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きっと、何か理由があったんですよね?
しおりを挟む朝・・・か
昨日は楽しみにしていたカーシス様との遠乗りは直前でキャンセルされてしまいとても気分が落ち込んでいる時に義姉妹からの嫌がらせ・・その後の彼女たちの外出。到底受け入れられない出来事だった。
いや、違うあの馬車や4人の事はきっと見間違えたに違いない。義兄の言葉だって嘘で悲しむ私が見たかっただけだ、きっといつもの嫌がらせだ。
カーシス様を信じたい。自然と落ち込んでしまう気持ちをやっとの思いで上向きにしようと頑張っているけれど、朝からずっと昨日の4人デートの事を匂わせながら当てこすって来る2人にうんざりしていた。
他のことなら普通に傷ついたふりだけして自分の中では流せるのにどうしても見間違えた時の映像が現実のように思えてしまい今日は何度もミスをして‘’教育‘’ が長引いてしまった。
何でもない、私といる時より楽しそうに見えた・・なんてそんな事気のせいだ、光の加減で4人乗っている様に見えただけだし笑い合って楽しそうに見えたのだって気のせいだ
カーシス様と遠乗りに行けなかった日からもう直ぐ2ヵ月経つ。ずっとお忙しい様で会えていなかった・・・
その後カーシス様は学園での諸々や公爵子息として現公爵について後継者指導を受けたりとかなり多忙になられたとの事で会えない日々が続いている。 お会いできたのは、湖へ出かけた遠乗りが最後になる。
寂しい、義姉妹や義兄の心ない言葉は耐えられる。でも、カーシス様にお会い出来ないのは耐え難い。会って話をして直前の遠乗りのキャンセルは何でもないんだって直接聞きたい・・・会ってあの笑顔で『愛してるよ』って聞きたい
あの日から、漠然とした・・・( 本当に漠然としている?) 不安で苦しい。あれから会えないまま随分経つ。でももう15歳になった。もう少し、後1年もすれば婚姻を結べる、そうしたらこの邸からも出て行ける。
もう少し・・・と思ったら15歳の誕生日も会えなかった事を思い出した。
でも、忙しいんだから仕方ないよね。我がまま言っちゃいけない。 やたら義姉妹たちが機嫌良かったのは嫌だったけれど・・・
誕生日、邸の味方の使用人の皆んながコッソリとお祝いに来てくれた。
そして夜は皆んなは来れないから表向きは寂しく早い時間に眠った振りをして、レオンが2人で隠し部屋でゆったり、ゆっくりと祝ってくれた。 レオンの誕生日は私がお祝いしている。ふふふ、おあいこ。
私が寂しい日々を送っているのは1年後からの幸せのためだ!って思って頑張っているが最近ではお父様の家族からの嫌がらせに耐えるのがとても辛くなって来た。カーシス様の事を色々言われるのが辛いのだ。
それでも毎日、料理人の皆んなや、他の使用人たちが何とかこっそりと少しでも、とお助けしてくれる、その気持ちが嬉しくて頑張っている。でも見つかったら皆が大変な事になるから大丈夫だから!気持ちだけ下さい
そんな心も疲れて来たある日、お義姉の部屋が少しだけ開いていたお茶をしているのだろう声が聞こえて来た。
「ねぇ?カーシス様。もうそろそろハッキリ言っても良いのではなくて? カーシス様は、私に初めて会った時から私のことを愛してるって・・・ね?」
え??カーシス様って、私の婚約者のカーシス様? この、高めの甘い声はお義姉様で間違いない・・・心臓を鷲掴みにされた様な足元から冷えて行く感じがした。
「ああ、そうだね。《 でも、ブランシーヌに会っている時はブランシーヌを少し愛してるんだ 》だけど、僕の心は君のものだよ。君の方が気になるしより愛してるんだよ。ああ、愛しい女性よ。婚約は破棄するから、待ってて、愛しいアイリーン。」
え? 確かにカーシス様・・・な、何だか頭が割れるようにい、痛い。こんな言葉聞きたく無かった。でも、腑に落ちた。こんなに会えないなんておかしかったもの。それに、あの時見た馬車、そしてやはり見間違えなんかじゃなくて4人だったのだ、カーシス様ともうお一人令息、そして義姉妹だったんだ・・・
ガラガラと音を立てて崩れて行ったーー今まで何とか思い込もうとしていた事が間違いだと。 自分でも、見間違いなんかじゃ無いって分かってた。会えないのは、やたら出かける義姉妹と会っているんだって・・・
帰って来た義姉からカーシス様の香水が香って来たもの・・・
呆然と立ち尽くす私がよろめいた時、視界に口付けを交わす2人が入って来た。そして、その後の行為も始まりそうだった。頭の中が真っ白になる、でもこのまま此処にいる訳にはいかない、早く立ち去らなきゃ!
でも、さっきの会話がグルグル回って頭がどんどん痛くなって来た、吐きそう・・・グラリとして来た時、スッと横抱きにされ静かに素早く恐らく離れの方に向かっているのを感じた。安心する香りに誰だか分かった、1番安心できる胸に顔を埋める
「っ、っ・・・」
囁き声で 『シーーっ、もう少し頑張って。』レオンの低い大好きな声に安心した。
『レ、レオ・・ン』 『そう、レオンだ。もう大丈夫』
そして、あっという間に隠し部屋のソファーに座っていた、モウダイジョウブ
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