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【番外編】
ORIENT EXPRESS epilogue
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フッと意識が浮上した瞬間。
すぐに浮かんだ想いは。
(…ああ…良い夢、みたなァ…)
だった。
※ ※ ※
食堂の大きなダイニングテーブルでみんなで朝食を取る時。
“夢”の話題で大いに盛り上がった。
みんながみんな、あれがただの夢ではない事を理解っている事が普通に……凄い。
「僕、オリエント急行って、初めて乗っちゃった!!」
「凄い寝台特急だったね! 豪勢な経験しちゃったよ!」
翠君と雅さんは単純に喜んでいる。
何の疑問も抱いてないようなので、アタシもその話題に有り難く乗っかる事にする。アタシはどうしても、翠君にお礼を言いたかったのだ。
食後のコーヒータイム。
アタシは改めて翠君に頭を下げた。
「翠君、貴志さんの為に素敵な曲をプレゼントしてくれて有り難うございます。」
と。
「やだ…っ、…真唯さん、顔を上げて下さい…っ」
言われるままに頭は上げたけど、感謝の気持ちは変わらない。
「即興であんなに見事に演奏してくれて…本当に感謝してます。」
「…そんなにお礼を言われると…照れるのを通り越して、恐縮しちゃいます…」
翠君は戸惑い顔だ。
それでも言い足りなくて更に言葉を重ねようとしたんだけど。
「…真唯ちゃん…翠の奴は子供の頃から習ってて、ピアノはプロ裸足だ…」
「そーそー、人の好意は素直に貰っとけば、良いんだよ。」
京牙さんと深水さん、ご兄弟に止められてしまった。
……何かお礼をしようとした事を…見抜かれてる気がする……
改めて周りを見回せば。
みんなが優しい瞳で、アタシと貴志さんを見つめている事に気付いた。
―――出会いは、『魂の再会』と信じているけれど。
ここにいる人達は、特別な心友達に違いない。
リザさんや澤木さんが仕組んだ事とは言え、こんなに特別な旅を共にする事が出来たのだから。こんなに素敵な人間達と友人になれて、夫の誕生日と結婚記念日をお祝いしてもらえたアタシは本当に幸せ者だ。この御縁に心からの感謝を捧げたい。
※ ※ ※
この後。
翠君や龍樹さん達の総意で、渋る貴志さんや京牙さん達を【提督閣下】や澤木さんの力まで借りて熱心に説き伏せ。特別な『嫁連合』が結成されて。旦那さまに対する『愚痴』と言う名前の惚気合戦が繰り広げられる事になるのは、少し未来のお話である。
FIN
すぐに浮かんだ想いは。
(…ああ…良い夢、みたなァ…)
だった。
※ ※ ※
食堂の大きなダイニングテーブルでみんなで朝食を取る時。
“夢”の話題で大いに盛り上がった。
みんながみんな、あれがただの夢ではない事を理解っている事が普通に……凄い。
「僕、オリエント急行って、初めて乗っちゃった!!」
「凄い寝台特急だったね! 豪勢な経験しちゃったよ!」
翠君と雅さんは単純に喜んでいる。
何の疑問も抱いてないようなので、アタシもその話題に有り難く乗っかる事にする。アタシはどうしても、翠君にお礼を言いたかったのだ。
食後のコーヒータイム。
アタシは改めて翠君に頭を下げた。
「翠君、貴志さんの為に素敵な曲をプレゼントしてくれて有り難うございます。」
と。
「やだ…っ、…真唯さん、顔を上げて下さい…っ」
言われるままに頭は上げたけど、感謝の気持ちは変わらない。
「即興であんなに見事に演奏してくれて…本当に感謝してます。」
「…そんなにお礼を言われると…照れるのを通り越して、恐縮しちゃいます…」
翠君は戸惑い顔だ。
それでも言い足りなくて更に言葉を重ねようとしたんだけど。
「…真唯ちゃん…翠の奴は子供の頃から習ってて、ピアノはプロ裸足だ…」
「そーそー、人の好意は素直に貰っとけば、良いんだよ。」
京牙さんと深水さん、ご兄弟に止められてしまった。
……何かお礼をしようとした事を…見抜かれてる気がする……
改めて周りを見回せば。
みんなが優しい瞳で、アタシと貴志さんを見つめている事に気付いた。
―――出会いは、『魂の再会』と信じているけれど。
ここにいる人達は、特別な心友達に違いない。
リザさんや澤木さんが仕組んだ事とは言え、こんなに特別な旅を共にする事が出来たのだから。こんなに素敵な人間達と友人になれて、夫の誕生日と結婚記念日をお祝いしてもらえたアタシは本当に幸せ者だ。この御縁に心からの感謝を捧げたい。
※ ※ ※
この後。
翠君や龍樹さん達の総意で、渋る貴志さんや京牙さん達を【提督閣下】や澤木さんの力まで借りて熱心に説き伏せ。特別な『嫁連合』が結成されて。旦那さまに対する『愚痴』と言う名前の惚気合戦が繰り広げられる事になるのは、少し未来のお話である。
FIN
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