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本編
No,56 室井女史に相談
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「おはよう!」
ポン!と肩を叩かれたが、最初は誰だか分からなかった。
「明けまして、おめでとう。今年はよろしく!」
……挨拶がおかしい。ここは真唯が長年勤めているKY商事だ。同僚なら『今年も』ではないだろうか? まさか、新入社員? だが、いきなりのこのフレンドリーさはないだろう。
……などと呆けていたが、すぐにその正体に気付く。
「…き、北原さんっ!?」
「…もしかして、分かんなかった?」
「だ、だって、茶髪じゃないし、髪型違うし、スーツだって…っ!」
「…休みの間にイメチェン。少しでも好きな彼女の気を惹きたくてね。」
「……っ!」
……忘れていた。す~~っかり、忘れていたのだ! 今はかつての“チャラ男”の面影もない男に告白されて悩んでいた事をっ!!
真唯は今の今まで、今朝の目覚ましコールを掛けて来た“恋人”の囁きの甘さと、【美容クラシックバレエ講座】にいつ見学に行こう? などと呑気な事を考えていたのだ。
……怖々見れば、FCの娘たちが鬼のようにこちらを睨みつけている。 ……暖房が効いてるはずなのに、氷点下の寒さを感じる。
……もし一条さんが、たった一人の女性のために、自分を変えてしまったら……
―――……ああ……アタシにもようやく理解ったよ……あなたたちの気持ちが……―――
「…北原さん! あの…っ!」
「ストップ。朝礼が始まる。」
慌てて見れば、社長が社長室から出て来て、神棚の下の重役クラスのデスクの前に立ち、背後を重役たちが囲んでいる。そして、全社員が自分の机から起立している。「じゃ、またな」北原さんも、自分のデスクに戻ってしまった。
真唯は泣きたい気持ちでそれを見送り、新年初めの朝礼に臨んだ。
新年早々大した仕事はない。
だが、営業の男性社員はお得意さんの年始周り、既に始まっている現場を駆けずり回る事になる。
真唯はボードを確認し、“直帰”になっている北原さんの予定にとりあえず安心し。しかし、定時で上がると、頼りになる“姐御”に奢る事を条件に、夕飯に誘う事に成功したのだった。
※ ※ ※
「フ~~ム、敵は本気とみた。」
室井女史の第一声がこれだった。
ここは東京駅地下レストラン街のイタリアンのお店。お洒落で安くて人気のあるお店だ。真唯はカルボナーラを、室井さんはペペロンチーノを頼んだ。奢りだからと言って、間違っても【ズワイガニのクリームパスタ】などと言わない女性なのだ。本当ならワインでも頼んで酔っ払いたい気分だったのだが、始業したばかりでそれは拙かろうと自粛した。
「…室井さ~~ん、私、どーしたら良いんでしょーかっ!?」
「休みの間に、何か対策立てなかったの?」
一条さんと過ごす時間があんまり甘くて楽しくて、すっかり忘れていたなんて言えない真唯は無言になるしかない。
「…ハハ~~ン、例の恋人と会ってたわね」
「……はい……」
根が正直な真唯は、これ以上隠すのは無理と判断して正直に答えた。
「アッハー、遂に認めた! 誰なの? KY商事の“干物女”の眼を覚ましたのは!?」
「……やっぱり、白状しなきゃいけませんか……?」
「私の知らない男性ならしょーがないけど、知ってる男性なら、より的確なアドバイスが出来ると思うけど?
ケイちゃんはこれから猛攻をかけて来るだろうし、それを退ける為にはその恋人の協力を仰いだ方がいい場合もあるんだから。」
真唯はしばし考え込んだ。
北原は一度、一条さんに会って脅迫とも取れるような言葉を受けている。それでも諦めないのだ。
……明らかに、一条さんと云う人間を誤解している。
……室井さんも、一条さんの名前だけは知っているだろうが、本質的な部分を誤解されかねない。
……一条さんの名前を出すべきか、出さざるべきか……
そんな風に真唯が考え込んでしまっている時に、注文した品がきてしまう。
「とにかく、食べましょ。話はそれからね。」
「……はい、ありがとうございます。」
真唯はお礼を言って、フォークとスプーンをとった。
しばらくはお互い無言で食べていたが、真唯は頂いたお土産の事を思い出し、室井さんにお礼を言った。
「……室井さん、紅いもタルト美味しかったです。ありがとうございました。
それに皆とは別に黒糖までもらっちゃって……本当にありがとうございました。」
「良いのよ~、牧ちゃんたら何回お礼言う心算よ。」
スプーンの上でクルクルとフォークでパスタを巻き、上品に食べる姿に憧れる。
真唯はどうしてもソースが口の端についてしまう。 ……一条さんの処で食事する時などは、実は結構、難儀したりしているのだ。
「…でも、お休み前に沖縄へ行くなんて一言も言ってませんでしたよね?
秘密にしてたんですか?」
「秘密にしてたらお土産なんて買って来ないわよ~~
テレビ見てたら急に行きたくなっただけ。」
「…良いですね~、身軽で…」
「な~に、他人事みたいに…って、…ああ、もう他人事なのか…」
食べながらニヤリと笑われて、真唯が焦る。
「…あ、あの! 一条さんは別に束縛なんてしませんよ!
温泉や奈良に誘われたくらいで…っ!」
「…ふ~ん牧ちゃんの良い人、“一条さん”って云うんだ~~」
真唯は思わず自分の口を抑えた。 ……バカだ! 誘導尋問されたわけでも何でもないのに、自爆してしまった!!
ケラケラと室井女史が笑う。
「真っ赤になっちゃって、牧ちゃんたら可愛い~♪
…そうか…一条さんか……良い名前じゃない。」
「……ありがとうございます……」
もう真唯は恥ずかしくて、消え入りたい心地だ。
やがて食べ終わった二人に、セットのドルチェがやってきた。
真唯はティラミスを、室井さんはフルーツタルトを頼んでいた。共にコーヒーだ。
「……あの! 沖縄はどうでした!?」必死な真唯に、
「良い処だったわよ~、スマホ見る?」応えてくれる室井さん。
「はい、是非!」
渡されたスマホを次々とスライドさせて行く。
「わ~、やっぱり綺麗な海ですね~~」素直に感嘆する真唯に、「温泉付きのホテルだったから、優雅なスパリゾートライフだったわよ。」とのたまえばタイミング良く、ホテル内らしき景色が出て来て「わ~、素敵なホテル~~」とこれまた夢中で見入る。だが、次の室井さんの言葉に真唯の手がピタリと止まる。
「牧ちゃんは、一条さんって云う彼氏と何処も行かなかったの?」
「…初詣には行きましたが、デジカメなんで…今は持ってないです。」
「へ~~、どこ行ったの?」
「…近所の神社です。」
「そこで明治神宮とか言わないのが、牧ちゃんらしいわね。でも残念。」
「なにがですか?」
「牧ちゃん以外の娘だったら、写メに彼氏とピースなんかして写ってるのにと思って。」
「~~~~」
「隠すから、余計に気になるのよ。
もう、パーーーッと言っちゃいなさいよ。 ……楽になるわよ?」
タルトのダークチェリーを摘みながら、室井女史はニコッと微笑う。
「……………」
興味本位ではない。
真唯の事を心から想ってくれる言葉に、笑顔に胸が熱くなる。
―――限界だった―――
これ以上、この優しい先輩を誤魔化すのも……北原さんの事も。
「……一条さんって云うのは…あの緋龍院建設の……一条専務の事です……」
最初、何を言われたか理解らないと云うようなポカンとした顔をした室井女史は、段々とその表情を変えて行った。
※ ※ ※
「……それはまた、随分な大物を釣り上げたものねェ~~……」
コーヒーを飲んでる最中でなくて良かったと、室井紗江子は心から思った。そしたら、確実に噴き出していただろう自信がある。
この子がなかなか口を割らない筈だ。あんな超VIPを捕まえたなんて、この子もやるじゃん……なんて簡単には言えない。
二、三回チラとしか見た事がないが、近付きたくはない男だと直感的に思った。
―――あの男には、巨きな闇がある―――
『あの男は止めておいた方が良いよ、牧ちゃん。』
喉まで出掛かった。
だが。
「…室井さん…トローリングじゃないんですから…」
告白してしまった事で気が楽になったのか、それからの牧ちゃんは饒舌だった。
いかに“一条さん”が優しくて誠実な男性なのかを熱く語り出す。
……これはもしかして、惚気を聞かされているのだろうか?
紗江子はそう思い始めていたが、その話には続きがあった。去年の忘年会の後、“一条さん”が迎えに来てくれて、北原と対峙し脅迫まがいの捨て台詞を吐いたと云うから二度ビックリだ。
……そうだった。今日は一条専務との事ではなくて、北原ケイちゃんに対してどうしたら良いか、相談を受けていたのだった。
縋るような瞳をして滔々と語る、この可愛い後輩には悪いが、紗江子としては是非、ケイちゃんを応援したい。あの一条専務を向こうにまわして闘う決意をするなんて、根性あるじゃない! それでこそ漢よ、ケイちゃん!!
牧ちゃんを守るためにも、是非ともケイちゃんには頑張ってもらいたい!!
だが、しかし。
その一方で。
ケイちゃん……北原には悪いけど、彼が決して、一条専務には敵わないだろうと理解ってもいた。
―――……だって……―――
ポン!と肩を叩かれたが、最初は誰だか分からなかった。
「明けまして、おめでとう。今年はよろしく!」
……挨拶がおかしい。ここは真唯が長年勤めているKY商事だ。同僚なら『今年も』ではないだろうか? まさか、新入社員? だが、いきなりのこのフレンドリーさはないだろう。
……などと呆けていたが、すぐにその正体に気付く。
「…き、北原さんっ!?」
「…もしかして、分かんなかった?」
「だ、だって、茶髪じゃないし、髪型違うし、スーツだって…っ!」
「…休みの間にイメチェン。少しでも好きな彼女の気を惹きたくてね。」
「……っ!」
……忘れていた。す~~っかり、忘れていたのだ! 今はかつての“チャラ男”の面影もない男に告白されて悩んでいた事をっ!!
真唯は今の今まで、今朝の目覚ましコールを掛けて来た“恋人”の囁きの甘さと、【美容クラシックバレエ講座】にいつ見学に行こう? などと呑気な事を考えていたのだ。
……怖々見れば、FCの娘たちが鬼のようにこちらを睨みつけている。 ……暖房が効いてるはずなのに、氷点下の寒さを感じる。
……もし一条さんが、たった一人の女性のために、自分を変えてしまったら……
―――……ああ……アタシにもようやく理解ったよ……あなたたちの気持ちが……―――
「…北原さん! あの…っ!」
「ストップ。朝礼が始まる。」
慌てて見れば、社長が社長室から出て来て、神棚の下の重役クラスのデスクの前に立ち、背後を重役たちが囲んでいる。そして、全社員が自分の机から起立している。「じゃ、またな」北原さんも、自分のデスクに戻ってしまった。
真唯は泣きたい気持ちでそれを見送り、新年初めの朝礼に臨んだ。
新年早々大した仕事はない。
だが、営業の男性社員はお得意さんの年始周り、既に始まっている現場を駆けずり回る事になる。
真唯はボードを確認し、“直帰”になっている北原さんの予定にとりあえず安心し。しかし、定時で上がると、頼りになる“姐御”に奢る事を条件に、夕飯に誘う事に成功したのだった。
※ ※ ※
「フ~~ム、敵は本気とみた。」
室井女史の第一声がこれだった。
ここは東京駅地下レストラン街のイタリアンのお店。お洒落で安くて人気のあるお店だ。真唯はカルボナーラを、室井さんはペペロンチーノを頼んだ。奢りだからと言って、間違っても【ズワイガニのクリームパスタ】などと言わない女性なのだ。本当ならワインでも頼んで酔っ払いたい気分だったのだが、始業したばかりでそれは拙かろうと自粛した。
「…室井さ~~ん、私、どーしたら良いんでしょーかっ!?」
「休みの間に、何か対策立てなかったの?」
一条さんと過ごす時間があんまり甘くて楽しくて、すっかり忘れていたなんて言えない真唯は無言になるしかない。
「…ハハ~~ン、例の恋人と会ってたわね」
「……はい……」
根が正直な真唯は、これ以上隠すのは無理と判断して正直に答えた。
「アッハー、遂に認めた! 誰なの? KY商事の“干物女”の眼を覚ましたのは!?」
「……やっぱり、白状しなきゃいけませんか……?」
「私の知らない男性ならしょーがないけど、知ってる男性なら、より的確なアドバイスが出来ると思うけど?
ケイちゃんはこれから猛攻をかけて来るだろうし、それを退ける為にはその恋人の協力を仰いだ方がいい場合もあるんだから。」
真唯はしばし考え込んだ。
北原は一度、一条さんに会って脅迫とも取れるような言葉を受けている。それでも諦めないのだ。
……明らかに、一条さんと云う人間を誤解している。
……室井さんも、一条さんの名前だけは知っているだろうが、本質的な部分を誤解されかねない。
……一条さんの名前を出すべきか、出さざるべきか……
そんな風に真唯が考え込んでしまっている時に、注文した品がきてしまう。
「とにかく、食べましょ。話はそれからね。」
「……はい、ありがとうございます。」
真唯はお礼を言って、フォークとスプーンをとった。
しばらくはお互い無言で食べていたが、真唯は頂いたお土産の事を思い出し、室井さんにお礼を言った。
「……室井さん、紅いもタルト美味しかったです。ありがとうございました。
それに皆とは別に黒糖までもらっちゃって……本当にありがとうございました。」
「良いのよ~、牧ちゃんたら何回お礼言う心算よ。」
スプーンの上でクルクルとフォークでパスタを巻き、上品に食べる姿に憧れる。
真唯はどうしてもソースが口の端についてしまう。 ……一条さんの処で食事する時などは、実は結構、難儀したりしているのだ。
「…でも、お休み前に沖縄へ行くなんて一言も言ってませんでしたよね?
秘密にしてたんですか?」
「秘密にしてたらお土産なんて買って来ないわよ~~
テレビ見てたら急に行きたくなっただけ。」
「…良いですね~、身軽で…」
「な~に、他人事みたいに…って、…ああ、もう他人事なのか…」
食べながらニヤリと笑われて、真唯が焦る。
「…あ、あの! 一条さんは別に束縛なんてしませんよ!
温泉や奈良に誘われたくらいで…っ!」
「…ふ~ん牧ちゃんの良い人、“一条さん”って云うんだ~~」
真唯は思わず自分の口を抑えた。 ……バカだ! 誘導尋問されたわけでも何でもないのに、自爆してしまった!!
ケラケラと室井女史が笑う。
「真っ赤になっちゃって、牧ちゃんたら可愛い~♪
…そうか…一条さんか……良い名前じゃない。」
「……ありがとうございます……」
もう真唯は恥ずかしくて、消え入りたい心地だ。
やがて食べ終わった二人に、セットのドルチェがやってきた。
真唯はティラミスを、室井さんはフルーツタルトを頼んでいた。共にコーヒーだ。
「……あの! 沖縄はどうでした!?」必死な真唯に、
「良い処だったわよ~、スマホ見る?」応えてくれる室井さん。
「はい、是非!」
渡されたスマホを次々とスライドさせて行く。
「わ~、やっぱり綺麗な海ですね~~」素直に感嘆する真唯に、「温泉付きのホテルだったから、優雅なスパリゾートライフだったわよ。」とのたまえばタイミング良く、ホテル内らしき景色が出て来て「わ~、素敵なホテル~~」とこれまた夢中で見入る。だが、次の室井さんの言葉に真唯の手がピタリと止まる。
「牧ちゃんは、一条さんって云う彼氏と何処も行かなかったの?」
「…初詣には行きましたが、デジカメなんで…今は持ってないです。」
「へ~~、どこ行ったの?」
「…近所の神社です。」
「そこで明治神宮とか言わないのが、牧ちゃんらしいわね。でも残念。」
「なにがですか?」
「牧ちゃん以外の娘だったら、写メに彼氏とピースなんかして写ってるのにと思って。」
「~~~~」
「隠すから、余計に気になるのよ。
もう、パーーーッと言っちゃいなさいよ。 ……楽になるわよ?」
タルトのダークチェリーを摘みながら、室井女史はニコッと微笑う。
「……………」
興味本位ではない。
真唯の事を心から想ってくれる言葉に、笑顔に胸が熱くなる。
―――限界だった―――
これ以上、この優しい先輩を誤魔化すのも……北原さんの事も。
「……一条さんって云うのは…あの緋龍院建設の……一条専務の事です……」
最初、何を言われたか理解らないと云うようなポカンとした顔をした室井女史は、段々とその表情を変えて行った。
※ ※ ※
「……それはまた、随分な大物を釣り上げたものねェ~~……」
コーヒーを飲んでる最中でなくて良かったと、室井紗江子は心から思った。そしたら、確実に噴き出していただろう自信がある。
この子がなかなか口を割らない筈だ。あんな超VIPを捕まえたなんて、この子もやるじゃん……なんて簡単には言えない。
二、三回チラとしか見た事がないが、近付きたくはない男だと直感的に思った。
―――あの男には、巨きな闇がある―――
『あの男は止めておいた方が良いよ、牧ちゃん。』
喉まで出掛かった。
だが。
「…室井さん…トローリングじゃないんですから…」
告白してしまった事で気が楽になったのか、それからの牧ちゃんは饒舌だった。
いかに“一条さん”が優しくて誠実な男性なのかを熱く語り出す。
……これはもしかして、惚気を聞かされているのだろうか?
紗江子はそう思い始めていたが、その話には続きがあった。去年の忘年会の後、“一条さん”が迎えに来てくれて、北原と対峙し脅迫まがいの捨て台詞を吐いたと云うから二度ビックリだ。
……そうだった。今日は一条専務との事ではなくて、北原ケイちゃんに対してどうしたら良いか、相談を受けていたのだった。
縋るような瞳をして滔々と語る、この可愛い後輩には悪いが、紗江子としては是非、ケイちゃんを応援したい。あの一条専務を向こうにまわして闘う決意をするなんて、根性あるじゃない! それでこそ漢よ、ケイちゃん!!
牧ちゃんを守るためにも、是非ともケイちゃんには頑張ってもらいたい!!
だが、しかし。
その一方で。
ケイちゃん……北原には悪いけど、彼が決して、一条専務には敵わないだろうと理解ってもいた。
―――……だって……―――
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