【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ

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印象は最悪 ※ユーゴ視点

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小さい頃から曲がった事が許せなかった。
弱いものいじめしているクラスメイトがいれば止めたし、1人でいるクラスメイトがいれば声をかけて友達になった。
自分で言うのもなんだが、クラスでは常に中心人物だったし友達はかなり多い方。

この学園に来てもそれは変わらなかった。
山奥の全寮制男子校という事もあって、ここはかなり変わった風潮がいくつもある。中でも同性愛者が多い事は1番驚いた。まあでも、多感な時期に同性と四六時中過ごしていたらそうなるのも当然か。
親衛隊制度は特に驚いた。

生徒会役員を筆頭に人気の生徒を対象として発足された団体。そして、それは俺にも当てはまったみたいだ。いつの間にか出来ていた親衛隊は、俺を慕っていると良い何かと声をかけ接触しようとしてくる。

正直恋愛に関して、俺はノーマルだし男にそういう感情を抱いたことも無い。だから親衛隊の生徒達が頬を赤らめ俺をすきだと言ってくる気持ちを理解出来なかった。
けど転入生、エマが現れて俺はその気持ちを少し理解出来た気がしたのだ。
明るくて優しいエマ。この学園に毒されていない眩しさは、回りの生徒達を魅了した。

特に生徒会役員なんかは職権乱用も良いとこで、四六時中エマの後を追っている。
実家も学園でも権力があり容姿もいい役員達は、男として魅力的だろう。こいつらと争って俺がエマの気持ちを射止められるのか、正直分からなかった。
でも、エマといると心が安らぐ。役員達がいても俺を気にかけ俺に声をかけてくれるエマが好きだった。

だからそんなエマに危害を加えようとしたあいつが許せなかったんだ。


エヴァ・ヴィリエ。生徒会長の親衛隊隊長を務めるあいつの悪評は学園中に広まっていた。
過激な制裁で生徒を罰し、会長の為なら何でもするという。それに部類の男好きだとか。
正直、関わりがなければあまりいい噂を聞かない生徒、程度のイメージだった。

だが自分の愛する人を傷つけられたとなった時、俺はヴィリエを憎んだ。

「だっ大丈夫だよユーゴ!こんなの何ともないから」
「大丈夫じゃないだろ、エマ今日は俺の教科書使えよ。荷物も、全部俺のロッカーに移した方がいいな」
「ごめんね、迷惑かけちゃって・・・」

エマの悲しそうな顔を見て俺は堪らなくなった。
生徒会の奴らがエマに好意を持っている影響でエマが嫌がらせをされ始めたのは知っていた。
だからなるべくエマの傍に居るようにしたんだ。
だが俺達がエマを守っているのに気づいたあいつらは、エマの私物にまで手を出し始めた。

見るに堪えない言葉が書かれた私物。切り刻まれボロボロになった教科書はとてもしゃないが使用できない。
俺は歯を食いしばり怒りを堪えた。エマの前で醜い姿は見せたくなかったからだ。

「エマ何かあったらすぐ俺に言えよ」
「うん、ありがとうユーゴ・・・!」

そう言って笑ったエマに、俺も安心させるように笑顔を返した。






エヴァ・ヴィリエが親衛隊を除隊させられたのはその後だ。どんな事情があったのかは分からない。
だがすぐに会長と婚約破棄するという噂が流れ、皆除隊の理由はそれなのだと話していた。

「俺が同室!?」
「ああ、何せ事情が事情でな。ユーゴ、お前ならどんな生徒とでも上手くやっていけるだろう」
「っ・・・」

この時ばかりは自分の行いに後悔をした。
教師は問題児であるヴィリエの同室に俺を宛がった。確かに俺は人と仲良くするのは好きだ。
だがヴィリエは違う。エマをあんなやり方で傷つけた奴と同室。
考えただけで怒りをぶつけてしまいそうだ。
だが問題を起こしてエマに失望されたくない。






ヴィリエが初めて部屋に来た時、俺はエマがされた事を思い出しつい冷たい態度を取ってしまった。

「君には関係ないことでしょ」

あんな事をしたのに全く反省した態度が見られない。こいつの事だ、またエマになにかするかもしれない。そう考えただけで腹が立ってきてなるべくヴィリエと顔を合わせないように生活をした。
だが同室である限りどうしても相手の生活が見えてしまう。噂通りヴィリエが自室に男を連れ込んでいるのを見る度に嫌悪感が募る。
最近じゃ、エマの周りにいたはずの書記までもがヴィリエと関係を持ち始めたらしい。

「邪魔・・・」
「・・・俺の部屋なんだけど」

朝のロードワークから部屋に戻ると書記とすれ違う。きっと昨晩もヴィリエの部屋に泊まっていたのだろう。そこで何をしてたかなんて容易に想像出来る。

「お前、何で最近エマの所に来ないんだ」
「・・・?」
「エマが心配してるから聞いただけだ。何であんなやつにつきまとい始めたんだ、何か弱みでも握られてるのか」
「・・・お前に・・・関係ない。エヴァは・・・俺の運命ってだけ・・・」

元々口数少ない奴だとは分かっていたが、訳が分からない。俺に興味が無いというようにそのまま部屋を出ていった書記。
どういった心境の変化があったのかは分からない。けれど俺はヴィリエと関わるつもりは無いし、エマが悲しんでいるのなら俺が傍にいてやろう。
ヴィリエとは出来るだけ関わりたくない。
だが俺とヴィリエの関係が変わったのはその後すぐだった。







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