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婚約式、パーティ 会場 2
しおりを挟む「さて、茶番は終わりだ。」とシラキュース侯爵の声で何事も無かった様に会場へと移動した
『レオン、ごめんなさい』そっと治癒魔法を掛け見える所は偽装した
「お集まりの皆様! 本日は御多忙な中ダーメリン公爵家、ビーベリン侯爵家、シラキュース侯爵家の為にお集まり頂きましてありがとうございます。・・・・・」と挨拶が始まった
「ここで、ご報告がございます。ダーメリン公爵家の優秀な御子息カーシス様と我が娘ブランシーヌが婚約しておりましたが・・・大変残念な事に我が娘は気性が激しく私の大切なあと2人の娘アーリンとシャロンに後添えだからと大変な当たり様で・・困っておりました。」
と悲しげに目を伏せる父侯爵。それと涙ぐむ義母と義姉妹、3人を労りそっと抱き締める義兄。会場からは4人に痛ましげな視線が集まり、私には憎しみの視線が突き刺さった
「その事をダーメリン公爵にご相談した所、訳の分からないスキルで無能なブランシーヌでは無く優秀なアーリンと御子息のカーシス様と婚約を結び直したいと仰って下さったのです!」
「「「「「「「おおーーー」」」」」」」 と会場はどよめき拍手が起こった
満足げにさもホッとしたと言わんばかりにポロリと涙をこぼし
「そればかりか、下の妹シャロンとビーベリン侯爵家の御子息アーポン様との御縁を結んで下さった事を、ここにご報告致します!」
と見た事もない満面の笑みで会場を見渡し、会場からも惜しみない拍手が送られた。
拍手が落ち着くと
「ここで私はとうとう決心致しました・・・ブランシーヌも血を分けた大切な可愛い娘ではありますが___今後、後継であるオベリンや、妹のシャロン、一番の懸念はカーシス様と婚約破棄となった嫌がらせでアーリン2人の子に・・・無いとは思いますが、何かあったらと心配なのです。」
安い涙を湛えつつ訴える父侯爵。会場からは更に冷たさを増した視線が私へ向かう。
「そこで、私は大切な可愛い・・愛する娘ブランシーヌを我が家から追放すると・・・決心致しました。」
さも辛そうに三文芝居を続ける侯爵にダーメリン公爵とビーベリン侯爵がポンポンと肩を叩き元気付ける
「ああ、ブランシーヌ残念だよ・・愛する君を導いてあげられなくて。君をとっても愛しているけれど、こればかりは仕方ないよね。それにね・・今は優しいアイリーン穣をもっと愛してしまった、ごめんね。」と目を伏せ辛そうに義姉の肩を抱く。
「ブラン!ごめんなさい。あなたのして来た事・・バレない様にシャロンとも頑張ってきたけれどこんな事になってしまって・・・そして優しく慰めて下さったカーシス様をいつしか愛してしまったの、本当にごめんなさい。」
「ブランシーヌお義姉様!ごめんなさい、ごめんなさい、こんな私達をお願い許して・・」とポロポロ涙を流しアイリーンとシャロンと2人縋ってくる
いつまで続くの?この茶番・・・と飽きて来ていた私
するとダーメリン公爵が
「さあ、いつまでも優しい御家族を苦しめてはいけないよ。この書類にサインしておくれ。」
とさも私が悪いように、しかも優しく諭す様に言って来た。商会の時のサインの様に嫌がると思ったのか周りを囲んでいる
「仰せのままに」
とお互いの分と提出用としっかりと内容を確認するとあっさり数種類の魔法書類にサラサラとサインした。そして効力を発揮した光を見届けてから、自分用をアイテムバッグに入れた
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