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いつまでも続くと思っていた
しおりを挟む優しい穏やかな日々を重ねて
私、10歳の誕生日
その日は、朝から雨だった。。。
この日、私は後継者としての
お披露目の日となっていた
夕方からのパーティーの予定
先日領内よりお母様は急な呼び出しがあり
お父様と2人領地へと急遽向かわれて、今日帰ってくる予定だった。。
ザーザーと降り頻る雨
あまりの大雨に、パーティーは延期となった。。風も出て来ておりこの様な中では
パーティーは困難だと判断された
パーティーは残念だったが、
あまりの雨風に両親の事が心配で
たまらなかった。。
お願い、無理しないで。。。
その時、邸内が慌ただしくなった
「旦那様ーー」
バタバタと駆け回る音がする
公爵家であるブライスリー家では
こんな事は今まで無かった事だ
私も思わず、玄関ホールへ向かう
そこには、、、
「お父様ーーーー!!!」
血だらけになった父がいた
「は、早く、お医者様をっ!!!」
駆け寄る侍医
数名で治癒魔法を施しているが、、
グッタリと青褪め、力無い父の姿
大人に囲まれて治療を受ける父親に
近寄る事も出来なかった。。
私は無力だ
お願い、お父様を助けて、、、
お母様を助けて。。。
お母様は、どこ?
しばらくして、父の部屋に呼ばれた
「お父様っ」
「アンナ、、、
すまない、、アウローラを、、、
助けられなかった、、、
不甲斐ない、ち、父を許して、、
おくれ、、愛、、、し、、て、、」
「お父様っ、おとうさまーー」
気を失った父に縋り、手を握り締める
詳しい事は、、分からない
護衛も数多く喪われた
段々と冷たくなる父の手を
握り締めることしか出来ない
「お父様、、お願い、、、
ずっと側にいて、、逝かないで、、」
気がつけば。。
そこは、両親と共に行った野原
花冠とシロツメクサとクローバーの冠を付けた両親が居た
「アンナ、、アンナ
愛しい娘。。アンナ。。。
ずっと貴女の側に生きて居られなくて
ごめんなさい。。。でも
いつだって見守っているわ
愛する娘。。。アンナ
貴女の幸せを祈って見守っているわ」
「そんなこと言わないでっ
お願い、、まだまだ良いでしょ?
沢山教えて欲しい事があるの
ずっと、ずっと側にいて欲しいの」
「ごめんよ、アンナ。。
私たちは、アンナをずっと見守っているよ。。でも。。生きては留まれないんだ
愛しているよ。。愛しているよ
アンナ。。愛しい娘
幸せになっておくれ
アンナの幸せだけを願っている」
「いやだ、イヤッ
お願い、、逝かないで、、、
お願い、
おとうさま。。おかあさま。。
大好きっ、、愛してる
お願い。。側にいて
お願い、、お願い。。お願い。。
私も、一緒に連れて行って。。
お願い。。
一緒に連れて行って。。」
そんな悲しい顔しないで、、
おとうさま。。あかあさま
お願い。。連れて行って。。。
お願い。。。
はっと、目が覚めた。。。
「おとうさまーーーーー!!!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アンナ様の悲痛な声に
慌てて扉を開け
駆け寄り、旦那様の脈を診る。。
その鼓動は止まっていた
その美しい顔は、悲しげだ
きっとアンナお嬢様の事が
心配なのだろう
何せ、1人娘
お2人は、これ以上無いほどの愛を
アンナ様に注いでおられた。。。
「おとうさまーーー!!!
逝かないで、、お願い
逝かないで、、
私も一緒に連れて行って。。
おとうさま。。おかあさま。。
私を置いて行かないで、、、
っ。。っっ。。」
アンナお嬢様。。
ウィリアム様から
お聞きになったのですね
アウローラ様の事も。。。
アウローラ様に近しい縁者は
いらっしゃらない。。。
居るとしたら、、
ウィリアム様の兄君
オーウェン・イライジャ様である。。。
あの方は、、
黒い噂も少し聞いた事がある
あまり良く無い近親者だ、、、
アウローラ様とウィリアム様の
あれ程の力の持ち主達を
御二人も亡き者にした何者か。。
アンナお嬢様だけでも
ブライスリー公爵家筆頭執事である
この、セバスチャンがお守りせねば
この、命に換えてでも。。。
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