完結 この手からこぼれ落ちるもの   

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隅へ追いやられ
色々奪われても。。。

叔父様家族は仕事はせず
贅沢だけがしたい人達だった
執務は、セバスチャンが代行している
私は将来の後継者だからと
そのまま学ぶ事は出来た
そして、執務もやれと
将来はお前がやるのだからと
セバスチャンから教わっている
しかし、2人きりにはさせてくれなかったいつだって、叔父夫婦からの手のものが側に付いて見張っている
1人、部屋に戻った後も
部屋の前に、見張りがいるのだ
少しの会話もする事が出来ない
食事は、外に出る訳ではないからと
段々と減らされ、粗末になっていった

最近では、オリバー様との
お茶会も、、ベリンダと一緒だ
そして、ベリンダがピッタリと
くっ付き私は何も会話出来ない

しかし、私は信じている
オリバー様が下さった
『僕が、側に居るよ』と言う
言葉を。。。信じている

「アンナ様は、地味でしょ?
だからわたしの方が似合うと思うの」

「そうだね、君の瞳は
美しい碧だものね。。。
そして、美しい、金の髪」

「でしょ?
私の方が。。ほら、
可愛いでしょ?ふふふっ」

見つめ合う2人

「うん、良く似合っているよ」

チラリと私を見て、、、
大丈夫、、愛してるよと囁く
目で伝えてくるオリバー様

信じて、、良いんだよね?
私を守る為にしている事だって



お父様とお母様を喪ったあの日から
私のお誕生日は祝われた事はない
別にそれで良い
だって、、1番悲しい哀しい日だから
お祝いする気分にはならない
それでも、オリバー様は
「お誕生日おめでとう」と、
プレゼントを下さる
今年のプレゼントは、
大振りのピンクのリボンだった。。
派手な色目で少しびっくりした
私の好みでは無かったから

それを見ていたベリンダが
「あらっ、そんな可愛い色
アンナ様にはもったいないわー
わたしが貰ってあげるღ」

「辞めて、それはオリバー様が、、」

「オリバー様が何だ?
地味なお前よりベリンダの方が似合う」
「そりゃ、そうよ
両親を呪い殺す様な娘ですもの
華やかな色合いは、ベリンダの方が
上手く使いこなせるわっ」

「ねぇ、良いでしょ?
オリバー様ぁーー」

「う、うん、、
そうだね、、良いよベリンダ」

「やっぱりそうよねー

しかも、アンナ様の方が
お姉さんなんだから、譲ってくれなくちゃ歳上なんだからー」

確かに私の方が、、、
1か月早く生まれた。。。

そう、ベリンダのデビュタントは
一緒に行くのだ。。。
私のデビュタントは、、、
ベリンダは、来れない
今から溜息が出る。。。

食べる物が減り
成長が微妙に止まってしまった私

張りのある肌
娘らしく柔らかな曲線を描く
ベリンダ

「ねぇ、オリバーさまぁ
デビュタントのエスコートは
オリバー様にして欲しいのぉ」
と、甘えてしなだれかかる

「そうですわぁ、オリバーさまぁ
ベリンダの方が
綺麗で、娘らしいのですもの
オリバー様も、その方が宜しいでしょぉ?」

「どうせ、
アンナ様のデビュタントは
ひと月前でしょ?
だから、わたしとは被らないから
良いと思うのぉ、。。」

「ま、まぁ、それなら
良いですよ?
しょうがないなぁ、ベリンダ様は」

え???
デビュタントのエスコートは
特別なのよ?
何故、私の婚約者である
オリバー様が、、、
叔父様がすれば良いのでは?

「そうだな、私が
エスコートするより
公爵令息のオリバー様の方が
絵になるからな
ハッハッハッ」
と、和やかな談笑を繰り返す
4人。。信じられない想いで
見つめていた。。。

「オリバー様は!!私の婚約者です!!」

「そんな事、知ってるわよ!!
全く、心が狭いわねっ」

「君のデビュタントが先だから
大丈夫だよ✨」

「そうだぞ、何を狭量な
しかも、まだ居たのかっ、
早くあっちに行けっ邪魔な奴め」

本当に信じて。。良いんだよね?
追いやられる私には目もくれず
ベリンダと見つめ合うオリバー様
哀しいけど、、
私を守る為だものきっと

最近信じられなくなってきている
でも、オリバー様は
側に居るよと言って下さった。。
いつも、私の側で励まして下さった
きっと、私が成人して
家督を継げば大丈夫。。。
婚姻すれば、もう誰も邪魔しない
きっと、、大丈夫






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