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しおりを挟む夢うつつに微睡んでいると誰かの声がする、公爵様?と、・・・
『ブランシー君は・・・』
『ポーションを飲んで貰って、かなり回復しております。』
『なら、アイリーンが目を覚ました時には安心させてやれるな・・・どうか目を覚ましておくれ、アイリーン。』
私は、あの後・・・眠ってしまったんだ。ブランシー君が大丈夫そうで良かった。そこまで夢うつつに聞こえて、また、眠ってしまった。
「アイリーン、どうか目を覚ましてちょうだい・・・」マーサ様の声が聞こえる。すごく心配してくれている、目を開けなきゃ
と頑張って瞼をこじ開ける。きっと酷い顔だろうけど何とか開けた。少しずつはっきりとする
そこからは、皆様集まって来て下さり、怒涛の『良かった、目が覚めてくれて!』の嵐だった。 そして、私が眠った後の事を教えて頂いたところによると、
ブランシー君は怪我は問題無くなりレオン兄妹や弟君達とゆっくりと栄養のある物を食べて体力を回復しているそうだ、良かったぁ。 治癒の魔法の事は【家】の中の者達だけの秘密となっているとの事。
その日の夜レオン兄妹、ブランシー君兄弟が元気な姿を見せてくれた。まだまだ痩せているけれどこれからは安心して暮らしていける、みんなの穏やかな顔にホットした。 怪我を治した事をとても感謝してくれた。皆んなが動ける様になったらレオン、ブランシー君、私と3人で一緒に冒険者ギルドでクエストを受けようって話になりマーサ様も皆んな一緒なら安心ねと賛成してくれた。とっても楽しみだ。
そして、ポーション。 アンコック家にいる時は私が怪我を負っても表立ってポーションを使う事が出来なかった為こっそりとスープとかに混ぜて摂取させてくれていたらしい。一気に怪我が治ると怪しまれるし、ますます【教育】が悪化しても困るからとの配慮だった様だ。
日本の記憶が戻ってから日本にいた頃より怪我の治りが早かったなと思っていたけれど異世界だからと思っていたがそれはポーションのおかげだったのか、有難いな。マーサ様がしてくれていた手当ての時も痕が残りそうな所や酷い箇所には使ってくれていたのだ。ここに来てからもポーションが使われていたようで私は早く回復したようだ。
この世界ポーションがあったんだね。アンコック家に居た時の情報からは私に知る術は無かった。これからは沢山の事を知っていける。ポーションも作ろうと思えばきっと作れるよね・・・私の世界はどんどん広がる、楽しみ。
それから、私は、ポーションを作ってみた。怪我に特化した物、体力回復、出血時の増血作用に特化した物、解毒用。これらのポーションを使い2週間ほど経った頃皆んな落ち着いてきた。顔色も良くなり疲れにくくなった様だ。極端にハードな事をしなければ冒険者活動も解禁、と言う事で明日は冒険者ギルドへ行く事になった。もう直ぐ王都を出て隣国へ向かうからその前に肩慣らしだ。
マリーちゃんとラウル君はお留守番だ。マーサ様が居ない時はメイドさんが見ていてくれるそうだ、安心だね。
明日は、3人でクエストを受けに行く。私は、2回目だけどレオンとブランシー君はFランクなのでそこそこの経験者だ。足を引っ張らない様にしなきゃね。そうだ、異世界と言えば鑑定とMAPも定番じゃないの!私の為にある様なスキルなのにうっかりしてたー。そしたらこの前ももっと安全に早く帰って来れたのに・・・バカな私。MAPの中に鑑定も入れ込んで、危険度を赤、黄色、青でマーク。人もモンスターも危険なのは一緒だもんね。ある意味人の方が危険だ。
食料もストックあるし、ルームの中も広くしてベッドや諸々入れてあるし何ならトイレとお風呂もアゲイン想像創造で完備。 よーーし、明日頑張るぞ!
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