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日々を過ごす
しおりを挟む淡々と日常をこなす日々
ベリンダに毎日オリバー様
との出来事を聞かされる為
2人の事は良く知っている
考え直した方が良いかもしれない
婚約は解消して、
オリバー様とベリンダと婚約すれば
良いと思う。。。
私の事は顧みない彼を婚約者として
見ているから辛いのだ
コレなら失った痛みの方が
良いのかもしれない
ため息を吐き、窓の外を見ると、、、
幼き頃共に駆け回り
木登りして優しく穏やかに
過ごした庭を。。。
オリバー様とベリンダが手を繋ぎ
散歩していた。。。
楽しげに笑い合い
手を腰に回し肩を寄せ合い
歩く2人
華やかに美しく。。。
確かにお似合いね
チラリと2人こちらを振り返った
また、ふふと笑い合い遠ざかって行く
私の心は凍りつき、、、
思考も停止してしまう
ベリンダが遊んでいる間
私は執務をこなし、事業のため奔走する
彼女が散財する分以上の利を出さなければならない。。叔父夫婦が散財する分も、何とかしなければならない。。。
ずっと彼等が贅沢をする為に
穴埋めをし、民のために働く
碌な物を食べる事も出来ず
ふらつく身体を叱咤して、、、
「お嬢様。。。」
スッとお茶を出してくれる
16歳になってからセバスチャンがアランを専属執事として付けてくれてから
こうして、普通のお茶と、こっそりと軽食を食べさせてくれるようになって私の食生活はかなり改善した
「アラン。。。私。。。
疲れたわ。。こうして頑張ってる
意味はあるのかしら?
婚姻は2年後だったわね。。
このまま婚姻するのも不安なの
だって。。オリバー様の心は
もう、私には 無いから」
窓の外を見遣りこちらから
ギリギリ見える所のベンチに座り
楽しげにしている
オリバー様とベリンダを
見つめる
「貴族ですもの。。
政略結婚は仕方ないわ。。。
でも、オリバー様との結婚は
辛すぎるわ」
オリバー様とは幸せな日々を
共に過ごし、とても辛い日々を
支えて下さった。。
その温もりを知っているからこそ
今のオリバー様と接するのは
辛かった
「明日の夜会。。。
王家主催じゃ無ければ、、、
出ないのに。。。」
「お嬢様。。無理なさらずとも
良いのでは?
何かしら、理由はつけられます」
「ありがとうアラン
そうしたいけれど。。。
王妃様も、心配してらっしゃるわ
この前、欠席したのだもの
明日は出なきゃ。。。
ベリンダがやたら張り切ってたのが
気になるけれど」
「そうですね。。。
ベリンダ様は、
オリバー様から贈られたドレス
を着るからと
ずっとはしゃいでいますから。。」
「そこよ。。
しかも、自分が贈ったからと
オリバー様がご自分で
エスコートするから
明日の夜会は
エスコート無しですまないって
予め、お断りの連絡があったし
気が重いわ。。。」
「お嬢様は、
私がお守り致します」
「ええ、ありがとう
それだけが救いよ。。。
どんな囁きにも、蔑みにも
貴方が居るから耐えられる」
アラン、、本当にありがとう
微笑みを向け
事業関連の書類に目を通す
セバスチャンだけでは勝手に
決済出来なかった事や
新たな方針、、新規事業に向け
始動している今、本当に忙しいのだ
しっかりとした地盤を築き
止まっていた領内の発展に
本格的に力を入れていかなければ
今後の公爵家が危うくなってしまう
セバスチャンが居なかったらと思うと
恐ろしい。。きっと全てが。。
終わりを迎えていたに違いない
セバスチャンの力闘に報いるべく
私も頑張り、恩返しをしたい
今領地に行ってくれている
セバスチャン。。。
暫く会えていない。。
一度、視察を兼ねて行ってみよう
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夜会当日
朝から執務と準備に追われ
やっと、行ける目処がついた
ベリンダは、朝から
夜会の準備に専念し
しっかりと己を磨いていた様だ
玄関ホールに現れた
ベリンダは
金の髪を美しく結い上げ
オリバー様の色味のサファイア
で飾っている
ドレスは、腰の辺りまでは
オリバー様カラーで
その下は少し濃いブルーから
ふわりと広がる
裾へ向かいグラデーションが
とても美しかった
胸元の金とサファイアが見事に
マッチしており
妖精かと見まごうほどの
美しさだった。。。
家族や使用人に
誉めそやされ薔薇色に色づく頬は
初々しさを醸し出している
そこへ、エスコートの為
オリバー様が現れた。。。
今日の彼は。。。
ベリンダのブルー。。。
濃いブルーに
金の絶妙な刺繍の入った
夜会服で。。。
とても似合っていた
あまりの美しさと、
胸を突き刺す痛みに
声も出ない
美しく番となった2人に
皆から賞賛が向けられる
チラリと私に目をやるも
そのまま、馬車へエスコートし
出かけて行く2人
残った叔父様夫婦は
専属の執事とメイドを引き連れ
私を一瞥し出かけて行った。。
私は、今日
ブルーは着なかった。。。
惨めになるから
その選択は、正解だったと思う
この胸の痛みに
とどめを刺す必要はない
お母様が遺したドレス。。。
濃紺のドレスを着ている
深い夜の色だ
胸元は、お母様から譲り受けた
黒曜石をベースに
お父様の瞳の色
濃いサファイアが煌めいている
とても美しかった
父の瞳。。母も私も大好きだった
父が大好きな母へ贈った物だ
黒曜石を繊細にカットしていき
蔓状の薔薇の葉が肌に沿う様に連なり
中央にやや大き目のサファイア
そして、所々にサファイアが
散りばめられ、、、とても美しい
。。イヤリングと髪飾り。。
小さな黒曜石とサファイアで
差し込めるタイプで髪型により
留める事が出来る物だった
そして、見えない胸元に隠して
お母様から託された
図書室の鍵を付けている
もう、誰も居ない玄関ホール
「お嬢様。。。とても美しいです」
アランがいつもは見せない
蕩けるような笑みをみせる
「ありがとう。。アラン」
彼の、瞳も、美しいブルーだ
髪はプラチナブロンドで
私とは対照的な色あいだ
ベリンダがオリバー様に
エスコートされる中、、、
私まで婚約者以外の男性に
エスコートされる訳にはいかない。。
宮廷様の、煌びやかな
執事服を纏った
美しいアランにエスコートされ
母の遺した戦闘服を身に纏い
私も、今宵の戦場へ赴く。。。
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