【完結】どうしてｰｰｰｰｰこうなった？悪役令嬢は王子に溺愛され困惑する。

溺愛中の悪役令嬢ｰｰｰｰｰ

「口を開けてｰｰｰｰｰ」
ジークがスプーンにケーキを乗せて、アディルの口元に差し出している。

「あのぉ～ジーク。私、一人で食べれます。」

ジークはにっこりと微笑み「アディル、あ～んして。」

いやいやいや、はっ恥ずかしいんですけどｰｰｰｰｰ。

ジークフリードってこんなキャラだったか？

甘すぎて、つら～い！

「アディル、アディ。俺の癒しずっと愛でていたい。」

あはははｰｰｰｰｰもうどうにかして。

最近のジークは皆の前でも愛称呼びをするようになった。

ふふっ、愛されていると感じます。

し・あ・わ・せ！ってやつ。
とうとう悪役令嬢でも、愛を得られたのよ！

「さぁアディ」

食べるまで「あ～ん」を続けるつもりだわ、しゃぁない。

「いただきますね、」は～むっと食べた。

ニコニコのジークは止まらない！

「はむって、食べる姿が可愛い。ハイ、もぅ一回な♥️」
あ"あ"っ～、語尾にハートが見える！

もう一回するんですか、ジークフリード殿下！

何だかエッチするより恥ずかしい。



「アディ、東屋の庭を改良させたんだ、見に行かないか？」

暫く前からジークが庭師のダデスが何やらジークの指示で作り替えていた。

「はい、ジーク。行きましょ」

ジークのエスコートで、東屋の庭まで来るとｰｰｰｰｰ。

「嘘、」

そこには桜の木が植わってあった。

この世界に桜があるとは思わなかった。

以前ジークが「欲しい物はないか？」と問われた時にｰｰｰｰｰ「桜の花が見たい」と言った事を覚えていたようだ。



「桜の花が見たとｰｰｰｰｰ以前言って居ただろう？」

ジークは外国を往き来する行商に訪ね、人伝えに入手先を突き止めようやく、地の果ての東の国にあるとｰｰｰｰｰジークは東の国との交渉で「桜の木」をサルバドール王国に輸入してくれた。

「綺麗ｰｰｰｰｰ、凄く綺麗ｰｰｰｰｰ。」薄いピンクの桜の花が満開に咲きｰｰｰｰｰひらりひらりとまわっている。

もうｰｰｰｰｰ見れないと思っていた桜が目の前にあるｰｰｰｰｰ


もう、胸がいっぱだった！

「アディ、どうしたｰｰｰｰｰ」ジークは私を見て驚いていた。
ジークは私の目尻か涙をそっと拭き取る。

「涙ｰｰｰｰｰ」

「すまいない、アディ。愛する君を泣かすとはｰｰｰｰｰ。」

ジークはガックリと肩を落としていたｰｰｰｰｰ。

「違うのジーク、私ｰｰｰｰｰ嬉しくて。この花が好きで、好きで、ｰｰｰｰｰこうして見れたのが嬉しくて。」

アディルはジークに向き直り「私の為にこんな素敵なプレゼントをありがとうございます。本当に嬉しいです。」

アディルは、ジークをぎゅっと抱きしめた。

「そうか、アディが喜んでくれて俺は嬉しい。」

ジークは嬉しそうに、私を抱きしめ、唇にキスを落とした。

私ｰｰｰｰｰ幸せだ。ジークに愛されて、本当に幸せｰｰｰｰｰ。


アディルは、ジークの愛を深く感じたｰｰｰｰｰ。