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ユーリア王国へ向けて
しおりを挟む道中は、結構【隠れ家】にいる事が多かった。 殿下の馬車を改造し、他の侍従や皆さんが乗っておられる馬車も広くした。殿下の馬車は、執事のスティーブ様と2人で使うという事でスティーブ様のお部屋も追加。他の馬車も、同乗人数に合わせて調整した。馭者さんや、馬達も快適に過ごせる様に工夫した。雨の日も快適に過ごせる仕様だ。
馬車内で過ごす、野営は変な宿に泊まるより快適だと皆さん喜んでくれていた。広い結界で雨、風凌げてとても良い。
食事も、各自が用意するか、一括で作ってくれるのを食べるかでやっている。時間停止の共有アイテムで、リクエストが有ればボードに書くシステムだ。それを見た随行の料理人が作って入れておいてくれる。この、共有システムはすごく喜ばれた。 料理人さんも、食べる方も。 熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たく。そのまま保存されて美味しく頂ける。すこし、回転寿司を思い出してしまった。回ってないけど
私達は、隠れ家で過ごしている。殿下の分の【家】も、私がいない時は、殿下の家の庭、敷地までと言う制限はあるものの満足してくれている様だ。日本のシステムをとても気に入ってくださり家電も大好きで色々欲しがる殿下・・・洗濯も洗濯機で自ら洗濯されている。王子仕様だと使えないからと、洗濯機で洗える服をタブレットで購入した。大喜びだった。主夫になりそうな勢い。
スティーブ様が微妙な顔をされているけれど。目で謝る。ごめんなさい。まさかの家電好き。お金は出すと言われたら、ねえ?仕方ないよね。断れないもん。仔犬の様な目で見てくるんだよ。
タブレットから何でも購入出来る。店舗やネット上の販売。レストランからもお取り寄せ。もう、何も要らないよ。コレが有れば・・・
今日は、殿下とスティーブ様と4人で私の家に映画鑑賞部屋を作りそこで映画を観ることになっている。時間は昼。少し暗くして。スクリーンに、大きなソファー。
しかし、下にラグを敷いてクッションや大きなビーズクッションをたくさん置いて。ローテーブルには飲み物とポップコーンや、お菓子類。ちょっとつまめる物。
今日は1日この場所で休憩予定。馬達と馭者さん達に休んで貰うのだ。交代とはいえ、ずっと進むのは疲労が溜まる。
準備万端整い、夜まで映画やゲームなどグータラする予定。
そして、始まった。映画。殿下の希望でゾンビ映画なのだ・・・正直苦手だ。
私は、耳栓を準備した。手だけじゃ足りない!
この世界、アンデッドもいるらしいけれど、私は絶対そっち系のダンジョンとかには行きたくない!!優翔さんにもしっかりお願いした。
「いよいよだな。何だか緊張するもんだな。画面も大きいしな。」殿下、貴方が選びました。
そして、始まるゾンピー映画
「「ギィャーーーーー!!!」」抱き合う2人。ジト目の優翔さんとスティーブ様。
抱き合っているのは、殿下と私。煩い2人組みは、度々叫ぶ・・・
抱き合い泣く私達。引き剥がす優翔さんとスティーブ様。オコです。なんでーーー
「殿下、アリアーナから離れてください!」
「そうです。レディに抱きつくなど!!アリアーナ様もっ!ほら2人共!」
カオスな中で映画鑑賞会は過ぎていった。
その後、気を取り直して・・・ゾンビーゲーム・・・アホか。殿下のバカーーーー
泣いてた癖に何故にゾンビゲーム。
そして、撃沈。アホコンビ
ジトっと見る。もう、王子とか関係無い!こんなに怖い思いしたんだぞっ!!
今日は、1人で寝れない!!!どうしてくれるんだ!
「殿下!!私今日は、1人で寝れません!皆さん一緒に寝てくださいね!!!
雑魚寝で我慢してくださいよ!!」
その夜、私はレオンとクロとモモに挟まれてレオンの隣にレオナルド様。クロとモモの隣に殿下。その隣にスティーブ様。殿下が端っこは怖いって言って泣いたから・・
殿下最初の頃の威厳は?
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