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相部屋だってよ
しおりを挟むそういえば除隊させられ一般生徒(笑)になった俺は何と個室まで取り上げられてしまった。これに関しては親衛隊になる前から与えられていた物だし関係ないだろと抗議したかったがどうやらアルベールの命令らしい。
個室部屋も食堂で俺だけ静かな席で食事出来てたのも全部全部アルベールが与えていたものだったと今更知った。だからアルベールの加護が無くなった今全てを取り上げられ普通の学生生活を強いられている。
別に特別扱いされたいわけじゃない。困るのは嫌がらせが激化する事だ。現に学園での後ろ楯の無くなった俺にここぞとばかりに嫌がらせしてくる輩ばかり。何より困ったのが部屋が個室から相部屋になった事だ。
そして何と何とお相手はあの転入生に心酔してる攻略対象sの1人爽やかスポーツマン君。
スーツケース片手に部屋に入った俺をあからさまに嫌そうな顔で見る男に俺は気まずすぎて小声で挨拶をした。
この爽やか美形君、ユーゴ・ヴィダルは陸上部に加入している。脅威の身体能力で次々と記録を塗り替え数々の大会で優秀な成績をおさめている。中等部の時から期待の星であるユーゴはこの学園にもスポーツ推薦で入っているのだ。刈り上げられた黒髪はスポーツマンらしく短い前髪はその美形を惜しみなく晒している。陸上部なだけあってしなやかな筋肉は男らしい。
誰に対しても優しく鬼コミュ力な男だが悪役令息である俺だけは例外らしい。
いつも安売りしてる笑顔はどうしたと聞きたいくらい俺を睨んでいる。
「俺はエマに制裁したお前を許さない」
「・・・君には関係ない事でしょ」
「俺はエマが好きだ。好きな奴を傷つけられて怒らない男なんていないだろ?」
「・・・・・・」
「正直同室になるのは死ぬほど嫌だしお前とは話したくもない。俺の部屋には絶対入るなよ。あと、またエマに何かしようとしたらその時は俺がお前を制裁してやる。覚えとけよ」
おー怖。
俺の顔を見るのも嫌なのかユーゴはそう言うと部屋から出ていってしまった。
気を取り直して部屋を見渡す。今までの部屋とは比べ物にならないくらい狭い。キッチンリビングは共同で各々個室があるようだ。でも前世7畳のワンルームに住んでた俺からしたら充分な広さ。
俺はいそいそと荷物を広げ部屋を片付けた。
「どう?美味い?」
「めちゃくちゃ美味しいです!!」
「良かった。初めて作ったから上手くできるか不安だったんだ」
俺が一般寮に移ったことをどこから聞きつけたのかあの後ユリスが押しかけてきた。ユーゴがいないから良かったものの渋々部屋にあげれば犬のようにのこのこ着いてきた。
「エヴァ様お菓子作りの才能もあったんですね!本当に美味しいです・・・!」
「まあ、僕は器用だからね。というかお前これからは勝手に部屋来たりするなよ。一応相部屋で他の生徒と一緒に住んでるんだから」
「あっこれも美味しー!」
「おい聞いてんのかよ」
どんだけ腹減ってたんだと思うほど貪り食うユリスに先程作ったお菓子を渡す。学園に来てからあんま食えてねえのかなこいつそうならちょっと可哀想だ。
「なあお前転入生に会ったのか?」
「え?転入生・・・?ああ、そういえばこの前中庭で会いました」
「会ったのか!?それで!それでどうだったんだ!?」
「どうだったってどういう事ですか・・・?別に、ちょっとお話しただけですよ」
転入生にあったのなら攻略対象であるユリスは何かしら感情の変化があってもおかしくない筈なのに。なんでこいつ平然としてんだ。
「その、転入生結構可愛いだろ?お前はタイプとかじゃないの・・・?」
「え・・・いや、僕は別に・・・。というかエヴァ様はああいう男が好きなんですか?」
「いやそういう事じゃなくて・・・」
何だか噛み合わない会話にやきもきする。
「ユリスはああいう子タイプじゃないの?可愛くて性格も良くてああ、ほら自分を初めて気にかけてくれた相手~みたいな・・・」
確かこれは作中のユリスが主人公に惚れた理由だったはず。幼い頃からエヴァの奴隷として扱われていたユリスが初めて会った主人公に気にかけられエヴァの為に自分を犠牲にするなと言われ泣いてしまうシーン。
「ぼっ僕のタイプは・・・どっちかと言うと可愛いよりは美人な子・・・で、生意気でお高く止まってる癖にえっちなことにはよわよわで・・・意地悪なフリしてるけど本当はすごく僕に優しい子・・・です」
「はぁ、随分具体的だな・・・?」
予想外の返答に主人公ってそんなタイプだったっけと考える。でも俺が知らないだけでそういう一面もあったのかも・・・?
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