ご安心を、2度とその手を求める事はありません

ポチ

文字の大きさ
上 下
15 / 43

婚約式、パーティ 会場 3

しおりを挟む


あっさりとサインしたワタクシ

「ああ、可哀想なブランシーヌ! とうとう独りになってしまって。でも優しいアイリーンが君が改心するなら離れでしごt「結構ですわ」!!」優しい貴公子スマイルから訝しげにこちらを見ているが最早ウザイです



「ワタクシ、ずっとこうして【自由】になりたかったのです。

カーシス様、ずっとずっと貴方様の事をお慕いしておりました。ですが、貴方は、裏切った・・・ワタクシ存じておりましてよ?
元お義姉様と愛し合っておられた事。カーシス様とワタクシとの約束の日、急用なんかじゃ無く御二人で逢われていた事も。

《初めて元お義姉様__アイリーン様とお会いになった時から》いらっしゃったのでしょう?

でも、カーシス様はワタクシに会っている時はワタクシを少し、愛して・・・でもそれよりもより愛している・・・聞こえてしまいました。 タカシと同じ様に・・・

ワタクシが成人し、商会の権利を手にするまで待っておられたんですよね?」

と公爵達を見る。ギョッとする敵陣にニッコリと微笑み、

「心配なさらいで?【 シラキュース商会 】は差し上げますわ。」強張る敵陣の皆様

「ああ。すこーし、お待ちになってね?」

と、会場の大扉を開けるとずっと案じて傷付きながらも支え続けてくれた執事、副料理長、庭師、馭者、侍女3人とメイド2人が並んでいた。

「お、お前達そんな所にいたのか! 後で、いつもの部屋だ!!!」
冷たく抑えた声で怒鳴ると器用な侯爵。さっき私を脅す為にレオンと一緒に皆んなも苦しめるつもりだったようね

「まあ、そんなに青筋立てて・・・血管が切れますわよ?

 ‘’いつもの部屋‘’ は皆行きませんわよ。今此処でもって皆退職致しますの。明後日まで待てなくて申し訳ございません。皆も同意してくれましたの。後続の使用人も沢山おられますし引き継ぎも終わったみたいですし、問題ありませんわ。今までのお給金はきちんと入金して下さいませね、商業ギルドの規約ですから。」

「何を勝手な!」

「皆様程勝手ではございませんわ。この者達は母の代からワタクシを大事にしてくれました。どんなに酷い事をされても・・・ワタクシが知らない所で。」

男性のスタッフに上半身脱いで貰った。 

「「「ヒィッ!!!」」」と若い女性から・・・おかしいわね傷つけていた義姉妹まで?声にならない悲鳴が上がる

大人は、『ダメな使用人の躾は仕方ないだろう・・』みたいな声もかなり聞こえる・・・クズめ


「肯定する方も多数の様ですが、最低ですわね。あら失礼、心の声が出てしまいました・・・嫁入り前の娘にまで皆さん、何とも思わず‘’‘躾‘’‘されてますけど・・・とっても痛くて痕に残るんですのよ。

此処までして見守ってくれた彼、彼女達こそがワタクシの本当の家族・・・ありがとう」と皆の傷を癒す。

「な、何で!お前のスキルは生活魔法止まりの筈・・・」

「フフフ シラキュース侯爵、ワタクシも最近知りましたの。ある意味、カーシス様と意地悪なアイリーン様のお陰ですわ。2人の愛を知った日開花致しましたのよ、色んな事が出来ますわ!ふふ。」っと笑みを向けると2人茫然としている

「あなた達お願い。」と侍女たちに着替えを頼む。周りには見えないよう幻影の魔法をかけて

そして、母の為に喪に服す事もしなかったシラキュース侯爵達へ当て付けも込めて母とレオンと私の髪色と同じ黒を基調にゴスロリ風に華やかな黒のドレスに着替えた。そして、差し色にレオンのブルーを入れて。いつまでもカーシス様の色を身に纏っているのは正直不愉快だ、とっとと脱ぎ捨てたい


『何ですの?あの黒なのに華やかなドレス 』 『わたくしも欲しいわ。』
等チラホラ聞こえてくる。広告もバッチリね、クフフღ

「では、皆様パーティお楽しみになってね! 私は本当の【 越後屋 】へ参りますわ。」

と渾身のカーテシーをとり、お揃いの華やかな黒の正装姿の、とっても美麗になりすぎたレオンにエスコートされ踵を返した


「待て、待ってくれ。アイリーンは優しいから使用人としてではなくて・・・ブランシーヌ、君が危害を加えなければ第二婦人として僕の側にいてくれて良いと、言ってくれているんだ! 公爵家の敷地に別棟を建てるよ! 

側に居てくれ、愛しているんだ、ブランシーヌ! 」 

必死な中にもカーシス様渾身の最強スマイル。以前の私ならその胸に飛び込んだだろう。どんなに虐げられても・・・


フ、と小さく笑みを溢し


「以前のワタクシならば、そのお手に縋ったでしょう・・・元父や義母、義兄、義姉妹・・からの愛を欲したでしょう。でも今は、本当の ‘’家族 ‘’  が居てくれます。優しい家族・・とレオン 」皆と視線を交わす

「それに、そんなに危害を加えられる心配をなさってまでワタクシを 2 の第二婦人にして下さらなくても大丈夫ですのよ?」

「あ、イヤ、そんなつもりじゃ・・・」 

「カーシス様が無能で危険な貴方にこんなに優しい言葉を下さっているのよ!!!」と金切り声の義姉


しつこい!


「ご安心を、2度とその手を求める事はありません。」



最近諸外国でも【 シラキュース 】商会よりも大きくなった品揃え豊富な商会【 越後屋 】最近アイテムバッグまで売りにしている大商会。 

お母様は商会の乗っ取りまで視えていた。それを踏まえて【 越後屋 】を準備していたのだ。【 シラキュース 】はダミーだった。どこまでも用意周到なお母様に助けられた。商会名を考えたのはお母様・・・きっと転生、もしくは転移者だったんだろうな。前世を思い出した今そんな事も話してみたかったなぁ


大好きなお母様に感謝しながら今の本当の ‘’ 家族 ‘’  とまだギャーギャーと煩いシラキュース侯爵家をあとにした







しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

もう一度7歳からやりなおし!王太子妃にはなりません

片桐葵
恋愛
いわゆる悪役令嬢・セシルは19歳で死亡した。 皇太子のユリウス殿下の婚約者で高慢で尊大に振る舞い、義理の妹アリシアとユリウスの恋愛に嫉妬し最終的に殺害しようとした罪で断罪され、修道院送りとなった末の死亡だった。しかし死んだ後に女神が現れ7歳からやり直せるようにしてくれた。 もう一度7歳から人生をやり直せる事になったセシル。

意地を張っていたら6年もたってしまいました

Hkei
恋愛
「セドリック様が悪いのですわ!」 「そうか?」 婚約者である私の誕生日パーティーで他の令嬢ばかり褒めて、そんなに私のことが嫌いですか! 「もう…セドリック様なんて大嫌いです!!」 その後意地を張っていたら6年もたってしまっていた二人の話。

──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。

ふまさ
恋愛
 伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。 「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」  正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。 「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」 「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」  オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。  けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。  ──そう。  何もわかっていないのは、パットだけだった。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】愛されない令嬢は全てを諦めた

ツカノ
恋愛
繰り返し夢を見る。それは男爵令嬢と真実の愛を見つけた婚約者に婚約破棄された挙げ句に処刑される夢。 夢を見る度に、婚約者との顔合わせの当日に巻き戻ってしまう。 令嬢が諦めの境地に至った時、いつもとは違う展開になったのだった。 三話完結予定。

私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。

夢風 月
恋愛
 カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。  顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。  我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。  そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。 「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」  そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。 「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」 「……好きだからだ」 「……はい?」  いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。 ※タグをよくご確認ください※

余命わずかな私は家族にとって邪魔なので死を選びますが、どうか気にしないでくださいね?

日々埋没。
恋愛
 昔から病弱だった侯爵令嬢のカミラは、そのせいで婚約者からは婚約破棄をされ、世継ぎどころか貴族の長女として何の義務も果たせない自分は役立たずだと思い悩んでいた。  しかし寝たきり生活を送るカミラが出来ることといえば、家の恥である彼女を疎んでいるであろう家族のために自らの死を願うことだった。  そんなある日願いが通じたのか、突然の熱病で静かに息を引き取ったカミラ。  彼女の意識が途切れる最後の瞬間、これで残された家族は皆喜んでくれるだろう……と思いきや、ある男性のおかげでカミラに新たな人生が始まり――!?

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

処理中です...