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わんわんハーレム
しおりを挟む「エヴァ様ッ何でこいつがここにいるんですか!?」
全く面倒臭い事になった。
電波男元い無口わんこ書記に襲われた後、気絶した俺はいつの間にか自室に戻されていた。そして何故だか書記も俺のベッドに潜り込み、俺を抱きしめながらすやすやと眠っている。
多分こいつに運ばれたのだろう。
さてどうしたものかと考えていればユリスが来てしまったわけだ。
「ん~・・・うるさい・・・」
ユリスの絶叫で目を覚ました書記。まだ眠いのか目を擦りながら薄目でこちらを見ている。
「ん・・・おはよ・・・エヴァ」
ちゅ、と頬にキスをされユリスの大絶叫が部屋に響き渡る。おいあんまうるさくすんなよ、ユーゴに文句言われるだろ。
「エヴァ様から離れろ!!ここは俺とエヴァ様の部屋だぞ!?」
「いや俺の部屋だから。ユリスあんまうるさくしないで、あとリュカ様もいい加減離れてください」
「エヴァ・・・お腹空いた・・・ご飯食べたい」
こいつマイペース過ぎないか?俺は呆れながらベッドから降り立ち上がろうとするが、腰に抱きついていたリュカもずるずると引きずられる。
そんなリュカをユリスが蹴り飛ばしていた。
「いった・・・何・・・お前」
「お前こそッ!生徒会役員がエヴァ様に近づくな!エヴァ様はもう親衛隊でもなんでもないんだ!」
「うるさい・・・知ってるし。エヴァは・・・親衛隊やめて・・・僕のお姫様になった・・・。お前・・・邪魔」
「はぁ!?エヴァ様こいつ本当にヤバい奴です。こんな奴が生徒会なんてこの学園も終わりですね・・・。早く自室に不法侵入されたって風紀に言いましょう」
「喧嘩すんなよお前ら・・・」
大型犬同士が睨み合っているようでちょっと面白い。というかユリスは何でリュカにそんな敵対心抱いてるんだよ。あ、もしかしてリュカが転入生と仲良かったからか!?きっとそうだ嫉妬してんだな。
ユリスもやっと物語のキャラっぽくなってきたじゃん。そんな事を考えながら着替えようと服を脱ぐ。
「ん・・・?おい何見てんだよ」
今の今まで喧嘩していた声が静かになったので、不思議に思って振り返れば俺をガン見する2匹、いや2人。俺が睨めばそっと視線が逸らされた。
「エヴァ・・・ご飯・・・美味しい・・・良いお嫁さんになれる」
「エヴァ様のご飯とっても美味しいです!こんな贅沢な朝食を頂けるなんて・・・」
腹が減ったと騒ぐリュカがうるさく、2人のために朝食を作ってやれば満足そうに食べていた。
「そういえばエヴァ様、今日は口調がいつもと違いますね・・・!俺はどちらのエヴァ様も好きですが」
ユリスからの指摘に冷や汗が垂れる。やばいリュカのせいで完全に元に戻ってた。何と答えようか口ごもっていればリュカが答える。
「俺は・・・知ってた・・・。エヴァが・・・こういう・・・性格だって」
「っ・・・!俺だってエヴァ様の事なら何でも知っています!俺はお前なんかよりエヴァ様と長くいるんだ」
「ふっ・・・何にも・・・知らないくせに・・・」
再び険悪な雰囲気が漂い始めた所で俺は咳払いをする。こいつら数分おきに喧嘩するな。
食事を食べ終えるとリュカが甘えるように腰に抱きついてくる。それを見て負けじと背後から俺を抱きしめてくるユリス。
そして膝に飛び込んでくるエリック。
「エヴァ・・・ご飯の後の・・・お昼寝しよ・・・」
「エヴァ様こんな不法侵入者無視して俺と遊びましょう!」
「わんっ!!」
あれ、俺3匹も犬飼ってたっけ?
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