「卑しい」と虐げられた健気歌姫、パトロン閣下に溺愛されて才が花開く

「私の歌声を見込んでくださった閣下の期待に応えたいけど、なんだか視線が甘い気が……?」

アンナ・エフラーは成金豪商の娘。母亡き後、貴族出身の義母と義妹に「卑しい娘」と虐げられている。芸術の都ブルーメンでは音楽をはじめ芸術に長けることがステータスなのに、大好きな歌を歌わせてもらえず、ろくに練習もできないピアノで義妹の伴奏ばかりしていた。
そんなある日、晩餐会に貴族出身の実業家であるゲオルク・レングナーがやってくる。彼はアンナの実力を見抜き、「きみの歌を聴かせてくれ」と外の世界へ連れ出した。
当然よく思わない義母たちはアンナを酷く虐げるけど、アンナの胸に灯った火は、そんなことで消えはしない。

「私はもっとたくさんの人に、私の歌を聴いてもらいたいわ」
「きみならできるさ」

ゲオルクさまは、そう言って私を励ましてくださる。期待に応えたいわ。
だけど、ちょっと待って。
なんだかゲオルクさまの視線が甘い気がする。
私を夜会に連れていくとか、お祭りへ一緒に行くとか、まるで婚約者みたいじゃない――!?

※この小説はカクヨムさまにも掲載しております
※身体的・精神的虐待の描写があります
24h.ポイント 732pt
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