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独り
しおりを挟む幸せな気持ちで選んだベビードール
誰も居なくなった屋敷で
独り。。。
大きな屋敷であるが故に
ガランとした寂しさが増す
焦点の合わない瞳で
部屋を見回す
母から譲り受けた鍵を握りしめ
この数ヶ月の事を1つ1つ思い返す
オリバー様とベリンダが
お互いの色を纏い出席した
夜会の後。。。
暫くして、、オリバー様が
昔のように優しくしてくれた
そして、、一月後
半年経ったら婚姻しようと
早めたいと、、、、、
とても、、嬉しかった
しかし、今回の事。。
いつから、計画していたのか
新居を準備するにも
最低でも、1年は掛かるはず
私のデビュタントの時には
もう、話が進んでいた事になる
そうするだけの時間は
充分にあっただろう。。。
もう、何年もオリバー様と
時間を共にする事が少なかった
ベリンダとは、学園での時間は
もちろん。。
いつも一緒に居た様だし
計画を立てて、、、
実行し始めたのは?
叔父夫婦も一緒に計画した筈だから
セバスチャンを何かと理由を付けて
領地へ追いやる事が増えたのは
ここ一年。。。
アランが専属執事になる前からの話だきっと。。
独り過ごす事の多くなった私を
心配し、後2年で独り立ちするからと
何とかアランを専属執事として
付けてくれたセバスチャン。。。
アランも、専属執事となったからと言えども自由になる事は私同様限られていた
思い当たる節は。。。
沢山あった
バカな私
優しくなったオリバー様。。
おかしいと分かっていたのに
幼き頃からの想い出が
どうしても優しいオリバー様を
信じたいと思わせた
寂しい私をいつも側に居て
心と体ごと。。暖めてくれた。。。
優しいオリバー様に戻ってくれた
いや、私の為にその優しさを
隠していたんだ。。。と
思いたかった
優しくなってから
ずっと、甘い刻をくれた。。
幸せだった
久しぶりの王宮の夜会
贈られたドレスは、、、
確かに私にとても似合っていたけれど
オリバー様の色は。。。
1つも入っていなかった
黒の私の色を纏っているかの様な
オリバー様は、、、
金のラインでベリンダを。。。
エスコートも、、、
最低限のものだったのに
いつもより
ダンスを踊ってくれた。。。
それだけで私は満たされた
その他にも。。沢山あった
気になる事。。。
全てを気付かないフリをした
結婚して、、子供が出来れば、、、
そして、優しさを取り戻した
オリバー様は、
ずっと私を愛していた
そう、信じたかった。。。
叔父夫婦も新居に移るからと
安心してしまった。。。
成人した私の為に、
移る事にしたとオリバー様と
一緒に話をされて、、、
信じてしまった
新しい物が好きな叔父夫婦の事
何もかも自分達で希望通りに出来ると
全てを新しく出来ると。。
喜ぶ叔父家族に、、、安心していた
だからこそ、、叔父家族の家には
資金を出したのだ
ベリンダの部屋ももちろんあった
まさか、隣に
オリバー様とベリンダの家が
建てられていたとは。。。
本当に。。バカな私
違和感は全て当たっていたのに
隣である故に。。
資金がライディス家から出ていたが故に
掴み損ねてしまった
これが、格下の家なら
情報を掴めただろう。。。
あまりにも、沢山の思い当たる節に
自分の中で鳴る警鐘を押さえ込んだ
その時、その時の自分に。。
戻って教えたい
騙されていると。。
自分の感覚を信じなさいと
グルグルと同じ事を
堂々巡りする思考と感情。。
「。。。様?お嬢様?」
ドンドンドンッ、
「お嬢様ーー!アンナ様っ!!」
ガチャッ
「アンナ様っ!!!」
抱きしめられる
「どうしたのですか?
オリバー様は?家の者達は?」
「あ、、、アラン、、」
「こんなに冷たくなって、、
いつから?。。。っ!!」
離れようとするアラン
「い、行かないでっっ
アラン、アラン、アランっ
行かないでっ
貴方は、耐えられない!!
貴方が、、居なくなるのはっ
耐えられないのっ。。っ。っ。。」
「アンナ様。。。」
「アラン。。アラン。。
行かないで。。。
お願いよ。。行かないで」
「泣かないで、、アンナ。。
私は、何処にも行かない。。」
「アラン。。」
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