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アルフレッドと贋物騒動ーーー
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「えっ!エリエンヌが体調不良。昨日の見たときは普通そうに見えたのに。」
エリエンヌが体調不良だなんて初めてだ。どんなに厳しく少々無理をしても一度も休まずに王太子妃教育を頑張っていたのにーーー。
エリエンヌに何かあったのか!
「見舞いに行くぞ!」
側近のグレンはため息をつく。
「何言ってるんですか、駄目に決まってるでしょ見てくだいデスクの上の書類の山。」
「そんなのは後でいい!」
「それにーーーまだ例の件ですが決定的な証拠がまだ掴めて無いんですよ。分かってますよね。ここでエリエンヌ様を思ってコージュサッシュ家に行けば怪しまれるでしょうが、嫌々ながら愛想をふって相手を油断させているときです、アルフレッド様が直接伺えば水の泡です。」
グレンにそう言われてはぐうの音でない。
そう今は、相手を油断させて置かなければならいなぜなら我が国の秘宝ツヴァイの陶磁器が贋物され隣国へ渡っている情報が耳に入って来たのだ。
悪党の目星は就いている、ホスタ子爵である、ダニエ・ホスタ子爵とキャサリン子爵令嬢だ。キャサリン子爵令嬢はグランブルー王国が保有する金剛山からとれる宝石を贋物を本物として輸出していると言う情報で見張りを付けていた。
キャサリン子爵令嬢に近づき情報を得ようとしたがお花畑のような女性なのに頑なに口を噤むこれは絶対に黒に違いないーーー。
俺が十歳の時に婚約者となったコージュサッシュ公爵家のエリエンヌ・コージュサッシュ公爵令嬢は同じ年の女の子より小柄で、妹のリリンが持っている人形のようにとても可愛らしい少女だった。
ふわふわの金の髪に煌めくアメジストの瞳。雪のように白い肌、唇や頬はバラ色に色づき何ともいえない可愛さでーーー俺はあの白い手を取れば折れるんじゃなかろうかと思うぐらいで緊張した。
「初めてお目に掛かります、グランブルーの星アルフレッド王子殿下にご挨拶申し上げます。私、コージュサッシュ公爵家が息女エリエンヌ・コージュサッシュでございます。」と優雅に淑女の礼をした。
八歳なのに足元もぶれずに美しい礼だった。
ちゃんとマナーを学んでいるのが取って見れた。
何人かのお見合いの中でエリエンヌが一番愛らしくマナーや基本的なグランブルー王国の歴史を分かっていた。
可愛いだけでなく頑張り屋なんだと素直にいい子で好感が持てた。
話しているうちに俺はどんどん、コージュサッシュ嬢にのめり込んでいた。コロコロと変わる愛らしい顔、エリエンヌ嬢は笑った顔が一番可愛かった。
婚約者となったエリエンヌと俺達は親交を深め何事もなく成長していく中ーーー俺が十五歳の時新貴族派の一部でグランブルー王国の秘宝ツヴァイ陶磁器の贋物が隣国へ流れている情報だった。
「殿下良い機会です、新貴族派を弾圧するのにちょうど良い獲物ですよ。取り扱った物が秘宝ツヴァイの贋物だったことですよ。よりも寄ってまだ親交を深めていないローリング皇国にです。贋物だと分かればどうなるか。」
「嫌、ツヴァイの取り扱いは違法だ。この情報は他国でも認識されている情報でもある、そのツヴァイを隣国ローリングは欲している。あの国は陶磁器が趣味のように各国の磁器を集めていると聞く。」
「暫く様子見でしょうか。」
「そうだな、新貴族派に王宮の蒼影を侵入させよ。」
「畏まりました。」
そして月が流れてやっと見つけた!黒幕の尻尾をーーー
ダニエ・ホスタ子爵
「本当に骨が折れたよ。」
半月前、グランブルー王国の秘宝と言われる陶磁器ツヴァイが発見されたと報告受けた、今現在も数少ないがツヴァイの陶磁器は王家や王立博物館に展示されていた。発見されたツヴァイは鑑定士も本物だと認定したものだったがーーー手触りや色彩に違和感を覚えてアルフレッド様に声を上げたしだいだった。
アルフレッドは王家の鑑定士に密かに鑑定しそれは贋物のだと判明したのだ。
「グランブルー王国の秘宝であるツヴァイの陶磁器を贋物と分かっていた物を隣国に輸出すとはもってのほかだ、それもツヴァイはグランブルー王国の秘宝であり輸出は禁止事項のはずだがーーーもう言い逃れは出来ないぞ!」
問い掛けるというよりも、皆に言い聞かせているような口調でした。視線はホスタ子爵に据えられたまま動きません。
「わ、私はなにも知りません!いったい、なんの証拠があってそのようなことを………!」
「確かに証拠を見つけるのは難しかったよ。きみの娘が私に近付いてきた時も、きみの差し金だと思っていた、それを逆手に取ったのだよ。
キャサリン嬢は色々と語ってくれたよ。」
「ホスタ子爵、悪巧みするならもう少し頭の切れる娘を寄こさないとね。顔や躰で王家を籠絡でると思われていたなんて甘く見られていたね。」
ふるえ上がった子爵の顔色は、いまや紙のように白くなっていた。
殿下は人が悪そうに思い出し笑いをされていらっしゃいます。
「証拠は押さえた。ホスタ子爵所有する地下が二重底になっていたそこから贋物と見られる美術工芸品多数、そしてツヴァイの複製品と見られる品も押収した。ツヴァイの贋物行為は王家への反逆罪であることはこの国の貴族なら重々承知のはずだ。
───以上、申し開きはあるか。ホスタ爵」
ホスタ子爵は観念しがくりと膝が折れうな垂れた。
「ホスタ子爵取り調べ後、追って沙汰を出す。ホスタ子爵とご令嬢を連れて行け。」
近衛兵は両脇に腕を掛け二人を連れて行った。
「最後にーーー一つ、よろしいでしょうか?」
「許す」
「ありがとうございます。アルフレッド殿下ーーー私はーーー貴方をーーー」
「ホスタ令嬢、その先は聞けぬ。私には大切な婚約者、エリエンヌがいるのだから。」
キャサリンは瞳を閉じて歩き出した。
「アルフレッド様を本当に愛していました。」
キャサリンは囁くように呟いた。それは誰の耳にも届いていなかった。
エリエンヌが体調不良だなんて初めてだ。どんなに厳しく少々無理をしても一度も休まずに王太子妃教育を頑張っていたのにーーー。
エリエンヌに何かあったのか!
「見舞いに行くぞ!」
側近のグレンはため息をつく。
「何言ってるんですか、駄目に決まってるでしょ見てくだいデスクの上の書類の山。」
「そんなのは後でいい!」
「それにーーーまだ例の件ですが決定的な証拠がまだ掴めて無いんですよ。分かってますよね。ここでエリエンヌ様を思ってコージュサッシュ家に行けば怪しまれるでしょうが、嫌々ながら愛想をふって相手を油断させているときです、アルフレッド様が直接伺えば水の泡です。」
グレンにそう言われてはぐうの音でない。
そう今は、相手を油断させて置かなければならいなぜなら我が国の秘宝ツヴァイの陶磁器が贋物され隣国へ渡っている情報が耳に入って来たのだ。
悪党の目星は就いている、ホスタ子爵である、ダニエ・ホスタ子爵とキャサリン子爵令嬢だ。キャサリン子爵令嬢はグランブルー王国が保有する金剛山からとれる宝石を贋物を本物として輸出していると言う情報で見張りを付けていた。
キャサリン子爵令嬢に近づき情報を得ようとしたがお花畑のような女性なのに頑なに口を噤むこれは絶対に黒に違いないーーー。
俺が十歳の時に婚約者となったコージュサッシュ公爵家のエリエンヌ・コージュサッシュ公爵令嬢は同じ年の女の子より小柄で、妹のリリンが持っている人形のようにとても可愛らしい少女だった。
ふわふわの金の髪に煌めくアメジストの瞳。雪のように白い肌、唇や頬はバラ色に色づき何ともいえない可愛さでーーー俺はあの白い手を取れば折れるんじゃなかろうかと思うぐらいで緊張した。
「初めてお目に掛かります、グランブルーの星アルフレッド王子殿下にご挨拶申し上げます。私、コージュサッシュ公爵家が息女エリエンヌ・コージュサッシュでございます。」と優雅に淑女の礼をした。
八歳なのに足元もぶれずに美しい礼だった。
ちゃんとマナーを学んでいるのが取って見れた。
何人かのお見合いの中でエリエンヌが一番愛らしくマナーや基本的なグランブルー王国の歴史を分かっていた。
可愛いだけでなく頑張り屋なんだと素直にいい子で好感が持てた。
話しているうちに俺はどんどん、コージュサッシュ嬢にのめり込んでいた。コロコロと変わる愛らしい顔、エリエンヌ嬢は笑った顔が一番可愛かった。
婚約者となったエリエンヌと俺達は親交を深め何事もなく成長していく中ーーー俺が十五歳の時新貴族派の一部でグランブルー王国の秘宝ツヴァイ陶磁器の贋物が隣国へ流れている情報だった。
「殿下良い機会です、新貴族派を弾圧するのにちょうど良い獲物ですよ。取り扱った物が秘宝ツヴァイの贋物だったことですよ。よりも寄ってまだ親交を深めていないローリング皇国にです。贋物だと分かればどうなるか。」
「嫌、ツヴァイの取り扱いは違法だ。この情報は他国でも認識されている情報でもある、そのツヴァイを隣国ローリングは欲している。あの国は陶磁器が趣味のように各国の磁器を集めていると聞く。」
「暫く様子見でしょうか。」
「そうだな、新貴族派に王宮の蒼影を侵入させよ。」
「畏まりました。」
そして月が流れてやっと見つけた!黒幕の尻尾をーーー
ダニエ・ホスタ子爵
「本当に骨が折れたよ。」
半月前、グランブルー王国の秘宝と言われる陶磁器ツヴァイが発見されたと報告受けた、今現在も数少ないがツヴァイの陶磁器は王家や王立博物館に展示されていた。発見されたツヴァイは鑑定士も本物だと認定したものだったがーーー手触りや色彩に違和感を覚えてアルフレッド様に声を上げたしだいだった。
アルフレッドは王家の鑑定士に密かに鑑定しそれは贋物のだと判明したのだ。
「グランブルー王国の秘宝であるツヴァイの陶磁器を贋物と分かっていた物を隣国に輸出すとはもってのほかだ、それもツヴァイはグランブルー王国の秘宝であり輸出は禁止事項のはずだがーーーもう言い逃れは出来ないぞ!」
問い掛けるというよりも、皆に言い聞かせているような口調でした。視線はホスタ子爵に据えられたまま動きません。
「わ、私はなにも知りません!いったい、なんの証拠があってそのようなことを………!」
「確かに証拠を見つけるのは難しかったよ。きみの娘が私に近付いてきた時も、きみの差し金だと思っていた、それを逆手に取ったのだよ。
キャサリン嬢は色々と語ってくれたよ。」
「ホスタ子爵、悪巧みするならもう少し頭の切れる娘を寄こさないとね。顔や躰で王家を籠絡でると思われていたなんて甘く見られていたね。」
ふるえ上がった子爵の顔色は、いまや紙のように白くなっていた。
殿下は人が悪そうに思い出し笑いをされていらっしゃいます。
「証拠は押さえた。ホスタ子爵所有する地下が二重底になっていたそこから贋物と見られる美術工芸品多数、そしてツヴァイの複製品と見られる品も押収した。ツヴァイの贋物行為は王家への反逆罪であることはこの国の貴族なら重々承知のはずだ。
───以上、申し開きはあるか。ホスタ爵」
ホスタ子爵は観念しがくりと膝が折れうな垂れた。
「ホスタ子爵取り調べ後、追って沙汰を出す。ホスタ子爵とご令嬢を連れて行け。」
近衛兵は両脇に腕を掛け二人を連れて行った。
「最後にーーー一つ、よろしいでしょうか?」
「許す」
「ありがとうございます。アルフレッド殿下ーーー私はーーー貴方をーーー」
「ホスタ令嬢、その先は聞けぬ。私には大切な婚約者、エリエンヌがいるのだから。」
キャサリンは瞳を閉じて歩き出した。
「アルフレッド様を本当に愛していました。」
キャサリンは囁くように呟いた。それは誰の耳にも届いていなかった。
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