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また、あの湖へ
しおりを挟む前回遠乗りに行ってから今日は、久しぶりにまた遠乗りに出かける日だ。また、あの場所に行けるだろうか。ドキドキしながら準備を終えた時
本邸の執事より「ブランシーヌ様、カーシス様よりお言付けでございます・・・
大変申し訳ない事に本日は急用がお出来になったようで遠乗りは次回にとの事でございます。」と眉を下げながら伝えてくれた。
「・・そうなのね。分かったわ、ありがとう。気にしないでね仕方のない事なのだから。」と、出来るだけ気にしていない、辛くないのだと装った。バレているだろうがせめて上辺だけでも平気だと見せたい
「では、失礼致します。」と悲しげな顔で頭を下げて去って行った。そんな顔しないで、またあなたが責められる。ごめんね、不甲斐なくて・・・心の中で謝った
その後、カーシス様と出かける予定が無くなった私は‘’‘メイド教育‘’‘へと切り替わった。
廊下で床の掃除をしているとバシャーン、とバケツが倒れる様な音がした。顔を上げるとそこには勝ち誇った笑みを見せる義姉妹がいた。長いステッキを持っている。どうやらそれでバケツをひっくり返したようだ。
「あーら、ブラン。あなた泣いてるの?フフッ。今日カーシス様との遠乗り行けなくなったんですって? フフフッ。まあ仕方ないわよねー?もおっと大切な御用が出来たんですもの、ウッフフフ」
「あら、お姉様そんな事言っては可哀想よぉ~。すうっごく楽しみにしてたんだもの~。この前遠乗りから帰ってきた後ずーーーっと幸せそうにしていたじゃない?」
「フフフッ。そうね!そのブッサイクな顔がとおーーーーってもにやけてて気持ち悪かったものね。
ウフフ、ウフフフフフッ。 フンッ、良い気味だわ。」
「フフフッ、さ、お姉様行きましょ! 私たちは今日もとおーーーーっても楽しいお出掛けですものねっ!」
「さぁ、あなたはしーっかりとお掃除しなさいね!」と2人でフフンと嘲笑いながらドレスを翻しご機嫌で出て行った・・・
馬車の音にふ、と目を向けると・・・
あれは、ダーメリン公爵家の紋、6人乗り用の大型馬車・・・カーシス様ともう1人令息?それと向かいには満面の笑みで話しているだろう義姉妹がいた・・・
う、嘘でしょ?今日は私との遠乗りの予定だった筈じゃ
さっき、2人が ‘’‘もおっと大切な御用が出来た‘’‘ って言ってたのは、4人で出かける事??
ザーーーーッと血の気が引いていった。目の前が真っ白になり、その後真っ暗になった。
義兄の声がする・・ダメ、しっかりして!お願い、いつもの私になって。 何より、こっちに来ないで!!
との私の切なる願いも虚しく、
「なーにやってんだぁ? 逆に床汚してんじゃないの。フッ、お前ーーー、泣いてんの? ハハハッ!なーに泣いてんのかなぁ? もしかして?カーシス様と4人のデートの事かなぁ? あ、いけね!4人でのデートの事は、まだお前には内緒だったんだったーーー」と酷薄な碧眼が嫌らしく弧を描く
「・・・・・」
「なんか言ったらどうなんだ?へへっ、声も出ないのかー?ショックが大き過ぎました!
てね。アッハハ!たーのしーーなーー♪ ホラよっ 」とニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら溢れた水に蹴り飛ばし、踏みつけて来た。
「お前なんてこうして這いつくばってりゃいいんだよ!」と高笑いしながら部屋へと行ったようだ。
「「何やってるの!!」」と今度は義母と教育係のお出ましだ・・・
そこからまた、硬い扇と嫌味の教育が永遠に感じる時間続きやっと解放され掃除を終えたのは義姉妹っが帰ってくる直前だった。ボロボロになった私は、また捕まる前になんとか離れに戻りレオンの優しい癒しに包まれて闇に落ちたのだった
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