106 / 130
おかしな証言者達
しおりを挟む「アダン・ディディエ様。アルベール殿下の護衛騎士様ですね。エヴァ・ヴィリエについてはどういった証言を?」
おっ、堅物変態騎士め。
お前も結局は断罪側に回ってくれて助かったよ。けど俺はお前に首を切られる前に海外逃亡するからな
、あばよ。
「奴は殿下の婚約者だが、数々の悪事、未来の妃になる者とは思えない言動から退学が望ましいと思っている」
「アルベール様も退学と判断さているのですね。理由をお聞きしても?」
「ああ、妃たるもの高貴さや清廉潔白である事は必要不可欠。しかし、奴はあまりにも清純とは程遠い存在だ。雄をいやらしい視線で誘い、その白い体で誘惑する。正に悪女・・・奴のような者を妃には出来ない。よって、退学が望ましい」
「・・・・・・えーと、つまり退学にして妃にはさせたくないということですね」
「ああ」
・・・・・・。
いや、退学を望んでるのはいいとして理由がなんとも言えない。男好きだからってことか?
まあ、原作のエヴァもくそビッチだしまあいいか。
「そして退学後は俺の別邸でこいつを預かろう。我がディディエ家に妻として迎えてやる。すぐにでも男に股を開くお前のような雌。護衛騎士としてこんな危険分子を野放しにはできないからな。二度と男を誘えないように躾てやろう。貴様のその艶やかな体をとくと味わってやる」
舌なめずりをしながら酷く楽しそうに俺を見るアダンに身震いした。
てか待てよなんでまた副会長みたいなこと言ってんだ!?」
「おい舐めたこと言ってんじゃねえぞクソ騎士野郎がッ!」
声を上げたのはガレルだ。
「エヴァは俺の嫁になんだよ。なァ、エヴァ?悪役同士良い夫婦になれるぜ。夫として誰が良いか考えてみろよ。俺ならお前を満足させてやれる、俺のち○ぽ良かっただろ?ひんひん言ってたじゃねえか」
「ちょっ発言は1人ずつと・・・!」
「うるせぇッ!なぁエヴァ、俺の家、オルメス家は裏社会を牛耳ってる組織だって分かってんだろ。その内この国を手中に収めてお前を妃にさせてやるよ。そしたら好きなだけ贅沢させてやる。ああ勿論、お前の性欲も死ぬほど満たしてやるよ。だから退学して俺のとこに来い、な?」
な?じゃねえよ。な?じゃ。
誰がお前のとこになんか行くか。てかちょっと待てよなんかおかしくない???
「お2人ともどうされたんですか!?今はエヴァ・ヴィリエに罰を与える裁判をしているのですよ?リュカ殿貴方も何か仰りたいことが?」
「エヴァ・・・退学する・・・。俺の・・・嫁になる」
「貴方もですか!?」
執行部の生徒は呆れたように顔を覆う。
「エヴァ・・・悪い子・・・。エマに・・・酷いことした・・・。だから・・・オレの嫁」
あまりに理解不能な思考回路に俺もげんなりする。
こいつら一体全体どうしてしまったんだ。
「ユーゴ・ヴィダル殿、貴方はエヴァ・ヴィリエと同室でしたよね?数々の悪事を目の当たりにしていたのではありませんか?」
「ああ、確かにエヴァの行いは良かったとは言えないな。エマに対して制裁を行っていたし反省の色は見えなかった」
「ああやっとまともな意見が」
「けど、それは俺を好きすぎるあまりしてしまった行動なんだ。どうか許してやって欲しい」
「はぁ?」
途中まで大真面目だったユーゴが恍惚とした笑みを浮かべる。
「エヴァは俺がエマと仲良いことに妬いてたんだ。俺がそれに気づかず鈍かったから制裁なんてことさせちまったし・・・責任とらなきゃな。なぁエヴァそうだよな?俺が好きなんだよな・・・なぁ何で目逸らすんだよ。他の男みてんのか?こんな場所でも浮気するつもりかよ」
完全にガンギマリした目で見られ、執行部の生徒に助けを求めるような視線を送ればユーゴから鋭い言葉が飛んでくる。
その様子を哀れみの目で見る執行部の生徒達。
1,713
お気に入りに追加
3,599
あなたにおすすめの小説
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる