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まるで悪女のよう ※アルベール視点
しおりを挟む「アルベール様こんな所でどうされたのですか?」
「どうしたも何も僕が婚約者に会いに来ちゃおかしいの?」
「いえ・・・そんなつもりでは・・・」
こんな冷たく接するつもりじゃなかったのに予期せぬ婚約者の浮気につい吐き捨てるように答えてしまう。
こんな所でどうされたのって僕に隠れて浮気してる現場見られるのがまずかったの?笑しおらしくするエヴァが可愛くてそれがまた憎たらしい。 僕は君からの手紙を毎日待って今日ようやく会いに行く決心をしたというのに。君を考えない日は一日たりとも無かったのに君は僕の事なんか忘れて間男と浮気してたんだ。
そこからはひたすらにエヴァを責めてしまった。エヴァは僕に言われたからしなかったと言うがだからといって使用人らしきあの男と親しくするのはおかしいだろう。
僕らは婚約者なのだ。君の行動が僕の評判にも関わるなんて思ってもないことを言ってしまう。本当は君が僕以外の男と親しくしていたのを見て嫉妬したなんて。そんなかっこ悪いこと言えなかった。
僕よりもそんな使用人がいいの?
君は豪華な宝石やドレスが好きなんだろう、そんな男と一緒になっても君の満足出来るような生活は送れないよ。そんな甲斐性なしな男やめて皇子である僕にしなよ。
そう言いたいのをこらえて怒りの言葉を口に出す。
するとエヴァが不満そうな顔をする。
ああ、怒った顔も可愛い・・・なんて思ったのもつかの間。僕を鋭い刃のような言葉で切り刻んできた。
曰くエヴァは僕を好きじゃないと。政略結婚なのだからお互い誰と関係を持とうが関係ない、あの男には体を許していて他の男とも遊びたいから早く婚約破棄しろと。
僕を捨てて他の男に抱かれようとしてるのかッ!?そんなの絶対許さないッ・・・!!
エヴァの腕が抱きつくように僕の首に回った時嬉しさのあまり胸がドキドキと高鳴ったがエヴァの僕を地に落とすようなそんな発言のせいで瞬時に怒りが沸いてくる。
愛しいのに、こんなにも好きで好きでたまらないのに。僕の気持ちはすっかり君に落とされているのに君は妖艶な笑みを浮かべて酷い事を僕に囁く。
まるで悪女のように笑みを浮かべてすぐに僕の胸を突き飛ばし用はないとばかりに去ってしまった。
取り残された僕はエヴァの後ろ姿をずっと見ていてどす黒い感情に苛まれていた。
「エヴァ・・・ああ、エヴァ・・・。君はなんて酷い子なんだ。こんなにも僕を虜にさせて餌も与えてくれない・・・絶対に逃がさない。他の男になんてくれてやるものか。君の手足を枷に繋いで僕だけを受け入れるようにしてあげる。他の男なんか忘れるくらい快楽を与えて僕だけのエヴァにしてあげる」
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