悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 -蒼い闇- 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

桜楽-sakura-

文字の大きさ
上 下
54 / 66

王と王弟、そして影 4 # R18

しおりを挟む
「兄さまを犯してごらん? リシェ……」
 兄はもう一度、言った。

 弟は、ふるふると首を振る。
「無…理……。リシェ、できな……」
「ーーリシェ、
 優しい兄の声は、いつも容赦ようしゃがない。

 弟は、ふるふると首を振り続け、できないとうったえる。
「ぃや…ぁ……。怖……」
 怖いというのは本心だろう。できないと言うのも。だが、うったえる声は甘ったるく、多分に甘えが含まれていることが、兄のかわきをうるおす。

「怖くない」
 そう言って、身を起こそうとする兄の肩を押さえ日陰シェイドが止めた。

「そのまま」
 兄を止めて、日陰シェイドは弟に手を差し伸べた。

「リシェ様、手を。ーー足を開いて、お兄さまの上にそう……上手ですよ。ーーゆっくりでいいです。お兄さまの男根ペニスに手をえて。……焦らないで。男根ペニスの先に肛門アヌスを当てて……できていますよ……ゆっくり……お尻を、落として……上手です……」

「は……はぁ……やっ……やぁーー……リシェ、ダメっ、ダメ…だよ……ーー兄さまあっっ」
 日陰シェイドから手を離し、兄の腹の上に手を置いて肛門アヌスに全てをおさめた時には、弟は、ゆるく射精しており、兄の腹と自分の手を汚していた。

 はぁ、はぁ、と荒い息に、えっ、えぐっ…ひっく……と、涙声が混じる。

「……ごっ、ごめんなさい! ごめんなさい……」
「今度、まとめてお仕置きするよ。リシェ、泣くな。ーー日陰シェイ茎環ペニスリング
「はい、あるじ
 キンーー……。三人聞こえる、澄んだ高い金属音が響く。

「気持ちよくて、イってしまわれたのですよね。リシェ様、これで大丈夫ですよ。次はドライメスイキしましょうね」
「ん……、ひっく……えっ……。は…い……リシェ、ーーします」

「リシェ様」

「……リシェ、します……ドライメス…イキ
 日陰シェイドは優しい……でも、調教で手を抜いてはくれないことも、弟は知っている。

「よく言えました。リシェ様……お尻を少し浮かせて、ーーそして、沈めて。リシェ様のお好きなように動いていいのですよ。リシェ様が……気持ち悦くなるように動いてください」
「んっ……、や……わから……あ、……これ、で、いい?」

「続けて」

 日陰シェイドは弟を促し、そして兄の両手を頭上に、日陰シェイドは片手でしとねい留めた。

「……日陰シェイ
 兄はシェイドをにらんだが、日陰シェイドは薄く笑って事も無げに言う。

「“犯す”なら……この方が気分が出るでしょう」

 兄の頬にもう片方の手を添え、吐息が触れるまで日陰シェイドは顔を近づけた。
 兄の頬を日陰シェイドの黒髪がくすぐる。ーーだが、唇は触れない。

「リシェ様に……乳首を弾いていただきましょうか? あるじ
「・・・・・・日陰シェイ、お前もまとめてだ。覚えていろよ」
「それは……、楽しみですね。あるじ

 兄と日陰シェイドの語らいが、きずなを感じさせられるようで、弟の胸をきゅ……とさせる。

「ーーっ、リシェ……っ」
 肛門アヌスが締まり、兄に声をあげさせ、日陰シェイドひそやかに笑ませる。

「上手ですよ、リシェ様……気持ち……いですか?」
「ん…………い。気持ち、……ふわふわ……?」
「もっと、ふわふわして良いですよ。お兄さまの乳首をねて……そう、弾いて差し上げて。激しく動こうとしなくていいですよ……ゆらゆら丁寧ていねいに……」

「あぁ……いっ……、すご……深……。い……? 兄さま……兄さま、も……い?」

い。気持ち、いよ、リシェ……アッ……弾く……な……」

「や……ヤダ……するっ……男根ペニス、くいっ……って、動く……っもの……リシェ、気持ち、……! ーーあぁっ、あ……っーー……ぃ……」
 弟は、悦楽よろこびの涙を流しながら尻を動かし……上で快楽を得ることを覚えていった。
 “犯してごらん”その言葉が弟に耳にこだまする……男根ペニスで串刺しにされているのは自分なのに、兄を犯しているような……不思議な感覚。

日陰シェイ……放せ」
「放しません」
「なら、日陰おまえがやれ……」
 くすり、日陰シェイドは笑んだ。

「いたしません。ーーリシェ様、ご自身で乳首をまんで、お兄さまにお見せください……まんだり、ねたりしていいのですよ……お兄さまと日陰シェイは、手がきませんから」
「はい。日陰シェイ……こう? あんっ……ち…くび、気持ち、悦い……! んっ」
 自分で乳首を責め、首を仰のかせる弟の姿が、兄の視覚に、男根ペニスに与えられる快楽と交わりながらよろこびをとらえさせる。

婬猥いんわいで……可愛い、可愛い、リシェ……い…よ。イこうか? 一緒に」
「はい、兄さま。リシェドライメスイキ…しま……す」

 ーー互いに悦楽よろこびを与え合い、二人で達した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

愛しの妻は黒の魔王!?

ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」 ――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。 皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。 身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。 魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。 表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます! 11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

薬屋の受難【完】

おはぎ
BL
薬屋を営むノルン。いつもいつも、責めるように言い募ってくる魔術師団長のルーベルトに泣かされてばかり。そんな中、騎士団長のグランに身体を受け止められたところを見られて…。 魔術師団長ルーベルト×薬屋ノルン

処理中です...