布衣の交わり

又吉康眞

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バイカイ

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 布衣の交わり
     三話 バイカイ
 霊道というものがある。それは、周辺のものから力を吸い上げ、一点へと集められる。
それは、どこへ集められるのだろうか。
 空木とも出会う前のこと。とある城下町で霊障が多発したがために、将軍が妖仏師を招集した。私も招集の例に漏れず、その町へ向かった。
 その町へ着くと、町は瘴気で満たされていた。私はこの町には霊道があると確信した。
 私は、目についた定食屋に入って、適当な席に着くと、店主がやってきて言った。
「客が来るとは珍しい。で、何にするんだい。」
 私は、壁に貼られた品書きに目をやった。
天ぷら、どぜう鍋、焼き魚という風に書いてある中から、焼き魚を注文した。
「あいよ、このごろは町のもんは皆避難しちまった。原因不明の病気や事故があんまし多いもんだから。」
「店主は逃げないのかい。」
 私は、目の前で魚を焼く店主を見ていた。
「あっしは逃げねえ、この町で生まれ、この町で終わる。それでいい。」
 七輪から煙が上がり、魚の油が滴る。
「よほど、この町に愛着があるようだな。」
「そうでねえと、客の来ねえ店なんかやらねえ。」
 店主は、私に、焼き魚とともに煮物も出して言った。
「うちの余りだが、これも食え。」
「ありがとう。」
 店主は私に料理を出すと、葉巻に火をつけた。
「この町にも早く優秀な妖仏師が来て、何とかしてくれねえかなぁ。」
「私はそのために来た。この問題、私が解決しましょう。」
「その言い方は、無鉄砲な奴の言い方だ。信用ならねえ。」
 店主は、葉巻の灰を落とした。
「無鉄砲ですか、確かにそうかもしれない。今まで、幾度も命を懸けてきた。」
「ほぉ、それはまた…」
 店主がそう言うと、店内にいたもう一人の男が話しかけてきた。
「あなたは妖仏師様なのですか。」
「あぁ、そうだが。」
 その客は、妙に良い身なりをしていた。おそらく、豪族なのだろう。だが、豪族がこんなところにいるだろうか。
「ご依頼したいことがございます。おそらく、あなた様がこの町に来た原因です。私のうちまでどうか。」
「わかった。いいだろう。」
 私は、ご馳走様と言って、店を出た。
 私は、その男に案内されて、とある長屋にやってきた。長屋に近づくに連れて、瘴気の濃度は増していた。男は居間へと私を案内し、言った。
「ご挨拶が遅れました。私は、橘平次と申します。今回ご依頼したい内容はこちらにございます。」
 平次は襖を開けた。すると、中からドッと瘴気があふれてきた。私は、これが瘴気の源泉だと確信した。そこには、一人の女と、袈裟を着た妖仏師らしき男が横たわっている。
「霊媒介。聞いたことがおありでしょう。」
 私は思わず、目を見開き、口を押えた。
「えぇ、文献で見たことがあります。霊道を形成するために生物が媒介物となる病ですね。」
「はい。その通りでございます。そして、ここにいる私の嫁の由紀は今、おそらくこの世とあの世の狭間の神域をさまよっています。依頼は、神域へ行き、由紀を探し出して連れて帰ってくることです。」
「残念ながら、神域にかかわる仕事はご遠慮いただきたい。私もそこにいる妖仏師のように戻れなくなるかもしれない。」
 平次は私がそういうのを待っていたかのように、畳の下から金塊の入った小包を取り出した。
「これで、いかがでしょうか。」
「私の命を買うおつもりですか。私の命はそんなに安くない。そこまで、あの女に固執する理由もないでしょうに。」
 すると、平次は顔を赤くして言った。
「由紀は…由紀は、私について来てくれました。私はもともと豪族でした。だが、将軍様に歯向かったせいで土地も金もすべて奪われた。私に言い寄ってくる女も、男も、みんな離れて行った。しかし、由紀だけは違いました。どうか…どうか。」
 私はしばらく考えて言った。
「いいでしょう。しかし、私は将軍に呼ばれてこの町に来た。まさか神域がかかわっているとは思わなかったがな…とりあえず、依頼は受けよう。」
「ありがとうございます…」
 平次は、畳に額をあてた。
「治療の方法はご存じでしょうか。」
 平次は私を見上げて言った。
「読んだことがあるだけだが、神格の妖の体液を患者と自分に飲ませて、神域に入る。そして出口を探し出し、そこから現世へ戻る。口で言うことは簡単だが、難しいな。とりあえず、神格の妖の体液が必要だ。」
 私は、将軍のもとへ向かった。私が城に着くと、門番に妖仏師であることを示す手首の焼き印を見せた。
「妖仏師様、話は聞いております。どうぞ。」
 私は、おそらく、三十畳はあるだろう大広間に案内された。そこには、妖仏師たちが二十人ほどいた。
 私が入ると、皆が一斉にこっちを見てすぐに下に目線を落とした。まるで、だれかを待っているかのように。すると、ひそひそと話し始めた。
「あの令司だ。」
 私は、声がしたほうを振り返ると、そいつらは話をやめた。私は、良くも悪くも有名だ。数々の難事件を解決している一方、妖に心を奪われたとまで言われるほどに。
 一番奥の襖が勢いよく開き、暗かった部屋に光が差し込んだ。その光の中に誰かが立っている。逆光であまり見えないが、黒い袴に白い服を羽織っている。そして、その人は言った。
「今回、招集したのはこの町の霊障の原因究明と解決である。現在、町では疫病が横行し、原因不明の事故が多発している。依頼にあたり必要なものはこちらで揃えよう。この霊障騒ぎを解決しようと思うものは立ち上がれ。」
 私は、迷わず立ち上がった。私に続き、二人が立ち上がった。
「この事件には神域がかかわっている。霊媒介が原因だ。」
 私がそう言い放つと、ほかの妖仏師たちは驚き、役人は言った。
「ほう、それが調査の結果か。」
「あぁ、そうだ。だから、神格の妖の体液を二滴所望する。」
 私の話を聞くと、後から立った二人は座り込んだ。役人は服の襟を整えて言った。
「志願者は一名、令司のみだな。いいだろう。用意しよう。だが用意するのは、神格の妖を呼び出せる鏡だ。」
 妖仏師たちはガヤガヤと話し始めた。
「神域に二回も飛び込むなど馬鹿なものよ。さすが、依頼を断らない令司だ。」
 役人はパンッと手をたたいた。
「静粛に。では、令司以外は解散して良い。では、令司よ。こちらへ。」
 役人は、部屋の外へ手を差し出して、案内した。
 私は、大きな陣の描かれた、壁に大量のお札が貼ってある部屋に入った。そして、陣の真ん中に大きな鏡が置かれていた。
「ご武運をお祈り申し上げます。」
 そう言って役人は襖を閉めた。私は鏡の上に立ち、小刀で自分の手首を切り、血を滴らせた。周りに貼ってあるお札がバサバサと揺れる。すると、私は目の前が真っ暗になり、その場に倒れこんだ。
 私は目覚めた。真っ黄色の光が窓から差し込む。そこは見知らぬ民家だった。その知らぬ天井を見上げながら、言った。
「着いたか。」
 なんだか長い間、眠っていた気がする。
「お目覚めですか。」
 私は、ハッと起き上がって身構えた。
「身構える必要はありません。私の名は、カグツチ。ホムスビとも呼ばれています。」
 そう言ったのは、まだ五つにも満たない、真っ赤な浴衣を着た男の子だった。
「あなたはここで五年眠っていました。あぁ、もちろん現世では一秒にも満たないでしょうが。ここと現世では時間の流れ方が違うのです。私に命がけで会いに来るとは何用でしょうか。」
「あなたの体液を二滴分けていただきたい。今、私がいる町は、霊道があるせいで、霊障が多発しています。その原因である女を治療するために必要なのです。」
「ふむ、分かった。ではついてこい。」
 私はカグツチとともに家を出た。そこには、その民家を囲むように山々があった。カグツチは家の横にある倉庫から、自分の大きさの倍はあるだろう斧を二本出してきた。そして、そのうちの一本を私に渡してきた。
「最近は木の成長が早くてな。間伐してやらんと森が育たぬ。」
 赤い浴衣の裾が山から吹く突風で揺れる。
「あの…。」
「言わんでも良い。体液なら間伐が終わればくれてやる。それまで手伝うのじゃ。」
「わかりました。」
 私がその斧を受け取ると、重すぎて立てるのが精いっぱいだった。
「その斧はな、持つと自分の体の重さと同じに感じるようになっておる。とりあえずついて来い。」
 私は、その斧を肩に乗せて、ついて行った。すると、カグツチは根本が光る木を伐採し始めた。
「間伐すべき木は根元が光る。それを頼りに切っていけ。」
「…わかりました。」
 私は渋々間伐をすることにした。
 私が木を切るのに一生懸命になっていると、だんだん暗くなってきた。
「そろそろ終わりじゃな。帰るぞ。」
 私とカグツチは山を下りた。家へ着いて入ると、私は倒れるように囲炉裏の前に寝転んだ。
「さすがに疲れたじゃろ。これをお食べ。」
 そう言って、カグツチは、果物を差し出した。私は食らいつくようにその果物を食べた。しかし、私のお腹は満たされたものの、精神は満たされなかった。無味だったからである。
「どんな味がしたかの。」
 カグツチは正座で座って、楽しそうに聞いてきた。
「無味でした。」
 すると、カグツチは驚いた顔をした。そして、胡坐をかいて、腕を組んで考え始めた。
「どうかされましたか。」
「いや、その果物はビツと言って、人の本性を暴くものなのじゃ。悪意がなければ甘く感じ、悪意があれば、辛く感じる。しかし、妖であれば、無味に感じる…令司よ、お前は人間か。」
 私は、訳が分からずにいた。しかし、私は反射的に人間だと答えた。
「これは、聞いたことがあるだけだが、とある病気を治すのに妖の血を使うことがあるという。おそらくそれだろう。違うか。」
「えぇ、確かに私は十四歳の時に大病を患い、治療していただきました。ですが、そのとある病気とは…。」
 私がそう言うと、私は吐き気を催した。
「限界じゃな。神域にはいられる時間が決まっておる。令司の鞄に私の涙の入った瓶を入れておいた。それを使うとよい。お前との時間楽しかったぞ。また来ると良い。」
 カグツチはそう言って、私を現世へと戻した。
「早いお帰りですね。無事神域から帰ってこられて良かった。」
 役人は、寝転ぶ私に言った。
「俺は、どのくらい眠っていたんだ。」
「ほんの数秒ですよ。」
 役人は、そんな早くに帰ってくるとは珍しく、長い人で二年眠っていたという。
 私は、急いで、平次の待つ長屋へ向かった。
「おぉ、令司様お待ちしておりました。治療はできそうですか。」
 平次は、お粥の入った器を片手に長屋から出てきた。
「いまちょうど由紀にご飯を食べさせていたところです。すぐに治療は始めますか。」
「あぁ、すぐに始める。」
 私は、由紀にカグツチの涙を一滴飲ませた。そしてその横に仰向けに寝転び、残りの涙を飲んだ。私はだんだん眠くなり、やがて瓶は私の手から落ち、床を転がった。私は完全な眠りについた。
 私は目覚めると、黄金の稲穂に包まれていた。起き上がり、周りを見渡すと、稲穂が広がっている中に一軒だけポツンと水車小屋が建っていた。私はその水車小屋の前まで行って、小屋の扉をたたいた。だが誰もいない様子だったので扉を開けようとした。すると後ろから声がした。
「勝手に人の家に上がり込もうとするとは失礼だね。」
 私は声のした方を振り返った。そこには、肩まで髪を降ろした、目の下にほくろがある女性が立っていた。
「あなたが由紀さんですか。」
「そうですが、まぁ、いいでしょう。お入りなさい。」
 私はその女性に続いて、小屋へ入った。その小屋の中は外から見た大きさとは全然違う広さであり、四人で住むのに十二分な位の広さだった。その真ん中には寂しく囲炉裏がポツンとあった。女性はその囲炉裏の前に座ると言った。
「私をここから連れ戻しに来たのでしょう。」
 私は囲炉裏を挟んで女性の対面に座り言った。
「えぇ、そうです。旦那さんに依頼されてやってきました。」
「あぁ平次さんに。私は戻れません。私にはやることができてしまいました。」
 由紀はきっぱりと言った。
「そのやることとは。」
「神格の妖がこの世界に迷い込んできます。その者たちを出口に案内する案内人です。」
「しかし、あなたはそれだけの理由で、旦那を捨て、ここに居座らないでしょう。」
「あら、ずいぶん私を知ったような口を利くのね。でも、そうですね。私に案内された妖たちはお礼に私に知識を与えてくれます。私は、もっと妖たちのことが知りたい。この目が妖を映すようになってから、ずっとそう思ってきました。今や、そこらの妖仏師には負けないほどの知識があるでしょう。」
 由紀は着物の袖に灰がつかないように囲炉裏に火を入れた。
「あなたは、知識欲のために旦那を捨てたというわけですか。」
「そうです。」
 私は怒りが込み上げてきて、怒鳴った。
「ふざけるな。旦那はあんたが戻ってくると信じて、ずっと二年間も世話をしている。あんたが、落ちぶれたのにも関わらずついて来てくれたというだけの理由でな。」
「…ですが、戻ることはできません。私が戻ればこの世界に迷い込んでくる妖たちはどうなるのですか。」
 怒鳴った私に対して由紀は冷静に言い返す。
 その時、コンコンと小屋の扉が叩かれた。
「ごめんください。」
 外からはとても低い声が聞こえた。
「はぁい」
 由紀は慣れたように返事した。扉を開けるとそこには大きな傘を被った目が青いお地蔵様がいた。
「この世界はどこから出られるのですか。」
「はいはい。ちょっとお待ちくださいね。」
 由紀はそう言って少し黄ばんだ和紙に筆でひょいひょいと地図を描いてその地蔵に渡した。地蔵は目が白くなり言った。
「ありがたきことだ。礼に教えてやろう。この世界はやがて崩壊するだろう。この世界の主であるものの体にもう限界が来ておる。のう、そこの妖仏師よ。あとは頼んだぞ。」
 地蔵はそう言うとぴょんぴょんと跳ねて、抜け道へと向かった。
「妖仏師さん、あのお地蔵さまが言っていたことはどういうことですか。」
「あなたはこの世界の主がだれか知っているか。」
 由紀はあっけにとられた。
「それは、神格の妖でしょう。」
 私はすかさず言った。
「違う。この世界の主はあなただ。あなたはこの世とあの世を繋ぐ媒介物になっている。」
「そんな、では私の体は…。」
「旦那さんが毎日口からお粥と水を流し込み何とか生きながらえている。あなたが帰ることをひたすら信じて。」
 すると、小屋が揺れ始めた。
「危ない。あなたがこの世界の主だと認識したことによって、世界が崩れかけている。急いで出なければ。」
「え…えぇ。」
 由紀はそう言って、私を抜け道へと案内し始めた。しかし世界の半分はすでに崩壊し闇に包まれていった。黄金の稲穂も枯れ果てていた。
 私たちは闇から逃げるようにひたすら走った。
「あそこです。あの岩の割れ目が出口です。」
「早く飛び込むぞ。」
 私たちはその割れ目へと飛び込んだ。すると、私は現実世界へと戻っていた。
「はぁ。」
「お目覚めですか。」
 そこには由紀がいた。
「先に目覚めていたのか。」
「えぇ、あなたよりも二週間先に。」
「えっ…」
 私は、それしか言えなかった。
 話を聞けば、由紀が目覚めてからというもの、この町での霊障はすべて消え、町は活気を取り戻したという。
 私が縁側で由紀のおにぎりを食べていると、由紀が横に座ってきた。
「あなたはなぜ旅をするのですか。」
 私は、青い空を見上げて言った。
「なんだろうな。目的はあるが、それも雲をつかむようなものだ。」
「その目的とは何ですか。」
「私の病を治療した総司という妖仏師を探している。だが今まで何の手がかりも得られていない。」
 由紀は、唾をごくりと飲み込んでいった。
「総司…聞いたことがあります。神格の妖でさえも従え、天皇に仕える筆頭妖仏師だと。」
 私は嬉しかった。ついに総司の手がかりが見つかった。
 そして、由紀は続けて言った。
「しかし…その方は突然筆頭妖仏師をやめて放浪の旅へ出たそうです。曖昧な情報で申し訳ないです。」
「いいえ、それだけ聞ければ十分です。」
 私は、体のリハビリに外へ出た。すると、あの定食屋の前を通ると、店主が話しかけてきた。
「兄ちゃん、この町を助けてくれたのはあんたなんだってな。平次の旦那が町のみんなに言うもんだからな。ありがとな。」
 店主は私の肩に手をかけた。
 私は命を懸けたかいがあったと実感した。
「じゃあ、またなにか食わせもらえるかい。」
「もちろん、あんたのおかげで商売がまたできるんだ。」
 私は、団子を一本、手を震わせながら食べた。その団子の味は今も忘れられない。
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