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今は、時では無い
しおりを挟む父:辺境伯視点 半年前
私は、影の報告を待っている。嫁に出した娘の現状を・・・あまり良くない噂が流れているのは知っている
「戻ったか、聞かせてくれ、全てな」
「御意」
少し視線を彷徨わせる影
「迷うな、全てだ」目を閉じて報告を待つ
「ハッ。ご報告致します。お嬢様、いえ、ユウリ様は白いご結婚の様です。
夜会では、到着後はエスコートから、外れ。壁の花となっておられます・・・
麗しの旦那様の、愛を得られぬと蔑まれ、貴族女性からも馬鹿にされ嫌がらせを・・・かなり受けておられました。」
「例えば?」
「ハッ、
ドレスの裾を踏み。よろめかれた所他の令嬢にぶつかられ、倒れておしまいになり、足を挫かれた所に他の令嬢が気づかぬふりで踏みつけ、飲み物が溢れてしまったのですが・・・
これは、王女殿下の言葉ですが、
『あら、そんな所に這いつくばっていらっしゃるなんて。ねぇ、あなた、大丈夫?《コレは踏みつけ、飲み物をかけた令嬢に対してですが》先程黒い物に躓いていらしたわね?
麗しの侯爵様のお色では無いのですもの。仕方ないわね、気付かれなくても。ふふっ、いつまで、座り込んでいらっしゃるの?お邪魔ですわよ?あら、私とした事が
ごめんなさいね?』
と、躓いたふりをして、更にお飲み物を、かけていらっしゃいました。」
「・・・・・ほう」
苛立ちのあまり、殺気が漏れてしまったな
「で?」
「王女殿下のなさった事なので、他の者も一緒に嘲笑っておいででした。侯爵様も見ていらしたのですが、一緒に、笑っておいででした。」
「なるほどな。ユウリは、侯爵が笑っているのは気づいていたか?」
「いえ、、気づいておられません。ちょうど、倒れて下を向いておられたので・・・その後、大丈夫か?と一応助け起こしていらっしゃいました。」
「・・・・・」
ドクドクと頭に血が上るのが分かる。しかし、今は、我慢だ。ユウリの気持ちが、まだヤツにある
「他にもございますが、みるに耐えませんでした。ユウリ様のお色黒い系統のドレスと
サファイアブルー。美しさに嫉妬した者により夜の妖精花と・・・いつも壁の花になっておられる事を比喩したもののようです。」
「陛下は、知っておられるのだな?」
「はい。王家主催の夜会での出来事にございますれば。報告にも上がっております。王女殿下の所業という事も。」
「王命で婚姻を受けざるを得ない状況に持っていきながら・・・この所業とはな。」
「王族、侯爵自らの仕打ちです。周りも徐々に感化されて来ております。侯爵家でも、
蔑ろにされておられ、見るに忍びません。」
「ユウリは何故何も言わんのだ」
「はい、アンリが申しますにはユウリ様は、ご自分が大人になれば侯爵も変わるのではと。侯爵様の為ならば、何事も耐える事が出来るのだ、と忍んでおられるご様子・・・
王命である事も、ご自分が忍べばよいと、我慢なさる要因かと。自分は、侯爵を愛している。そして愛されていると。
ご自分に、言い聞かせておられるように見受けるそうです。」
「・・・では、もうしばらく様子をみようではないか。王家と、侯爵家の出方をな。手を出すなよ?
ユウリ自身が気付かねば、話は、進まんのだ。」
「仰せのままに」
「ただ、命の危機には、晒すな頼んだぞ。行けっ」
「御意」
影が消えるのを待つ。腸が煮え繰り返る。侯爵家の若造めワシの娘をそこまでコケに
するのは、楽しいか?
見目だけの男を思い出しギリギリと歯がなる。国王にも重なる煮湯を飲まされそろそろ潮時か、と考える
コンコンコン
「入れ」
今日も美しき我が妻、息子に、息子の嫁
「聞いていたか?」
「「「はい」」」
「ならば、良いか?」頷く3人。
「言わば、ユウリは人質も同じ。しかし、仏の顔も3度までと東洋の言葉にあるそうな
アイツらは、我らに国境警備、魔物の森。押しつけて色々忘れておるようだな
我らが辺境伯となった理由も忘れたようだ。ならば、思い出させてやろう」
「そうですわね、私の娘を哀しませた事。その身に教えて差し上げましょう。王女殿下、侯爵、」
おう、絶対零度の眼差しも美しいな、我が妻は
「王家、思い出せるかな?アイツら、バカだからね」
「あら、思い出すまで、教えて差し上げれば?
いえ、お時間がもったい。ユウリちゃんと楽しく過ごさなくちゃ。今度こそユウリちゃんが幸せになれる殿方。見つかるかしら。ふふっ♪」と冷たい瞳で笑顔の義娘
「そうだな、、アイツらに使う時間もったいないな。君の言う通りだね。」
「そうね、早くカタの付く方法が良いわねღユウリの幸せが1番ですもの」
「早く、ユウリがアヤツから離れれば良いのだがな。しかし、このまま辺境伯をバカにしたままなのも困るからな。あと、半年だけ猶予をやろう。」
ユウリよ、早く
アヤツに見切りをつけておくれお前が辛い思いをするのは、我慢ならん
皆、同じ気持ちだ、我妻も、ロイドの妻も、半年持つだろうか・・・
痺れを切らさない事を祈る。時が満ちるその時まで
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