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【番外編】
上井夫妻の初詣デート 【東国三社参り】
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「下三宮参り」と言う言葉をご存知だろうか。
江戸時代には関東以北の人々が、伊勢神宮参拝の後にこれらの三社を巡拝する慣習が存在したのだ。
正直言えば、アタシは参拝したかった。
だが、しかし。
これらの三社があまりにも“パワースポット”として有名になり過ぎていて。
アタシの天邪鬼の虫が疼いていたのだ。
ただ、今年はどういう心境の変化か自分でも理解らないのだが、急に行ってみたくなったのだ。例によって【レグルス・ツーリズム】が企画したバスツアーで。いつもは平日の為に貴志さんは誘わないのだが、今回は土曜日出発であった。恐る恐る誘ってみたら、夫は満面の笑みで快諾してくれて。新年早々、「東国三社参り」の初詣デートと相成ったのである。
※ ※ ※
天気が良くて本当に良かった。
折角の初の東国三社参りなのだ。
冬の冷たい澄んだ空気の中、参拝を楽しめるのは本当に嬉しい。
けれども、下手に貴志さんに『お天気が良くて良かったですね。』
などとは決して言わない。
『貴女の日頃の行いが良いからですよ。』
などと言う台詞が返ってくるのは理解り切っているのだから(苦笑)。
【息栖神社】
久那戸神、天鳥船命、住吉三神を御祭神とする、こじんまりとしたお社である。
久那戸神は鹿島神・香取神による葦原中国平定において、東国への先導にあたった神と社伝では言われているそうだ。
初の御縁を頂戴する参拝を済ませたら、今年最初の運試し。
御神籤の結果は小吉であった。
スタートダッシュはまずまずである。
今回も御朱印は添乗員さんがまとめて授与して下さるから団体客であるアタシ達は気楽に参拝を楽しむ事が出来る♪ 紙御朱印になってしまうが、文句などあろう筈がない。彼女が言うには、普段は人っ子一人いない寂しいお社だそうだが、駐車場は満杯であった。
アタシは旦那さまをお供に引き連れて、水中に鎮座する一之鳥居と“日本三大霊泉”の一つとされる「忍潮井」を参拝し。集合時間までをそこで過ごした。眼には見えない鹿島灘と太平洋を臨み、遥か超古代に想いを馳せながら。
【鹿島神宮】
常陸国一宮であり、記紀神話においても重要な武神・武甕槌大神を御祭神とする、神武天皇元年創建の由緒ある神社である。壮麗な大鳥居と社号標を拝見しても、その威勢が伺える。
深々と礼をして鳥居を潜り、御手水舎で手と口を濯ぎ。
“日本三大楼門”に数えられる朱色の楼門を潜り抜け。
参道を歩いてゆけば、直ぐ右手に拝殿が見えてくる。
見掛けは簡素だが、よくよく見れば中も背後の御本殿も豪奢にして華麗である。
初の御縁を頂く事が出来た事に感謝して、夫と参拝をさせて頂く。
その後は神聖で荘厳な雰囲気の神宮の杜を歩き、奥宮に参拝する。御本殿にお祀りされてらっしゃるのは和魂であり、奥宮には荒魂がお祀りされてらっしゃるのだ。
やはりここまで来たのだから、両宮をキチンと参拝して、感謝を捧げたい。
有名な要石には興味ナッシングなので華麗にスルーだ(笑)。
それよりも森の木々の見事さに感嘆する。
特に木の根元が凄い。
注連縄がないのが不思議なくらいだ。
その土地が放つパワーに圧倒されてしまう。
遠慮なく抱きつき、鹿島の地の御力を頂く。
上を見上げれば、“入ってしまう”状態に陥る。
アタシの奇行に慣れ切っている旦那さまは静かに見守っていて下さる。
有り難い事である。
本当に佳い男性(ひと)とめぐり逢う事が出来たものだ。
鹿島神宮の近くのお店で昼食は済ませているが、香ばしい匂いに惹かれ鮎の塩焼きを頬張り。【鹿島神宮限定】と言う言葉にヤられ(笑)、御神酒を購入してしまった。ささやかな自分土産である。森林浴を楽しみながら戻り、社務所で今年二度目の運試し。そしたら何と、大吉であった!! 「鹿島立ち」と称されるご利益にあずかったようで、こいつぁ春から縁起が良いわえ♪ 胸弾む心地で、大鳥居を潜ったら振り返り感謝の一礼をする。駐車場の横にもお店があり、そこでは温かな甘酒を楽しんだのだった。
【香取神宮】
下総国一宮であり、全国にある香取神社の総本宮である。
鹿島神宮と同様、宮中の四方拝で遥拝される御社でもある。
鹿島神宮も凄かったが、香取神宮も負けず劣らず凄い。
何が凄いって駐車場も広いが、参道に立ち並ぶお店の数々だ。
これは絶対に後で覗かなければ!
が、先ずは参拝が先である。
ここも広大な敷地に鎮座し、見事な木々が多い。
だが、鹿島神宮の荒々しさに比べれば、些かの嫋やかさを感じる。
えっちらおっちらと旦那さまと腕を組み、助けられながら参道を行く。
朱色が鮮やかな楼門を潜れば、漆黒の壮麗な拝殿が見える。
御祭神である剣の神・経津主大神に、初の御縁に対する感謝の拝礼をする。
アタシは祈願はしない。
ひたすらに感謝を捧げるだけだ。
社務所には御守りや御朱印を授与して頂く列が出来ているが、アタシが用があるのはそこから少し外れた場所だ。ここも商魂逞しく(笑)、何種類もの御神籤があるが、アタシは一番シンプルな御神籤を引いた。本日最後の運試し。ラストは中吉であった。三社とも「吉」だったので、今年も良い年になるに違いない!
貴志さんと鳥居を潜っての感謝の一礼をすれば、アタシの「東国三社参り」はこれで終わりだ。勿論、ブログアップ用の写真はデジカメでキッチリ撮影している。駐車場に向かう道すがらの神前店(?)を一々覗いてしまうが、楽し気なアタシを旦那さまは微笑ましく見守って下さる。
店先に並んでいるお団子や餅菓子はどれも美味しそうで、ついつい食指が動いてしまう。アタシはバスの中でも食べられるパック入りの物をチョイスし購入。『自家焙煎の美味しい珈琲』の文字に惹かれて珈琲もテイクアウトしたのだった。勿論、日頃お世話になっている皆様へのお土産も忘れずに。
今回、由美センセが先約があって参加出来ない事を最後まで悔しがっておられた。「仏」がないので、優里ちゃんは最初から興味はナッシングだった(笑)。
沈む夕陽に向かって帰りのバスが走るから、“東国”に旅行に来た事を遅まきながら実感したのであった。
※ ※ ※
「…真唯さん…何か、屈託がおありのようですが…話しては頂けませんか…?」
「…貴志さん…」
現在、アタシは【椿屋珈琲店 上野茶廊】に来ている。
集合と解散場所が上野駅で、貴志さんに誘われたのだが。
旦那さまは、アタシの複雑な心境などお見通しであったのだ。
「…『屈託』とはまた少し違うんです…でも…」
おかわり出来るブレンドをオーダーして、アタシは話し出した。
「東国三社参り」を実際にした感想を。
※ ※ ※
鹿島神宮の「鹿島」の字って、昔は「香島」って書いたらしいんです。
でも、もっと古くは「神島」と書いたとも言われているんです。
それに「常陸」って「日立」でしょ?
『陽が立つ』場所……朝陽が一番に昇る場所なんです。
だからこそ、縄文時代には太陽信仰が存在して、【鹿島大神】は太陽神だったとの説もあるんです。
所詮、……いえ、「所詮」などとは失礼ですが、【武甕槌大神】は記紀神話の神様です。記紀神話なんて、大和朝廷が自分達の正当性を主張する為に作って編纂した書物ですからね。
ご存知ですか?
【天照大御神】が、なぜ女性なのか?
持統天皇になぞらえているって説があるんです。
天照大御神は子供じゃなくて、孫の瓊瓊杵尊に日本を治めさせるでしょ?
それは持統天皇の子供が死んでしまって、孫に位を譲った事になぞらえてるって。
……あくまでも、一つの仮説ですからね?
そんな仮説も在るって言う一例です。
ただ、記紀神話が全くの“作りもの”だと思ってる訳ではないんです。
記紀神話の神々を否定する気は毛頭ありません。
全部を盲信している訳ではないと言う事です。
大体、「蝦夷征伐」って言葉は何事かって言う話しですよ。
東北や北海道の人々は独自の政治を行っていたんです。
それをいきなり遠い地方の見ず知らずの人間がやって来て。
『我々の支配を受け入れろ』なんて言われたら、当然抵抗しますよね?
「勝てば官軍負ければ賊軍」なんて言葉がありますが、記紀神話は勝者の神話ですからね。太古の昔は、もっともっと素朴な信仰が存在したと思うんです。純粋な自然信仰が。【神島大神】は太陽神だったとする説の本を読んだ時には、本当に心から納得し色々と考えさせられたものです。
でもね。
本当は遥か昔。
『超古代』と呼ばれる時代から、鹿島は特別な土地だったと思うんです。
「天鳥船」ってあるでしょ?
天鳥船って、日本神話の神々の乗り物とされてますが、インドのヒンドゥー教の「ヴィマナ」と同一視する説もあるんです。「天鳥船」って太平洋に在った伝説の大陸で、実際に使われていた物じゃないかって……。……実際に、それらしいオーパーツもありますしね……
※ ※ ※
貴志さんは、アタシの荒唐無稽な仮説を静かに穏やかに聞いてくれた。
鼻で笑う事など決してない。
その点、同じ“ム○民”なので気が楽だ。
こんな話、ブログに載せる事は愚か、他の人には決して聞かせられない。
【息栖神社】と【鹿島神宮】で感じた事を吐き出してしまうと、大分楽になれた。
そうしてその後は、時代劇の剣道道場では必ずと言っても良い程見られる【鹿島大明神】と【香取大明神】の掛け軸の話になり。当然のように「鬼平犯科帳」や「剣客商売」の話になり、歴代の鬼平や小兵衛や大治郎を演じる役者さんの話になり。加藤剛さんや山口馬木也さんの殺陣は秀逸であり、寺島進さん演じる悪役の殺られっ振りの話についつい熱が入ってしまったのは、今年最初の余談である(笑)。
FIN
江戸時代には関東以北の人々が、伊勢神宮参拝の後にこれらの三社を巡拝する慣習が存在したのだ。
正直言えば、アタシは参拝したかった。
だが、しかし。
これらの三社があまりにも“パワースポット”として有名になり過ぎていて。
アタシの天邪鬼の虫が疼いていたのだ。
ただ、今年はどういう心境の変化か自分でも理解らないのだが、急に行ってみたくなったのだ。例によって【レグルス・ツーリズム】が企画したバスツアーで。いつもは平日の為に貴志さんは誘わないのだが、今回は土曜日出発であった。恐る恐る誘ってみたら、夫は満面の笑みで快諾してくれて。新年早々、「東国三社参り」の初詣デートと相成ったのである。
※ ※ ※
天気が良くて本当に良かった。
折角の初の東国三社参りなのだ。
冬の冷たい澄んだ空気の中、参拝を楽しめるのは本当に嬉しい。
けれども、下手に貴志さんに『お天気が良くて良かったですね。』
などとは決して言わない。
『貴女の日頃の行いが良いからですよ。』
などと言う台詞が返ってくるのは理解り切っているのだから(苦笑)。
【息栖神社】
久那戸神、天鳥船命、住吉三神を御祭神とする、こじんまりとしたお社である。
久那戸神は鹿島神・香取神による葦原中国平定において、東国への先導にあたった神と社伝では言われているそうだ。
初の御縁を頂戴する参拝を済ませたら、今年最初の運試し。
御神籤の結果は小吉であった。
スタートダッシュはまずまずである。
今回も御朱印は添乗員さんがまとめて授与して下さるから団体客であるアタシ達は気楽に参拝を楽しむ事が出来る♪ 紙御朱印になってしまうが、文句などあろう筈がない。彼女が言うには、普段は人っ子一人いない寂しいお社だそうだが、駐車場は満杯であった。
アタシは旦那さまをお供に引き連れて、水中に鎮座する一之鳥居と“日本三大霊泉”の一つとされる「忍潮井」を参拝し。集合時間までをそこで過ごした。眼には見えない鹿島灘と太平洋を臨み、遥か超古代に想いを馳せながら。
【鹿島神宮】
常陸国一宮であり、記紀神話においても重要な武神・武甕槌大神を御祭神とする、神武天皇元年創建の由緒ある神社である。壮麗な大鳥居と社号標を拝見しても、その威勢が伺える。
深々と礼をして鳥居を潜り、御手水舎で手と口を濯ぎ。
“日本三大楼門”に数えられる朱色の楼門を潜り抜け。
参道を歩いてゆけば、直ぐ右手に拝殿が見えてくる。
見掛けは簡素だが、よくよく見れば中も背後の御本殿も豪奢にして華麗である。
初の御縁を頂く事が出来た事に感謝して、夫と参拝をさせて頂く。
その後は神聖で荘厳な雰囲気の神宮の杜を歩き、奥宮に参拝する。御本殿にお祀りされてらっしゃるのは和魂であり、奥宮には荒魂がお祀りされてらっしゃるのだ。
やはりここまで来たのだから、両宮をキチンと参拝して、感謝を捧げたい。
有名な要石には興味ナッシングなので華麗にスルーだ(笑)。
それよりも森の木々の見事さに感嘆する。
特に木の根元が凄い。
注連縄がないのが不思議なくらいだ。
その土地が放つパワーに圧倒されてしまう。
遠慮なく抱きつき、鹿島の地の御力を頂く。
上を見上げれば、“入ってしまう”状態に陥る。
アタシの奇行に慣れ切っている旦那さまは静かに見守っていて下さる。
有り難い事である。
本当に佳い男性(ひと)とめぐり逢う事が出来たものだ。
鹿島神宮の近くのお店で昼食は済ませているが、香ばしい匂いに惹かれ鮎の塩焼きを頬張り。【鹿島神宮限定】と言う言葉にヤられ(笑)、御神酒を購入してしまった。ささやかな自分土産である。森林浴を楽しみながら戻り、社務所で今年二度目の運試し。そしたら何と、大吉であった!! 「鹿島立ち」と称されるご利益にあずかったようで、こいつぁ春から縁起が良いわえ♪ 胸弾む心地で、大鳥居を潜ったら振り返り感謝の一礼をする。駐車場の横にもお店があり、そこでは温かな甘酒を楽しんだのだった。
【香取神宮】
下総国一宮であり、全国にある香取神社の総本宮である。
鹿島神宮と同様、宮中の四方拝で遥拝される御社でもある。
鹿島神宮も凄かったが、香取神宮も負けず劣らず凄い。
何が凄いって駐車場も広いが、参道に立ち並ぶお店の数々だ。
これは絶対に後で覗かなければ!
が、先ずは参拝が先である。
ここも広大な敷地に鎮座し、見事な木々が多い。
だが、鹿島神宮の荒々しさに比べれば、些かの嫋やかさを感じる。
えっちらおっちらと旦那さまと腕を組み、助けられながら参道を行く。
朱色が鮮やかな楼門を潜れば、漆黒の壮麗な拝殿が見える。
御祭神である剣の神・経津主大神に、初の御縁に対する感謝の拝礼をする。
アタシは祈願はしない。
ひたすらに感謝を捧げるだけだ。
社務所には御守りや御朱印を授与して頂く列が出来ているが、アタシが用があるのはそこから少し外れた場所だ。ここも商魂逞しく(笑)、何種類もの御神籤があるが、アタシは一番シンプルな御神籤を引いた。本日最後の運試し。ラストは中吉であった。三社とも「吉」だったので、今年も良い年になるに違いない!
貴志さんと鳥居を潜っての感謝の一礼をすれば、アタシの「東国三社参り」はこれで終わりだ。勿論、ブログアップ用の写真はデジカメでキッチリ撮影している。駐車場に向かう道すがらの神前店(?)を一々覗いてしまうが、楽し気なアタシを旦那さまは微笑ましく見守って下さる。
店先に並んでいるお団子や餅菓子はどれも美味しそうで、ついつい食指が動いてしまう。アタシはバスの中でも食べられるパック入りの物をチョイスし購入。『自家焙煎の美味しい珈琲』の文字に惹かれて珈琲もテイクアウトしたのだった。勿論、日頃お世話になっている皆様へのお土産も忘れずに。
今回、由美センセが先約があって参加出来ない事を最後まで悔しがっておられた。「仏」がないので、優里ちゃんは最初から興味はナッシングだった(笑)。
沈む夕陽に向かって帰りのバスが走るから、“東国”に旅行に来た事を遅まきながら実感したのであった。
※ ※ ※
「…真唯さん…何か、屈託がおありのようですが…話しては頂けませんか…?」
「…貴志さん…」
現在、アタシは【椿屋珈琲店 上野茶廊】に来ている。
集合と解散場所が上野駅で、貴志さんに誘われたのだが。
旦那さまは、アタシの複雑な心境などお見通しであったのだ。
「…『屈託』とはまた少し違うんです…でも…」
おかわり出来るブレンドをオーダーして、アタシは話し出した。
「東国三社参り」を実際にした感想を。
※ ※ ※
鹿島神宮の「鹿島」の字って、昔は「香島」って書いたらしいんです。
でも、もっと古くは「神島」と書いたとも言われているんです。
それに「常陸」って「日立」でしょ?
『陽が立つ』場所……朝陽が一番に昇る場所なんです。
だからこそ、縄文時代には太陽信仰が存在して、【鹿島大神】は太陽神だったとの説もあるんです。
所詮、……いえ、「所詮」などとは失礼ですが、【武甕槌大神】は記紀神話の神様です。記紀神話なんて、大和朝廷が自分達の正当性を主張する為に作って編纂した書物ですからね。
ご存知ですか?
【天照大御神】が、なぜ女性なのか?
持統天皇になぞらえているって説があるんです。
天照大御神は子供じゃなくて、孫の瓊瓊杵尊に日本を治めさせるでしょ?
それは持統天皇の子供が死んでしまって、孫に位を譲った事になぞらえてるって。
……あくまでも、一つの仮説ですからね?
そんな仮説も在るって言う一例です。
ただ、記紀神話が全くの“作りもの”だと思ってる訳ではないんです。
記紀神話の神々を否定する気は毛頭ありません。
全部を盲信している訳ではないと言う事です。
大体、「蝦夷征伐」って言葉は何事かって言う話しですよ。
東北や北海道の人々は独自の政治を行っていたんです。
それをいきなり遠い地方の見ず知らずの人間がやって来て。
『我々の支配を受け入れろ』なんて言われたら、当然抵抗しますよね?
「勝てば官軍負ければ賊軍」なんて言葉がありますが、記紀神話は勝者の神話ですからね。太古の昔は、もっともっと素朴な信仰が存在したと思うんです。純粋な自然信仰が。【神島大神】は太陽神だったとする説の本を読んだ時には、本当に心から納得し色々と考えさせられたものです。
でもね。
本当は遥か昔。
『超古代』と呼ばれる時代から、鹿島は特別な土地だったと思うんです。
「天鳥船」ってあるでしょ?
天鳥船って、日本神話の神々の乗り物とされてますが、インドのヒンドゥー教の「ヴィマナ」と同一視する説もあるんです。「天鳥船」って太平洋に在った伝説の大陸で、実際に使われていた物じゃないかって……。……実際に、それらしいオーパーツもありますしね……
※ ※ ※
貴志さんは、アタシの荒唐無稽な仮説を静かに穏やかに聞いてくれた。
鼻で笑う事など決してない。
その点、同じ“ム○民”なので気が楽だ。
こんな話、ブログに載せる事は愚か、他の人には決して聞かせられない。
【息栖神社】と【鹿島神宮】で感じた事を吐き出してしまうと、大分楽になれた。
そうしてその後は、時代劇の剣道道場では必ずと言っても良い程見られる【鹿島大明神】と【香取大明神】の掛け軸の話になり。当然のように「鬼平犯科帳」や「剣客商売」の話になり、歴代の鬼平や小兵衛や大治郎を演じる役者さんの話になり。加藤剛さんや山口馬木也さんの殺陣は秀逸であり、寺島進さん演じる悪役の殺られっ振りの話についつい熱が入ってしまったのは、今年最初の余談である(笑)。
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