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今1番会いたくない ※R15

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「いったぁ・・・口の中切れてるかな?うわ・・・血出てる・・・くそっ・・・」

まさかこんな短期間で2回も保健室を利用することなるなんて。てかこの保健室いつも保険医いないけどそういう仕様?
俺は棚を漁り勝手に痛み止めを拝借する。

「その怪我はどうした」
「ん?さっき殴られて」
「誰に殴られた」
「ん・・・マジで最悪・・・ってわあああ!?」

気配がしなかった。横から俺を覗き込んでいたのはガレル。眉を顰め非常に機嫌が悪そうだ。

「口開けて中見せろ」
「はえっ・・・あ"・・・」
「ちっ中切れてんな・・・水で洗うぞほら」

何故か手際良いガレルに介抱される形で治療された。ガレルは小さく切ったガーゼを手に取り俺の口の中に突っ込んだかと思うと傷に当て圧迫した。

「暫く我慢してろよ。血が止まるまでだ」
「ぁ"・・・」

座った状態で口を開け続けるから飲み込みきれない唾液が徐々に頬を伝って垂れる。慌てて制服の袖で拭こうとしたが目の前の男がべろりと舐めたため思わず声を上げてしまう。

「こんな可愛いお姫さま殴る奴がいるなんて許せねえなァ。なあ、殺してきてやろうか?お前が感じた痛みの数十倍酷い目に遭わせてやるからよォ。誰にやられたか教えてくれよ」
「っ・・・」

ぎらりと瞳を光らせる男に相手の名前なんていえなかった。だって本当に殺しちゃいそうだから。
首をふるふると振りながらもう良いと男の指を口から引き抜く。

「ぼっ僕の権力があれば相手に報復する事なんて簡単ですからわざわざガレル様に頼む必要はありません」
「またそんな強気なこと言いやがっておい俺の事も頼ってくれよお姫様」
「っ・・・その姫っていうの辞めてください!それに僕にはアルベール様がいるからガレル様とはっ・・・!?う"っ・・・」

思い切り顎を掴まれ痛みで呻く。あ、絶対傷口開いた。じわりと滲む鉄の味が不快だ。

「アルベールアルベールって言うけどよ、お前他の男にも抱かせてんだろ?俺が知らねえとでも思ってたのか。この間だって俺と別れた後アルベールの護衛騎士の野郎とヤッてたじゃん」
「っ・・・それは・・・!」

ずるずる引きずられベッドへと押し倒される。喧嘩慣れした筋肉に覆われた男の体の前じゃ俺の抵抗なんて意味をなさない。

「俺が生理中だからって優しく引き下がってやったのに。他の男にはヤラせるんだもんな。この俺が優しくしてやってんのにお前俺をどうしたいワケ?」
「やだっ・・・!」

マジでやばい。殺気立ったガレルが怖くて逃げたいがのしかかられた状態では身動きすら取れない。

「なァお姫様俺もお前のセフレにさせてくれよ。気持ちよくしてやっからさ」
「セフレなんかじゃっ・・・ない・・・!」
「あ"?じゃあ何あいつら全員本命だって?ははっほんと我儘で強欲なお姫様だ。じゃあ俺も本命だな♡」

シャツを破かれボタンが飛び散る。
またこうなるのかよと絶望しながらもはや早く事が終わるのを待つしか無かった。喧嘩後だろうかガレルの傷跡が残る節ばった大きな手が腹を、胸を滑る。
目をつぶって耐えていればその指が胸の頂きに到達しくにくにと突起を弄り始める。
甘い快感に思わず熱い吐息を漏らせば唇ごと食まれる。

「ん…んちゅ…んっ…♡はぁっ…♡」
「は…まだ甘い匂いがする。雌の匂い・・・当然かまだ生理終わってねえもんな」
「んっ…ここやだっ血…血が出ちゃうから・・・!」

そう、俺はまだ生理中。保健室のベッドでなんか事に及んだらこの真っ白なシーツを真っ赤に染めてしまう。汚いし不衛生だし何より申し訳ない。
俺が泣きながら訴えればガレルは舌打ちをしながらも聞き入れてくれたのか俺を抱き上げ保健室を出た。

「俺がこんな事してやんのお前くらいだからな。あとでちゃんと奉仕しろよ」
「っん・・・」

暫く歩くと寮のある棟へと連れていかれた。
一室にカードキーをかざすとドアが開き中へと入れられる。振り向けば後ろ手に鍵を閉めたガレル。
完全に逃げ場は無くなった。
もう観念してこの男に抱かれるしかない。
ガレルは未だ怯える俺に抱きつくとそのまま首筋を噛まれる。




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