悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 -蒼い闇- 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

桜楽-sakura-

文字の大きさ
上 下
11 / 66

La Madrugada 7 〔茎環〕# R18

しおりを挟む
「ん………………」

 日陰シェイドは、したたるまで軟膏ローションを塗った透明な水晶の張形ディルドを弟の肛門アヌスに当て、そしてそのふちを小さく円を描きながらマッサージしていく。

 日陰シェイドは、その細身の張形ディルドの、鬼頭きとうの先をさえ、けして挿入を急がなかった。

「い…………いや」
 れる様に弟の足裏が台の上で滑り、ズリ……ズリ……と上下にられる。

 ゆっくり……ゆっくり……と、張形ディルド肛門アヌス押し当てられていき、時折肛門アヌス男根ペニスの間、敏感なそこへと柔らかくソフトにすべる。

「あ…………あ………………」

 日陰シェイドは、軟膏ローションを塗り込むように、幾度いくど肛門アヌスの入り口をなぞった。

 ーーつぷ。

「んっ……!」

 ちゅぷっ…………ちゅぷ…………ちゅぷ…………ちゅぷ…………ちゅ…………

 張形ディルドの鬼頭が半分ほど、やっと肛門アヌスに沈められた。そしてゆったりとしたリズムで抜き差しされていくーー卑猥ひわいな音を立てながら。

 そして時間をかけて鬼頭が埋められると、揺らすように回された。じっくりと、ごく弱い媚薬が調合された軟膏ローションを馴染まさせながら。

「もう…………も……ぅ…………ゆ、ゆるし……許してください、日陰シェイド!」

 弟は日陰シェイドらしによく耐えた。
 だがとうとう泣き出し、赦しを請うた。

「もう、入れて…………入れてください…………。肛門アヌスの奥まで、日陰シェイド、お願いだから…………張形ディルドを、肛門アヌスの奥、……まで、入れて…………!」

 日陰シェイドは、弟の希を叶えた。
 弟があきらめて、ずっとすすり泣きなが耐え忍ばなけらばならなかった、その長い時間をかけて。

 弟の肛門アヌス張形ディルドを全て収めると、日陰シェイドは、弟の両手を張形ディルドに添えさせた。そして、ゆっくり抜き差しさせたり、揺らしたりするよう教えた。
 
 そして日陰シェイドは、そっと弟の手の甲を撫でてから自分の手を離した。

「自分で……練習するの?」

日陰シェイド首肯しゅこうし、一時いっときその場を離れた。



 §



「あ…………は…………ぁ……」



「リシェ」

 名を呼ばれて見上げると、そこには兄が立っていた。

「に………さま…………」
 ぽろ、と弟の眼から涙がこぼれおちた。一度零れた涙は止まらず、次々とあふれ出た。

「はしたないお願いをすることができた、と聞いて様子を見に抜けて来た。ごめんねリシェ、ここに長くはいられない」
 兄が申し訳なさそうに言う。

「そんなみだらな格好かっこうをしてーー可愛い」
 兄は、弟の髪をかき上げて額に口づけ、髪を撫でめてやった。

「にぃ……さま……ぁ…………」
 弟は、気づいた時には自分でも思いがけないほど、甘えた声が出ていた。

「どうした?」

 そして弟は、幼子がぐずる様に泣きながら訴えた。

「気持ち……良く、ならない…………」
 ふぇ…………っ…………え…っ…………え…っ…………

「どうして?ーーあぁほら。そんなに泣かなくていい。ちゃんと出来ているよ」
 兄は、弟の唇をついばみながら言った。

リシェ、…………ひくっ…………アヌス…………したいのに……っ…………上手く……出来ない…………ーーーーあん……っ!」

 張形ディルドを持つ弟の手に、兄は手を重ね、軽く揺すってやる。

「はゃ……く、……肛門アヌス……に、ペニス兄さまの、入……れて…………ぃのに………できな…………あ!……や……ぁ…………!」

 兄の手は、容易たやすく弟をよろこびに導びく。

「ひ……っく。なん……で……?ーーーーゃ……んっ!……リシェ、……リシェ上手く……上手く、できないのに…………ぅえっ……………え………」

「出来ている。淫猥いんわいに可愛く尻が揺れているよ、リシェ」

「や…………ぁ…………!」

「ーーこれ射精管理は、まだ早いと思ったのだが」

 兄が振り向くと、日陰シェイドはその意を汲み、コトり。と、トレーに“ソレ”を乗せ、兄に捧げる。

 一見、装飾品アクセサリーに見えるそれは、金糸、銀糸の、極細のワイヤーとそれよりは幅のあるものを複雑に編み上げた、筒状の“婬具いんぐ”だった。

「この茎環ペニスリングはね、使い手の意のままに男根ペニスを締める事が出来る。ーーコレくらいでいいか。綺麗だよ、リシェ」
 うっとりと笑み、兄は弟にささやいた。

「7日は慣らして待ってやろうと思ったのに、兄さまを急かして。いけない子だね、リシェは」

「あ…………ご……ごめ…………なさ…………っん!ーーーーリシェ、いやらしい、子で、……あんっ…………ごめ……なさ…………」

「構わない。ーー日陰シェイド、もうひと回り太い張形ディルドまで慣らしておけ。その後は少し休ませろ。リシェ、起きたら日陰シェイドに準備をしてもらって……深夜よるまで待っていなさい」
  
「え………?…………………」

「ーー痛くするよ、リシェ。明日は起き上がれないと思いなさい」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛しの妻は黒の魔王!?

ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」 ――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。 皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。 身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。 魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。 表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます! 11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

薬屋の受難【完】

おはぎ
BL
薬屋を営むノルン。いつもいつも、責めるように言い募ってくる魔術師団長のルーベルトに泣かされてばかり。そんな中、騎士団長のグランに身体を受け止められたところを見られて…。 魔術師団長ルーベルト×薬屋ノルン

処理中です...