ワニのジョルデール

夢ノ命

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エピソード8 キリマの試練

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「それじゃあ、僕の暮らす沼も創造できるんですか?」


「できるさ。でもお前は、ワシに会いたいという気持ちが強かった。

だからこうして、ここにいる……」



「これから僕は、どうすれば……」


「いい質問だ。創造の実を食べたからには、沼を探すだけではもったいない。

お前には、試練を受けてもらうぞ。お前の声は、魅力的だ。

その声をもっと活かすためだ」


こうしてジョルディールは、

森の精キリマの試練を受けることになりました。



キリマから出された試練とは、はるか雲の上にあるキリマ山の頂上へ行き、

そこで待っているものに、歌を聴かせるというものでした。



このままでは、いつまで経っても自分が暮らせる沼には、

辿りつけそうもありません。



ジョルディールは、この試練が終わったら沼の場所を教えてもらう約束を、

キリマと交わしました。



「なあに、お安いご用さ」


という、森の精キリマの軽い返事を聞くと、

ジョルディールは、キリマ山のなだらかな坂を登り始めました。



君は、山を登るワニなんて、聞いたことがありますか?


あの平べったい体で、長い長い登り坂を登るなんて、

きっと すごく根気のいることでしょう。



でも、ジョルディールは、あきらめませんでした。


もちろん、沼のありかは知りたいところだったのですが、

それ以上に、好奇心の向くまま、気の向くままに生きるのが大好きなワニだったのです。


キリマ山を登り始めたジョルディールの目の前に、

一羽の鳥が舞い降りてきたのは、それからまもなくのことでした。



この山に住む『呼び泣きの鳥』という、けたたましい声でなく鳥でした。



<続く>
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