金の王家の影は行く。〜有能な影は騎士団にいる〜

するめ烏賊

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一人の騎士団員

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夜遅くの王都の路地裏。
そこは大人の欲望が渦巻く夜の街───。



「くっそ~っ!またエルクの一人勝ちかよ!!」

「だからエルク呼ぶのは辞めとけって言っただろうが」



第一騎士団の面々は合コンのためだけに制服を着こなし、居酒屋に来ていた。



「君、凄い可愛いね。…食べたくなっちゃいそう」

「え!?…そ、そんなぁ~♡」

「「キャーーー!!♡」」



が、ある一人に合コン相手の女性達をカッさらわれてヤケ酒を煽っていた。



「でも、エルクが居るって言うと女の食い付きが良いんですよ~」

「馬鹿言え、そういう奴は俺達にこれっぽちも気はねぇよ」



女性達に囲まれてただ一人のハーレムを築いていた男の名はエルク・ハウゼン。


実力主義の第一騎士団第一部隊隊長という優良物件である。


その見た目は青味の掛かった髪が艶めかしく、月のような金色を帯びたタレ目は柔和ながらも知的な光を宿している百人が百人色男と言う程のイケメンだ。


さらに騎士ならではの引き締まった体躯も押し倒されたいと老婆までも押し寄せる始末である。


そんな彼は周りでキャッキャウフフと微笑む女性陣を他所に店内をじっくりと吟味していた。



(微かにクラウの臭いがする。裏取引場所は此処で確定か…)



この世界には神力と魔力というものが存在する。


神力とは治癒や結界といった人々を庇護する力。


魔力とは力により人々を納めることのできる魔法の根源であると言われている。


しかし、そんな力を悪用しようとする者はもちろん存在する。


そんな輩が放つ魔力はドロドロと粘着質で攻撃的な臭いを放つ。


それをクラウという。


そんなクラウを感じることの出来る人間は限られており、それがエルクという男だった。



「…今夜、君の時間を僕にくれないかな?」

「えっ…?わ、私で良ければエルク様の…その…ご慈悲を…♡」



スマートにハーレムの一人の手を取り指先にキスを落とすフリをする。


それはロマンチックな雰囲気を好む女子には堪らないシチュエーションだ。



「もう二件目行くからお前らは二人で行っちまえ!」

「そうだそうだ、色男はそっちでやってろ!」



同僚の騎士達が野次を飛ばしながら戻ってきた女性陣と酒飲みを再開する。



「悪いし、今夜は全部僕が持つから好きに飲んできてくれ」



それだけを言い残し、エルクと一人の女性は夜の街に消えて行った。
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