IMprevu ―予期せぬ出来事―

天野斜己

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ラブラブ新婚編

No,181 上井夫妻の信濃路紀行 其の一

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今年、二〇一五年は、七年に一度の善光寺の前立本尊の御開帳の年である。
真唯は当然、行く気でいた。
が、しかし。
ネットで調べていて気が変わってしまった。
怖気付いてしまったのだ。全国の善男善女の皆さまの意気込みに。
しかも。詳しく調べてみれば、御本尊の御姿を拝見するには内陣の中に入らなければならず、何と有料なのだ。内陣参拝は五百円、内々陣に入るには御祈祷が必要で千円単位のお金が必要となるらしい。真唯は心の中で絶叫した。


(金、取るんかい…っ!? 無宗派で拝観料もとらないから、金儲け主義の現代いまの御寺さんとは、どこか違うと思っていたのに…っ!!)


何やら勝手に裏切られた心地になってしまい、激しく落ち込み……善光寺詣でを断念したのであった。
だが、その過程で、戸隠神社が【式年大祭】を今年迎えると云う情報をゲットした。……コレだ…っ!
思えば真唯は、まだ戸隠神社に参拝させて頂いた事がない。……憧れてはいたのだ。だが、今まで御縁が無かった。これは良い機会だ。
ついでと言っては何だが、安曇野にも寄りたい。……マッツンの味を、貴志さんにも食べて頂けるチャンスであるっ!!
貴志さんに話をしたら、二つ返事でOKしてくれて。去年泊らせて頂いた、澤木さん所有のコテージを手配してくれると言う。ご迷惑なんじゃ……と遠慮すれば、ああ云う方は人に頼ってもらえる事を喜ばれるんですよと言われて。早速連絡をすれば、こちらもソッコーOKのお返事を頂けたとの事で。
夜を待ってマッツンに連絡を取れば、勿論大歓迎との事で、なんだかんだと長話をしてしまったのだった。終いには、『私がガイドするから、一緒にぜんこじさんに行こうよォ~~』と、真唯が諦めた善光寺詣でを推奨して来る始末である。それには適当に話を合わせておいたのだが、“ぜんこじさん”と云う地元の人が親しみを込めて呼ぶのだろう呼称には、ほんのり心が暖かくなったのだった。

かくして。
真唯の、戸隠神社参拝ツアーの幕は切って落とされたのだった。



※ ※ ※



【戸隠神社】
神代かみよの昔、天照大御神が、弟である素戔嗚尊の度重なる非行を嘆いて天岩戸にお隠れあそばしたため、この世に暗黒と悪神がはびこり。困った八百万の神々が神議かみはかりをされた末、岩戸の前で宴会を開かれ、天鈿女命に半裸で面白可笑しく舞い踊って頂き。岩戸の外が騒がしい事に不審を抱かれた天照大御神さまがこっそりと戸を開いて覗き見をされたところを待ち構えていた天手力雄命がこじ開け、高天原一の怪力でエイヤッ!と投げ飛ばした天岩戸の一方の戸が高千穂に、もう一方の戸が落下されたされた処が現在の戸隠山であるとされている。
しかし、真唯は不思議に思うのである。天照大御神さまを岩屋の外に連れ出し、世界に光を取り戻す事に成功した神話の伝承に因んでいるのに、その“戸を隠す”とは、これいかに!?と(天照大御神さまを“隠した戸”とも考えられるのだが)。
「式年大祭」についても色々と調べてみた。だが神社のHPは勿論、何処のHPを拝読してみてもどうもピンと来ないのだ。「太々神楽だいだいかぐら」についても、あの高千穂の【夜神楽】ほどの魅力を感じずに(どうしても観たいっ!!)と云う意欲が今一つ感じない。ただ、くれぐれも誤解して欲しくはないのだが(誰にだ!/セルフ突っ込み)、浪漫を感じない訳では決して無い。そもそも、あの天鈿女命さまが踊られた「岩戸神楽」の事なのだから…観たいと云う意欲が湧かない自分に戸惑いつつ、お祭りの「ナントカの儀」と云うものも見たいとは思わなかったので、貴志さんとも相談してアタシは今回は“戸隠神社の参拝”そのものを楽しむ事に決めたのであった。
去年までのアタシだったら確実に、電車か高速バスを利用していただろう。
しかし今回は……と言うより、今回からは違う。車だ。それも貴志さんの運転ではない。澤木さんの寄越して下さった、あの小西さんの運転である(ちなみに後続には、SPさんたちを乗せた二台の車が付いて来るそうだ)。

「お久し振りです、上井様。今回も、どうぞよろしくお願い致します。」
またまた九十度に腰を折られてしまい、アタシも最敬礼で挨拶した。助手席には貴志さんのSPさんが同乗して、アタシと貴志さんは後部座席に座った。……何にせよ、外車の高級車じゃなくて良かったと息を吐くアタシは、根っからの小市民だ。
小西さんは車中でも気楽に話し掛けて来てくれたが、戸隠神社に詳しい事には驚かされた。聞けば、今回の旅行のために一夜漬けで詰め込んで来たなどと笑っていたが……その見識の深さには素直に称賛したい気分だ。そしてもしやと思って聞けば、やはりコテージには執事バトラーの松田さんが待機しているとの事だった。……アタシは疲れた気分で、小声で貴志さんに話し掛けずにはいられなかった。


「…貴志さん…【CLUB NPOE】って、そんなにお暇なんですか…?」
「…真唯さん…それ、冗談でも、澤木様にはおっしゃらないで下さいね。」
「…理解ってますよ…だからこうして気を使って、内緒のヒソヒソ話になってるんじゃありませんか…」
「…まあ、ご質問にお答えすれば…彼らなりの優先順位と云うものが在るんですよ。」
「…だったら余計に、アタシなんかに気を使わないで、他の事をして頂きたい…」

“なんか”と云う言葉を貴志さんは嫌がる事が理解っていたけれど、使わずにはいられなかった。案の定。

「…真唯さん…」貴志さんの“教育的指導”が入るが、
「…だって…」それでも不貞腐れた気分になるのは、どうしようもない。
「…澤木様は、真唯さんが可愛いんですよ…何せ、ご養女にされようとしたくらいですからね…」
「…貴志さん…」
そうしてアタシは思い出す。貴志さんから身を隠していた時、心から親身になって下さった澤木さんとリザさんの事を……
「有り難いお志です…素直に受け取られて…どうしても気になるようでしたら、何かお土産でも買って行かれたら良い。」
「…そうですね…そうします。…貴志さん…ありがとうございます。」
「何の、これしき。それよりご機嫌を直して下さい。…あんなに楽しみにされていた、戸隠神社の参拝なのですから。」
「ハイ…ッ!!」


貴志さんのお陰で、曲がっていたアタシのお臍もようやく元に戻る事が出来て。それからは貴志さんと、あれやこれやと今回の旅行の事について楽しく語り合うが、今度の会話には小西さんは参加する事無くドライバーに徹していてくれたようだ。
途中SAに寄って、少しの休憩を挟んで。それでも朝わりと早く出発したにも関わらず、長野に入り、戸隠神社に着いた時には、もうお昼も過ぎてしまっていたのだった。




中社ちゅうしゃ
大きな鳥居の前で一礼し。長い石段を、旦那さまの腕にエスコートされて登って行くのは、最早お約束である。参道の階段途中に、御神木の三本杉を見掛ける。その圧倒的な巨大さに畏敬の念が湧き上がるが。裏に回ってみれば、何とさわれるようになっていた! アタシは嬉々として、お手水舎でキレイキレイにしたばかりの両手でれる。……左側につけたインカローズのブレスから、御神木のパワーが流れ込んで来るような感覚を厳粛な想いで受け止めた。
御本殿の御祭神は天八意思兼命あめのやごころおもいかねのみことで、天照大御神が天岩戸に隠れたとき岩戸神楽(太々神楽)を創案し、岩戸を開く切っ掛けを作ったとされる神さまである。知恵の神ともされる。
北口本宮冨士浅間神社に参拝する時に感じる“御神気”を確かに感じて、自然と頭が下がる心地がする。


―――理解る。

……ここは確かに、神さまがあらっしゃる神聖な“場”だ。


二拝二拍手一拝。ようやく普通に心の中で唱える事が出来るようになってきた住所と氏名を名乗り、本日新たに御縁を頂けた事に感謝申し上げる。さすがにここでは、祈願はひかえた(本当は少しでも頭が良くなりますようにと、お願いしたかったのだが/苦笑)。
一般的に神社とは本殿と拝殿があるが、どうやら社殿が一つのようである。
これも、元は御寺であった故であろうか。
参拝を済ませたら社務所で御朱印を授与して頂いて、ついでに恒例の御神籤を引かせて頂いたのだが。こちらのお社の御神籤は一味違った。先ず今の年齢を聞かれそれに答えると、神職さんが裏に入って行かれ、何やら祝詞の様な声が聞こえ。「戸隠神社御神籤文」と書かれた御神札を入れるような小袋を渡され、その中に入っているらしく、何やら怖れ多くも勿体ない心地にさせられ、正に“神様からの御言葉を頂く”と云う有り難い気分にさせられる。わくわくしながら中から取り出せば、結果は吉。『自基呂嶋兆おのごろしまのうらかた』『瓠葛天御矛歴曾巳登凝弖嶋成来ひさかたの あめのみほこのしたたりぞ おのれとこりて しまはなりける』とあって、その解釈が書かれていた。『是は万事目うえの人にしたがひ』とあるが、貴志さんに黙って従ってたらとてつもない贅沢をさせられてしまう。『女は懐妊くわいにんのこころあり』の部分は丸っと無視させて頂いた(笑)。『此は皇産霊むすびの神くまのの御神を信心すべし』とあるのには、熊野三山の神々の事を思い出し。有り難く拝領させて頂いたが(日本語として可笑しいかも知れないが、真唯はいつもそう云う気分なのである)、長財布には入らないほどの大きさなのでそのまま鞄の中に入れ。帰ったら、【My 神棚】に安置させて頂こうと決心する。
GWも過ぎたと云うのに、境内には所々にまだ少し雪が残っていた。清涼な小さな滝に注連縄が掛かっていた。御神水なのだろう。境内に響くのはこの音だったかと納得させられた、確か【中社の滝】と呼ばれるその滝の音色にしばし時間ときを忘れる。
更に境内内に在る御神木の巨きな杉の木を見上げる。
……抱き付きたい衝動を必死で堪えて……無念無想の境地に、しばし浸った……

中社周辺は、お土産物屋さんや食堂が軒を連ねている。その中でも目立つのは、やはり「戸隠蕎麦」だ。午後を大分回ってしまっているのに、結構混雑している。やはり“式年大祭効果”は絶大なようだ。これから周る時間を考えるとゆっくりもしていられないので、空いていた適当なお店に入って、ざる蕎麦を頼んだ。


「…嬉しそうですね、真唯さん…」
「…ウフフ…理解りますゥ~?」

……そうなのだ。大祭そのものに興味が無く、「ナントカの儀」も見逃してしまった真唯ではあったが、唯一つ良い事があった。千年の歴史を有する戸隠神社の貴重な宝物の数々をこので拝めたのである。
明治時代の神仏分離政策によって戸隠山顕光寺は戸隠神社となった。奥院・中院・宝光院は奥社・中社・宝光社となり、各院は廃仏を迫られたが、何体かは密かに心ある御寺へ移す事が出来たのである。そのような離散した宝物が故郷・戸隠に里帰りし、大祭の期間中、中社の「青龍殿」と云う名の宝物館に於いて特別公開されていたのだ。この貴重な“ぶつ”を見逃すようなら、上井真唯ではないっ! 嗚呼、式年大祭、万歳っっ!!!(実に現金な奴である★/セルフ突っ込み)。
だから、お蕎麦が多少まずかろうが、そんな事は気にもならない。この賑わいの中、待たずに座れて食べられたのである。文句なんか言ったら、戸隠の神々の罰が当たる。ご馳走様の合掌をして、支払いをして下さった旦那さまにお礼を言って。真唯は、次の目的地へと向かったのである。




【奥社】
その名の通り、戸隠神社の最奥、本社である。
(浅間神社で言えば、富士山の頂上か。)
奥社の駐車場から、戸隠山を望む事が出来る。生憎の曇り模様だが、雨なら雨でまた風情であろう。それにしても…アレが天手力雄命が投げ飛ばした片一方だとすると…天岩戸とは、どんなに巨大な物であったのか……
……などと、神代の昔の古の浪漫に心を遊ばせながら、鳥居の前で一礼して。入口から【奥社】を目指して、第一歩を踏み出した。

ひたすら真っ直ぐにのびる参道を歩く。両脇の樹木は、高千穂の峰を思い出し……森林浴を楽しみながら、貴志さんと腕を組んで歩く。
戸隠は、神仏習合時代には「三千坊三山」と高野山・比叡山と並び称される修験道の聖地でもあった。……樹の一本一本が語り掛ける“言葉”を聴いてみたい…そんな気分にさせてくれる神秘的な森である。それにしても……観光客のお姉さん方は、今日もオサレさんである。真唯なんか、今日は(歩くぞォ~ッ!)と気合を入れて来たので、いつものGパンにスニーカーである。……貴志さんが目立っているのは……最早、悟りの境地である。今はキャピキャピのオンナノコの視線を気にするよりも、この心地好い雰囲気を楽しみたい。
やがて、茅葺の【随神門】が見えて来る。かつての仁王門を潜ると、雑木林と云った処から杉木立に様相を一変させる。その杉並木の参道をひたすら歩くのだが……アタシは今まで、北口本宮冨士浅間神社の参道の杉並木が一番だと思っていたのだが……ここは次元が違う……

果てしなく続く並木の杉の一本一本、それぞれが“御神木”の威厳に満ちていて……思わず抱き付いちゃいましたよ…っ! だって、注連縄ないしっ!! ……嗚呼、……噎せ返るような、杉の香気が堪らない…っ!!

アタシの“奇行”に慣れきってらっしゃる旦那さまが、苦笑いで待っていて下さって……再び歩き出したけど……杉の根っこに圧倒されてしまう。苔生した大地に根付く力強さに……


整然とした杉並木は終わりを迎え、周りはまた雑然とした森林に変わって行き…平坦だった道がやがて階段状になって行った。不規則な石段の勾配が段々とキツくなり、アタシは息が上がって来た。隣でケロッとした表情かおしてる旦那さまのエスコートがなかったら、もっと消耗が酷かったはずだと、心の中だけでお礼を言って一心に登った。……ほら…っ、スニーカーで来て良かった…っ! ……おぜうさん……パンプスのヒールにお気を付けあさーせ…っ!!

角の生えた特徴的なポーズをしている狛犬ブラザースの間を通り抜け、階段を上がると、そこが奥社の本殿であった。勿論、お手水舎を使い、鳥居を潜る前の一礼は忘れない。コンクリート製な事がやや趣に欠ける気がするが、雪崩でお社が崩壊した事があり、災害対策のためだとネットによる事前情報を仕入れていたので、豪雪地帯なんだから仕方がないよねと違和感なくすんなり納得。
まあ、何はともあれ、御祭神さまにご挨拶である。GWを過ぎた平日だと云うのに混んでいる、最後尾の列に並んだ。
此処は“本殿”とされているが、山肌の斜面に接するように建てられている事から、真唯には“拝殿”に思えてならない。御神体は、戸隠山そのものである。御祭神は天手力雄命であるが、戸隠山イコール「天岩戸」とすれば、満更でもあるまい。
周囲の風景を楽しんでいたら、アッと云う間に真唯たちの番になった。


……アタシは、ご挨拶申し上げた。【高千穂の夜神楽】で拝見した御姿を想像イメージしながら。再びの御縁と、戸隠の地に来る事が出来た事に感謝申し上げる。


短いご挨拶が済んだら、とっとと後ろの人に場を譲る。

さあ、お次は【九頭龍社くずりゅうしゃ】である!!




……と言っても、直ぐお隣なんだけどね(笑)。





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