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始まってしまった
しおりを挟む空は私の心とは正反対に晴れ渡っている。
今日から学園が始まる、入学式だ。
はぁーーっと、つい溜息が出る。どんより曇った心を抱えて
何とか入学式をやり過ごすそして・・・各クラスに分かれてホームルームとなる
うん、第二王子殿下と同じクラスだ。大抵このクラスになる者はギフト、スキルが
上級の者になる。
私のギフトは、使い道が無いと言われが、爵位と座学の成績が高い為このクラスになったのだろう・・
この学園は、ギフトがそこそこでも座学が実技を補えれば、飛び級も可能になり、卒業後は文官への道が開かれている。普通ならば
私の様な高位貴族は、プラスでギフト、魔法の成績、剣技共に優れている事が求められる。または、特殊能力か・・・
だが、座学だけでも飛び級は可能だ。ただ、上級職に付けないだけ。
父上は、現在宰相の地位に付いている。私は、それを継ぐ事は出来ない。ギフトに恵まれなかったから。
世襲制では無いが、公爵位の者は能力、ギフト共に優れている事が多い為、結構そのまま受け継がれる事が多い。
公爵位で使い道の無いギフトの者など、今までは出たことが無かった
この国では、ギフト、スキルはとても重要なのだ。家によっては、後継者から外される。父上は、そこは何も視野に入れていないらしいが。
ギフトを授かった日の事を考える。殿下の凍てついた眼差し 嘲笑
周りの者も。嘲りを隠さなかった・・・私に向けられる視線は冷ややかなものとなるだろう
5年間通う事になるが、それまで、待っていられない。何とか、飛び級で卒業しよう。その後は。
担任は、凛とした感じの女性だった。30代かな。自己紹介をし、今日コレから、明日以降の流れを聞いて終わりとなった
かなり居心地が悪いが想定内だ
帰る前にサロンでお茶をして行く事になったようだ。私には声は掛からないが
「殿下、オーヴェルグ様は宜しいのですか?」 嘲りの笑みをのせて此方を見ながら剣聖のギフトを授かった、伯爵家のリヒャエル・スローンが問いかける。剣聖を授かるだけあって、スラリとしてはいるが程よく筋肉の付いた恵まれた体格をしており、暗赤色の髪に、深い青の瞳が力強い印象を与える
「あぁ、ファルシオンか、良い、放っておけ、行くぞ」
第二王子であるライル・ダルメリダが此方を氷点下の瞳で一瞥し去って行く。
アイスブルーの美しい瞳と、輝く金の髪が
美しい相貌を際立たせている
「あら、いらしたのですね。気付きませんでしたわ。使い道が無いのですもの、存在感も、無くて。。。フッ・・・参りましょう?皆様」
聖女である、子爵令嬢、メリッサ・ダルーシが小走りにライル王子に追い付き、足を止めた王子の腕にこれ見よがしに腕を絡める。ピンクがかったプラチナブロンドを緩やかに巻き、濃いピンクの瞳でとても可愛らしい見た目だが、フフンと此方を小馬鹿にした様に見てくる様は10歳にして既に悪女の様だった
最後に、続いたのは賢者である私の従兄弟
伯爵家のシスカル・プライスリーだ。彼は、うちの父の弟の息子になる。独り立ちする時に祖父方からプライスリー伯爵を継いだ。私とは違うエメラルドグリーンの瞳と金の髪だ
私は、漆黒の髪にサファイアブルーの瞳だ
黒髪は珍しいが、他国より嫁いで来た曾祖母がこの髪色だったらしい瞳は母方似だ
父は、プラチナブロンドに濃いめのインディゴブルーの瞳だ。とても綺麗な瞳で吸い込まれそうになる
従兄弟のシスカルは、賢者を授かり、自分の方が公爵位に相応しいと顔を合わせる度に皮肉ってくる・・
「使い道の無い、ギフト・・・本人と共に.本当に邪魔ですね」
私の肩を押しやり、後ろに、クラスの者たちを従えゾロゾロとサロンに向かった
私は、帰って勉強だ。座学は、誰にも負けない!!
誰より早く卒業しよう!身につける事は無限なのだから。学園だけでは無い
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