悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 -蒼い闇- 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

桜楽-sakura-

文字の大きさ
上 下
25 / 66

La Madrugada 15 〔口淫 2〕# R18

しおりを挟む
「兄さまっ!」

 弟は小さな子供のように、無邪気むじゃきに兄の胸に飛び込んだ。

「ーーっと。ご機嫌だね、リシェ」
「だって、嬉しい。兄さまが来てくれて……ーーんっ!」

 兄は、小さな子供にはしないだろう、濃厚な口づけを与えた。

 弟はその口づけを、ぴちゃ、ぴちゃ……と、音を立てて淫靡いんぴな音を立てながら、嬉し気に、そして気持ちさそうに受ける。

「ね……? に……さま、……お願い…………」

 兄の首に腕絡ませてベッドへと、弟がねだると、兄は弟の足をすくい上げて抱き上げて寝室へと運んだ。

 ベッドに下ろされた弟は、直ぐにぺたっと座り込み、兄が服を脱いでベッドに上がってくるのを待った。

「おいで、リシェ」
 兄がベッドに横たわり弟を呼ぶと、弟は兄の上に乗り、肩口に顔をめて、くすくす笑った。

「本当にご機嫌だ。……ああ、重くなったね…………」
「……兄さま、を見て」
 弟は|兄の唇をめ、そして唇を合わせた。そして互いに舌を絡め、唾液を交換する。

「口づけが上手くなった」
 そう兄が褒めると、弟はすいっと顔を反らせて目元を朱く染めた。

 そして、弟はしばら逡巡しゅんじゅんした後、顔を上げて兄にい願った。

「兄さま……どうかリシェに……兄さまの男根ペニス、に……ご奉仕《ほうし》、させて……ください……」

「良いだろう。してごらん、リシェ」
 兄は弟に許しを与え、足を開く。

 だが、兄が日陰シェイドから、ティゼの花蜜を受け取ろうとするのを、弟はさえぎった。
「ティゼは、……兄さまの香りが聞けなくなるから、お願い。使わないで……」

「青いだけだぞ」
「いい……お願い、兄さま」

 弟は、兄の許可を得、愛しそうに兄の男根ペニスに頬を寄せ、手と頬でそっと撫でていく……すると直ぐに先走りが浮かぶ。弟は、舌を出してソレをめ取り、鬼頭の先鈴口をチロチロとめて、ちゅく、と吸う。そして、ぎょくの根から裏を舐め上げて、カリをなぞっていく……。

 ーー張形ディルドで調教を受けるの、好き……でも、兄さまにご奉仕するのは、もっと……好きーー

 口と手、両方で奉仕する頃には兄のぎょくが上がり、弟に放出が近いことを教える。
 そして、兄からも上擦うわずる声で命ぜられる。
「……リシェ、行くよ……ーーだが、……飲むのは兄さまに見せて、からだ……」

 弟は頷き、一層いっそう男根ペニスを吸い上げ、竿さおを刺激すると、兄のきわめた吐息が上がった。
「ーーっく……ぅ……っ…………!」

 数度放たれた精を、えずきそうになるのをこらえて受けると、弟はゆっくり、精をこぼさないよう注意しながら、男根ペニスから唇を放した。

 兄と眼を合わせてから、唇を開けて|口腔《口腔こうこうを兄に見せたーー兄の白濁はくだくを。

「上手にできた。……良いよ、お飲み」
 弟は、兄から許可されると、コク……と兄の精を嚥下えんげした。

「……リシェ、美味しいか?」
「ん……兄さまの精、美味しい……。もっと……もっと、リシェに、飲ませて…………」

 貪欲どんよくに求める弟を拒まず、兄は聞いた。
「良いいだろうーーで、飲みたいのか? それとも肛門アヌスに欲しいのか? リシェが欲しい方にあげよう」

「・・・・・・」

「ーー欲張り」
「んんっ! 兄さま、だってっ!」

 咄嗟とっさに返事ができなかった弟に、兄は、きゅ、と弟の鼻を摘まんで揶揄からかうと、弟の腕を引いて自分にまたがせるようにして、抱き寄せた。
 そして弟の背を抱き、指で首の付け根から背筋をすっと背骨の消失点までで下ろし、触れるか触れないかの柔らかさで肛門アヌスさすった。

「あっ! ーーんっ」

 ーーそれだけで、びくんと弟の身体は大きく跳ねる。
 兄は妖艶ようえんに微笑み、弟に告げた。

「やはり、肛門アヌスにあげることにしようか」



 §
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

春ですね~夜道で出会った露出狂をホテルに連れ込んでみたら~

夏芽玉
BL
4月、第3週目の金曜日。職場の歓迎会のせいで不本意にも帰りが遅くなってしまた。今日は行きつけのハプバーのイベント日だったのに。色んなネコとハプれるのを楽しみにしていたのに!! 年に1度のイベントには結局間に合わず、不貞腐れながら帰路についたら、住宅街で出会ったのは露出狂だった。普段なら、そんな変質者はスルーの一択だったのだけど、イライラとムラムラしていたオレは、露出狂の身体をじっくりと検分してやった。どう見ても好みのど真ん中の身体だ。それならホテルに連れ込んで、しっぽりいこう。据え膳なんて、食ってなんぼだろう。だけど、実はその相手は……。変態とSMのお話です。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

処理中です...