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爽やかに目覚めた。ずっと心にモヤモヤとした苛立ちが燻っていたんだけれど原因は何んだっただろう。ずっとずっと我慢していた多くの事がゴブリンを起点に前世のおばちゃんが甦り暴れたせいか?少し減っていた。全てと言いたいがそこまでは無理だった。

「「おはようユウリ」」

「おはよう、レオン、ブラン。昨日は帰れなくてごめんね。マーサ様にも報告してくれたんだよねありがとう。今日はちゃんと帰るね。」と当たり前なことを伝える私に

「大丈夫だよ。ルームが無ければ大変だったけれど俺たちもしっかりと眠れたから問題ないよ。」と優しい笑顔のレオン,ブルーグレーの瞳が柔かく笑む。瞳より少し濃いブルーグレーの髪と耳が少し動いている。

「せっかく、朝から森の中に居るからまた採取と、あと討伐は程々にがんばろ?」と小首を傾げる。白いモフ耳を片方へにょりと倒して薄いブルーの瞳を細める様に耳と頭を撫で撫でしたい衝動をグッとこらえる。艶々のモフモフを目の前にして撫でられないのが耐え難い・・・早いところ、撫で撫で出来るモフモフをgetしなきゃ通報されるかもしれない。

 マリーちゃんを良い子良いこするのも限度あるからね。すごく素直で可愛いんだよね、マリーちゃん。ラウルも可愛いけど懐くのに時間のかかるニャンコって感じなんだよ。これまた可愛い、わたしは、幸せだ。

煩悩を振り払い朝の支度を済ませて、森の中へ。この日は、程々の採取をし程々の討伐をこなしランチの後に王都に戻った。

早めにギルドに報告に行き報酬を貰い4つに分けて1つはパーティの分としてストックする事になった。ゴブリンの数が多かったのと薬草諸々があった為結構良い報酬となった。ホクホクだ、ふふふ

懐があたたまった私たちは、この国を出る前にお買い物をする事にした。レオンとブランの服、マリーちゃんとラウルの服は今度一緒に買いに来よう。使い易いバッグ、リュックをそれぞれに買って後で空間魔法を施す。それと、この国にしか無い紅茶や香辛料。ハーブやその種、苗など。あと、お気に入りの屋台の食べ物を毎日20セットずつ購入したいから出発する日までとお願いした。それと売れ残ったものがあればそれも買う事に、出来るだけ沢山欲しい事を伝えたら頑張って作ってくれるそうだ、ありがたい。

こうしてお買い物していたら時々、サイラシー公爵家のウサール様とアンコック伯爵家のニコール様が結婚したとの噂が耳に入って来た。

ウサール様は元々姉の婚約者だったが姉のアイリーンは病弱な上にかなり我がままで周りを振り回していたらしいと。そんな婚約者を優しく気遣うウサール様と、姉の仕事を領地のことや社交まで全て請負い、いつも姉を支え健気に頑張っていた妹のニコール・・・。アイリーンの横暴に耐えながら頑張る2人はいつしか惹かれ合うようになっていた。そこへつい最近我儘が祟ったのか病気が急に悪化し領地での療養を余儀なくされたアイリーンに代わり、ニコールが婚約者となりこの度晴れて結婚出来たのだとまことしやかに囁かれている。

余りの事に棒立ちになり立ち尽くす私、朝から夜中まで眠る暇も無いくらい働きニコールや義母のドレスまで仕上げていた私・・・いつも独りぼっち、関わるのはメイドとしての仕事を言いつける時、執務の指示、お針子、としてだった。それすらも使用人を介する事が殆ど、ウサール様とのほんの少しの時間を支えに生き延びてきた・・・そこまで私を悪者にしなければならないの?奪っただけではダメなの? ただ  ’‘’病気療養が必要で公爵家夫人として立つのは難しい‘’‘  ではダメなの?目の前が暗くなった

アンコック家からお使い以外で出して貰っていなかった私の事を  ‘’‘アイリーン‘’‘  として認識して居る人は殆どいない。アイリーンは婚約者がニコールに代わった時に死んだのだ、その方が幸せだ。もうアイリーンは居ないんだ

レオンもブランも本当の事を知っているから、私が呆然としている間に近くのカフェで席同士が区切られ奥まっている所に誘導してくれていた。 
「ユウリ、ミルクティで良いかな?」と運ばれて来たお茶を渡してくれる。思わずこぼれた涙を拭う気力もなくミルクティを無意識に口に運ぶ。両隣で体温を分けてくれる2人に感謝した、そこで大好きだった声が聞こえてくる事に気付いた、ニコールもいる様だ



「ニコール、噂の誘導が上手くいっているみたいだね。」

「ええ、お姉さまには申し訳ないけれど・・もう貴族としては生活されませんもの、良いわよね?領地に行かれたのでしょう?」

「ああ、義父上からはそう聞いている。最初聞いた時はそこまでしなくても、と思ったけれど愛し合う私達がなんの憂いも無く過ごす為だからね。」

「お姉さまも愛するウサール様と私の為、喜んで下さるわ。お姉様のため沢山お世話しましたし、代わりにお仕事も致しましたもの。これからは私が、頑張ったと評価して頂けますわ。今までなお姉様のせいで随分と遠回りさせられましたし、偶にウサール様の婚約者はお姉様では?と訝しげな顔をされる方も居ましたもの。これで私達が正しいと分かって貰えましたわ」

「そうだね、やっと君の素晴らしを知ってもらえる。君に出会ってからアイリーンなんかと全然違って愛するって事の素晴らしさを知ったよ。アイリーンの愛なんて重いだけだ・・・ニコール君が可愛くて堪らないとても愛しているよ、君と結婚出来て本当に良かった。ずっと君を守って大切にするよ、君はアイリーンとは比べ物にならないくらい愛しくて、可愛くて可愛くて大切なひとだ・・・」

口付ける雰囲気がした・・・・・一言くらい、言い返しても良いわよね?何も知らない2人に、それとも知ってる?レオンとブランに
「一度ルームに入って着替えて、整えてくるわ。彼らに、一言・・いいえ気が済むように言いたいの。」と小声で伝えると

「うん、分かった。決別は必要だよね 」と悪い笑みを浮かべるブラン、こんな顔もするんだ・・・と思わず思いながらルームに入り涙で酷い事になっている顔にヒールをかけ、お買い物でメイク道具を購入し、ハイブランドでこちらでの王都散策に合う地球産ドレスを見繕い準備をした。まだ2人がいます様に





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