IMprevu ―予期せぬ出来事―

天野斜己

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本編

No,111 嵐の予兆

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真唯はこのところ、非常にこそばゆい日々を送っていた。
自分には一生縁が無いと思っていた、「ゼ○シィ」なるブ厚い雑誌を購入し、ネットでも調べてみたりした。


真唯は元々、結婚願望などまったくなかった。
マッツンや優里ちゃんの結婚式や二次会に出席しても、(綺麗だな~♪ 幸せになってね♡)と祝福するだけの、完全な他人事であったのだ。

……それが、自分の結婚式なんて……

何やらこそばゆいのを通り越して、背筋をゾクゾクするものが走り抜けて行くような心地さえするのだが……一生に一度の事なのだ。幸い軍資金は潤沢だ。(一条さんは自分がすべて出す気でいるようだが、真唯だって秘密の副収入のお陰で充分に小金持ちなのだ。一条さんばかりに負担は掛けさせない!)

これで、拓也君や小出君も諦めてくれるだろう。
拓也君のメッセ攻撃は相変わらずだったし、小出君からは九月と十月の歌舞伎に誘われてしまったのだが、勿論、丁重にお断り申し上げた。一条さんと云う立派な婚約者のいる身で、ホイホイ誘いに乗るような尻軽女だと思わないで欲しい。
今まで自分に自信が持てなくて、“一応”などと云う言葉で誤魔化してしまったが、今度からはそんな事は許されない。



―――アタシは正式な、一条さんの“妻”になるのだから―――



※ ※ ※



「真唯ちゃん、これなんてどう?」
「真唯さん、こっちも素敵ですよ?」
「真唯さんには、こちらの方が似合いますよ。」
今、アタシは、リザさんのセレクトショップのブライダル・コレクションの中に埋もれている。

あの日のうちに一条さんから相談を受けたと云うリザさんは大張り切りで。
リザさんの肝煎りで式を挙げたと云う、深水さんの細君、紫さんも来てくれて。さっきからアタシは、一緒に来てくれた一条さんの、三人の言うがまま、着せ替え人形になっていた。優里ちゃんにTELしたら、祝日で来られない事をかなり悔しがられてしまった。

紫さんと一緒に来た深水さんには、イの一番に【龍神水】のお礼を言った。勿論、電話では八月のうちにお礼を言っていたのだが、直接、お会いするのは久し振りだったから、一度キチンと面と向かって頭を下げたかったのだ。深水さんは鷹揚に、礼には及ばないと笑ってくれたが、もしこれで本当に父が助かったりしたら、深水さんは父の命の恩人だ。よしんば、お水が効かなくても、それは父の運が悪かったのだ。決して、深水さんのせいではない。何より、あのお盆の最中、あのネットで話題沸騰、売切御免の人気商品を手に出来たのは、間違いなく深水さんのお陰なのだから。

深水さんは、一人退屈そうだ。
申し訳なくて、一条さんにお相手を頼もうとしても、「イヤですよ。私は真唯さんのウェディングドレスを選びに来たんですから。」と、一条さんはそっけない。「俺の事なら気にしなくてもいいから。」なんて言われてしまっても、やっぱり気になってしまう。

いつまでも集中出来ない真唯にキレたのは、リザさんだった。
「深水! あんた、どっかで時間つぶしてらっしゃい! このままじゃ、真唯ちゃんが集中出来ないわ!!」
「そんな、リザさん! 深水さんに悪いです!!」
「そう思うんなら、真唯ちゃん、ちゃんと集中して! …理解ってるのよ、真唯ちゃん。貴女、恥ずかしいだけなんでしょ?」


図星を指されて、真唯は思わず胸を抑えてしまう。


……ここには、女の子の夢がつまっている。
サテン、シルク、オーガンジー。いずれも手触りも肌触りも極上の、ありとあらゆるタイプのウェディングドレスが舞っている。……どうしても、自分はこんな処に不似合いな気がして気が引けてしまうのだ。
……つまりは、ただ、ひたすらに、小っ恥ずかしいのだ。




「…少し休憩しましょうか。」
そう言ってリザさんが淹れてくれたのは、甘めに作ってくれたカフェ・オ・レだった。器がWEDGWOODなのは、言うまでもない。リザさんのご好意を有り難く頂戴する。温かな珈琲が美味しい季節になってきたな~と思いながら。

しばらくの間、無言で和んでいた真唯に、リザさんは切り込んで来た。


「真唯ちゃん。神前や仏前式が良いなら、白無垢や色打掛に十二単もあるんだからね。」
「ええ!? 十二単もあるんですかっ!?」思わず驚く真唯に、
「いいじゃん、それ! こいつの束帯姿、見てみて~~」茶々を入れる深水さん。
「真唯さんが本気で望まれるなら、なんだって着てやる。 …神前式にしますか、真唯さん?」どこまでも真面目に、まず第一に自分の事を考えてくれる一条さんに、真唯の頬に朱が昇る。

「…ありがとうございます。 …でも、神前式や、仏前式はちょっと遠慮したいかな。 …どうしても、いかめしく仰々しくなっちゃうでしょ?」
「…真唯さんは神社仏閣がお好きではありませんか。どこか、式を挙げたい処はないのですか? …なんなら、出雲大社でも良いのですよ?」
ニヤリと微笑う一条さんに、真唯の方こそ笑ってしまう。
「…良いんですか? あんな人気処。何ヶ月待ちだか分かりませんよ?」
「なに、割り込む方法はいくらでもあります。」

……もしもし、一条さん? その笑い……ちょっと黒いですよ?
真唯が望めば、ホントに十一月に出雲大社の式場をおさえてしまいそうな一条さんに、真唯は苦笑いする。

「…残念ながら、神前も仏前もご遠慮致します。確かに憧れている神社やお寺はあるんですけどね。 …あれって、まんま、観光客への見世物と変わらないじゃありませんか。」

「真唯さんがお望みでしたら、SPを使って観光客を排除させますが?」

「お気持ちは嬉しいんですが…神社仏閣むこうさんのご迷惑になるから、やっぱりご遠慮します。 …あちらにとっては、結婚式と云うイベントは、重要なPRになるんですから」

「…貴女と云う女性ひとは…、どこまでも優しい女性かたですね…」

そう言って見つめてくれる一条さんの瞳は、どこまでも甘く優し気で……そして愛し気で。真唯を盛大に赤面させてしまう。




思わず見つめ合ってしまった二人を、リザさんが軌道修正してくれた。

「じゃあ、このままドレス選びを続行するとして…真唯ちゃんは、式は教会で挙げたいの?」


「う~ん、それもちょっと違うんですよねェ~。 第一、私はキリスト教のGODを信じてませんから…」
一条さんとの甘い見つめ合いから解放されて、真唯は内心、助かった…!とばかりに、リザさんの話に乗る。

「じゃあ、いっそ、人前結婚式にする? 親しいお友だちばかりを集めて、気楽に出来てよ?」

「…う~ん、人前かァ~…。…一条さんは、どうですか?」
マッツンや優里ちゃんに出席してもらうのは難しそうだなと考えながら、真唯は一条さんにふってみた。すると。

「…お恥ずかしながら、私には結婚式に呼びたい友人なんておりませんので、真唯さんに全面的にお任せします。」


……そんな寂しい事を、ごく普通の表情かおで言わないで……


「…以前、おっしゃっていた、英国イギリスのお友達は? その方のご都合に合わせても良いですよ?」
「やめて下さい。あんな奴の都合に合わせるなんて、私がご免です。」
「…それなら澤木さんは? 恩人とおっしゃっていたぐらいですから、お親しいんでしょう? リザさん、澤木さんのご都合はいかがでしょうか?」
ギョッとする一条や深水の顔色にも気付かない天然な真唯に、リザは苦笑い気味で答えた。
「…ご免なさい、真唯ちゃん。あれで、晃って凄く忙しい男性ひとなのよ。…呼ばれた事を知れば喜ぶとは思うけど、実際に出席出来るかは微妙ね。」
「…そうですか…、残念ですけど仕方ありませんね。」

リザが軽くいなしてくれて助かったと、秘かにため息を吐く一条。裏の顔を知らぬ事とは云え、【CLUB NPOE】の総支配人グランドマネージャーを結婚式に呼ぶなどと云う暴挙に出ようとした真唯を微笑ましく思う一方、酷く危うく思い、これは一度ハッキリ釘を刺すべきかと惑い、さり気なくリザを見ると首を左右に振られてしまった。……何も言うなと云う事なのだろうが、本当に大丈夫なのだろうかと、一抹の不安を拭いきれない一条なのであった。

……そんな一条の屈託を余所に、真唯たちは再びドレス選びに専念し始めた。
今度は真唯も、照れながらも楽しそうだ。そんな真唯の嬉しそうな表情かおを見て、僅かな憂いを一時、高い棚の上に置いて……一条もその輪の中に入って行った。



※ ※ ※



「…ご免なさい。一条さんの貴重な休日を潰してしまって…」
「何をおっしゃるんですか、真唯さん。潰されたなんて思っていませんよ。却って私の方が楽しんでしまったくらいなんですから。」
時間も遅くなってしまったので、帰りは食べて帰ろうと云う事になり。リザさんの住居でもある帝都ホテルにリザさんを送りがてら、みんなで和食のお店に入った。勿論、ただの日本料理の店ではない。京都に本店がある老舗のお店だ。実は、歌舞伎座の帰りに寄ったお店だったりするのだが、さすがに扱いが違う。一条さんとリザさんの顔を見た途端、仲居さんは何も言わないのに個室に案内してくれて。飲み物の注文オーダーの前に、女将自らがご挨拶にいらして下さるのだから。
……一条さんと正式に結婚したら、こんな扱いにも慣れなきゃいけないんだろうなァ~などと考えて、ちょっぴりウツになってしまったのは、真唯だけの秘密だ。


一条さんとのお式の事でひとしきり盛り上がって。旬の味覚を堪能した真唯は、リザさんや深水さんたちと別れて、ホテルの中をそぞろ歩きウィンドウショッピングなんかしてしまう。
一条さんと二人、足が止まってしまったのは、ブライダルショップの前だった。素敵なウェディングドレスや可愛いウェルカムボード、帝都ホテルオリジナルの引き出物などが品良く飾られ、女の子たちの足を思わず止めてしまうラインナップになっている。さすがに時間も遅いので、そのお店の前には一条さんと二人きりなのが嬉しい。……これが日中だったりしたら、女の子たちの視線は間違いなく一条さんに吸い寄せられてしまうだろうから。

中には、このホテルで挙式を挙げたらしいカップルのフォトもあって、真唯はしばし佇んでシミジミと眺め入ってしまう。……幸せそうだなァ~と思うものの、真唯にはこう云う処に自分の写真を飾る事の出来る神経が理解出来ない。よほど自分に自信があるんだろうなァ~と考えて……一条さんオンリーの写真だったらこのような場所に相応しいのにと、ついつい何処の誰とも判明わからない新郎さんの写真をボォ~ッと眺めていたのが不味かった。


「…真唯さん…写真と云えど、浮気は許せませんよ…」


絶対零度の冷気を纏った一条さんに、真唯は自分の迂闊さに気付かされた。知らず知らず腰を屈めて見入っていた事に気付いた真唯は、慌てて立ち上がり弁明につとめる。

「…ち、違います、一条さん! この男性ひとを見ていた訳ではありません!!」
「…随分、白々しい言い訳を…」
「ホントです! 衣装を見ていただけなんです! …一条さんなら、ロングタキシードもフロックコートもお似合いだと思って…!! 嘘じゃありませんよっ!!」
……普段なら恥ずい台詞も、一条さんに信じて欲しい真唯はただただ必死だった。そして、一条さんの纏う雰囲気が途端に柔らかくなった事を悟った真唯は、つい調子に乗ってしまった。

「…そうだ! 私、自分の事だからと思って、今ひとつ真剣になれなかったんです! 先に一条さんの衣装を決めませんか? その一条さんの隣に相応しいドレスを選ぶためだったら、俄然やる気が出ます!!」

「…貴女と云う女性かたは…」

……ハッと我に返った時には遅かった。熱いモノを瞳に湛えた一条さんの腕に、囲い込まれてしまっていたから。

「…い、一条さん、落ち着いて! ここ、ホテルの中っ!! 吹き抜けっ!!」
「大丈夫、誰も見ていませんよ。」
「そんなはずありませんって! ロビーから丸見えなんですから、誰かが見てますってばっ!!」
「見えていても良いじゃありませんか。ブライダルショップの前にいるんですよ? 結婚間近の恋人の戯れだと、見逃してくれますよ。」
「そんなバカップルと思われるのはイヤです! …は、離して下さーいーっ!!」
「うるさい事ばっかりおっしゃる可愛いお口は、塞いでしまいましょう」

それは、あまりにも素早いライトキスだった。

真唯はあまりのショックに硬直してしまったが、一条さんには悪気の欠片すらない。却って、ちょっとした悪戯が成功したガキ大将のような、フフン♪とでも言いたそうな楽しそうな表情かおをしている。


……一条さんったら、なんて事を!
……もう、恥ずかしくて、このホテルには来られない…っ!!


「一条さんのバカァ~~~っ!!」
恥ずかしさのあまり、駆け出す真唯と。

「待って下さい、真唯さん! 今、車をまわして来ますから!」
あくまでも冷静に応える一条と。






……そんな犬も食わないケンカを、ある女性おんなたちが目撃していた……








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