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【番外編】
クリスマス・イヴに邂逅した奇跡 【前編】
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英語が出来るのも良し悪しだと思ってしまった。
こんな弊害は予想し得なかった(苦笑)。
※ ※ ※
アタシは毎年恒例行事となってる「くるみ割り」を、今年は東京バレエ団の、しかも川島麻実子さんがクララを演る日に観た。上野さんのではない。川島さんのだ。今年の二月のデュポンの【ボレロ】を観に来た時に、モダンを踊った彼女の舞いに魅せられたのである♡ 確かに上野さんも素晴らしい舞踊家ではあるが、アタシは川島さんにより一層惹かれたのである。東文で行われた「くるみ割り」は上野さんの方が人気が高く、その分、券もお高い。川島さんの公演はお安く観られてお得ではあるのだが、心情的には到底納得出来ない(苦笑)。
予想通り、川島さんのクララは素晴らしかった。可憐で正にクリスマスのヒロインであった。伸び代を感じるから、まだまだ化けるに違いない。アタシ的には大注目の舞踊家だ。
そうして大満足で帰途に着いたのだが。帰宅してから貰ったチラシをあれこれ見ていたら、気になる公演を見つけてしまった。ゴスペルだ。しかもクリスマス・イヴの午後の。アタシが以前某所で観た歌手達の公演のようだ。『これは、見逃せない!!』そう思ったアタシは早速、券の手配をする事にした。幸い残りがまだあったようなので二枚、予約して、旦那さまをデートにお誘いしたら見えない尻尾をブンブン振って快諾されて(笑)。そうして、日曜のクリスマス・イヴのデートと相成ったのであった。
台東文化会館で開催された公演は、ゴスペル教室を開いている講師の主催した公演だ。姉妹でゴスペルやポップス、ヴォイス・トレーニングのお教室を営っているらしくて、生徒さん達の数も多い。なかなかの人気の教室のようだ。
クリスマス・イヴの公演らしく、聖歌隊のような格好をされた方々による讃美歌などから始まり。人気のあるゴスペル・ソングを始め、有名なポップス・ソングや主催者姉妹によるオリジナルの曲もあった。
お二人の声量は素晴らしく、歌の上手さも納得の公演だった。お客を取り込む術も心得ておられて、アタシ達も一緒に歌を唄わされて舞台と観客席が一体となる感覚はとても楽しかった。小手先の技術に走らず、精神から『歌』と云うものを楽しんでおられた。お教室のお子さん達全ての方々も一緒になって歌って踊る最後の「Joyful Joyful」は定番ではあるが、みんなで“音を楽しむ”と云う本質を存分に発揮していた。
だが、しかし。
アタシの精神の靄が晴れる事はなかった。
何故ならば。
それが、【黒人霊歌】だったからである。
※ ※ ※
【黒人霊歌】
現代は辞書を引くよりもスマホなどで検索すれば、意味など一発で判明るだろう。いや、それ以前に、某尼さんに扮した黒人女性歌手の映画で有名になってしまったから、説明の必要もないであろうが。要するに白人クリスチャンの讃美歌を、黒人の皆様がアレンジした黒人音楽だ。
そうなのだ。
要は、キリスト教の救世主や聖母を賛美する歌なのである。
アタシが以前、この姉妹の公演を観た時は英語が理解らなかったから、音楽そのものを楽しむ事が出来た。あの映画が封切られる遥か以前の話だ。歌詞の意味が理解らなかったからこそ、音楽そのものを純粋に体感してコーラスやパフォーマンスを楽しめた。最後の「Joyful Joyful」は正に圧巻だった。アタシは感激して、手の皮が痺れる程の拍手を惜しまず「ブラヴォー」を叫んだ。そうして【Gospel】が大好きになって、色んなゴスペル・コンサートに出掛けたものである。
【黒人霊歌】である事など、すっかり忘れて。
歌詞の意味がしっかり理解ってしまって聴くゴスペルは、アタシが以前体感して楽しめたゴスペルとはまるで別物であった。全能の神や救世主や聖母をひたすら賛美する歌詞は、鼻に付いて仕方がなかった。
『布教』と云う美名の下で、何が行われたのか。
キリスト教徒が何をしてきたのか。
一神教を奉じる宗教の恐ろしさを世界中が知っている。
唯一絶対のGODを賛美するGospelを、アタシは皮肉な想いで聴く事しか出来なかったのだ。
こんな弊害は予想し得なかった(苦笑)。
※ ※ ※
アタシは毎年恒例行事となってる「くるみ割り」を、今年は東京バレエ団の、しかも川島麻実子さんがクララを演る日に観た。上野さんのではない。川島さんのだ。今年の二月のデュポンの【ボレロ】を観に来た時に、モダンを踊った彼女の舞いに魅せられたのである♡ 確かに上野さんも素晴らしい舞踊家ではあるが、アタシは川島さんにより一層惹かれたのである。東文で行われた「くるみ割り」は上野さんの方が人気が高く、その分、券もお高い。川島さんの公演はお安く観られてお得ではあるのだが、心情的には到底納得出来ない(苦笑)。
予想通り、川島さんのクララは素晴らしかった。可憐で正にクリスマスのヒロインであった。伸び代を感じるから、まだまだ化けるに違いない。アタシ的には大注目の舞踊家だ。
そうして大満足で帰途に着いたのだが。帰宅してから貰ったチラシをあれこれ見ていたら、気になる公演を見つけてしまった。ゴスペルだ。しかもクリスマス・イヴの午後の。アタシが以前某所で観た歌手達の公演のようだ。『これは、見逃せない!!』そう思ったアタシは早速、券の手配をする事にした。幸い残りがまだあったようなので二枚、予約して、旦那さまをデートにお誘いしたら見えない尻尾をブンブン振って快諾されて(笑)。そうして、日曜のクリスマス・イヴのデートと相成ったのであった。
台東文化会館で開催された公演は、ゴスペル教室を開いている講師の主催した公演だ。姉妹でゴスペルやポップス、ヴォイス・トレーニングのお教室を営っているらしくて、生徒さん達の数も多い。なかなかの人気の教室のようだ。
クリスマス・イヴの公演らしく、聖歌隊のような格好をされた方々による讃美歌などから始まり。人気のあるゴスペル・ソングを始め、有名なポップス・ソングや主催者姉妹によるオリジナルの曲もあった。
お二人の声量は素晴らしく、歌の上手さも納得の公演だった。お客を取り込む術も心得ておられて、アタシ達も一緒に歌を唄わされて舞台と観客席が一体となる感覚はとても楽しかった。小手先の技術に走らず、精神から『歌』と云うものを楽しんでおられた。お教室のお子さん達全ての方々も一緒になって歌って踊る最後の「Joyful Joyful」は定番ではあるが、みんなで“音を楽しむ”と云う本質を存分に発揮していた。
だが、しかし。
アタシの精神の靄が晴れる事はなかった。
何故ならば。
それが、【黒人霊歌】だったからである。
※ ※ ※
【黒人霊歌】
現代は辞書を引くよりもスマホなどで検索すれば、意味など一発で判明るだろう。いや、それ以前に、某尼さんに扮した黒人女性歌手の映画で有名になってしまったから、説明の必要もないであろうが。要するに白人クリスチャンの讃美歌を、黒人の皆様がアレンジした黒人音楽だ。
そうなのだ。
要は、キリスト教の救世主や聖母を賛美する歌なのである。
アタシが以前、この姉妹の公演を観た時は英語が理解らなかったから、音楽そのものを楽しむ事が出来た。あの映画が封切られる遥か以前の話だ。歌詞の意味が理解らなかったからこそ、音楽そのものを純粋に体感してコーラスやパフォーマンスを楽しめた。最後の「Joyful Joyful」は正に圧巻だった。アタシは感激して、手の皮が痺れる程の拍手を惜しまず「ブラヴォー」を叫んだ。そうして【Gospel】が大好きになって、色んなゴスペル・コンサートに出掛けたものである。
【黒人霊歌】である事など、すっかり忘れて。
歌詞の意味がしっかり理解ってしまって聴くゴスペルは、アタシが以前体感して楽しめたゴスペルとはまるで別物であった。全能の神や救世主や聖母をひたすら賛美する歌詞は、鼻に付いて仕方がなかった。
『布教』と云う美名の下で、何が行われたのか。
キリスト教徒が何をしてきたのか。
一神教を奉じる宗教の恐ろしさを世界中が知っている。
唯一絶対のGODを賛美するGospelを、アタシは皮肉な想いで聴く事しか出来なかったのだ。
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