに意識を使っているわけにはいかなかった。
紗綾は抱きしめるダリルが黙ったままのことに一抹の不安を抱えていた。
はぁはぁとか細く息を繰り返すだけで力の入らない体を時々苦しそうに押さえている。医者でなくても、まずい状態だということは伝わっていた。だからといって何も出来ない。抱きしめて支えることしか出来ない。
「アリア・ルージュ。まだ本来の世界を見ようとしないのかい?」
ジルコニックは反抗の意思を示さないダリルを無視するかのように、紗綾の元へ近づいてくる。持ち上げられた顎。綺麗な指は驚くほど冷たくて、青紫の瞳は夜の闇の中にあっても宝石のように美しい色をしながら覗き込んでくる。
「赤い口紅でいくら十字架を残そうと、それらに誓った言葉はすべて無意味なもの。戯言を口にして優越に浸っていた時間は随分と癒しになったことだろう。なに悲しむ必要はない。努力が無駄になることなど、人間にとってはよくある日常だ」
青紫の瞳に至近距離で見つめられることの意味を知っている。
覗かれた記憶は、紗綾の感情も行動も何もかもを赤裸々にジルコニックへと伝達し、そして告げる。
「キミが復讐したい相手は永遠に見つからない」
「っ」
感情が紗綾を無意識に突き動かす。
「おっと」と、どこか楽しそうに距離をとったジルコニックを追いかけるように、紗綾は悔しさと悲しさをぶつける相手を望んでいた。
本当は心のどこかで違っていてほしいと望んでいた。ダリルからも聞いた事実を認めようとしなかった。疑うことで行動を正当化して、現実に目を向けようとはしなかった。勇気がもてなかった。それを認めてしまえば、自分の中で何かが崩れる気がして怖かった。
「犯人は、とっくの昔に白い泡となって雨に流されている」
この世界が無情だという真理を受け止めきれずに心が荒れ狂う。喉が切れるまで叫んでも戻ってこない幸福の日常は、あの日まで当たり前だと妄信していた奇跡の連続。
感じた違和感の正体は、見ようとして見なかったこと。
もっと大事に、大切に日々を過ごしていればよかったと後悔に押しつぶされる雨はいらない。
「どんな形であれ、一生懸命に自分と向き合った人間は愛しい」
「ッ…ふっ~~くっ」
「泣いて睨むその顔が実にそそる。なるほど、なるほど。ダリルが先ほどキミはモテると言ったが、その言葉はわたしも次いで肯定しよう。ヴァージンローズが無垢の花なら、紗綾、キミは魔性の花だ。魔性の花の色が何色か、実に興味深く、試してみる価値がありそうだ」
いとも簡単にとらえられ、抱き留められる現象に理由はない。男だとか、女だとか、そういう次元すら超えて人間ですらない超人相手に何をどう戦えというのか。暴れる紗綾の腰を抱き、頬を掴んで無理矢理上を向かせる奇人は、痛くも痒くもないといった風に余裕の眼差しで見つめてくる。
「美しく、美しい、永遠の花におなり」
ゆっくりとジルコニックの唇が、噛み締めて抵抗の意思を示す紗綾の唇に近づいてくる。もう、どうにもならないのかとジルコニックの手首に爪を立てて全体重をかけてみても、その体は進み始めた動作を止めようとはしてくれない。
「冗談じゃ、な、え?」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
紙の本のカバーをめくりたい話
みぅら
ミステリー
紙の本のカバーをめくろうとしたら、見ず知らずの人に「その本、カバーをめくらない方がいいですよ」と制止されて、モヤモヤしながら本を読む話。
男性向けでも女性向けでもありません。
カテゴリにその他がなかったのでミステリーにしていますが、全然ミステリーではありません。
護国神社の隣にある本屋はあやかし書店
井藤 美樹
キャラ文芸
【第四回キャラ文芸大賞 激励賞頂きました。ありがとうございますm(_ _)m】
真っ白なお城の隣にある護国神社と、小さな商店街を繋ぐ裏道から少し外れた場所に、一軒の小さな本屋があった。
今時珍しい木造の建物で、古本屋をちょっと大きくしたような、こじんまりとした本屋だ。
売り上げよりも、趣味で開けているような、そんな感じの本屋。
本屋の名前は【神楽書店】
その本屋には、何故か昔から色んな種類の本が集まってくる。普通の小説から、曰く付きの本まで。色々だ。
さぁ、今日も一冊の本が持ち込まれた。
十九歳になったばかりの神谷裕樹が、見えない相棒と居候している付喪神と共に、本に秘められた様々な想いに触れながら成長し、悪戦苦闘しながらも、頑張って本屋を切り盛りしていく物語。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
マクデブルクの半球
ナコイトオル
ミステリー
ある夜、電話がかかってきた。ただそれだけの、はずだった。
高校時代、自分と折り合いの付かなかった優等生からの唐突な電話。それが全てのはじまりだった。
電話をかけたのとほぼ同時刻、何者かに突き落とされ意識不明となった青年コウと、そんな彼と昔折り合いを付けることが出来なかった、容疑者となった女、ユキ。どうしてこうなったのかを調べていく内に、コウを突き落とした容疑者はどんどんと増えてきてしまう───
「犯人を探そう。出来れば、彼が目を覚ますまでに」
自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かのために進む、犯人探し。
月夜のさや
蓮恭
ミステリー
いじめられっ子で喘息持ちの妹の療養の為、父の実家がある田舎へと引っ越した主人公「天野桐人(あまのきりと)」。
夏休み前に引っ越してきた桐人は、ある夜父親と喧嘩をして家出をする。向かう先は近くにある祖母の家。
近道をしようと林の中を通った際に転んでしまった桐人を助けてくれたのは、髪の長い綺麗な顔をした女の子だった。
夏休み中、何度もその女の子に会う為に夜になると林を見張る桐人は、一度だけ女の子と話す機会が持てたのだった。話してみればお互いが孤独な子どもなのだと分かり、親近感を持った桐人は女の子に名前を尋ねた。
彼女の名前は「さや」。
夏休み明けに早速転校生として村の学校で紹介された桐人。さやをクラスで見つけて話しかけるが、桐人に対してまるで初対面のように接する。
さやには『さや』と『紗陽』二つの人格があるのだと気づく桐人。日によって性格も、桐人に対する態度も全く変わるのだった。
その後に起こる事件と、村のおかしな神事……。
さやと紗陽、二人の秘密とは……?
※ こちらは【イヤミス】ジャンルの要素があります。どんでん返し好きな方へ。
「小説家になろう」にも掲載中。
朱糸
黒幕横丁
ミステリー
それは、幸福を騙った呪い(のろい)、そして、真を隠した呪い(まじない)。
Worstの探偵、弐沙(つぐさ)は依頼人から朱絆(しゅばん)神社で授与している朱糸守(しゅしまもり)についての調査を依頼される。
そのお守りは縁結びのお守りとして有名だが、お守りの中身を見たが最後呪い殺されるという噂があった。依頼人も不注意によりお守りの中身を覗いたことにより、依頼してから数日後、変死体となって発見される。
そんな変死体事件が複数発生していることを知った弐沙と弐沙に瓜二つに変装している怜(れい)は、そのお守りについて調査することになった。
これは、呪い(のろい)と呪い(まじない)の話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる