完結 この手からこぼれ落ちるもの   

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18歳の誕生日   1

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今日は、私の18歳の誕生日

誕生日の夜会
貴族達も減ったので
公爵家のホールで十分だ

両陛下も来てくださる
コールマン宰相始め、
そうそう、
ステイト侯爵、ヤサシート侯爵、ツーヨシ侯爵の三侯爵様が公爵に陞爵された
喜ばしい事だ
他にも、今までの功績が加味され
陞爵された方は多い
働きに見合ったものだ
コレで、コールマン公爵
我がブライスリー公爵と合わせて
五公爵となった

私も、この一年の
魔道具や、魔法の開発贈呈に
対する、褒美を頂いた


完全に落ち着いた訳では無いが、、、
色々と、レールが敷かれた今

アランは、隣国へ
帰るのだろう。。。
時々、隣国へ戻る事があるのだ

彼の部下達も順次
国へ帰っている。。。
しかし、こちらに残って
そのまま、我がブライスリー公爵家に
仕えてくれる者も居る。

あと、婚姻翌日に襲って来た
刺客の2人。。。
アレから訓練され
アランにも認められた様だ
ブライスリー公爵家の
騎士となって、仕えてくれている

初めて会った時と異なり
。。。当然だが。。。
表情は明るくなり
鍛えられた体躯は立派になり
凛々しい騎士となっている
とても、嬉しい

この様に、例え刺客であっても
孤児から暗殺者にされた者も
多く居て、、胸が痛かった
鍛え直して、騎士となったり
違う職種に就いたりと
やり直している者も沢山いる


こうして道筋の出来た
今日この頃。。。

やっと、アランとも普通に
接する事が出来る様になったけれど、、
彼が去る日が近づいていると思うと
寂しくてたまらない。。。

この数年どれだけ彼に
支えられて来た事だろう
彼と必要な魔道具や魔法を
考えるのは、、とても楽しかった
一緒に考えると
どんどん新しく思い付くのだ
そして、共に改善する喜び
執務も、セバスチャンと、3人で
やるととてもスムーズにいき
改善点も速やかに行われて
以前よりかなり効率も良くなった
なくてはならない人となった
今までよりも、一層

彼が隣国に帰れば
共にお茶をする事も無くなり
共に執務する事も
魔道具や魔法を創る事も無くなる

今まで感じたことの無い
空虚感に支配される。。。
行かないで、、、と言いたい
だが、彼は隣国で
高位貴族と思われる。。
引き止める事は出来ないだろう


ふとした時に見せる
優しい笑み
真剣な眼差し
逞しい腕
エスコートする時の癖
どれも、思いやりに溢れていた

オリバーから解放されて、、

アランの事を素直に見つめる事が出来た

彼は、なくてはならない存在だ
私にとって
唯一と言って良い程。。。

月に照らされる
アランが1番好きだ
煌めく月明かりと
煌めくアラン

愛している

気付いてしまった

遅過ぎたけれど
彼を、彼だけを愛している
フィルターが除かれた今
ソレは紛れもない事実だった

でも、彼はそうでは無いだろう。。。
彼が帰国する時は、
笑顔で送り出そう。。


今宵の夜会が
アランにして貰う最後の
エスコートになるかもしれない。。
思わず溢れた涙は
そっと拭い

彼が現れたら
笑顔で迎えよう














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