上 下
46 / 130

攻略対象4 ガレル

しおりを挟む







「っ・・・」
「よぉ、起きたか?」
「だ・・・誰・・・」

ドアップの超絶美形に思わず瞬きを繰り返してしまう。驚いて飛び起きようとすれば太い腕に抱きしめられ再びベッドの中へ。

「俺の事知らねえとか本気で言ってんのか」
「・・・???」
「Fクラスのガレル・オルメス。初めましてだな親衛隊長さん?」
「あ・・・あ・・・が・・・ガレル・オルメス・・・」

思い出した。この学園は王族や貴族のお坊ちゃんが殆どだがその中でも素行が悪く言わば不良というやつに区分される生徒達もいた。
そんな生徒が集められたのがFクラス。
こいつらの教室は俺たち通常クラスからは離された場所に位置する為普段会うことは無かったのだが。

ガレルは顔面蒼白になった俺を面白そうにニヤリと笑って見ている。銀色の髪は片側だけかきあげられガレルのワイルドな美形を引き立たせている。
パープルの瞳は怪しく光り俺を捉えて離さない。

不良クラスであるFクラスの不良達を圧倒的強さで蹴散らし今や親玉として君臨しているガレル。
誰もが恐れる男だ。機嫌を損ねたらボコされるどころじゃ済まない。それにガレルの恐ろしいところはバックにつく実家が裏社会にも通じているところだ。

何でもガレルの親は人身売買や薬あらゆる犯罪に手を出しその世界では名を馳せている。そしてガレルもまたそんな実家を継ぎ裏社会のリーダーとして君臨する運命。
何よりガレルはこの学園の男同士で恋愛する文化を死ぬほど嫌っている。特に生徒会に入れあげる親衛隊を毛嫌いし見かければ酷い暴行にあう。

「最近親衛隊のクソ共がちょろちょろうるさいんだよ。だから親玉を締めてやろうと思ってな。下っ端からお前が保健室に駆け込んだって言うから来て見りゃすげぇ可愛いお姫様が寝てるからびっくりしたんだぜ?」
「な・・・何を言いたいのかよく・・・」
「学園内で死ぬほど嫌われてるからどんな豚かと思ったらこんな可愛い顔してんだもんなァ・・・可愛すぎる罪で嫉妬されて嫌われちゃったのかお姫様」
「っ・・・!?」

「王子様が来るまで待ってた?残念だったな王子様は来ねえよ?でも安心しろ俺は王子様じゃねえけどお姫様を気持ちよくしてやることなら出来るぜ」

「にしてもこんな可愛い顔して隊員の奴らに制裁して!って命令してたのか。とんだ我儘お姫様だなァ・・・♡なあ、俺にも命令してくれよお姫様の為にムカつく奴ら全員消してきてやるからさ。だからご褒美にお姫様のここで番犬の俺をかわいがってくれ」
「っ!?やっやだ・・・!?」

俺に覆い被さるガレルに慌てて逃げようとするが腰を掴まれずるずると引きずり戻される。

「俺はそこら辺の犬共よりよっぽど使えるぜ・・・お前の為ならあの生徒会の連中だって殺してきてやるよ。すっげえ甘い匂いする発情した匂い・・・はぁっ・・・」
「なっ・・・!だめっ・・・だめっ・・・!?いっ今生理来てるから!!」

俺の言葉にガレルは怪訝な表情をする。

「言い訳まで可愛いな。そんな嘘で俺から逃げられると思ってんのか?許さねえよ」
「ほっほんと・・・!具合悪いの・・・お腹痛いし気持ち悪いし・・・えっちしたらもっと具合悪くなっちゃう!」

俺の涙ながらの訴えに止まるガレル。
俺は半べそになりながらベルトを外し少しだけ中が見えるようにズボンと下着を下ろす。中は血だらけでかなりグロいことになってた。そりゃ具合悪いわけだわ。

「こ・・・これぇ・・・血・・・出てるから・・・今日はシたくない」
「はっ・・・マジかよ。何で男なのに生理きてんの?」
「っ・・・おれ・・・両性だから・・・」
「へぇ・・・!マジで女の子かよじゃあ孕めんのか」

こくこくと頷けばガエルはあくどい笑みを浮かべ俺を抱きしめた。

「そうか、そうかァ・・・じゃあ大事にしなきゃな?ここ」

下腹部の、子宮がある位置をガエルの大きな手で撫でられる。くっ、と押されれば中がきゅん♡と無意識に疼いた。




しおりを挟む
感想 172

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

処理中です...