完結 この手からこぼれ落ちるもの   

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すれ違う?日々

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デビュタントを終え、、、
成人となった私は、、
忙殺された

たまにでもあったオリバー様との
お茶会でさえも時間を作るのが
難しくなっていった。。
成人はしたが、まだ叔父の後見を
外す事は出来ない。。。
公爵家の執務と併せて
行く事は無理と押し切られ
私は学園には。。。
学園に通うのは自由なので
通わない者もいる
私は、家庭教師も付いているし
必要ないと行かせてもらえなかった
その分執務と、公爵家の事業に
時間をかける様言われている
叔父家族は、、、何もしていない
社交をこなしていると
理由をつけては、ドレスを新調し
宝石を買い散財するばかり
叔父も色々と付き合いがあると
散財はするが、働く事は皆無だ
ため息しか出ない。。。

ベリンダは、オリバー様と同じ学園に通っている。一年だけだがオリバー様在学中に通う事になる。。毎日、楽しいと帰ってくるとオリバー様との事を話してくる。
今までは、私は1人で食事していたが、
叔父家族と食事を共にせねばならない
だからと言って、私の食事内容は良くはならない。。野菜クズの入った冷たいスープ
カビがところどころに生えた硬いパン
肉や魚、スイーツは私には無い
ただ、ただオリバー様との話を聞かせる為だけに同じテーブルを囲むのだ
帰って来てから聞かせただけでは足りないらしい。
もう、婚約者は私なのだと言う事も無くなった。。。その度に叔父様から打たれるから。。そして当然のように食事を抜かれる

最近では、オリバー様と
一緒に過ごした幼き頃は、、、
夢だったのだろうか、、、
優しかったオリバー様は、、、
もういないのだろうか
婚姻しても
寂しい思いをするのだろうか、、、
この胸のズキズキとした締め付けられるような痛みが続くのだろうか
分からなくなった

今は、アランが居てくれるから、、
セバスチャンとも連絡が取れている
そして、コッソリと食べ物を差し入れてくれる。成人した事により少し私の自由が出て来たのも救いだ。早く、後見人を外せるようになりたい。 
そしたら、叔父家族に、出て行ってもらおう。。あと、2年。。我慢だ
そうしたら
お母様から受け取った鍵を使い扉を開ける事が出来る。
見張りが居ると難しいのだ、、、

今は、セバスチャンとアランだけが
私の味方だ



☆     ☆     ☆     ☆     ☆



馬車が止まった、、、
ベリンダが帰って来たようだ
今日は、彼女の無駄遣いについて
少し言っておかなければならない
幾ら、ブライスリー家に資産があると言っても無限に湧いてくる訳では無い
湯水の如く使われては、、困る
内心顔も見たくなかったが
叔父様とベラドンナ叔母様が
居ない、今のうちにに少しでも
伝えておかなければ、、、
味方が、、叔父様がいると
泣いて、甘えて何も話が出来ない
そして、叔父様から暴力を受けるだけとなり、何も解決出来なくなるのだ
困った人たちだ

そんな事を考えながら
元私の部屋で今はベリンダの部屋へ
すると話し声が聞こえ、、、
「ふふふっ、オリバーさまったら」
「可愛いよ、ベリンダ。。。」
ドアは少し開いている
2人のやり取りが漏れ聞こえてきた
立ちすくむ私。。。
アランが先立ちノックをし、
「失礼します」と声をかける
侍女が扉を開け、、、
ふふんと蔑みの目を向けてくる
。。。アランの威圧に負けたのか
ベリンダへ取次いでいる

「どうぞー♪」
部屋へ入るとオリバー様も居る
当然だ、声が聞こえていた

「やあ、アンナ久しぶりだね」
と、優しげな笑みを見せる

「オリバー様、お久しぶりです
いらっしゃっていたのですね。。
楽しそうですね」

「ああ、学園を楽しんでいるよ
来年の、君との結婚が待ち遠しいよ」
と、とけるような笑みを見せる
その本心は、私には解らない
18歳となったオリバー様は
背も高く、優しい面立ちは
女生徒の人気の的らしい。。。


「ふふんっ!
アンナ様?いつまでオリバー様と
話してらっしゃるの?

用が無いなら
早く出て行ってよ!」

「はぁ。。。
そうね、貴女に言わなければ
ならない事があったから来たの

最近、ドレスと宝石類を
新調し過ぎだわ、
月にどれだけ新調すれば気がすむの?
来月は、ドレスの新調は無しで
お願いします」


「あら、わたしは
このブライスリー公爵家の為に
地味なアナタに社交しているのよ?
お茶会、夜会。。同じドレスばかり着て行くわけには行かないわ
公爵家の顔として出席しているのだから」

「いいえ、それにしても
度を越しているわ
もっと、自重してもらわないと

1つ1つの物が高価過ぎるの
数が欲しいなら
一回の予算を抑えてちょうだい」

「そんな、貧乏臭い事
言わないで欲しいわ
月にたった数回ドレスを作るのが
何だと言うの?その分あなたが
何とかすれば良いじゃない!
使えない女ね!!この無能!!」

「貴女が私の事を何と呼ぼうと構いません。来月の、貴女のドレス発注は
受けないようにお店側に伝えてありますコレは、決定事項です。。
同じ物が嫌なら今までのドレスに
工夫して着てくださいませ」

「何言ってるのよ!!!
成人したからって、、
調子乗ってるの?嫌ね人ね!!

ねぇ、オリバーさまぁ」
甘えた声で擦り寄るベリンダ、、

「しょうがないなぁ、もう
アンナ様がそこまで言うなら
仕方ないよ、、ベリンダ

僕が、買ってあげるから
ね?大丈夫だよ?
大丈夫でしょ?アンナ様」


オリバー様。。。こんな人だった?
返す言葉も見つからない

「分かりました。ワタクシは、、
失礼します」やっとの思いで
絞り出すと、部屋を後にする


オリバー様。。分かっているかしら
私には、デビュタントの時以外
ドレスや、宝石は贈って下さった事も無いと。。。私とは、話もしていないと
気付いているかしら。。。










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