【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ

文字の大きさ
上 下
61 / 130

わんわんハーレム

しおりを挟む







「エヴァ様ッ何でこいつがここにいるんですか!?」

全く面倒臭い事になった。


電波男元い無口わんこ書記に襲われた後、気絶した俺はいつの間にか自室に戻されていた。そして何故だか書記も俺のベッドに潜り込み、俺を抱きしめながらすやすやと眠っている。
多分こいつに運ばれたのだろう。
さてどうしたものかと考えていればユリスが来てしまったわけだ。

「ん~・・・うるさい・・・」

ユリスの絶叫で目を覚ました書記。まだ眠いのか目を擦りながら薄目でこちらを見ている。

「ん・・・おはよ・・・エヴァ」

ちゅ、と頬にキスをされユリスの大絶叫が部屋に響き渡る。おいあんまうるさくすんなよ、ユーゴに文句言われるだろ。

「エヴァ様から離れろ!!ここは俺とエヴァ様の部屋だぞ!?」
「いや俺の部屋だから。ユリスあんまうるさくしないで、あとリュカ様もいい加減離れてください」
「エヴァ・・・お腹空いた・・・ご飯食べたい」

こいつマイペース過ぎないか?俺は呆れながらベッドから降り立ち上がろうとするが、腰に抱きついていたリュカもずるずると引きずられる。
そんなリュカをユリスが蹴り飛ばしていた。

「いった・・・何・・・お前」
「お前こそッ!生徒会役員がエヴァ様に近づくな!エヴァ様はもう親衛隊でもなんでもないんだ!」
「うるさい・・・知ってるし。エヴァは・・・親衛隊やめて・・・僕のお姫様になった・・・。お前・・・邪魔」
「はぁ!?エヴァ様こいつ本当にヤバい奴です。こんな奴が生徒会なんてこの学園も終わりですね・・・。早く自室に不法侵入されたって風紀に言いましょう」
「喧嘩すんなよお前ら・・・」

大型犬同士が睨み合っているようでちょっと面白い。というかユリスは何でリュカにそんな敵対心抱いてるんだよ。あ、もしかしてリュカが転入生と仲良かったからか!?きっとそうだ嫉妬してんだな。
ユリスもやっと物語のキャラっぽくなってきたじゃん。そんな事を考えながら着替えようと服を脱ぐ。

「ん・・・?おい何見てんだよ」

今の今まで喧嘩していた声が静かになったので、不思議に思って振り返れば俺をガン見する2匹、いや2人。俺が睨めばそっと視線が逸らされた。






「エヴァ・・・ご飯・・・美味しい・・・良いお嫁さんになれる」
「エヴァ様のご飯とっても美味しいです!こんな贅沢な朝食を頂けるなんて・・・」

腹が減ったと騒ぐリュカがうるさく、2人のために朝食を作ってやれば満足そうに食べていた。

「そういえばエヴァ様、今日は口調がいつもと違いますね・・・!俺はどちらのエヴァ様も好きですが」

ユリスからの指摘に冷や汗が垂れる。やばいリュカのせいで完全に元に戻ってた。何と答えようか口ごもっていればリュカが答える。

「俺は・・・知ってた・・・。エヴァが・・・こういう・・・性格だって」
「っ・・・!俺だってエヴァ様の事なら何でも知っています!俺はお前なんかよりエヴァ様と長くいるんだ」
「ふっ・・・何にも・・・知らないくせに・・・」

再び険悪な雰囲気が漂い始めた所で俺は咳払いをする。こいつら数分おきに喧嘩するな。
食事を食べ終えるとリュカが甘えるように腰に抱きついてくる。それを見て負けじと背後から俺を抱きしめてくるユリス。
そして膝に飛び込んでくるエリック。

「エヴァ・・・ご飯の後の・・・お昼寝しよ・・・」
「エヴァ様こんな不法侵入者無視して俺と遊びましょう!」
「わんっ!!」

あれ、俺3匹も犬飼ってたっけ?






しおりを挟む
感想 172

あなたにおすすめの小説

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。

riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。 召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。 しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。 別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。 そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ? 最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる) ※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
第12回BL大賞奨励賞いただきました!ありがとうございます。僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して、公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…我慢の限界で田舎の領地から家出をして来た。もう戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが我らが坊ちゃま…ジュリアス様だ!坊ちゃまと初めて会った時、不思議な感覚を覚えた。そして突然閃く「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけにジュリアス様が主人公だ!」 知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。だけど何で?全然シナリオ通りじゃないんですけど? お気に入り&いいね&感想をいただけると嬉しいです!孤独な作業なので(笑)励みになります。 ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない

てんつぶ
BL
 連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。  その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。  弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。  むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。  だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。  人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――

処理中です...