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それから。。。
しおりを挟む皆に祝福されながら
凍える心を何とか抱きしめて
耐えた
やっと、最後のお客様を
お見送りし。。。
フラフラと地につかない足を
動かして部屋へ
アランが居なければ歩く事は
出来なかっただろう
私付きの侍女は居ない
婚姻の準備は手伝って貰ったが
その後私の世話をしてくれる者は
居ない。。。
アランは執事、、
男性に頼めるはずも無い
後ろの留め具だけ外してもらい
後は自分で何とかこなした
湯浴みも済ませた。。。
今夜は初夜だ
どうすれば良いか。。。
何だか途方に暮れた
こんな気持ちで
オリバー様との初夜を迎えるなんて
思ってもいなかった。。。
幸せな気持ちで選んだ
ベビードール。。。
今は、、戸惑いと不安に支配されている
沈む心を何とか上向けようと、、
切り替えようと試みるけれど
上手くいかない。。。
ガチャリ
オリバー様。。。
蕩ける笑顔を私に向け
見つめ合う。。その瞳には
私が写っている様で素通りしている
「やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いから頼んだよ?
僕が君に触れる事は無いけれど。。
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね」
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
「。。。。っ!!!」
目の前が白くチカチカとする
「子が産まれたら
本当の婚姻だって聞いてるよ?
アンナも早く僕と本当の夫婦に
なりたいでしょ?
だから、早く産まれる様に
ベリンダとの時間を作りたいから
アンナは、しっかり
今までより執務と、事業。。
頑張ってねღ
今からこの寝室は
僕とベリンダが使うことになるから
アンナが別邸に移ってくれると
もっと、心置きなく
暮らせると思うんだ」
ガチャリ。。。
「オリバーさまぁ
まだですかぁ?わたし。。。
もう、待てないんだけど。。。
寒くなってきちゃったぁ」
「て事だから、、、
アンナ。。他の荷物は
後で送るからね?
あぁ、後、、、
コレからのお茶会とか夜会は
ベリンダをエスコートするから
君は、、また執事にでも
エスコートして貰ってね?」
追い出されそうになって、、、
「そんなの困ります!!
此処は、両親との思い出の屋敷です
オリバー様もご存知でしょ?」
「うーん、そんなにアンナが
言うなら。。。
仕方ないねー?
僕たちが、あちらに
行こうね?ベリンダ」
「オリバーさまぁ
早くあの屋敷に行きましょう?
だって、あんなに素敵に
私達好みに
仕上げたんですものぉ
オリバー様のお父様とお母様から
私達への婚姻のお祝いだもの
私のお父様とお母様は
あちらのお屋敷の敷地内の
お隣に
引っ越したしぃー」
「もう、ダメだよ?ベリンダ
あちらの屋敷へは
あくまでも僕たちの意志で
移る訳じゃないって。。。
アンナの意志だって認めて貰ってから
行く予定なんだから
今日の、初夜はこの寝室でって
決めてたでしょ?」
「えぇーー、だってぇ
私、初夜も新しい屋敷の方が
綺麗だし嬉しいんだけど。。。
ダメ?」オリバー様を上目遣いで
見上げるベリンダ。。。
私は。。自分の初夜に
何を見せられているんだろう。。。
「仕方ないなぁ ベリンダは
君がそう言うなら
初夜もあちらで過ごそうね」
「嬉しいわ、オリバー様」
見つめ合い口づけを交わす2人
やがて離れると
「寒いわぁ、、オリバー様
暖めて?」と、見上げる
ベリンダを抱き上げ、、
「じゃ、アンナの希望でもあるし
僕たちは、、あちらの屋敷に
移るからね?」
と、蕩ける笑みを私に向けた後
2人は、使用人と共に
別邸に移って行った様だ
今夜アランは、私の部屋を
辞した後休暇を取っていた
セバスチャンは、
結婚式の後、領地へと
向かわされていた
私の味方は。。。誰もいない
屋敷の中も
私以外。。。誰も居ない
幸せのベビードールを着た私は
大きな屋敷に独り取り残された
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