【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ

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度重なる出産

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元飼い犬と妖精、そして悪役令息3人の不思議な暮らしは意外にも平穏なものだった。
この間まで攻略対象達に尻を狙われていたのが嘘かのように。
しかし、驚気の事実が発覚した。
それはこの街に移り住んで1ヶ月が経った頃だ。
どこか気だるく熱っぽい。それに、匂いに敏感で、食事を受け付けない日もあった。
朝食を吐き出してしまった時、いよいよやばいと俺はエリックに連れられ医者に見てもらうことに。

「ご懐妊ですね。おめでとうございます」
「・・・は?」

いやいやいや。この前アレクを産んだばかりだぞ。
まさか、エリックの子供か・・・。
さぁ・・・と青ざめる俺を抱きしめるエリック。
俺の子供だ!俺の子供だとはしゃいでいるが俺はそれどころじゃない。

「エヴァまた赤ちゃん出来たんだね~」
「なんでそんな呑気なんだよ!アレクの育児でもいっぱいいっぱいなのにっ・・・」

笑い合う妖精とエリックを恨めしげに見る。
溜息をつきつつ腹を撫でた。まぁ、子供に罪は無いしな。こんなスピードで妊娠するのは自分が普通の体では無いからだろう。
そんな事を考えていたが、自分が如何に呑気なことを考えていたか分かったのがそれから数週間後。

これまたとてつもないスピードで生まれた赤子。抱き上げた瞬間違和感に気がついた。

「あれ・・・エリックの子供じゃ・・・ない・・・?」

そう、生まれたのはエヴァと同じ漆黒の髪を持った子供。だが、その瞳はエヴァの青いものとは正反対の赤い色だった。

「あ~これはアダンの子供だねぇ」

思わず妖精を凝視する。
どういう事だ!?だってアレクを産んでからそういう行為をしたのはエリックだけだったはずだ。
アダンの子を妊娠するわけがないのに。

「説明しろっ!なんで俺がアダンの子を出産してんだよ!?」
「何でって言われてもねぇ・・・ここは物語の世界だし。エヴァは両性だし、何が起こってもおかしくないよ。それにあんなに種付されてたら孕まない方がおかしくないと言うか」

こいつに聞いた俺が馬鹿だった。
しかし、産まれた命を責める訳には行かない。父親が誰であろうと、自分の子供である限り責任をもって育てるつもりだ。
けど・・・けど・・・

「なぁ・・・嫌な予感がするんだけど。もしかして俺、他の攻略対象達の子供も妊娠したりしないよな・・・?」
「うーん可能性はあるんじゃない?」
「・・・・・・」

俺の予想は大当たりだった。
アダンとの子供を出産した1週間後にはつわりの症状が出始めた。もう俺は何もつっこまないぞ。
因みに3回目のスピード出産で産まれたのはガレルとの子供。4回目はリュカ。
もうそろそろ限界かもしれない。
そう思い出したのは5回目の妊娠を迎えた時だった。
部屋中に溢れる赤子の声。度重なる出産で疲労困憊のエヴァを気遣い、エリックと妖精はよく子供達の世話をしてくれてると思う。

けれど、問題なのはこれからもどんどん子供が生まれるという事だ。ここまで来たら攻略対象全員の子供を妊娠するのは確実だろう。
 増え続ける子供たちを俺達だけで世話するのは、限界がある。恐らく次に生まれるのはユーゴの子供。
子供たちの泣き声でノイローゼになりそうだと、遠い目になっている時だった。
ドンドンッ
部屋のドアを叩く音。
女将さんかな。 

俺はヨロヨロと立ち上がりドアを開けた。
瞬間慌てて閉めたが間に合わなかった。来訪者がドアの隙間に足を挟み閉まらないようにする。

「ようやく見つけたよエヴァ。ここに居たんだね」
「あ・・・アルベール・・・!」







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