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本編
No,73 2人っきりの初旅行 No,1 【天使の森】
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「わあ~、一条さん、見て見て~、富士山がすっごく綺麗~~♡」
「そうですね。私もここまでくっきり見えるとは思いませんでした。」
「すっきり晴れて、空も青くて…運が良いですね、私たち♪」
「真唯さんの日頃の行いが良いからですよ。」
「…おっしゃると思いました…」
愛車を駆る一条の横で、真唯が恥ずかしさを誤魔化すように膨れている。
一条にとっては、その膨れっ面さえ可愛いく愛しいものでしかない。
GWの初日の今日、朝から雲ひとつないと言って良いくらいの快晴で、旅行の準備に余念がなかった真唯は昨夜から一条の家に泊まり込み、一条お手製の朝食を取り、車に乗り込んだ時から上機嫌だったのだが。2人を乗せた車が中央自動車道をひたすら南下し、正面に富士山がその姿を現し始めた頃からハイテンションになっていった真唯に、一条も嬉しそうな表情を全開にさせている。
緋龍院建設は先月の26日から既にGWに突入しているが、KY商事はカレンダー通り。週末は一緒に過ごせたものの、真唯のいないGWなど“黄金週間”でもなんでもないとばかりに、28日から5月2日までしっかり仕事を入れて鬼のように働いて、秘書の山中に悲鳴を上げさせたのは完全な余談である。
※ ※ ※
散々迷った行き先だが、結局2人は近場でのんびり楽しむ事に決めた。
初日の3日は富士五湖周辺を、4日はワイナリーを巡り、5日は甲府の昇仙峡を1日がかりで楽しみ、最終日は休養日に当てる事にした。一条としてはGWいっぱいを動き回る心算でいたのだが、真唯が休養日の設定を強硬に主張したのだ。
ずっと運転しっぱなしにさせてしまう一条を労わろうと云う真唯の思いやりが理解らない一条ではない。有り難くその提案を受け入れ……余計に愛しさが増しただけだ。
そんな訳で、今、2人が目指しているのは山梨県は、山中湖畔沿いにある【天使の森 エンジェルミュージアム】である。
「……一条さん、本当に良かったんですか?」
途中、休憩に寄ったSAで、今更のように真唯が聞いてくる。
今回の旅行のプランは、るるぶなどのガイドブックを買い込んだ真唯が殆ど決めた。真唯が行きたいと言った処に一条さんが異論を挟まなかったからではあるが、真唯にしてみれば自分が我儘を言ってしまったような気がして心苦しい。
「…まだ、そんな事を…」
珈琲を飲みながら、一条さんは苦笑気味だ。
「……だって……」
「良いんですよ。
それに2日目と3日目は、私の希望を受け入れて下さったじゃありませんか。」
「……それだって…私の行きたい処の中から選んで下さっただけじゃありませんか。」
「本当に気になさらないで下さい。私は読書や古書店巡りくらいしか趣味がないと最初に申し上げたじゃありませんか。それにワイナリー巡りは、私なりに楽しみにしているんですから。」
「…だったら良いんですが…」
「ほら、真唯さん。笑って下さい。 …いつまでも貴女がそんな表情をされていたら、私まで哀しくなってきます。富士山も雲に隠れてしまいますよ?
さっきまでの笑顔に戻って下さい。
…貴女には、いつでも笑っていて欲しいのですから…」
「……一条さん……」
……そこで真唯はようやく笑顔になれた。
「ありがとうございます、一条さん! 3日間、めいっぱい楽しみましょう♪」
「それでこそ、真唯さんですよ。安心しました。」
一条さんが微笑み返してくれて、真唯も安心して珈琲を飲みほした。
※ ※ ※
ガイドブックでは都内から約2時間半との事だったのだが、SAに寄ったのがまずかったのか、GWの渋滞もあって4時間かかってしまった。 ……まあ、許容範囲内だろう。
山中湖が一望出来るそこは、欧州のホテルのような雰囲気があるミュージアムだった。一度、閉館に追い込まれたが、経営者が変わり、何とか存続を続けている。
【たとえ目に見えなくても、天使はきっと私たちのそばにいる】
“天使と出会えるミュージアム”をコンセプトに、世界各国から集められたコレクションや有名画家による天使をテーマにした作品などを展示している。エントランスには天使の天井画が描かれていた。
ミュージアムに入ってすぐに【天使の羽根】の展示があって、まるで背中に天使の羽が生えたような写真が撮れるようになっている。
一条さんは真唯に勧めてくれたのだが、自分の写真が大嫌いな真唯は断固として拒否した。一条さんこそ撮って見たらいかがですか? と、真唯が皮肉交じりに言ったら、「私だったら、堕天使になってしまいますよ。黒い羽根なら似合うでしょうが」と苦笑していた。
……?
一条さんが、何故、ルシファーなのだろう?
……一条さんだったら、天使の長・ミカエルだろうに……
天使に関する絵画が飾られた回廊を進むと、いきなりひらけて天使と云うより“妖精”が飛び回るような幻想的な風景に。しかし、その後は何故か、どろどろとした【天使の警告 ソドムとゴモラ】の世界に。
……今更だが、聖書の世界観が現れている事に、一瞬、来た事を後悔してしまった……
“天界”をイメージしたであろう絵画は、なかなか良かった。照らされるライトの色が変化して、ムードの転換を図っている演出も気がきいている。
最後の部屋は世界中の“天使”をテーマに創られた美術品が飾られた部屋で、ここには真唯の好きなアンティークもあり、救われる想いがした。だが……ノアの箱舟はいかがなものかと思う。これは“天使”と云うより、“神の怒り”を表現したものではないだろうか。
……ちなみに、真唯はキリスト教の“GOD”を信じてはいない。
……レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロが描く、天使や聖母の絵画は好きなんだけどなァ……と残念に思う。
館内ショップではエンジェルグッズだけでなく天然石なども扱っていて、真唯は不謹慎ながら天然石の方に夢中になってしまったのだった。
※ ※ ※
「……あまりお気に召さなかったようですね。」
「……折角、連れて来て頂いたのに、すみません……」
車中で一条さんに話し掛けられ、真唯は項垂れた。
真唯が信じているのは、もっと普遍的な【天使】なのだ。
……あんなに旧約聖書の精神に貫かれているとは思わなかった……
もっと、神秘的なイメージを期待していただけに、がっかり感もパネェものがある。
「元気を出して下さい。美味しいお蕎麦を食べれば、気分も良くなりますよ。」
一条さんが励ましてくれる。
そうなのだ。
これから行く処は、真唯が一度は行ってみたいと思っていた【忍野八海】なのだ。
しかも、先月の信州旅行でお蕎麦の魅力にとりつかれてしまった真唯は、昼食をとる場所として、忍野のお蕎麦の名店を選んだ。信州のお水で造られたお蕎麦があんなに美味しかったのだ。富士山の地層を潜りぬけて濾過された伏流水で造られたお蕎麦は、さぞかし美味な事だろう。
「……楽しみです。」
イヤな事は早く忘れよう。富士山の大自然と、それが産み出す美味に思いを馳せた真唯の機嫌は、簡単に直ってしまったのだった。
……一条さんのクスクス笑いが聞こえるが、彼には笑う権利がある。
真唯は快く、からかわれる事を甘受した。
【天祥庵】
吟味された国産の蕎麦粉と、富士山の湧水が造り出す一級品を出すと評判の名店だ。
外観は茅葺きの素朴な感じの建物で、中は高い天井、巨大なテーブルが真ん中にあり、その周りに小上がりがある個性的なお店だった。GWだけあって、かなり待たされそうだが、待つ甲斐はありそうだ。
そして待つ事、一時間余り。鎌倉の【去来庵】と良い勝負だ。
小上がりで、真唯はガイドブックでオススメだった『ぶっかけ』を注文した。
一条さんは、『からみ』と名のついたおろしそばだ。
ぶっかけは、きりりとした二八蕎麦に、焼き味噌や刻み葱、茗荷、ナメコなどの薬味を乗せ、つゆをかけて食べる豪快なお蕎麦だ。ほんのりとした香り付けの良い、ちょい甘の味噌が印象的だ。蕎麦は思ったより香りがないが、食感が良い。おつゆはカツオ系のダシがしっかりとられた仕上がりで、変な甘みはなく、キリっとした醤油が印象的だった。
……正直、慎太郎さんの打ったお蕎麦の方が美味しいと思ったが、これはこれで味わい深い。
なんにしろ、お湯で3分のメンよりずっと良い。
「ご馳走さまでした! すっごく美味しかったです♡」
「それは良かった。確かに味は悪くないですが…あれは、待ち過ぎですね。」
「そうですか? 観光地なら、あれぐらい普通ですよ?」
「……そんなものですか……」
「……一条さんは、観光地で待った事はないんですか?」
「……いつも予約席に案内されるもので……」
「……………」
真唯は思わず無言になってしまった。
(……このブルめ……)
とは、本人には言えない本音だ。
―――さあ、いよいよ【忍野八海】だ!
楽しみ~~~♪
「そうですね。私もここまでくっきり見えるとは思いませんでした。」
「すっきり晴れて、空も青くて…運が良いですね、私たち♪」
「真唯さんの日頃の行いが良いからですよ。」
「…おっしゃると思いました…」
愛車を駆る一条の横で、真唯が恥ずかしさを誤魔化すように膨れている。
一条にとっては、その膨れっ面さえ可愛いく愛しいものでしかない。
GWの初日の今日、朝から雲ひとつないと言って良いくらいの快晴で、旅行の準備に余念がなかった真唯は昨夜から一条の家に泊まり込み、一条お手製の朝食を取り、車に乗り込んだ時から上機嫌だったのだが。2人を乗せた車が中央自動車道をひたすら南下し、正面に富士山がその姿を現し始めた頃からハイテンションになっていった真唯に、一条も嬉しそうな表情を全開にさせている。
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散々迷った行き先だが、結局2人は近場でのんびり楽しむ事に決めた。
初日の3日は富士五湖周辺を、4日はワイナリーを巡り、5日は甲府の昇仙峡を1日がかりで楽しみ、最終日は休養日に当てる事にした。一条としてはGWいっぱいを動き回る心算でいたのだが、真唯が休養日の設定を強硬に主張したのだ。
ずっと運転しっぱなしにさせてしまう一条を労わろうと云う真唯の思いやりが理解らない一条ではない。有り難くその提案を受け入れ……余計に愛しさが増しただけだ。
そんな訳で、今、2人が目指しているのは山梨県は、山中湖畔沿いにある【天使の森 エンジェルミュージアム】である。
「……一条さん、本当に良かったんですか?」
途中、休憩に寄ったSAで、今更のように真唯が聞いてくる。
今回の旅行のプランは、るるぶなどのガイドブックを買い込んだ真唯が殆ど決めた。真唯が行きたいと言った処に一条さんが異論を挟まなかったからではあるが、真唯にしてみれば自分が我儘を言ってしまったような気がして心苦しい。
「…まだ、そんな事を…」
珈琲を飲みながら、一条さんは苦笑気味だ。
「……だって……」
「良いんですよ。
それに2日目と3日目は、私の希望を受け入れて下さったじゃありませんか。」
「……それだって…私の行きたい処の中から選んで下さっただけじゃありませんか。」
「本当に気になさらないで下さい。私は読書や古書店巡りくらいしか趣味がないと最初に申し上げたじゃありませんか。それにワイナリー巡りは、私なりに楽しみにしているんですから。」
「…だったら良いんですが…」
「ほら、真唯さん。笑って下さい。 …いつまでも貴女がそんな表情をされていたら、私まで哀しくなってきます。富士山も雲に隠れてしまいますよ?
さっきまでの笑顔に戻って下さい。
…貴女には、いつでも笑っていて欲しいのですから…」
「……一条さん……」
……そこで真唯はようやく笑顔になれた。
「ありがとうございます、一条さん! 3日間、めいっぱい楽しみましょう♪」
「それでこそ、真唯さんですよ。安心しました。」
一条さんが微笑み返してくれて、真唯も安心して珈琲を飲みほした。
※ ※ ※
ガイドブックでは都内から約2時間半との事だったのだが、SAに寄ったのがまずかったのか、GWの渋滞もあって4時間かかってしまった。 ……まあ、許容範囲内だろう。
山中湖が一望出来るそこは、欧州のホテルのような雰囲気があるミュージアムだった。一度、閉館に追い込まれたが、経営者が変わり、何とか存続を続けている。
【たとえ目に見えなくても、天使はきっと私たちのそばにいる】
“天使と出会えるミュージアム”をコンセプトに、世界各国から集められたコレクションや有名画家による天使をテーマにした作品などを展示している。エントランスには天使の天井画が描かれていた。
ミュージアムに入ってすぐに【天使の羽根】の展示があって、まるで背中に天使の羽が生えたような写真が撮れるようになっている。
一条さんは真唯に勧めてくれたのだが、自分の写真が大嫌いな真唯は断固として拒否した。一条さんこそ撮って見たらいかがですか? と、真唯が皮肉交じりに言ったら、「私だったら、堕天使になってしまいますよ。黒い羽根なら似合うでしょうが」と苦笑していた。
……?
一条さんが、何故、ルシファーなのだろう?
……一条さんだったら、天使の長・ミカエルだろうに……
天使に関する絵画が飾られた回廊を進むと、いきなりひらけて天使と云うより“妖精”が飛び回るような幻想的な風景に。しかし、その後は何故か、どろどろとした【天使の警告 ソドムとゴモラ】の世界に。
……今更だが、聖書の世界観が現れている事に、一瞬、来た事を後悔してしまった……
“天界”をイメージしたであろう絵画は、なかなか良かった。照らされるライトの色が変化して、ムードの転換を図っている演出も気がきいている。
最後の部屋は世界中の“天使”をテーマに創られた美術品が飾られた部屋で、ここには真唯の好きなアンティークもあり、救われる想いがした。だが……ノアの箱舟はいかがなものかと思う。これは“天使”と云うより、“神の怒り”を表現したものではないだろうか。
……ちなみに、真唯はキリスト教の“GOD”を信じてはいない。
……レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロが描く、天使や聖母の絵画は好きなんだけどなァ……と残念に思う。
館内ショップではエンジェルグッズだけでなく天然石なども扱っていて、真唯は不謹慎ながら天然石の方に夢中になってしまったのだった。
※ ※ ※
「……あまりお気に召さなかったようですね。」
「……折角、連れて来て頂いたのに、すみません……」
車中で一条さんに話し掛けられ、真唯は項垂れた。
真唯が信じているのは、もっと普遍的な【天使】なのだ。
……あんなに旧約聖書の精神に貫かれているとは思わなかった……
もっと、神秘的なイメージを期待していただけに、がっかり感もパネェものがある。
「元気を出して下さい。美味しいお蕎麦を食べれば、気分も良くなりますよ。」
一条さんが励ましてくれる。
そうなのだ。
これから行く処は、真唯が一度は行ってみたいと思っていた【忍野八海】なのだ。
しかも、先月の信州旅行でお蕎麦の魅力にとりつかれてしまった真唯は、昼食をとる場所として、忍野のお蕎麦の名店を選んだ。信州のお水で造られたお蕎麦があんなに美味しかったのだ。富士山の地層を潜りぬけて濾過された伏流水で造られたお蕎麦は、さぞかし美味な事だろう。
「……楽しみです。」
イヤな事は早く忘れよう。富士山の大自然と、それが産み出す美味に思いを馳せた真唯の機嫌は、簡単に直ってしまったのだった。
……一条さんのクスクス笑いが聞こえるが、彼には笑う権利がある。
真唯は快く、からかわれる事を甘受した。
【天祥庵】
吟味された国産の蕎麦粉と、富士山の湧水が造り出す一級品を出すと評判の名店だ。
外観は茅葺きの素朴な感じの建物で、中は高い天井、巨大なテーブルが真ん中にあり、その周りに小上がりがある個性的なお店だった。GWだけあって、かなり待たされそうだが、待つ甲斐はありそうだ。
そして待つ事、一時間余り。鎌倉の【去来庵】と良い勝負だ。
小上がりで、真唯はガイドブックでオススメだった『ぶっかけ』を注文した。
一条さんは、『からみ』と名のついたおろしそばだ。
ぶっかけは、きりりとした二八蕎麦に、焼き味噌や刻み葱、茗荷、ナメコなどの薬味を乗せ、つゆをかけて食べる豪快なお蕎麦だ。ほんのりとした香り付けの良い、ちょい甘の味噌が印象的だ。蕎麦は思ったより香りがないが、食感が良い。おつゆはカツオ系のダシがしっかりとられた仕上がりで、変な甘みはなく、キリっとした醤油が印象的だった。
……正直、慎太郎さんの打ったお蕎麦の方が美味しいと思ったが、これはこれで味わい深い。
なんにしろ、お湯で3分のメンよりずっと良い。
「ご馳走さまでした! すっごく美味しかったです♡」
「それは良かった。確かに味は悪くないですが…あれは、待ち過ぎですね。」
「そうですか? 観光地なら、あれぐらい普通ですよ?」
「……そんなものですか……」
「……一条さんは、観光地で待った事はないんですか?」
「……いつも予約席に案内されるもので……」
「……………」
真唯は思わず無言になってしまった。
(……このブルめ……)
とは、本人には言えない本音だ。
―――さあ、いよいよ【忍野八海】だ!
楽しみ~~~♪
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