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本編
No,19
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【レヴィ大神殿】横の広場に設えられた特別な祭壇。
大神殿での儀式を無事に終えた皇帝陛下が姿を現すと、集まった群衆からはどよめきが起こる。群衆は期待しているのだ。セルヴァン大陸随一の広さと豊かさを誇る神聖ブリュール皇国の皇帝陛下が“最高神から認められる”瞬間を。
それによって輝く“光”を。
※ ※ ※
あたしはホントは欠席したかった。
だって、見たくはなかったから。
影武者さんが無様な姿を晒すのを。
魔力が強大な陛下が見せる“光”は毎年凄かった。
最前列の“神子席”で見せつけられる光り輝く姿に、毎回、魅せられてた。
劣等感を刺激される以上に、陛下の凄さに惚れ直させられていたのだ。
『余計な混乱を起こしたくない』と云う理由でいつもの席に座るが。
周囲の反応は冷たい。
ペッレグリーノにあると云う氷河並みだろう。
当然だ。
このお祭りが終わったら……神子は敵国人になるのだから。
今頃、陛下は病床に伏しているのだろう。
……許されるなら……枕辺に座っていたい。
看病させて欲しい。
……もう決して、叶わぬ願いだけど。
大神官様が捧げ持っていた御神体の貴石を立派な台座に置いて。
皇帝陛下(影武者さん)が手をかざす。
魔力を注いでいるのだろうが……何にも起こる気配はない。
当たり前だ。
魔力の強さの差は歴然としてる。
あの陛下にかなう男性などいる筈がないのだ。
影武者さんの額に汗が浮かび、あたしもハラハラドキドキしていると。
「その皇帝は偽物だ!」「皇帝の影武者だ!!」
どこからか誰かの叫びが聞こえて、群衆が騒めき出す。
壇上の影武者さんは狼狽えて、宰相をはじめとする重臣達を振り返ってしまう。
助けを求めるように。
それも悪かったのだろう。群衆は俄かに騒ぎ出して、罵声や悲鳴が飛び交う。
人間と云う生き物は勝手なものだ。
勝手に幻想を抱き期待をして、それが裏切られると簡単に背を向けるのだ。
それは呆気ない程。残酷な程。
胸中で苦い思いを嚙み締めてると、群衆の雰囲気が怪しくアブナクなってきた。
ヤバい。
瞬間的にそう思った。
さっき意図的に民衆を煽った奴がいた。
群衆心理を利用されたら、暴動騒ぎになりかねない。
あたしはまだこの皇国の“神子”だが、もう直ぐ他国の神子になってしまう。
それも、敵国・ペッレグリーノの。
神子が騒ぎをおさめるのはやろうと思えばやれるが、その信頼が裏切られたら。
あたしに絶望するだけならまだ良い。最悪の場合、神子を取り戻そうと戦争に発展してしまうかも知れないのだ。
収拾がつかなくなりそうな騒ぎの中、あたしはどうするべきなのか身動き出来ないでいた、その瞬間。
『危ないっ!』
頭の中に陛下の声が響いた気がして。
思わず立ち上がり、左右を見回してしまった。
すると突如、衝撃に見舞われる。
突然現れた誰かに押し倒されて、地面に伏せて倒れてしまったのだ。
一瞬の出来事に声もない。
(…一体、何が…)
状況が判断出来ないでいるあたしの耳に、懐かしい声が響いた。
「…大丈夫か…?」
……陛下だった。
本物の皇帝陛下だった。
面やつれしてるが……確かに陛下だ。
震える手でその顔に触ろうとしたら、抱き締められて。
現実が理解出来なくて……その背に腕を回そうとしたら。
周囲が騒然として、重臣達が酷く青い顔をして叫んでた。
「陛下…っ、…お怪我を…っ!!」
「早く手当を…っ、…医師を…!!」
……怪我…?
「畜生…っ、…傷が塞がらない…っ!!」
いつの間にか傍に来ていたフレドが必死な表情で陛下の背中を両手でおさえてた。……いや……魔力で、傷を塞ごうとしているのだろう……
が、しかし。
「…ナツ、キ…さぃご…にっ、…おま…まも…れ、て、……よか…っ…」
陛下の血液があたしの手やドレスを汚し。陛下の身体が力を失い。
あたしに全体重が圧し掛かるのを、信じられない気持ちで受け止める。
悲鳴や怒号が飛び交う中、あたしは完全に放心していた。
……え…なに……何が起こってるの…?
……陛下……さっき初めて、あたしの名前を呼んでくれたのに……
……ねえ…もう一度、聴かせてよ……あなたの声で、もう一度呼んでよ……
……あれが最初で最後なんて……そんなの噓…っ、……あたしは信じない…っ!!
「イヤァァァァーーーッッ!!!」
神様。
あたしを、異世界に連れて来た神様。
神様がホントに存在るのなら、どうか陛下をあたしに返して…っ!!
元の世界に戻りたいなんて、もう二度と言わない…っ、…敵国に骨を埋める事になって、二度と会えなくなっても構わないから…っ!!
『…その言葉に、噓偽りはないな…?』
「……え……?」
あたしは再び脳の中で響いた声に、思わず声に出して返事をしたら。
その声は、異様なまでに広場に響いて聞こえた。
気のせいなんかじゃない。
こんなに大勢の人が集まっているのに、水を打ったように静まり返っているのだ。
傍にいたフレドの視線を追って……あたしは固まってしまった。
御神体の貴石の遥か上空に、見た事もない美貌の女性が……浮かんでいるのだ。
その女性は元の世界のギリシャ神話の絵画などで見られる愛と美の女神さながらの美しさだった。
“女神”と呼ばれる存在がもしいるとしたら、それはこのように清浄で清冽で厳粛な雰囲気を纏っているのだろう。
そう感じたのは、あたしだけじゃなくって。
集まっていた群衆みんながそう思ったらしい。
「…おお…女神様…」
「…ああ…正に、美の女神様だ…っ!!」
「…ベルナルディーノ様が顕現された…っ、…奇跡だ…っ!!」
「おお…っ、…ベルナルディーノ様…っ!!」
一人が膝を折ると、一斉にみんなが跪いてゆく。
広場に集まった群衆全てが膝を折り、大貴族達や外国の王族達もそれにならって跪いてゆく。勿論、大神官様を始めとする神官達も。あたしは呆然とそれを見守ってしまったが。
女神の視線が、こちらを向いているのが理解って、呪縛が解けたように舌を動かした。女神様に対する不敬なんて、これっぽっちも感じなかった。
「…あの、女神様…ベルナルディーノ様であらせられますか…?」
『…いかにも…』
“鈴を転がすような声”って言うのは、これかと思わせる美麗なお声だった。
今度のお声は頭の中で響いただけでなく、その場に居合わせた人々にも聴こえた実際のお声だった。群衆が騒めくが、そんな事に構ってられなかった。あたしは今、激流に溺れていて、藁にも縋りたい心地だったのだから。
「…あの…ご無礼を承知で、お願い致します…この方はこの国の皇帝陛下なのですが…あたしを庇ってこんなめに…っ、…どうかお願いです…このお方を生き返らせて下さい…っ、…あたしはどうなっても構いませんから…っ!!」
豊かな黄金色の輝く髪をなびかせて、たたずむ人外の美貌の女神様に、あたしは懇願した。折角してもらったお化粧もぐしゃぐしゃのみっともない泣き顔だろうが、そんな些細な事に構ってられなかった。琥珀色に見える美しい瞳があたしを貫くが、真っ正面から見返して見上げた。
両腕に抱えた陛下の身体の重みが哀しい。
この身体が呼吸を吹き返すなら、何でもする…っ!!
女神様は、あたしに問い返した。
『…そなた、先ほどもそのように、我が夫であり兄でもある最高神に縋ったな…
…今一度、問う…その言葉に、噓偽りはあるまいな…?』
「はい…っ!」
『…もしも二度と、故郷に帰る事が出来なくなってもか…?』
「はい…っ、…勿論です…っ!!」
そんな事、今更だ。
あたしはこの祭りが終われば、ペッレグリーノに戻って幽閉扱いになるだろう。
けれども、その同じ空の下で、皇帝陛下が生きていてくれてればそれでいい。
それだけで充分だ。
あたしには、家族がいる。
イーダ王女様や、こんな神子を慕ってくれる敵国人の侍女さん達もいる。
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん。
八道家のお墓を守れなくて、ごめんなさい。
お詫びは、あの世で土下座してでも謝ろう。
そんな覚悟を胸に女神様に相対していたら、女神様がフッと微笑された気がして。
『…よかろう…その想いを忘れるな。』
そのお言葉と共に、身体中が眩く温かな輝く光に包まれるのを感じた。
大神殿での儀式を無事に終えた皇帝陛下が姿を現すと、集まった群衆からはどよめきが起こる。群衆は期待しているのだ。セルヴァン大陸随一の広さと豊かさを誇る神聖ブリュール皇国の皇帝陛下が“最高神から認められる”瞬間を。
それによって輝く“光”を。
※ ※ ※
あたしはホントは欠席したかった。
だって、見たくはなかったから。
影武者さんが無様な姿を晒すのを。
魔力が強大な陛下が見せる“光”は毎年凄かった。
最前列の“神子席”で見せつけられる光り輝く姿に、毎回、魅せられてた。
劣等感を刺激される以上に、陛下の凄さに惚れ直させられていたのだ。
『余計な混乱を起こしたくない』と云う理由でいつもの席に座るが。
周囲の反応は冷たい。
ペッレグリーノにあると云う氷河並みだろう。
当然だ。
このお祭りが終わったら……神子は敵国人になるのだから。
今頃、陛下は病床に伏しているのだろう。
……許されるなら……枕辺に座っていたい。
看病させて欲しい。
……もう決して、叶わぬ願いだけど。
大神官様が捧げ持っていた御神体の貴石を立派な台座に置いて。
皇帝陛下(影武者さん)が手をかざす。
魔力を注いでいるのだろうが……何にも起こる気配はない。
当たり前だ。
魔力の強さの差は歴然としてる。
あの陛下にかなう男性などいる筈がないのだ。
影武者さんの額に汗が浮かび、あたしもハラハラドキドキしていると。
「その皇帝は偽物だ!」「皇帝の影武者だ!!」
どこからか誰かの叫びが聞こえて、群衆が騒めき出す。
壇上の影武者さんは狼狽えて、宰相をはじめとする重臣達を振り返ってしまう。
助けを求めるように。
それも悪かったのだろう。群衆は俄かに騒ぎ出して、罵声や悲鳴が飛び交う。
人間と云う生き物は勝手なものだ。
勝手に幻想を抱き期待をして、それが裏切られると簡単に背を向けるのだ。
それは呆気ない程。残酷な程。
胸中で苦い思いを嚙み締めてると、群衆の雰囲気が怪しくアブナクなってきた。
ヤバい。
瞬間的にそう思った。
さっき意図的に民衆を煽った奴がいた。
群衆心理を利用されたら、暴動騒ぎになりかねない。
あたしはまだこの皇国の“神子”だが、もう直ぐ他国の神子になってしまう。
それも、敵国・ペッレグリーノの。
神子が騒ぎをおさめるのはやろうと思えばやれるが、その信頼が裏切られたら。
あたしに絶望するだけならまだ良い。最悪の場合、神子を取り戻そうと戦争に発展してしまうかも知れないのだ。
収拾がつかなくなりそうな騒ぎの中、あたしはどうするべきなのか身動き出来ないでいた、その瞬間。
『危ないっ!』
頭の中に陛下の声が響いた気がして。
思わず立ち上がり、左右を見回してしまった。
すると突如、衝撃に見舞われる。
突然現れた誰かに押し倒されて、地面に伏せて倒れてしまったのだ。
一瞬の出来事に声もない。
(…一体、何が…)
状況が判断出来ないでいるあたしの耳に、懐かしい声が響いた。
「…大丈夫か…?」
……陛下だった。
本物の皇帝陛下だった。
面やつれしてるが……確かに陛下だ。
震える手でその顔に触ろうとしたら、抱き締められて。
現実が理解出来なくて……その背に腕を回そうとしたら。
周囲が騒然として、重臣達が酷く青い顔をして叫んでた。
「陛下…っ、…お怪我を…っ!!」
「早く手当を…っ、…医師を…!!」
……怪我…?
「畜生…っ、…傷が塞がらない…っ!!」
いつの間にか傍に来ていたフレドが必死な表情で陛下の背中を両手でおさえてた。……いや……魔力で、傷を塞ごうとしているのだろう……
が、しかし。
「…ナツ、キ…さぃご…にっ、…おま…まも…れ、て、……よか…っ…」
陛下の血液があたしの手やドレスを汚し。陛下の身体が力を失い。
あたしに全体重が圧し掛かるのを、信じられない気持ちで受け止める。
悲鳴や怒号が飛び交う中、あたしは完全に放心していた。
……え…なに……何が起こってるの…?
……陛下……さっき初めて、あたしの名前を呼んでくれたのに……
……ねえ…もう一度、聴かせてよ……あなたの声で、もう一度呼んでよ……
……あれが最初で最後なんて……そんなの噓…っ、……あたしは信じない…っ!!
「イヤァァァァーーーッッ!!!」
神様。
あたしを、異世界に連れて来た神様。
神様がホントに存在るのなら、どうか陛下をあたしに返して…っ!!
元の世界に戻りたいなんて、もう二度と言わない…っ、…敵国に骨を埋める事になって、二度と会えなくなっても構わないから…っ!!
『…その言葉に、噓偽りはないな…?』
「……え……?」
あたしは再び脳の中で響いた声に、思わず声に出して返事をしたら。
その声は、異様なまでに広場に響いて聞こえた。
気のせいなんかじゃない。
こんなに大勢の人が集まっているのに、水を打ったように静まり返っているのだ。
傍にいたフレドの視線を追って……あたしは固まってしまった。
御神体の貴石の遥か上空に、見た事もない美貌の女性が……浮かんでいるのだ。
その女性は元の世界のギリシャ神話の絵画などで見られる愛と美の女神さながらの美しさだった。
“女神”と呼ばれる存在がもしいるとしたら、それはこのように清浄で清冽で厳粛な雰囲気を纏っているのだろう。
そう感じたのは、あたしだけじゃなくって。
集まっていた群衆みんながそう思ったらしい。
「…おお…女神様…」
「…ああ…正に、美の女神様だ…っ!!」
「…ベルナルディーノ様が顕現された…っ、…奇跡だ…っ!!」
「おお…っ、…ベルナルディーノ様…っ!!」
一人が膝を折ると、一斉にみんなが跪いてゆく。
広場に集まった群衆全てが膝を折り、大貴族達や外国の王族達もそれにならって跪いてゆく。勿論、大神官様を始めとする神官達も。あたしは呆然とそれを見守ってしまったが。
女神の視線が、こちらを向いているのが理解って、呪縛が解けたように舌を動かした。女神様に対する不敬なんて、これっぽっちも感じなかった。
「…あの、女神様…ベルナルディーノ様であらせられますか…?」
『…いかにも…』
“鈴を転がすような声”って言うのは、これかと思わせる美麗なお声だった。
今度のお声は頭の中で響いただけでなく、その場に居合わせた人々にも聴こえた実際のお声だった。群衆が騒めくが、そんな事に構ってられなかった。あたしは今、激流に溺れていて、藁にも縋りたい心地だったのだから。
「…あの…ご無礼を承知で、お願い致します…この方はこの国の皇帝陛下なのですが…あたしを庇ってこんなめに…っ、…どうかお願いです…このお方を生き返らせて下さい…っ、…あたしはどうなっても構いませんから…っ!!」
豊かな黄金色の輝く髪をなびかせて、たたずむ人外の美貌の女神様に、あたしは懇願した。折角してもらったお化粧もぐしゃぐしゃのみっともない泣き顔だろうが、そんな些細な事に構ってられなかった。琥珀色に見える美しい瞳があたしを貫くが、真っ正面から見返して見上げた。
両腕に抱えた陛下の身体の重みが哀しい。
この身体が呼吸を吹き返すなら、何でもする…っ!!
女神様は、あたしに問い返した。
『…そなた、先ほどもそのように、我が夫であり兄でもある最高神に縋ったな…
…今一度、問う…その言葉に、噓偽りはあるまいな…?』
「はい…っ!」
『…もしも二度と、故郷に帰る事が出来なくなってもか…?』
「はい…っ、…勿論です…っ!!」
そんな事、今更だ。
あたしはこの祭りが終われば、ペッレグリーノに戻って幽閉扱いになるだろう。
けれども、その同じ空の下で、皇帝陛下が生きていてくれてればそれでいい。
それだけで充分だ。
あたしには、家族がいる。
イーダ王女様や、こんな神子を慕ってくれる敵国人の侍女さん達もいる。
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん。
八道家のお墓を守れなくて、ごめんなさい。
お詫びは、あの世で土下座してでも謝ろう。
そんな覚悟を胸に女神様に相対していたら、女神様がフッと微笑された気がして。
『…よかろう…その想いを忘れるな。』
そのお言葉と共に、身体中が眩く温かな輝く光に包まれるのを感じた。
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