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しおりを挟む夢うつつの中声が聞こえる。聞き慣れない声だな・・・と思いつつ最近の記憶の中を漂う。自分の記憶なのに、と少し笑えた
そうだ、昨日大きなオークに出会ったんだった。無事を喜んでお風呂入って、ご飯食べて直ぐ寝たから何も聞いて無いんだ。
私の魔力は多いけどそれでも色々あって疲れがピークで寝ちゃったんだ。
起きて希望を聞いて話し合わなきゃね。つらつらとそんな事を考えながらもまだぼんやりとした意識がハッキリするのを待つ。
久しぶりになかなか起きられない感覚を味わった。
もう皆んな起きている様で話し合っている気配がする。タブレットの使い方はレオンもブランも知っているから食事はしてくれていると思う。アイテムバッグも渡してあるしね。かなりハッキリしたところでやっと起き上がる。
「皆んな、おはよう。遅くなってごめんね。」と謝ると
「いや、大丈夫だ。かなり消耗しただろうからゆっくりしてないと回復しないから無理すんな。」と、柔らかい笑みを見せるレオン
「本当だよ、俺の時もかなり無理させちゃったもんね。ごめんね、でも助けてくれて感謝してる。ありがとう。」
「レオンありがとう。 ブランも、もう何回もごめんねとありがとうを貰ったよ。気にしないでね。私の方こそいつもありがとう。」と、お互い笑い合いながら話す。
大オークの皆んなもいるようで、聞き慣れない声は大オークの皆んなの声だった。子供以外が、(オーク・・・と言うのも言いづらいので ’‘人‘’ にさせて貰った。逆に失礼な気がするが許可してくれたからお言葉に甘える。)成人は6人、子供は4人だそうだ。 性別はスイッチが出来るそうでその辺は神秘だ。
この大きなオーク達はどうやら突然変異らしく、彼らが知る限りここまで流暢に会話ができるオークはいなかったらしい。 身体は大きいが残虐性が少ない彼らは差別対象となり、暴力をふるわれる等襲われる様になった為オークの集落を出る事にしたそうだ。
その後もオーク達は何故か大オーク達に執着し、度々襲って来た為襲われるのを回避する為に拠点を転々としていた様だ。
子供を抱えてオークから逃げ回るのは大変だっただろう。他の地域に移ろうにもそうなると他の種族・・人間なども警戒しいなければならず困っていたそうだ。特にこの地域に愛着なども無いらしい彼ら。大オーク達が良いなら私達と一緒に隣国、気が向けば一緒に旅に出ればどうだろう。私と一緒ならルームもあるし子供も安全だ。
レオンとブランも賛成してくれた。大オーク達も躊躇いながらも提案は嬉しいと言ってくれたが、リーダーが少し眉尻を下げながら共にいた狼たちと離れるのだけが心残りと言うではないか!狼達が構わないならば私はウェルカムだ、むしろ嬉しい。
そう言うと表情を明るくした大オークは狼達と話したいと言って来た。
・・・狼さん達は、何処?と思っていたら直ぐそこに来ていると大オークのリーダーが言うのでそっと外を見てみると凛々しい黒い狼、白い狼、グレーの狼が其々数頭、計12頭と小狼達が7頭程ルームから見える辺りで戯れあっている。
か、カッコいい!それに可愛い~。
あ、いけない。デレデレもギラギラも嫌われる。あくまで普通に、もふもふの事は好意は持っているけれど普通の人と印象付けなきゃ!大好き過ぎるのがバレたら距離を置かれるかもしれない。あくまで普通、を全面に出す。
さりげなさを装いながら大オークリーダーに一緒に来る事の利点を思い付く限り伝え狼さん達を説得してもらう事に・・・結果大成功! 私達は大オークを助けた恩人だから家族も同じとの事。感激だ!
レオンやブラン達とも相性は良いとの事、ホットした。一緒に旅する仲間、仲良しでなくちゃね。うふふふ、嬉しい。
【家】の皆んなには何て言おう・・・
ダメで元々、ルームも大きくなってるし何とかなるよね。今後の話も決まりどこまで一緒に行ってくれるかは分からないけれど新しい ’‘家族‘’ が増えた。とてもウキウキする。
アンコック家を出てからの私は幸せだ
応援ありがとうございます!
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